2016/12/11 のログ
ご案内:「落第街大通り」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
櫛鉈 蛟 > 何時ものように落第街をブラつく。そういえば気が付いてみれば今日で常世祭も最終日だ。
とはいえ、あまりあっちの方に頻繁に顔を出すと”古巣”の連中やこわーい組織に睨まれてしまう。
そんな訳で、自分の庭とも言える落第街を中心に適当に日々を過ごしているのだ。

「…って、何時もと何も変わらねーんだよなぁ、それ」

口の端に煙草を咥え、既に火が付いたそれの紫煙を燻らせながら小さくボヤく。
何か面白い騒動でもあれば暇潰しにもなろうものだが、そういうのに最近縁が無い。
騒ぎを積極的に望む事は無いが、何も起こらず凪のように平穏な日々も、それはそれで詰まらない。

「…つっても、ここは相変らずあっちこっちで抗争とかのドンパチ絶えねーけども」

それに、最終日だからか”あっち側”に”出稼ぎ”に行く連中も多いようだ。
とはいえ、風紀委員会や公安委員会が黙っている筈も無いだろう。
下手したら纏めて補導されたり確保されていてもおかしくはない。

「ま、俺には関係ねーんだが……あ、そうでもねぇか」

”特別監視対象”の身の上である男には、矢張りというか監視が付いている。
付かず離れず、決して見失わない程度に。ここ2年ちょっと続いている何時もの事だ。

ご案内:「落第街大通り」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
櫛鉈 蛟 > (どうせ監視されるなら美女とか美少女の方が俺も気分的に楽なんだけどな…やれやれ)

そんな戯言を心の中で呟きながら、雑多で鬱蒼とした…もとい、混沌とした大通りを歩く。
スラムを含め、この大通りがここらでは”まだマシ”だというのが本当に終わっている。
が、2年も暮らしていれば嫌でも慣れるし、上手く立ち回れれば暮らしも案外不自由は少ない。
少なくとも、暴力や金や陰謀云々には事欠かない場所だ。この島の、いや街の最大の暗部だからこそ、か。

「変な噂話やら、今は沈静化してるみてーだが謎の黒い塊の騒動やら…ま、”あっち側”より刺激はあるにはある、が」

その刺激に遭遇しなければ、結局退屈な事に変わりは無く。

ご案内:「落第街大通り」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
櫛鉈 蛟 > 「とはいえ、迂闊に首を突っ込むとなぁ…それはそれで面倒な事になりそーだし」

監視という”首輪付き”の現状に変わりは無い。おまけに過去に”やらかした”前科がある。
だからこその監視でもあるのだが。が、あのまま風紀委員会に所属してもそれはそれで…。

「ま、俺にしては結構長く留まっていたと自画自賛するべきかねぇ…」

等と呟いて苦笑気味に煙草を蒸かす。落第街は広い。別に有名人を気取るつもりは無い。
が、それなりに顔は知られているので、何人かのロクデナシ共と軽く挨拶を交わしながら通りを歩く。

「よぅ、今日は儲かってるか?…出稼ぎ?そりゃまたご苦労なこった。風紀委員に捕まるなよ~」

「おっす、景気はどうよ?ん?ああ、この前の抗争あったのここらだったっけ?被害は?…あ~そりゃ運が無かったなぁ」

「おぅ、久しぶり…って、こら人の煙草をナチュラルにスってんじゃねぇ!…ったく、そういうのは俺以外にしとけよ?」

等と、比較的フレンドリーにやり取りをしながら歩く男。人当たりが基本マイルド故だろうか。

ご案内:「落第街大通り」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
櫛鉈 蛟 > 取り合えず、人の煙草をスろうとしたヤロウに一発デコピンかましながらも、結局笑って別れる。
別に、どいつもこいつも悪人だとは思わないし善人だとも思わない。
そも訳ありの連中ばかりが集うこの落第街。そんなのを細かく気にしていたらキリが無いだろう。

「んーーもうちょい祭のほうに出張るのも案外良かったかもしれねぇなぁ。こう、美女とお近づきになるチャンスもあったかもしれねぇのに」

勿体無いことをしただろうか?いやいや、落第街にもまだ見ぬ美人が無数に居る筈…!!

(まぁ、普通の美女はまず居ないだろうけどな!)

むしろ、こっちが”喰われかねない”猛者ばかりな気がしないでもなく。
煙草の吸殻は律儀に懐から取り出した携帯灰皿にぶっ込み、2本目を取り出して口に咥える。
そのまま、ジッポライターで火を付けて再び紫煙を燻らして。

櫛鉈 蛟 > 「――あ、そういやこの近くだったっけか?どっかの人身売買の組織がブッ潰されたのって」

フと一度足を止めて思い出したように。昨夜だったか何時だったかおぼろげだが。
そんな出来事も独自の情報網で自然と耳に入ってくる。
長くこの街で暮らし、生き延びていれば多少のネットワークくらいは築けるものなのだ。

「…”自警団”…か、どうかは知らねーが…風紀委員の連中とモメなけりゃいいんだがねぇ」

どちらかに肩入れするつもりはないが。ただ、興味は惹かれる。
最近退屈だったのもあり、矢張りそういう刺激になりそうな出来事は面白そうだ。
まぁ、下手に首を突っ込んで火傷しかねないが…そんなのは何度も経験している。

(まー自警団とはいえ、幾つかタイプがあるんだが…”どれ”に該当するんかねぇ?件の組織を潰した連中は)

櫛鉈 蛟 > 「まー、もうちょいこの辺りの動向に気を配ってみっかねぇ」

そう呟いてから、再び緩やかな足取りで歩き出す。
風紀委員会と鉢合わせする可能性もあるが、まぁその時はその時だろう。
そんな感じで、暢気に鼻歌を交えながら男は歩き去るのであった。

ご案内:「落第街大通り」から櫛鉈 蛟さんが去りました。