2018/09/18 のログ
ご案内:「落第街大通り」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 > 「……絡んでこなきゃ仕掛けることもねぇのによ」

 前は訓練の相手とか考えたこともあった、だがその考えは……あまりにも彼らに、被害者に失礼と考えを改めていた。
 だから自分から探しにいくなんてこともしていなかった。

「安心しろよ、痛いのも熱いのも一瞬だ」

 ギリギリという針金がきしむような音が周囲に満ちている。だがそれは針金より何十倍も硬くやわらかく……鋭利で恐ろしい物。
 赤い死体。パンデミックの集団に鉢合わせしたためにこのような事態に陥っている。
 別にピンチというわけではない。むしろその逆だ。
 彼の周りには数十というパンデミックが蜘蛛の巣に囚われたかのように身動きが取れないでいる。能力によって作り出した糸によって完全に拘束されていた。
 中には巨人の仲間なのだろうか5m近い巨体をしたパンデミックもいる。それでもまったく動くことはできていなかった。
 このまま腕に少し力を入れれば全てを切り刻めるだろう。だが、それでは苦しみも続く。

「……じゃあな、せめて次は楽しくやれ」

 腕時計が一瞬光る。その刹那。
 全てのパンデミックが火に包まれ。一瞬で灰に変わる。
 シュッ……空気を切り裂く音だけが響き。その糸は消えた。
 

白鈴秋 >  一足踏み出した瞬間にさっきまで彼らだった物。灰がフワリと舞い上がる。
 警戒を怠らず周囲に気を張り巡らせる。音、声そういった物をひとつ残さず聞き取らんと。
 だが、その後に軽くため息を吐き出す。

「こんな状態じゃこっちは全滅だろうな」

 元々こっちに来たのはこの通りにある店が大きな違反組織とつながっているらしいという情報を仕入れたから。
 だが通りでパンデミックの出現だ。もしその情報が本当だったとしても店の人物は死んでいるか、運が良くても逃げ出しているだろう。
 結局は前の劇場に続き今回もはずれを引いたという事だ。
 ……今回はパンデミックと遭遇した以上大外れと言った方が正解かもしれない。

「一応確認だけして帰るか」

 一応確認の為もかねて店を探しに歩く。いつもは騒がしい大通りも静かだった。

白鈴秋 > 「……外れは外れでも。この外れは後味が悪いな」

 噂の店に到着したが……結論から言えば外れだ。
 情報が無いというのは当然として、それ以上だ。そこにいたのは……店の商品の下でもがくパンデミックだった。
 おそらく押しつぶされ動くに動けなかったのだろう。
 糸を一本だけ作り出す。

「お前もさっさと寝ろ。もう動くんじゃねぇぞ」

 その糸をパンデミックに突き刺す。すると先ほどと同じく。一瞬にしてパンデミックを火が包み、即座に灰と化した。
 もう一度ため息を吐き出し。

「これ以上ここにいてもしゃあねぇか……」

 店を出て、入り口の方へ向かう。風紀委員は上手く回避し、なんとか帰れたという。 

ご案内:「落第街大通り」から白鈴秋さんが去りました。