2016/07/18 のログ
ご案内:「落第街大通り」に比良坂 冥さんが現れました。
比良坂 冥 > 日の暮れかけた歓楽街…と落第街の境目
丁度近くに街頭のない暗がりにぽつんと少女が立つ

此処はいわゆるセーフポイント
歓楽街と落第街、両方に用のある人間は此処の"使い方"をよく知る

すなわち、落第街の違反部活や二級生徒を買いつけ、歓楽街のホテルで事に及ぶ
都合の良いエリアなのである

「………」

少女はくるくると指先で髪を弄ぶ
特に待ち合わせがあるわけではない
張った蜘蛛の巣に、獲物がかかるのをじっと待っているのだ

比良坂 冥 > 『ねえキミこんなとこで何してんの?一緒に遊びいかない?』

三人組の青年…と呼べる年齢だが似つかわしくない汚らしさ
近寄ってくれば趣味の悪い香水の匂いが香る

まずは品定め
話しかけてきた男は平均以下、若いので体力こそは有り余っていそうだ
奥にいる男は問題外、歯抜けの間抜けな面は見ているだけで苛立ちを覚えた
反対側にいる男は、少し気弱そうだ。調理の仕方によっては美味しく化けそうだ

「……いいけど、ただ遊ぶだけ?」

じ…と男達を見据える

比良坂 冥 > 男の視線が、大きく開かれた自分の胸元に集中しているのも知っている、が
どうにもこの3人は連携が悪い
こちらが乗り気だと知るやいなや、誰が連れて帰るかで揉め始めた

「(……3人でならと思ったんだけど)」

その点では大きく期待外れであった
こんな男1人程度では満たされる気がしない
3人いればまだ…と思ったのだが

小さく溜息をついて、揉め始めた男達の元をそっと離れてゆく

比良坂 冥 > 『おい!何処いくんだよ!』

さっきの男と一緒にいた…歯抜けの男
汚らしい大声を背中へと投げかけてきた

…今日はついていない
もう少し自分を満たしてくれそうな相手が来てくれていたら

ふつふつと
心の奥に湧く、ドス黒い煮えた泥のようなものを感じる

「………だるまさんが、ころんだ」

ぼそ、と呟きながら背後を振り返る
冥と目のあった男は、賭け出した姿勢のままに静止する
……何か喚こうと必死に目を見開いている、どうやら声すらも出ないようだった
やがて、顔が青く
その呼吸さえも、出来ずにいるようだった

比良坂 冥 > 慌てた、仲間である2人もその男に駆け寄り
冥の視界に入るとその動きが静止する

頭の程度は悪いであろう彼らも常世の島の住人
今自らの肉体に起こっている現象が何によるものなのかは理解したのだろう
こちらへ向けて、恐怖の色に染まった視線を向けていた

「………」

最初の男が白目を剥いた
同時に、再び小さな溜息をついて踵を返す
背後から何やら声が聞こえる

3人は、冥の視界から外れると束縛が解けたようであった

比良坂 冥 > 「……容姿かお金か、どっちかは持って女の子を買いにきなさいね」

視線は向けずに、小さくそう吐き捨てて
もう少しだけ明るい場所へと移動する

こちら側はもう歓楽街というよりは文字通りの落第街のエリア
肌を撫でる空気から、変わって感じるものであった

「(……居心地いいな)」

ご案内:「落第街大通り」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 落第街を歩く男。
例の薬の件を調べる為、落第街のいくつかの端末を巡り、情報を調べているのだが……

「成果ゼロ、ねぇ……」

はぁ、と溜息を吐き。
まったく、どうするべきか。
所詮、落第街とのかかわりなど、一般人に比べ少しばかり深いくらいである。
深淵部分を除くのは手に余るというものだ。

とぼとぼと歩いていると、少し大通りから逸れたか。
やれやれと戻る道を探し

比良坂 冥 > 建前上の保護観察、女子寮へはほぼ強制入居だった
…あそこは居心地が悪い
なるべく帰りたくないので、適当な男を捕まえて宿をとらせるのが良い

それも、見つからない時があるのだけれど

「……今日は外れかな」

呟きながら、踵を返すと───

はた、と一人の青年と対面した

「……」

特に挨拶をかわすほどでもないと思い、通り過ぎようとする

烏丸秀 > はた、と一人の少女と対面する。
咄嗟に烏丸の悪い癖が動き出す。

容姿……かなり上物
シチュエーション……落第街を一人で歩いている。かなり危険。
勘……烏丸の勘は必ずと言っていいほど外れるので意味が無い。

つまり。

「――やぁ、こんな時間にこんな場所で、どうしたの?」

声をかける以外の選択肢、無し。
つくづく救いようのない奴である。

比良坂 冥 > 「……」
声をかけられ、足を止める
通り過ぎる予定だったのだけど

この区画にしては珍しく 整った 男の人だなと思った

声のかけ方もそう
その容姿もそう

「……一宿ついでに体でも売る相手を探してたんだけど。……買う?」

小さい声ながらもはっきり、奥面もなくそう言葉を発した

烏丸秀 > なるほど、そういう。
烏丸は女の子を買う事はほとんどない。
買うくらいなら、知り合いの女の子に声をかければ済む話だからである。
が……

「……ふぅん、珍しいね? キミくらいカワイイ子が、売る相手探してるなんて」

固定客の十人くらいついてそうだけど、などと声をかけながら。
少しの間考え込み。

「ま、それじゃあどっか先に食事でも行こうか、ボクの奢りで。それで買うかどうか決めさせてよ」

興味が沸いた。
彼女が売れない理由。
さて、法外に高いのか、それとも何か別の理由でもあるのか。

比良坂 冥 > カワイイ、と評されればその目を丸くして、
まるで生娘のようにその視線を外してしまった

客は、いくらでも呼び込める
けれどもたないのだ
肉も、心も

「……別に良いけど、私あんまり食べないよ」

ぼそぼそと喋って、どうやらついていく気のようであった

烏丸秀 > 視線を外す仕草は、まるで生娘のようで。
――意外と、ウリを初めてから、まだ日が浅いのかもしれない。

「ん、いいよいいよ、何が食べたい?」

嬉しそうに言いながら、彼女の横に立ち。
レストランを検索しはじめる。


――蜘蛛の巣に捕まったのは、どっちだろう?

ご案内:「落第街大通り」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から烏丸秀さんが去りました。