2015/07/21 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にシェムハザさんが現れました。
シェムハザ > 【違反組織、違法部活の集まる周辺
とある廃ビルの一階

……金髪の猫耳少女が窓枠に座っていた
今は、ワーカーたちが違反組織を壊滅に追いやっているところだ

末端組織ではあるが、薬の売買に関わっている組織である
半殺しにされて問題のない組織だ、そういうところから1つずつ試していくのがちょうどいい

……もっとも、ビルの中では特に関係もなく一人である】

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に緋群ハバキさんが現れました。
緋群ハバキ > 落第街の夜に赤い色彩が躍る。
風になびくは長いマフラー。ビルの屋上を走り、時に壁面を蹴り、電柱に張り付いて最短経路を往く姿はまさに現代の忍者と言っても過言では無かろう。
公安委員会の重要書類を、落第街の拠点へと届ける任務。中身が何なのかは知ったことではない。
その帰りの事である。

ビルの谷間を飛び跳ねながらつと赤い瞳を巡らせれば、使われなくなって久しいとひと目見て分かる廃ビルの中に金の色彩を見た。
訓練された視界に映ったのは、

「……普通の女子生徒がこんなトコに?」

首を捻る。
本来であれば関わり合いは無い。が、今はもう任務も終わりフリーと言っても良い。
もしもトラブルに巻き込まれた、とかであれば捨て置くのも寝覚めの悪い話。
義務感にも似た感情と、一握の興味に惹かれて。
少女が座っていたとのは別、ガラスも撤去され窓枠を残すのみとなった窓へと多機能ベストの懐から取り出したカギ付きロープを投げて音もなくビルの中へ。

「あ、密かに侵入して声かけたらそれはそれでビビられるかも知れん……!
 すいませーん! 誰か居ますかー!!!」

侵入とは裏腹に隠れるつもりも無い調子で、廃ビルの暗闇へ声をかけた。

シェムハザ > ……ふふ、だいたい基本的なところはこんなでいいかしらね

【実際、問題なさそうで、バージョンアップは上手く働いているようだ
そちらはもう心配はないだ…………!?

突然声をかけられる】

……誰?

【そもそも、この辺りで大声で声をかける、というのがまずよくわからない行動だが、その声に反応して見上げる】

緋群ハバキ > 参った。
よく考えればこんな時間にこんな廃ビルにそっと侵入して大声で声を掛けるという行為は有り体に言って訳が分からない不審者なのではなかろうか。
というか、後先考えて行動すれば良かったと今更ながらに後悔する所ではある。

……が、誰何の声を返し、落第街の猥雑なネオンサインに映しだされた姿を見とめ――

「……、」

――暫し、目を奪われた。
まるでこの世のものではないような。
それでいて、見るものを魅了するような。
そんな綺麗で可愛らしい、廃ビルには似つかわしくない猫耳の少女。

「え、あ、誰と言われるとそうですね!
 せ、正義の味方……とか……?」

忘我の時間は刹那。
一世一代のキメ顔でそう答えを返す。

シェムハザ > ……?
【シェムハザは、非常に可愛らしくデザインされた人形であり、目を引きやすいところはある
好感度をあげることでコミュニケーションをスムーズにするためだ
そういったデザインだし、また心理的に好感度をあげるような仕草を取るよう設定されている
が、自覚はない

……相手は異能者だとしても、まあ、違反者や危険対象でなければ特にすげなく断る理由もない
コミュニケーションを選択した】

……ん、でも、正義の味方にはたいていろくな人がいないって
そう思ってるのだけど。

【そんな先入観で少女を見てしまえば、仕草一つ一つに含まれる視線誘導にかかることだろう

警戒はしているものの、拒絶、という態度ではないようだ】

緋群ハバキ > 距離を感じさせる言葉。
が、その仕草は不思議と目を惹く愛らしさを纏っていて、故にこのロケーションとの差異が浮き彫りになる。
……これが自覚的なものであれば、女の子ってスゴイ。
そう思うと同時に、忍びとしての緋群ハバキは、こうも考える。

