2016/06/24 のログ
ご案内:「落第街大通り」に霧依さんが現れました。
■霧依 > ………世の中、一寸先は闇。
僅か数刻後の自分がどうなるかも分からない。
そう、全く分からない。
「参ったね。……いやまあ、いいんだけどさ。」
知り合いになったマスターに頼まれての、バー店員の真似事。
楽器をかき鳴らし、そろりと酒を運ぶだけのお手伝い。
本来ならば断るところだったのだけれど、この服を着ていた元の持ち主が思い切り転ぶ姿を見てしまったものだから。
「………マスター、曲というか、楽器は何でもいいのかい。」
少しだけ困った表情のまま、そう呟く。
踊り子の衣装は上半身は胸元以外は露出していて、多少涼しい。
口元を覆うヴェールから、何処の誰かはわかりにくく。
■霧依 > 「仕方ないな。………次の人が来るまでの間だからね。」
しっかりと言い含めておいて、……アコーディオンを静かな音色で弾き始める。
何処で習ったのかと言うマスターの問には、いつも通りの笑顔で、昔の男さ、と答え。
そのバーの色合いを物憂げな、切なげなものへと変えていく。
この場所としては静かな酒場。
飲んでいるのは、何かしら悩みを抱えていたり、愚痴を零している人間ばかり。
ご案内:「落第街大通り」に金良 楽さんが現れました。
■金良 楽 > 「やぁマスター、元気にしてる?」
静かで、どこか憂鬱な酒場に、呑気な声をした男がはいって来る。
どうやらマスターとは知り合いらしい。
「近くに来たから久々に寄ってみたんだけど」
背中にはギターケースを背負っており、足元にはトラ猫が一匹。
猫はすんすんと店の中の匂いを嗅いで、少し顔をしかめた。
■霧依 > かき鳴らす音色はそこそこの腕前。
手先が器用な女は、ひらりひらりと腕を揺らして………新しい客がやってきてしばらくしたところで、音が止まる。
「やあ、いらっしゃい。」
マスターが注文を受けて引っ込んだところで、すい、と現れる。
踊り子の扇情的な衣装を身に纏い、先程まで楽器を演奏していた女だ。
………猫にも、やあ、と穏やかに手を振って目を細める。
■金良 楽 > 「どうも……新しい踊り子さん?」
店の空気とは裏腹に、どこか明るい雰囲気を漂わせながらカウンターに付く
「マスター、ファジーネーブルを一つ
それと、相棒にミネラルウォーターを」
足元の相棒は、楽の座った椅子の隣に飛び乗り、行儀よく座っている。
■霧依 > 「………代役だよ、代役。 本当の踊り子は怪我をしてしまったから。
だから、踊ることはとっても下手さ。
楽器をちょっと鳴らして、注文を運ぶ程度の女だよ。」
明るい雰囲気の相手に微笑みをこちらも向けながら、しゃなりと足音をさせずに歩いて、そっとミネラルウォーターとファジーネーブルを差し出し、ことん、とカウンターに置く。
「………一瞬、次の人が来たのかと思ったんだけれどもね。
演奏か踊りができる人を雇っているようだったから。」
■金良 楽 > 「代役、ね」
運ばれてきた品物にちびり、と口をつけながら答えた
隣ではトラ猫がちびちびとミネラルウォーターを飲んでいる。
「楽器なら、見ての通り僕も持ってるからね……
ま、ここで演奏させてもらった事も何度か、ね」
島をぶらぶら旅する彼は、こうやって金を稼ぐことも珍しくはない。
「どうせなら、僕も演奏しようか?」
■霧依 > 「………それがいい。 付け焼き刃の僕よりも、もっともっと良い演奏が聞けそうだ。
