2016/10/22 のログ
櫛鉈 蛟 > で、男からしてみれば、親切心は別に嘘ではないが下心も当然ある訳で。
そこはもう、この男と直に接している彼女なら分かるだろうけれども。
良くも悪くもあまり変に隠したり腹黒さを出さない。端的に言えば清々しいくらいに美女に弱い。
それでも、気配りはするし締める所はきっちり締めるタチではあるのだが。

「まぁ、羽を伸ばす意味も含めて暫くは今の生活に慣れていくのに専念すりゃいいさ。
腕っ節が鈍りそうだったら、学園には演習場とかもあるしな。
……お前さん、女友達が出来たら一緒に服を買いに行こうとか言われたりしそうだな」

間違いない。誘うのではなく誘われて行く側だ。無頓着というか飾り気が無いというか。

(うーん、見た目は美女なんだから服装で更にグッと来そうなんだがなぁ)

とか思いつつ、しかし彼女から聞いたエプロンという言葉に絶望した。
『マジか…ミニスカとか胸の谷間とかチラ見えすらしねぇのか…』と、何か露骨に落ち込んでいた。

「ん、まぁ短刀の二刀流が俺の得意なスタイルだし。銃火器も多少慣れてるけどメイン張るには足りねぇなぁ」

ルチアとは逆に接近戦を主体とするタイプだから、必然と彼女とは逆の特性を持つ得物になる。
今度模擬戦とかしてみたいが、まぁそれはまた折を見てにしておこう。
ちなみに、美女との食事はまったりしたいので、別に普通の居酒屋でもいいのだ。
女の子が居なくても平気なのだ!……多分だが!!


「おーーとびっきりのサービスっていうと…これはホテルも期待し――ぐぉっ!?」

彼女のとびきりサービス発言に喜んでたら店主からこちらが使う弾薬をぶん投げられた。それを顔面キャッチしつつ。
で、抗議しようとしたのだが――既に店主は袋に整備用具一式と弾薬の箱を詰めてルチアに渡していた。
ともあれ、彼女の分の代金は支払ったので、こちらも既に前金で支払い済みの分の弾薬とかを仕舞いつつ。

「おーゲオルギオスか。何かかっけぇな!じゃあそれでいこう!」

黒いガバメントの名称が決まった。見た目よりも中身をカスタムされてる銃である。
ちなみにドラゴン的なのは自分自身が該当する男だが、生憎と聖人には疎いのである意味で助かった。
自分自身を殺す事にならないようにしなければならない。

「さて、と。取り合えずルチア。どーする?頻繁にではないが、ちょくちょく来るならここはオススメだぜ?
おっちゃんは無愛想だが腕とコネは確かだし。まぁ場所が落第街なのはアレだが」

ルチア > 下心があるのは解っているのだが、自分からすれば、軽口の範疇に収めてしまう程度、のもので。
いやある程度その下心が本気なのを解っていて、この対応なのだ。
変に隠したりもしないし、全面に押し出しているわけでもない。
そういうところは素直に好ましい人柄だと思う。
気配り等も含めて。

「そうするよ。まあ今まで結構働いてきたから、ご褒美だとでも思ってね。
あ――そう思えばそんな施設もあったな、使わない手はないか。
さぁ、どうだろうか。着飾るよりは着飾らせるほうが好みなんだけどね、女の子だと」

どうせ女の子と服を買いに行くのなら、とそんなことをサラリと言いつつ。
自身はあまり頓着はないのだ。
なので、ブラウスにジーンズ、これがこの女の基本的な服装であった。

何やら落ち込んでいる男には小さく笑いつつ、
でも本当におやっさんの食事は美味しいから、と全然別方向の慰めを口にしつつ。

「二刀流か……そう思えば刀剣使いとはほとんどやりあったことは無いな。
私は接近戦は苦手だからね、矢張り基本は銃に頼ることになる」

思ったことは同じで、模擬戦をしてみたい、との興味はある。
とは言え、それは別の機会だ。
お店のチョイスはきっとおまかせすることになるだろうし、それは彼の好みだろうけれども。

「ふふ、それはどうだろうか。
―――っふ」

素早やい店主の対応は異能か魔術かと言ったところだったが、ナイスなコントロールに思わず吹き出しながら、
袋を受け取った。
いやまあ、ホテルかどうかは兎も角として、
何かしらのサービス……と言うよりは、何かあれば力になりたいと思うには十分だった。

「気に入ってくれたみたいでよかったよ」

当然ながら、彼の正体は知らないし、そもそも日本神話的なものにも明るくない。
なので、気に入ってもらえたのに安堵の息を漏らすだけである。

「そうだな……何かと世話になると思う。
勿論マスターが良ければ、の話だけれど。場所に関しては扱うものが扱うものだからね。
構わないかい?

