2016/07/27 のログ
■龍宮 鋼 > そこらへんの異能に頼ってる雑魚と一緒にすんじゃねぇよタコ。
(目でタイミングを合わせると言う時点で不良共の格が知れる。
彼らが飛び出すタイミングに合わせ、こちらも地面を蹴る。
彼らがそれぞれの得物を振るう直前、飛び込んだ自身の拳を砂鉄グローブのヤツの顔面へ叩き込む。
ダッシュの威力と自身の体重と全身の力を全て拳へ集中させ、不良の後頭部を地面に叩き付けるように腕をぶん回す。
当たろうが当たるまいが関係なく、避けられたとしてもその動きは変わらないだろう。)
■竹村浩二 >
不良の頭が地面に叩きつけられる。
その拳、まさに天衣無縫。
虎が生まれた時から虎であるように、絶対強者に人間が考えなしに挑んで勝てるものではない。
そして相手が攻撃行動に出たタイミングで空を切った鉄パイプとナイフ。
二人の顔が青褪めて、鉄パイプを持っていた不良が足を止める。
『死にさらせ!!』
ナイフを持った不良が腰溜めに構えて少女の腹を刺しにいく。
全体重をかけて、殺す気で刺しにいった。
■龍宮 鋼 > (不良を二人始末し、ゆっくりと上体を起こす。
残る二人も殴り飛ばそうと振り向いたところで一人が飛び込んでくる。
特に防御行動も取らず、そのナイフが腹を捉えた。)
っ。
(よろり、と後ろに一歩よろめく。
流石に男の力と体重で体当たりのようにぶつかられては身体もズレる。
ナイフもしっかりと腹を捉えているのだが、切っ先が二~三センチほど埋まっただけだった。
半分は人とは言え、鋼龍の表皮はそうやすやすと貫けるものではない。
男からすれば、分厚く堅いゴムの塊にナイフを突き立てたような感じを受けただろう。)
――ってェなボケェ!
(そのままショートアッパーを男の顎へ。
ショートアッパーとは言えしっかりと腰を入れた一撃。
喰らえばその身体は一メートルほど、浮く。)
■竹村浩二 >
「!!」
確かに見た、殺意に満ちたナイフでの刺突を。
不良がよっぽど練習したのか、堂に入った動きで突き出した刃物が。
少女は凶刃を受けたのにほとんど刺さらなかった。
異能ではない?
彼女の瞳は確かに爬虫類のような虹彩を持っている。
ならば、理由は明確。
そういう命なのだ。
そういう風に生まれたのだ。
竹村は息を呑んだ。
『うぼ』
ナイフを刺したまま不良は空中に浮いてきっちり1回転半して地面に落ちた。
顎が砕けたのは当然として、あの調子ではしばらく流動食コースだろう。
残った鉄パイプを持った不良が震えながら得物を落とす。
「か、勘弁してくれェ……!」
半泣きで降参の意志を見せた。
■龍宮 鋼 > (もし外したらとかカウンターとか、そんなことは一切考えず、全力で腕を、いや全身を振りぬく。
身体はしっかり伸びきって、その拳は天を突く勢いで振り上げられている。
当然不良の顎のことなんて一切考えられていない。
冷めた目で半泣きの不良を睨み、ポケットに手を突っ込んで歩み寄り、見下ろす。)
俺ァテメェらみてェな三下相手に遊んでるほど暇じゃねぇんだがな。
俺の目の届く場所で弱いモンイジメしてたテメェらの不運を恨め。
(ドスの聞いた声でそう告げたあと、脚をゆっくり振り上げる。
鉄板を仕込んだブーツの裏を思い切り男の顔面へ叩き込む。)
■竹村浩二 >
顔面が拉げた不良が後ろに吹き飛んで頭から地面に落ちる。
彼の鼻の骨がどうなったのか、想像したくもない。
どこからか水の入ったペットボトルを取り出すと口を漱ぎ、赤黒い液体を吐き出してから煙草を咥えて火を点けた。
「畜生、メンソールだから染みるじゃねぇか……」
「悪いな、ヒーローごっこさせちまってよぉ」
その場に座り込んだまま青空を見上げる。
世の中、悪いことが続くことはある。
ただ、悪いことにもっと悪いことがぶつかってくることだってある。
これも人生か。
「しかしヒーローごっこ……ヒーローごっこねぇ…」
「いや、なんでもない。助かったよ、俺は竹村浩二。あんたは?」
近くの壁を頼りに立ち上がり、自分の体の負傷を確かめる。
「ナイフ、刺さったままだが。医者呼ぶか?」
■龍宮 鋼 > (死屍累々、と言った感じの不良共には、もう興味も無い。
視線をリンチされていた男へと移す。)
全くだクソ。
俺のシマでリンチなんかされやがって。
そのまま死んでりゃ良かったんだ。
(男の身体を労わるどころか、死ねなんて言葉さえ飛び出す。
弱い――と自身が判断した――相手にはとことん辛辣なのが龍宮鋼だ。
何かを失うのは弱いからで、何かを奪われるのは弱いのが悪い、と言う考えがその言葉から透けて見えるだろう。)
あぁ?
