2017/02/04 のログ
ご案内:「落第街大通り」にセシルさんが現れました。
セシル > ここ最近、セシルは落第街の警邏に回されることが多かった。
…というのも、2月前半、セシルと組んで歓楽区の警邏に当たるのを嫌がる人間が「何故か」増えるのである。
いや、実のところ、理由は分かりきっていた。

「こちらの大通りは、あまり有難くないがいつも通りだな」

夕暮れ時、大通りを大股気味に、且つ組んだ同僚と歩く速さを揃えながら呟くセシル。

セシル > あと10日ほど後に迫ったバレンタイン。
商店街も歓楽街もそれを意識した装いに街並みを整えており、男子はもちろん、少なくない女子も、セシルと一緒にその街並みを歩くのを嫌がった。

去年のバレンタインの時点では風紀委員に入っていなかったのに、それなりの数のチョコを受け取る羽目になってしまったセシルである。
風紀委員として街を歩き、セシルの顔を知る者が増えたことでどうなるか。
…そして、そんなセシルと共に歩く人間はどんな思いをするか。
男子にしろ女子にしろ、含むものを抱える人間は風紀委員の中にすらいた。

そんなわけで、「その日」が来るまで、セシルはもっぱら落第街の警邏に回されているのである。
落第街の警邏であれば良くも悪くもいつも通りのため、余計なことは考えずに済むのだ。

(…今のところ、怪しい動きをする者は近辺にはいないか…?)

同僚と足並みを揃えながらも、周囲に視覚を、聴覚を、剣士としての感覚を行き渡らせるセシル。
路地裏の街並みが大規模に破壊される事件の後、何かが動き出したのか。落第街の治安は確かに悪化していた。

セシル > セシルは魔術も嗜むが本懐はあくまで「剣士」だ。周辺の諍いや、よからぬ気配は察知出来ても、表に出ない悪意の類を感じ取るのは難しい。
そういうのは、同行していて調査に長ける同僚。あるいは刑事課。あるいは公安の仕事だろう。
セシルは、「体制を守る」という公安委員会の立ち位置に微妙な感情を持ちながらも、「法の番人の一角」としての立場には信頼を置いていたし、職分の専門性は評価していた。

自分の感じ取れない「何か」が蠢く不安を胸に宿しながら、同僚とともに落第街の…「裏」の街の大通りを行くセシル。

セシル > そうして、セシルは今日の警邏業務を終えたのだった。

いくつかの「悪」を止めつつも、いくつかの「悪」を取りこぼして。

ご案内:「落第街大通り」からセシルさんが去りました。