2017/11/08 のログ
笹貫虎徹 > そうして、何やらこちらを捲くし立ててくる男二人。彼らの罵詈雑言は右から左に聞き流す。

(…何かに似てるなぁ、これ……あぁ、アレだ。壊れたスピーカーとか、ノイズだらけのラジオみたいな…)

そう例えて、緩い無表情が少しだけ笑顔になる。とはいえ、男二人からすればいきなりヘラヘラ笑い出したようなもの。
馬鹿にされたと逆上したのか、男二人が無事な方の腕を振り被る――前に。

「………あ」

コキャッ!という乾いた不気味な音と共に、一瞬で男二人の振り上げようとしていた腕があらぬ方向へ折れ曲がっていた。
少年はといえば、笑みを引っ込めつつも『ついやっちまった』的な表情を一瞬浮かべて。

「……ま、いーか」

少年からすれば、男二人=うるさい路傍の石ころとさして変わりが無い。
なので、次の瞬間、ついでに男二人の片足をそれぞれ圧し折っておく。
両腕と片足を使用不能にされ、更に絶叫を上げる様に小首を緩く傾げて。

「……んーーー、人体ってこんな脆かったっけ?」

まぁ、いいかと呟いて今度こそ男二人を放置して歩き出す。何かまだ喚いているがどうでもいい。
さて、そんな事より何か面白い事でもないだろうか?

笹貫虎徹 > そうして、フラフラまた歩いていれば先ほどあった出来事もすっかり忘却の彼方だ。
少年は別に真っ当な感情や思考が無い訳ではない…が、容易くそれを切り離せる冷徹さがある。
冷徹さ、というよりも単純に無関心というべきなのかもしれないが。

「……おー?」

フと前方を見れば、巡回中らしい風紀委員の姿を見掛ける。二人一組で行動しているらしく、あちらこちらに目を配りながら歩いている。

(……面倒だなぁ)

流石に、風紀委員と揉め事を起こす気も無い。ただこのまま素通りしようとしても職務質問はされそうだ。
何せ私服姿で一人、無防備にフラついているのだから…多少なりとも目立つ、というより浮く。

仕方ないので、適当な路地裏へと方向転換。ロクに明かりも無い路地裏だが、夜目も十分に利くので苦にもならない。

「…んーそうだった。風紀委員の人たちも巡回とかしてるんだっけかぁ」

まぁ、適当に回避していけばいいだろう。ただ、彼らの進行方向には先ほど、少年が両腕と片足を圧し折って放置した男二人組が転がっている。

…まぁ、追跡されたら適当に撒けばいいか、と思いつつ。

笹貫虎徹 > しかし、まぁこのまま路地裏を進んで帰宅できるかどうか。
何度か足を運んでいるとはいえ、落第街の地理はあって無い様なもの。
雑多な事に加えて、建物の増減が激しいのもある。まぁ、少年はそんな事は気にしていないが。

「さーて、とりあえず風紀さんの目に留まらない内に離れるとしますかね…」

欠伸を再び噛み殺しつつ、少年はそのまま路地裏の闇へと消えていく。

ご案内:「落第街大通り」から笹貫虎徹さんが去りました。