…ただ、隣で僕が踊るというのなら、それは少しつらいけど。」
苦笑を浮かべながら、じゃあ、お願いできるかい? と尋ねる。
ヴェールの中の口元が穏やかに微笑みを浮かべて、……その上で、ん、と少し思いとどまる。
「………見ての通りこんな格好で仕事をしているわけで、持ち合わせは無いんだ。
お礼は肉体労働になってしまうけれども、それでもいいのかな。」
ウィンクを一つしながら、少し甘い匂いをさせつつ。
■金良 楽 > 「おや、そういうつもりじゃなかったけど……
でも、女性からの誘いを無下にするほど、僕も野暮じゃないよ」
彼もそういった欲、さらに言えばそれなりの経験も持っていたので、取り乱すようなことはなかった。
ただし、横の相棒はややあきれ顔ではあったが。
「じゃあ、選手交代という事で」
くるりと向きを変えると、ギターを取り出して軽くチューニングをする
「……これでよし、と」
「では、金良 楽、不肖ながら、弾かせていただきます……なんちって」
そう言ってギターの弦を弾きだす、流れる音色は店の雰囲気とは裏腹に
どこか楽しげな音楽だった
■霧依 > 「ああ、交代だ。
ありがとう、そんなに僕はレパートリーが無いから、助かるよ。」
穏やかにいいながら、ウィンクを一つ。艶やかな踊り子が客席に座って、やってきた客をステージに上げる不良店員。
猫ちゃんは怒らなければ、耳の後を静かに撫でてやろう。
「…………明るい曲だ。 嗚呼、なるほど。」
最初は違和感を覚える。
このバーにいる人間には不釣り合いな、陽気なテンポ。
……でも、だからこそと言うべきか。 人はそれに耳を傾け、身体を起こし始める。
■金良 楽 > 「音楽には力があるよ、人の心を動かす力がね」
霧依が違和感を感じたことに気づいたらしく、片目を開いてうかがいながら話す
「まぁ僕の場合、他にも種があるんだけど……」
彼は人の感情を動かす異能の持ち主であり、演奏と合わせれば
その場の空気を変えることくらいは簡単なことだ
■霧依 > 「……なるほどね。音楽を主にしている人には、やはり僕じゃあ敵わない。」
小さく呟く。 明るく前向きになれるそんな曲を聞けば、次第に愚痴は消えて、注文の声が響き始めて。
「……しまった。 そういえば僕が店員だったな。
ちょっと行ってくるから、そのままお願いしておくよ。」
なんて、ウィンクを一つ落として注文を聞いて、せわしなく動き始める。
異能のことになど気がついてはいない様子で。
■金良 楽 > 「音楽はいいねぇ……リリンが生み出した……なんちって」
どこぞの有名なアニメのセリフを呟きながら、曲を演奏する。
せわしなく動く霧依を見ながら、軽妙なメロディを紡ぐ
「やっぱり、せっかく酔うのなら明るい空気に酔いたいよね」
■霧依 > 「それは分かるよ。
ただ、僕はどうにも明るい曲は手持ちに少ないから。
だから、僕を演奏手として雇うのはやめなよ、ってマスターに言ったんだけれどね。」
苦笑しながら、ひらりと客と客との間を滑り抜けて、注文をマスターに通す。
ついでに文句も一つマスターに通しておこう。
「明るい空気に酔える店は、僕が見る限りは少ないから。
こういった店は……こういった空気はきっと、貴重な物なんだろうね。」
ゆうるりゆるり。一通り注文が終われば、す、っと座ってまた曲を聞いて。
■金良 楽 > 「そうでもないと思うよ?
