2018/08/14 のログ
ご案内:「落第街大通り」にパンデミック(元素魔導師)さんが現れました。
パンデミック(元素魔導師) > パンデミックでゾンビ化した人間。
―――そうはいっても、
人に10の特徴があるなれば、
ゾンビ化した人間にも、特徴がある。

パンデミック(元素魔導師) > その大半は知性を失い、
わけのわからない言語で人を殺そうと飛びかかるだけの、
いってしまえばザコ。

パンデミック(元素魔導師) > だが、
空飛ぶサメ騒動で、
不幸にも、落第街で有名な人間が一人、命を落とし。
パンデミックに感染した。

パンデミック(元素魔導師) > その者は通称、
「スラムの大賢者」
という通り名で呼ばれる、落第街の魔導商店を経営する、
二級学生だった。

元素魔導、特に炎を扱う魔導に長けていたが。
あっけなくサメに殺され、
そして今や、サメたちと同じ、殺戮を行うパンデミックだ。

ご案内:「落第街大通り」に古城 桜虎さんが現れました。
パンデミック(元素魔導師) > 「ヒャヒャヒャヒャ!!オレノホノオニアブラレテシネェェエ!!!」

「アーヒャヒャヒャヒャ!!!」

そう、この幅広い大通りを焼き尽くす火炎魔法も、
このパンデミックにはお手の物だった。
落第街の一角で、大火事が巻き起こった。
ここの住人には日常茶飯事だろうが、
その炎の中、焼死体が出てきたら、どうだろうか?

そして、このパンデミックは自分の炎には当てられていない。
広域の爆炎魔法を扱いながら、自分は燃えないよう、炎の魔力を逸らしている。

攻撃魔法も、防御魔法も、生前の知能がある。

パンデミックは概して知能が低い。
だが、知能がないわけでは、ない。

古城 桜虎 >  
──ふらりと、小綺麗な少女が落第街の大通りを過ぎる。
古城桜子。彼女がどのような人となりであるのか知っているものは知っているし、
知らないものは知らない。

さておき。

何時も通りに路を歩んでいれば、ふと、焦げ臭さが鼻につく。
匂いと音を追ってみれば、あの"スラムの大賢者"が暴れている。

陳腐な表現である。
だが、"普段のスラムの大賢者"の立ち居振る舞いを鑑みれば、
それは暴れていると言う他ない。
知能はあるが、理知的には見えない。

著名であるならば、ましてや二つ名がついているのならば、
"その者が行う立ち居振る舞い"も同時に知れ渡り易いものだ。

つまり、"そのものが行う筈のない、異常すぎる立ち振る舞い"が目に入ったのならば。

「ちぇりゃっ!」

 考えるより動いた方が速い。

水を被ってから焔へ飛び込み、
"スラムの大賢者"の頭部を思い切り蹴り飛ばさんと跳び蹴りを繰り出す!

パンデミック(元素魔導師) > 魔法使いであるなら特に、知識、知能が必要だ。
難解な術式を理解し、詠唱を記憶する。

パンデミックは、生前の能力をある程度引き継ぐ特異性を持つ。
生前に、知能が優れている者は、
例えば言葉を話すし、道具や魔法も器用に扱う。

大賢者と呼ばれたるこの男は、パンデミックになりながら高度な魔術を未だに持っていた。

「アヒャ?…ヒャヒャ…」

炎の中、魔法のバリアを張って悠然と歩いては、
焼き殺した人たちに触れていく「スラムの大賢者」

パンデミックが死体に触れる。
それがパンデミック感染の条件なのだ。

新たな感染者を増やそうと、死体に手を伸ばしたその時―――!

「ウガァァァッッ?!」

赤色のゾンビになり果てた、スラムの大賢者は呆気なく、突如現れた少女の飛び蹴りを喰らい、
吹っ飛んで背中を地面に引きずった。

「アヒャヒャヒャヒャ!!!テメェエモシネェエエエ!!!」

倒れたまま、両手をグーにして地面を殴りかかるパンデミック。
地面が魔力で割れてヒビが広がり、少女の足元目掛けて進んでいく。

そのままヒビのある位置に立っていれば、
割れた地面の中から跳ね上がるトゲトゲした岩石が容赦なく襲いかかろう。

その間に倒れた姿勢を立て直そうとするパンデミック。

古城 桜虎 >   
(地割れか、土槍! 津波はない!)

