2016/06/22 のログ
ご案内:「落第街大通り」に松渓つばめさんが現れました。
松渓つばめ > 腿半分までのオーバーオールにロンT。頭は軽くまとめただけ。
落第街ではあんまり見ない格好の娘が、足取り軽く、実際軽々と、自然なステップで小走っていた。

腕には小さな茶色の紙袋。いつもの大きめバッグは持たず、腰のポーチに小銭と最小の紙幣数枚。そんな具合。
ルルルル変な歌を歌いながら、時々住人からの変な声を無視しながら。

松渓つばめ > それでも時々、勇気を出す方もいるようで。
「七万、いや九万で」「オッス買春のおっちゃん、今月は不景気?先月は15万だったじゃんもっと頑張ろうよ」
……と、名も知らぬ、顔見知り、のような全然そうでもない人にいつもの挨拶を返す。

つばめががここを歩いている理由は、その持ち物。
日用品時々武器、お気に入りのオイルライターだ。
それにデコる?と思わせるようなピンクのクリスタルビーズべったりにも関わらず実は意外なアンティーク品であり、島内では部品の入手経路が多少限定されている。

で、こうして時々一般学生が立ち入らない場所……という設定を越えているワケであった。

松渓つばめ > と、路地にカメラを移すと、そこには黒のパーカー、フードを被った息の荒い中肉中背の若い男。
その手には、一瞬バチッと光る危ない改造護身具。
明らかにつばめの足音を聞いていた。――あと、10歩。9歩。
ルルルル変な歌を続けているつばめは気づいていないようだ。危険である。

絶好のタイミングで男は飛び出し、手に持ったスタンガンを押し付ける。
が。
「トウッ!」
路地裏から飛び出して来た瞬間、つばめの反射神経はスタンガンを『危険ではない証』と判断した。
もっと危険な異能、魔術を持つ者ならば、スタンガン等に頼る必要は無いのだから。
だから安心して。
しゅるりと腕に巻き付くような動きから、鉄棒のD難度感覚でひょいっと躱して見せた。対ノーマル無敵は伊達ではないのだ。

松渓つばめ > 「はい、残念!にーちゃん踏み込み浅いよ、もっとトレーニングしないと!」
ふりむきざまに、思いっきり笑顔で凶撃の男に手を振った。屈託もない。
さすがの男もこれには苦笑とともに頭をかき、小さくヒラヒラとさせながら見送るだけだ。

報復?やろうと思えばいくらでも可能だけれども、ここは落第街。
学園都市の闇には闇のルール(不文律)があるのだ。
危険なことは住民通行人百も承知。だから自衛は当然。それは平和を貫く者も乱す者も無関係の人たちも。
つばめ、強者のムーブである。

松渓つばめ > 「これでライターいぢくれるわねー。ああでもヘタに部屋のなかでやったら夕陽ちゃん怒るかも。
――あの部屋ケッコー機械いじり禁止感あるもんね。
寮ならロビーのすみっことか借りてやればいいかな?」

と、そんなことを言いながら危険なエリアをタターッと悠々快適に突破してしまうのでありました。
一瞬色めき立ちかけた落第街は、また『やれやれ』とそれぞれの合法違法自由自適にやり始める。

ご案内:「落第街大通り」から松渓つばめさんが去りました。