ありがちな言葉だけど、気の持ちようで変わるものさ」
少しにぎやかになった店内を眺めながら答える。
やがて店内の空気を塗り替えた曲も静かに終わりを迎えると
「さて、一曲終わったところで何かリクエストは?」
ギターを構えたまま、店内に投げかける。
■霧依 > 「そうだといいね。 僕も明るい曲を練習してみようか。
ここまで明るく活気を溢れさせることはできないかもしれないけれど。
……気の持ちようで変わる、か。 なるほどね。」
リクエスト、という言葉に周囲を見回すも、特に声は上がってこない。
そうだな、と小さく声を漏らして。
「ちょっとまだ明るいけど、ムーディーな音楽でもいいんじゃあないかな。
この格好に似合うような、ね。」
なんて、ウィンクを贈ろう。
■金良 楽 > 「そうだね……じゃ、情熱的にタンゴでも行こうか」
ウインクには頬笑みで返し、店内にそう告げる
やがてタンゴのメロディーが流れると、店の中の空気も
再び少しづつ、どこか熱っぽい物に変わってゆく。
「南米の辺りの情熱的な空気はいいよね、一度は行ってみたいよ」
■霧依 > 「その昔、……行ったことがあるよ。」
ゆるうり、ゆるり。
苦手と言っていたステップを踏んで、ウィンクを送りながら、しゃなり、しゃなりと踊る。
踊りなど、随分と久しぶりだ。
タンゴは、誰ぞと踊った記憶がある。 その記憶を掘り起こしながら、優艶に身体を反らし。
「………歩くには、ちょっと危ない国だったけどね。」
くすくすと思い出し笑いをする。
■金良 楽 > 「おや、そうだったのか……
いいね、外国、僕もいつかは行ってみたいんだ」
元々、放浪癖のある彼は度々海外へ行く事を夢見ていた。
それはイタリアであったり、アメリカであったり
はたまたブラジル、オーストラリア、ケニア……
彼の海の外への思いが重なるかのごとく、ギターの音色も熱を増す
「いつか再び行くなら、ボディーガードにでもなろうか?」
そんな軽口をたたく余裕はあるようだが
■霧依 > 「いいよ。なかなかに面白くて。
いろいろな違いが分かるけれど。」
相手の言葉に思考を飛ばす。
どんな場所にも立ち入って、ゆるゆると旅を続けてきた女。
おそらくは、同じ匂いがするのだろう。
相手の言葉にくすくすと笑い。
「そうだな、また出かけるとしたら。
でも、僕は今のところこの島が面白くて仕方ない。
外の世界をいくつもいくつも見ているように、毎日模様が変わるこの島が。
この島を歩きつくしたら、また外にでも出ようと思うさ。」
■金良 楽 > 「確かに、この島もなかなかいいよね
少し物騒な部分もあるけど」
異能者や異世界の者、はたまた魔術
そういった物を一緒くたにしたこの島では
時折、裏組織の噂や、物騒な事件を耳にする
「でもそれ以上に面白い、毎日何が起こるか分からないからね
スリル……とは少し違うかもしれないけど」
「たまにのんびりしたいなら、野宿もできる」
■霧依 > 「ああ、そうだね。 おかげで3回は死にそうな目に遭った。
3回で済んでいるんだから僥倖、僥倖。」
くすくすと笑う。
怖いものは怖いし、痛いものは痛い。
だけれども、それを超える魅力がこの島にはあるようだ。
「………それもある。
野宿は2回したけれど、静かでとても気分がいい。
夜の空も、ここは綺麗だからね。」
……時にはこんな衣装を着て、踊ることもあるけど、と苦笑を浮かべた。
■金良 楽 > 「そうそう、特に山の木々の間から見る星空は格別さ
……言ってるうちに、また見たくなってきたなぁ」
タンゴの曲も静かに終わり、ふとつぶやく
「さて、結構いい時間になっちゃったね」
隣を見れば相棒のピートはすっかり丸まって寝ている
「どうする?」
霧依に片目をつむって尋ねた
■霧依 > 「僕はマスターに終わりの合図を貰ってから帰るさ。
お礼は………何がいいか聞いてないなぁ。」
くすくすと笑いながらウィンク一つ。
流れる雲のような女は、この格好でも変わらぬスタンスで、ふわりふわりと店の中。
タンゴのリズムで踊り、艶めいた視線を投げかけながら。
いや、普通の学生ですし、本職では無いんだけれどもね。
「また決まったら、教えてもらおうかな。」
■金良 楽 > 「ああ、次に会う時までに考えておくよ」
ピートを連れて店を出る、ドアを閉める際に一言
「じゃあ、また」
ご案内:「落第街大通り」から霧依さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にバラルさんが現れました。
■バラル >
今日は何をして遊ぼうか。遊びのための策を考えながら路を歩んでいれば、
バラルにとって見覚えのある少女が視界の隅を掠める。
「――ッ」
角を曲がったのだろう。振り向いて確かめようとしてもその姿は無かった。
黒い髪、赤い瞳。
そして何より忘れぬあの顔――
「……鏡花ハルナ。」
水月エニィと呼ばれるものの姿を認めて、
怨敵を呼ぶような重く緊迫した声で独り言つ。