この後、という話ならコーヒーくらい何処かで飲んでこうか」

こう言う店を使うのは初めてだったが、品揃いも客もマスターの好みが反映されるように思う。
ので、そんなことを言いながら、問いを店主に向けて。
男には深夜のコーヒーのお誘いだ。

櫛鉈 蛟 > 男自身はさして自然体なので意識してはいないのだが、何だかんだで好印象ではあるらしい。
むしろ、下心ありとはいえ色々と詰めが甘いというか人が良すぎるきらいもあるが。

「そうそう、ちょっとした”長い休暇”だと思えばいーさ。
おぅ、俺はもう退学してるから出入りはアレだが、ルチアなら問題ねーだろ。
運とタイミングが良けりゃ、誰かの訓練見学できたり手合わせできたりもするだろうし。
…ほぅほぅ。つまり男相手だと自分を着飾らせて欲しいと」

誰もそんな事は言ってないのだが、ルチアの言葉に成る程と、頷いており。
どうやら彼女は同性を着せ替え人形にする趣味が…ゴホン。

まぁ、目の保養が無いのは残念だが、メシが美味いならそれだけでも赴く価値はあるだろう。
と、いう訳で落ち込んでも割と直ぐに立ち直っていたりする。

「とはいえ、ある程度の身体能力がないと吸血鬼狩りなんてやってられんだろうし。
まぁ、自分の得意分野に相手を引きずりこむのが戦いの基本の一つだしな」

ディナーだけでなく模擬戦もいずれしてみたいものだ。何よりあの2丁…カインとアベルも矢張り気になる。
お店は多分、高確率で居酒屋か庶民的なバーになりそうで…敷居が引くのが大前提であった。

「ったく、サービスとか言われたら男なら期待しちまうだろうに。おっちゃんもツッコミ入れんでも…」

と、ボヤく。まぁ、力になってくれるのならそれはそれで有り難いものではあるが。
銃の銘はゲオルギオスで確定したようでご満悦な笑顔である。聖人の名を持つ銃を使う蛇龍。

『…構わん。金をきっちり支払ってくれるなら客の貴賎は問わない』

と、ルチアの言葉に店主はクールに言うが、偽装魔術や扉の仕掛けなど、”篩い”に掛けられて事前に選別はされるのだが。
つまり、素人やチンピラは入る事も気付く事も出来ない店とう事だ。

「お、いいねぇ、女からの誘いを断るのはまずアレだし、喜んで同伴するぜ!」

と、いう訳で店主のおっちゃんに緩く右手を振りつつ、ルチアと共に店を後にしようか。

「取り合えず、ここでコーヒーブレイクはアレだし、さっさと戻るとしようぜ」

と、ルチアを伴って落第街を後にしようとするだろう。

ルチア > 事実ここまでよくされて悪い印象を持つという方が無理な話でもある。
下心と言っても別に格段触れてくるわけでもないのだし。
人がいい、と言うのは否定出来ないところではあるけれど。

「どれ位の長さになるのか検討もつかないけどね。
ああ、そうだったのか。では学校で、と言うのはないんだな。
そうだな――今度行ってみようか、見学するだけでも面白そうだ。
まあそれも嫌いじゃないけれど、そうだな――」

何となく歯切れの悪い言葉を言いながら。
同性の着せ替え人形については、可愛い女の子を着飾らせるのは素晴らしいじゃないか、と返したかもしれず、返さなかったかもしれず。

本当に美味しいんだ、と付け足して。
立ち直りが早い様子には小さく笑いながら。

「それはそうだけどね、ある程度の改良は受けている。
引きずり込めるとは限らないんだけどね、なるべくそういう戦い方はしたいけれど」

それは相性がモノを言うことだから、何とも言えないが。
身のこなしやらこの店やら――彼も相当の場数を踏んでいるようだし、中々に強敵になるかもしれない。
ディナーはもう少し先になりそうだが、それはそれで楽しみの予定である。

「確信犯だしね。
マスターも手際が良い」

しれっとそんな事をいけしゃあしゃあとのたまう辺り性悪である。
とは言え力になりたい気持ちには嘘はない。
口にしはいないけれど。
彼の正体と銃の銘。
何かチグハグな組み合わせなのかもしれないが、そんなことには気づかない呑気な女。

「ありがとう。
じゃあ何かあったら寄らせてもらうよ。
これからよろしく頼む」
“紹介”でこの店に入ったし、入店の手続きも聞いたが、それと店主が気に入ってくれるかは別の話、だと思ったわけで。
とは言え問題は無さそうなので素直に礼を言う。

「それは嬉しいけれどね、クシナダ。
そこは君の誘いなら、と言ったほうが好印象だよ」

なんて、冗談めかした口調で言いながら、此方も店主に頭を下げて彼の後ろをついて店を後に。

「この前歓楽街の方に良さそうなコーヒーショップを見つけたんだ、少し歩くがそこに行こうか」

そんな事を言いながら、眠らない街へと場所を移して――。

ご案内:「落第街大通り」からルチアさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から櫛鉈 蛟さんが去りました。