俺を馬鹿にしてんのかテメェ。
――龍宮鋼。
(ヒーローごっこと繰り返す男に、あからさまに不快な表情を向ける。
それでも名乗られたのなら名乗り返すぐらいの礼儀は持っている。
「弱いヤツ」には馬鹿にされても襲われなければ殴りかからないのだ。
弱いモノいじめは隙じゃない。
続く言葉に、不要だと言うようにナイフを引き抜く。
血が垂れるが、止血が必要なほどではない。
ベキリ、と片手でヘシ折り、投げ捨てる。)
■竹村浩二 >
「……死ぬこたぁなかったよ。ただ、所持金を失って明後日死んでたかもな」
首の辺りをぼりぼり掻く。
乾いた血が爪の間に入って何とも気持ちが悪い。
「へへへ、そういうなよ大将」
「次からはもっと気をつけて歩くさ……犬の尻尾も踏まないし、空想上のカミさんが産気づいたりもしない」
「もっと言えば、パチンコで負けないことかな」
一方的にまくしたてて空に向けて紫煙を吐く。
「バカにしてねぇよ。どっちかというと自嘲だ」
「龍宮鋼か……良い名前だ、いかにも筋金入りって感じの」
ナイフを目の前でへし折るのを見てぶるると身震いして。
「おお、怖。俺だったら泣いちゃうね」
頭を触って顔を顰める。切れて血が出ているし、コブもあった。
「全く、首から上だけが自慢なのにバカになったらどうしてくれんだ」
そういって意識のない不良たちに人差し指を向けた。
「罪のない用務員をよってたかっていじめやがって、反省しろ反省」
そう言うと血と惨劇の場でのん気に煙草を吸った。
■龍宮 鋼 > ……バカじゃねぇのかテメェ。
(彼の言うことはさっぱりわからない。
何故彼が不良共にボコボコにされていたのかは分からないが、きっとバカな理由なんだろうなと言うのは分かった。
そしてそれを隠すことなく口に出す。)
あ?
テメェヒーローごっこなんかしてやがんのか。
弱ェ癖に。
(自嘲、と言う言葉からそう見当をつけて。
だが不良四人にボコボコにされていた程度の腕っ節でどうやってヒーローごっこが出来るのだろう。
出来る事といったらせいぜい今のように誰かがイジメられている場面に飛び込んで、代わりにタコ殴りにされることぐらいだろう。
理解出来ない、と言った顔。)
――テメェでやったんだったらカッコウも付くんだろうがな。
(負け犬の遠吠えにしか聞こえない。
力の抜けた呆れ顔で煙草を取り出し火を付ける。
ジャケットをめくり、脇腹の辺りが赤く染まったTシャツを見て、溜息。)
■竹村浩二 >
「ひでぇな、頭はいいんだぜ? バカであることと矛盾しないけどな」
「あんまり頭を殴られると脳細胞が死ぬらしいからその点でもあんたに感謝しないといけない」
肩を竦めて財布の中身を見る。
パチンコで負けた後だからどうせ取られても数千円だった。
でも、何とかなったからいいや。
鋼の言葉に、寂しそうな表情を浮かべた。
子供が親の愛情を欲しがるような、そんな表情だった。
「……そうだな。ヒーローは……俺にはきっと似合わねぇ」
そう言って携帯灰皿に灰を落とした。
中には煙草という有機物が真っ赤になった後の燃えカスが、いっぱい溜まっていた。
「あーあ、シャツに血がついてるな……悪い、すまねぇ、ごめん、勘弁してくれ」
そして煙草を吸い始めたのを見て、ひゅう、と口笛を吹いた。
「その年でサマになってるコト」
「俺ぁ煙草を自然に吸えるようになるまで2年……いや、3年かかったよ」
荒んだ瞳で空を見ていたが、煙草を携帯灰皿に入れて。
「おポリスにお捕まりになるのはご御免だ、俺は行くよ」
「じゃあな、龍宮鋼」
脇腹を押さえて男は立ち去っていった。
ご案内:「落第街大通り」から竹村浩二さんが去りました。
■龍宮 鋼 > こんなトコウロウロしてこいつらにボコられてる時点で充分バカだ。
(少し頭が働くまともなヤツなら落第街はうろつかない。
つまりこのあたりをうろついているヤツは頭がおかしいヤツか、バカなヤツのどちらかである。
そして自分は前者だ。)
――ヒーローごっこなんざ割に合わねェぞ。
(寂しそうな表情を見て少し黙る。
その後諭すような言葉。
こんな街でヒーローごっこをしたって、得るものなど何も無い。
まだ表の世界でまともに働いていた方がよほどヒーローだろう。)
別にどうでもいい。
こんなもんサマんなったって仕方ねぇし。
次はねェからな。
(立ち去る竹村へそんな声を。
次は助けないと言う意思表示であり、もう此処には来るな、と言うメッセージでもある。
それでも彼は来るのだろう。
「弱いヤツ」だが、自身と良く似た裏のにおいを感じたから。)
■龍宮 鋼 > (しばらくその場で煙を吐き出す。
自身が叩きのめした男たちは眼を覚ます気配も無い。)
――弱ェヤツぁ、嫌いだ。
(呟く。
その辺に転がっている不良たちに、でははい。
さっき自分が助けた男でもない。
自身が今までぶちのめして来たやつらでも、そいつらに食い物にされていた連中でもなくて。
ずっとそう口に出してきたのは、他でもない――)
――ッチ。
(煙草を投げ捨て、歩き出す。)
ご案内:「落第街大通り」から龍宮 鋼さんが去りました。