■バラル >
それこそ彼女が存在する事が不思議でならないような顔で立ち尽くしていたものの。
諦めめいいた調子で首を振る。今は考えても仕方ないと。悪戯を思索すれば、愉快そうに口元を歪め――。
「――今日は軽めにしようかしらねぇ?」
ポケットから何かを取り出す。
それは黒い果実のようなもので、軽く落とせば地面に溶け込む。
薄い染みとして、落第街の地面に紛れ込むだろう。
それを幾つか、落とす。
「これは心がカエルさんになる呪い。
これは身体がバニーさん。
これは狐耳の幼稚園児にしましょう。最後のこれは……アレにしましょう。」
踏んだものに呪いを与えるトラップの類。
簡易的ではあるが実行力が高く、1週間は持続する類のもの。
間接的なものでこれだけ呪えれば重畳だろう。
「仕上げに財布とお金とダミーのスマートフォンを散らばらせて――
――後は隠れて人が来るのを待ちましょう。」
罠の上に餌を落とし、こっそりと自販機の陰に隠れて様子をうかがう事にした。
誰かが罠に掛かるだろうか、あるいは征服しがいのある遊び相手が伺えるだろうか――と。
看破されるなら直接出向いて遊ぶだけの話だ。
ご案内:「落第街大通り」に松渓つばめさんが現れました。
■松渓つばめ > 落第街へ行くときは目立たない格好、というのがセオリー。
が、それでも目立ってしまうのは、彼女がダーク系の服をまともに持っていないからだった。
それで今回もオーバーオール姿。一応Tシャツは黒系だ。
「あー、まさかの常世で取り寄せとはね。なんでも揃うがモットーじゃなかったのかしらあのモグリ」
何かお買い物にきていたようです。
■バラル > 大通りと言えど比較的人気のない所を選んでいる。
その方が遊ぶには都合が良いのだが、中々思う様に人が通らず、通っても気付かず踏まぬものばかり。
(釣れないものねぇ――)
と思っていたら、やけに堂々とした少女が目に入る。
身なりや態度から裏の住人には思えぬが、それであの振る舞いをするのだから自身はあるのだろう――。
などと考えつつ、自販機の陰から様子を伺っている。
■松渓つばめ > 「ま、少し安くなるように約束取り付けたし、オーケーオーケーかな」
本当はそう頻繁に通りたい所ではないが――「お?」
奇妙を覚えて立ち止まった。
サイフに――お金に――スマホ?
何故か大量の落し物だ。あやしい。いくらなんでも数が多い。
さらに、気づけば拾うのが落第街の常識。
「ハッハーン、これは――」これは?
「どっかに隠しカメラがあって放送部の連中が!」と、周囲を指ぐるっと指して回って、何もない。
建物の中も。上も。不思議な事に、『何もなければ誰もいない』
自動販売機の辺りも視たものの、気配もなにも――
「こういうときは」 あ、無視します?「お金ね。他は何が仕込まれてるかわかりゃしないわ」
即断で拾いに行くのである。
■バラル > (気づいてないの)
何処かに向けてカメラ目線を向けている彼女をこっそり眺める。
何か妙な気配配りをしていたものの、特に気にしない事にした。
――さて、お金を拾おうとすれば順当に罠を踏む事になるのだろうか。
気付いて留まるも有り得る、気付かず踏むも有り得る。
伏せられたトラップは、さて、何だったか。
(くくく、さぁ拾いなさい――!)
■松渓つばめ > 見れば普通の紙幣数枚。しゃがみ、指先で触れ。
一瞬「待てよ」と思い直すが、それもほんの僅かな間。
(偽札だったら透かしが無いとかナンバー同じとか……)
拾い上げ、持って帰って大丈夫なのかを確認――
■バラル > ――ヴン、と音が響く。
物理法則に因らない何かしらの呪いの術式が作動する。
瞬時に身体に黒いものが纏わりつく。
抗うのならば物理的な作用ではなく魔術的な作用が有効かもしれないが――
――もし、まともに受けてしまえばその頭には狐耳が生える。
加えて、装いが幼稚園児の着る様なスモックへと変貌する。
ボタンも継ぎ目も見つからず、物理的に脱ぐ事は困難を極めるかもしれない。
■松渓つばめ > 「わぶっ!?何々一体何ッ!?」
ほぼ、思いっきり受けるまで集中していて気づけなかった。
地面から立ち上る何かが全身を捉え、いまさらながらにうわうわうわと転げまわって。
「ケフ……なんだったのよコレ」呪いの霧が晴れた中に、はっきりしない頭を揺らし、座り込んで……
何だか服の首周りがキツイというかゴムっぽいような。
■バラル > 「くくく、あっはっはっ――!」
自販機の陰から出てくる少女が一人。
お腹を抱えて笑いながら自販機を叩く。
「すんなり嵌ってくれるなんておバカさんねぇ。
最高に可愛いわよぉ、今の貴方。……ふふ、後は美味しく頂こうかしら?」
高揚した口ぶりでしゃべり続けながらつばめへと近づく。
東洋のものではないが、魔術魔法の心得があるのならば濃い程に呪いや魔力が読み取れるだろう。
■松渓つばめ > 自分の姿を知る前に、笑い声に怪訝な顔を向けた。
「はぃ?――今のヘンな黒い霧あんたのせい?
