2015/07/19 のログ
ご案内:「廃ビルの1フロア」にルギウスさんが現れました。
ルギウス > 仄かな明かりがフロアを照らす。
入居者がいなくなって久しいのか、単にオンボロなだけか。
広い空間を遮るべき壁は四方と上下の6面のみの開放的な空間である。
……窓さえあれば。

外からの明かりがない為に、広いはずのそこも閉鎖感が支配する檻となる。
加えて、そこにいる10名程の人間は気がつけばそこに集められているのだからストレスは推してしるべきであろう。

空間にあるのは、仄暗くしか周囲を照らせない照明が少し。
人数分のベッドに簡易な調理台。
それに併設されるように置かれている業務用の冷蔵庫。
中央に四方を向いて設置されているディスプレイが合計で4つ。
これだけである。

ルギウス > 何人かは顔見知りだろうか、すでに2~3程の小さなグループが完成している。
どうやら、グループ間でも顔見知りらしい。
それも、仲がよくない類の。
この異様な状況を互いの所為にするべく一触即発が起こりそうなその時、ディスプレイに明かりがともる。

そこに映っているのは、黒髪で長髪の丸いサングラスをかけた司祭服の男。

「やぁやぁ、皆様!よくぞお集まりくださいました。
 状況がわからずに混乱されていらっしゃるでしょう。
 ……別に私の話を聞こうが聞くまいがどうでもいいのですが、私に残っているほんの一握りの優しさでもって貴方達の状況を説明してさしあげましょう」

ルギウス > 当然のように、集められた側からは抗議の声が上がるが男は意に介した様子はない。
VTRのように、勝手に喋り続けている。

「まずは、おめでとうございます。
 皆様方は“力”を得るチャンスを幸運にもゲットいたしました。
 すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、皆様方は全員がドロップアウトした元2級生徒。
 存在してもしなくても、どうでもいいようなクズの皆様方ですね。

 ああ、これは失礼を。私が思っているのではなくこの島のシステムとしてそうなっているのですからご容赦を。
 さて、そんなクズ―――失礼。ドロップアウトした落伍者の皆様ですが。
 世が世なら、普通の学生生活ができたかもしれない。
 もう少しだけ秀でた何かがあれば、他の連中を顎で使えたかもしれない。

 ……表舞台へ、返り咲きたいと思いませんか?
 海岸でバカンスを楽しんでいる方々に混じりたいと思いませんか?
 自分達を蔑んだ目で見てくる方々に復讐したいと思いませんか?」

ルギウス > 「私は、皆様方にチャンスを与えたいのです。
 “力”があれば蔑まれずに済むでしょう?
 “力”があれば脅かされずに済むでしょう?
 一人でも多くの方を、光の当たる平和な場所に導く為に……自由を満喫できない方を減らす為に」

男の笑みが濃くなっていく。
その表情は、ニヤニヤと。

「さて、私は再三にわたりチャンスと言っているのですが……
 ええ、察しのよい方ならお気づきでしょう。無条件で力は得られません。
 私も神ではありませんからねぇ、全員にとはいかなわけです。
 いやぁ、世の中はうまく回らない」

額に手を当てて嘆くが口元は笑ったままだ。

「では、条件を発表させていただきましょう。
 一週間、そこで“生き残って”ください。そうすれば生き残った方には“力”を与えましょう。
 私は神ではありません……与えられる“力”を100とすれば生き残った方々でそれを等分にさせていただきます」

ルギウス > 「ああ、逃げ出そうとした方は脱落したと見なして処理させていただきますので。
 生き残る事に注力した方が建設的でよろしいかと思いますよ」

その笑みはもはや ニタニタ としたそれ。

「それと、死体があってはお困りでしょう。
 ゴミの類は部屋の隅にあるダストシュートへどうぞ。
 きれいさっぱり処理してくださいますので、誤って落ちないように気をつけてくださいね」

ルギウス > 言いたいことだけを告げて、ディスプレイは沈黙する。
そして先ほどとは違った緊張が残された者たちに重く重く圧し掛かった。



別室で男は残された者達の様を眺めている。

「さて、何人が生き残りますかねぇ?
 一週間といいましたが、食料は全員が協力し譲り合っても若干だけ足りませんし。
 集めたメンバーも、それぞれが仲の悪いグループを三つに弱者グループを含めた4つ。
 グループの中身は少しは名が売れている方ばかりで性別も男女問わずですからねぇ……少しの間くらいの暇つぶしにはなるといいんですが」

自らが用意したゲームにはさして興味なさそな口調で呟きつつ、ワインを手酌で注ぐ。

「あぁ、元2級でなく現役の一般生徒を参加させた方が面白かったかもしれませんねぇ。
 次はそうしましょうか……風紀や公安を参加させるのも一興ですねぇ。
 過程と結果を公表したら、面白い事になりそうだ」

そのまま香りを楽しみながら口に含み嚥下する。

「それとも……どこかの誰かに“門”にでもなっていただきましょうか。
 そちらの案件の方が楽しい舞台になりそうですが」

ルギウス > 「役者の方々にはもっと演じていただきませんとねぇ」
まだ見ぬ舞台に思いを馳せているのか楽しそうに笑う。

「さて趣味と同時に、私も私の謀を進めませんと。
 どこか別の方が大事件の幕を開けてくださると、暗躍しやすく助かるんですがねぇ いやはや。
 まぁ、駄目そうな時は大事件を起こしそうな方を唆すとしましょうか」

指を鳴らせば、そのまま部屋の明かりが消える。




監禁されていた男女達の末路は――――まだ、神も知らない。

ご案内:「廃ビルの1フロア」からルギウスさんが去りました。