2016/08/04 のログ
■高峰 司 > 「ち、ぃ……!」
精霊であるノームはともかく、前鬼後鬼は式神系。よって毒には耐性がある、はずなのだが。
「(式にすら侵食する毒かよ、シャレになんねぇ!)」
式術で構成されている肉体が崩壊しつつある……相当強く、特殊な毒なのだろう。
ノームは、まだ大丈夫だ。自身の属性である土と、得意属性の水の複合である毒には、耐性がある。強化分である程度持ちこたえられるだろう。
だが、前鬼後鬼はダメそうだ。故に。
「クソ、戻れ!」
送還。
体が崩壊する前に送り返して保護。
だが、このままだと自分も、周囲の人間もマズい。
周囲は割とどうでもいいが、なんとなくそれでも、周囲の人間を守ろうとしそうな親友の顔が思い浮かび……。
「来い、ラミア!!」
ラミアを召喚。
ラミアは魔術使いの蛇であり、蛇であることから毒の扱いには長けている。
「ラミア、この毒なんとかしろ!」
『はいは~い。後で宝石ちょうだいね?』
毒を中和する魔術で、ヴェノム・ハザードを出来るだけ中和しようとする。
とは言え、基本的な能力でラミアはマーリドに劣る。
ノームが持ちこたえて抑えているとはいえ、どこまで通じるだろうか。
■大沼由良 > ヴェノム・ハザードは毒であって毒ではない。
元素術の概念――停滞を意味する『土』と、流動性を意味する『水』。
これにより、概念を侵食しているのだ。
すなわち、形を流動化させると同時に、流動化した流れを停滞させ淀ませる。
腐らせる、という方が正しいか。
「――手数は随分増えていますわね」
高峰の家で見た時よりも、手駒が格段に増えている。
己の長所を徹底的に伸ばす事。なるほど、やはり高峰の召喚だけある。
ラミアの中和により、それ以上被害が増える事はないだろう。
魔神の力を借りているとはいえ、術式は人間である由良がくみ上げたものだ。限界はある。
それに、複合術式は加減が難しい。強すぎれば己に害を及ぼしたり、属性のバランスが崩壊してあたり一帯が吹き飛びかねない。
「では――ん?」
どうも、あたりの人間が風紀に通報したらしい。
さすがに広範囲の毒魔術を使用すれば、いくら落第街とはいえ出張ってくるか
「興ざめですわね」
ふぅ、と溜息を吐き
■高峰 司 > 「ち、そっちはそっちで面倒なことをしてきやがる」
広範囲攻撃は、実際司を相手取る時に正解である。
何故なら、召喚獣の手数に依存する以上、全部まとめて処理、が有効になってくるからだ。
ラミアで中和できなかったら、そのままじり貧だったかと思うと、ラミアと契約しておいて正解だったと言える。
周囲が騒がしいのでそちらを見れば、走ってくる風紀委員。
「は、オマエの招いたことだろうが。広範囲毒なんてモン使う方が悪い」
召喚は解かず、まだ由良を警戒しながら憎まれ口をたたく。
■大沼由良 > 「――いずれきちんとお相手いたしましょう、高峰司」
水の魔神に合図する。
魔神は由良を抱きかかえると、ずぶずぶと毒の地面に向かい、沈みはじめる。
「その時は、苦痛と屈辱、ありったけをさしあげますわ」
くすくすと笑いながら。
元素術士は地面の中へと消え去った。
ご案内:「落第街大通り」から大沼由良さんが去りました。
■高峰 司 > 「…………苗字なんだよ」
名前は由良らしいが、苗字を聞いていない。
間の抜けた質問をなんとなく投げてしまった後、自分もノームを送還する。
そして。
「ラミア、取り敢えず転移。アタシの部屋でいい」
『は~い、じゃあついでに宝石ねぇ』
「分かってるからさっさとしろ」
転移魔法をラミアに使わせ、風紀につかまる前にさっさと逃げる。
事情聴取なんてされようものなら、めんどくさいにも程があると考えたのであった。
ご案内:「落第街大通り」から高峰 司さんが去りました。