最高に可愛いのなんて解りきってるんだけど?」
出てきたのが自分と同年代の娘――どうも魔力は高いようだが――と思うと、取り敢えずイタズラの文句を返す。
座ったままではイマイチなので、元から出しっぱなしにしていた膝に手をついて立ち上がり、手を腰に――「あれ?」デニムのハズの服はやたらとフワフワしている。
■バラル > 「はっ、まぁ良いわ。」
返す文句を鼻で笑い、跳躍して自販機の上に立つ。
「風紀の制服でもない。公安にも見えない。どうせ血が余っている腕白でしょう。
精々この魔王バラルの恐ろしさをその身に刻んで逃げ帰りなさい――《穿け魔闇》!」
単純な句を紡ぎ、闇色の魔槍を顕現させる。
それはつばめを精確に狙い、矢の如き速度で迫るか。
■松渓つばめ > 「アァ・・・っ!?なぁにいきなりケンカ売ってきてんのよ、カッコで括って同類項!――その値で買った!」
結んでいない髪は彼女の動きに踊り、獅子のごときシルエット。
獰猛な笑みを浮かべ、ダンッと地を蹴る。前方十字宙返りで飛び越えると、
「動きにくいと思ったら何よこれっ!!?本土の幼稚園児みたいな格好じゃない!?ってか」
ちょっとタイム、とスモックをめくり。「パンツまで!何かモコモコしてる!あんたの趣味!?」
他に何かヘンなことしてないでしょうねー!と自動販売機の下までツカツカと歩み寄って。警戒よりも『ケンカ』に意識が行っているのか不明な相手に臆さない。
■バラル >
「くくっ、貴方の趣味にしか見えないわね――!
――《滅びの風よ》!」
見下しながら魔を込めて術を呼ぶ。
触れた者の生命力を削ぐ類の暴風を巻き起こし、つばめを襲った。
■松渓つばめ > 「なによそのごまかしは――あいたぁ…っ!?」
黒い風に吹かれると、それだけで体の力を奪われるような気がしてくる。いや、気のせいでは無い――?
「ワケのわからないったら……!」
スモックにされた服から転げおちたライター。それだけあれば。
己の異能を炎に食わせ、巨大化させた火。それによって風――木の術を喰らう。
炎を腕にまとえば、風は腕にある炎に巻かれて空へ逃げた。
もちろん「返すわよっ!」異能の飛ぶ方向、つまり炎の向きを変えれば・・・
■バラル > 「――温いッ!」
身構えて一つ溜めた後、全身から魔力を放出する。
闇を帯びた衝撃を以ってして、力技で炎を伏せた。
「《風よ覆え》《凍り付け》――!」
二句を発し、魔術を遣う。
――五行に分類するのならば水と木の合成術だろう。
一瞬にしてつばめを纏う空気が凍て付くそれとなるか。
■松渓つばめ > 「あんたそっち(五行の方)も――」
魔術戦に集中したのがアダとなったか。己が狙っていたのは火を目眩ましにした追撃。
そのためにこっそりと水を荷物から取り出し、異能の影響を与えて自分の周りに漂わせていたのだ。……相当量。
魔術を食らうと水は凍りつき、その流れる動きそのままに、大地に突き立った。
「ゲンコツなら負ける気はなかったのに……で、一体何なのよあんたはー。
人を幼稚園児っぽくするし、ケンカ売ってくるし」
全身を霜柱でガリバー旅行記にされながらも、頬を膨らませて半眼だ。
きつねの耳をバッタバッタと動かすも、その存在には気付かず・・・