 地面を叩いた仕草から先を読む。
 彼が持ち得る手札から行動を推察し、即座に飛び退く。

「はっ……そこッ!」

 刺々しく尖ったした岩石を2本ほどへし折り、
 体勢を整えようとする元"スラムの大賢者"へ投げ返す!

パンデミック(元素魔導師) > 「ウグッ……ガハッ…」

パンデミックは、基本的に体が柔らかい。
魔法への防御はしていたが、
物理への防御はしていなかった。

それが浮き彫りになる形で岩石に地面へ縫いとめられるパンデミック。

「テメエエエエエ!!!コロスッ!!コロシテヤル!!!」

しかし、もがけど動けないパンデミック。
逃げ道はない。
このままではパンデミックは砕かれるか、凍らされるか。
いずれにしても「処理」される。
それを知っているかの様に焦り具合を見せ。

「オレサマノ究極魔導ヲミセテヤル!!!」

「コノ地ヘ降リ注ゲ!イグニッションミーティア!!!」

火と、地の、合わせ技。
スラムの大賢者と呼ばれたる男の限界の魔導。

大空で大小の魔力が固まり、地面に雨あられと降り注ぎ、地面に触れれば爆発する。
崩壊する地形、建物。巻き込まれる人々…

戦略爆撃とすら言えるこの一撃は、
スラムの大賢者の断末魔であり、集大成と言える光景を大通りに作り出そうか。

古城 桜虎 >  
 物理的破壊は有効だ。
 有効だった。
 しかし。

「──っ」

 不味い。
 あの術は非常に不味い。
 
 無暗に動くのも不味いが、
 突っ立っていてもいずれ中る。不味い。

 巻き起こされる破壊行為に顔を歪める。

(……抑圧している暇はない。
 リスクはありますが、ここは──)

 距離を測った後、意を決する様に目を瞑って異能が一を行使する。
 "転移"──ショートテレポートの異能だ。

 転移先は"パンデミック"──断末魔を挙げるスラムの大賢者の頭上だ。
 頭上に転移し、全体重を掛けて"頭部を圧し潰す。"
 身体が柔らかいなら力を振り絞ればイケる。そのような判断だ。
 
(後は自分の命を保つだけ、ですが──。)

パンデミック(元素魔導師) > 「ヒャハハハハハ!!!シネシネシネ!!!ゼンインシネェェエエ!!!!」

大量殺戮が織りなされる光景に大笑いのパンデミック。
この魔導は長時間継続の連続魔法だ。
魔力が空で固まり、形を得て、降り注ぎ、爆発する。
これを幾つかに訳で何十度も繰り返す。

つまり。

このパンデミックの魔力を停止させれば、
つまり、このパンデミックを破壊すれば。
連続魔導は途中で、止まる。

「ンギイイイイィィッ?!?!!」

ぐにゃり。
ゾンビといった腐った肉体の魔物からは、
大体こんな感じの感触だろう。

「コ…ロ…ス……ッ…!!」

敗北を悟った元、スラムの大賢者。
倒れ伏した無様の姿勢のまま…最後に、自らの胴体に呪縛をかける。

禍々しい炎の紋章の魔力の鎖がパンデミックを縛り付ける。
その呪縛の効果は「自爆」。
ただ、究極魔導―――あれだけの魔法を使ったから、大した効果はないかもしれない。
間もなく、その究極魔導も途絶える。

しかし。
ただで、殺されてやるものか。一人でも多くコロシテヤル。
―――そう言わないばかり、パンデミックのほんの些細な、抵抗が見られた事だろう。

それはパンデミックの性か、スラムの大賢者の意地なのか―――。

ご案内:「落第街大通り」からパンデミック(元素魔導師)さんが去りました。
古城 桜虎 >  
「──!」

 "最後の一撃"を許してしまう。
 出掛かった狼狽を飲み込むように歯を食いしばる。
 
 何かを悟れば咄嗟に"パンデミック"へと手を翳す。
 ……爆発が起こったのは、その直後の話だ。
 

古城 桜虎 >  
 ……現場には衣類の切れ端と焦げた肉片のような何か、
 そして魔術によって産み出された焔と戦闘痕が残されている。

 "スラムの大賢者の身分を示すような物は何もない”が、
 目撃や通報の一つや二つでもあれば何が起こったかは想像に難くない、かもしれない。
 

ご案内:「落第街大通り」から古城 桜虎さんが去りました。