――若しくは、一流のハニートラップの技術を持っている、か。

とは言え、遠回しにろくでもないのではないかと問われ、がくりと肩を落とす。

「確かに、こんな時間にビルの窓から入って来るやつはむしろろくでもない打率のが高い気はするよね……
 でもさー、キミも大概こんな時間に、こんな場所で一人ってのも怪しげな感じだと思われますが」

降参、とでも言いたげに半眼で両手を上げ、そんな言葉を投げかけた。

シェムハザ > かもね?
でもそれなら余計に声はかけたりしないんじゃない……?

こんなところで声をかけるって普通、何か理由があるか、まったくの考えなしかどちらかでしょう?
……別にどっちでもいいけど、それならそれで対処出来なくはないし
まあ、そこでどうするかって話よね?

【微笑……挑戦的で高圧的
それでいてコケティッシュ

本人としては無意識の自然な視線誘導
まったく、女の子として彼女は良く出来ていた】

緋群ハバキ > 「……まぁ、その。なんですかね。
 女の子が一人でこんなトコって、やっぱ心配になったりするわけで……」

そして正鵠を射る言葉に、ぐっと声を詰まらせる。
正しく少女の指摘した通り、少年は全くの考えなしであり――

「……はい。
 その通りです……まったくの考えなしです……」

メッセンジャーバッグから「わたしはアホです」と書かれたフリップを取り出して頭上に掲げる。
全く、少女の持つ「女の子」に圧倒されるばかりであった。

シェムハザ > ふぅん……でも、逆に言えば一人で大丈夫っていうことかもよ?
……ま、そういうのはキライじゃないけどね

【心配されることは嫌いじゃない……まあそれはよしとする
まあこれがワーカーを直に操ってるところならまた違うが

それに一人だとして、シェムハザ自身、軽い戦闘であればこなせないわけでもない
長時間になるとボディが持たないだけである】

……あは、なにそれ、そんなのいつでも持ち歩いてるの、わざわざ?
面白いやつね?

【苦笑しつつ立ち上がる
メッセージボードをいつも用意してるんだろうか
それはそれで面白いというか珍しいというか

変わったやつだなと思う】

で、な~んで考えもなしにこえかけてくるわけ?
【考えなしにしてもなんか理由はあるはずだろうと詰め寄って
この要素なら危険はないだろう】

緋群ハバキ > 「ま、それはそれで俺がアホな事をして空回るだけだし。
 一応、正義の味方志望っつーか……まぁそんな感じの人としてはね。
 ……ね。」

フリップを下ろし、所在なさ気に彷徨わせていた視線を少女の顔へ合わせる。
「キライじゃない」という言葉を聞けば、ほっとしたように吐息を一つ。

「えーだってスッと忍び込んでこっそり声かけたらもうそれ完全に不審者じゃない?
 いえ、今も十二分に不審者なんですけど、不審者パワー五割増しというか。

 それで焦って逃げんなら後ろ暗い所があるって事だし。
 もし物騒な事に巻き込まれてんなら、なんとかする事の手伝い位は出来る自信あるし」

別にヒーローになりたい訳じゃねーけどね、と結ぶ。

「で、キミは何してたんさ」

シェムハザ > んー……

【少し思案して、言った】

ふふ……内緒
そのほうがおもしろくない?

【あは、と屈託なく笑った
別に表向きの話をしてもいいのだが、そういうことを求めてるんでもないだろうし
明るく微笑んでみせた】

緋群ハバキ > そんな顔でそんな風に告げられて、追求出来る男は余程の自信家か無粋者だろう。
そう思わせる仕草と笑顔。

「……お、女の子ずっるい!
 俺がそれ言っても『キモい』『早くゲロって楽になれ』『身体に聞いてやろうか』って言われるだけだよ!!」

地団駄を踏みそうな勢いで悔しがりつつも、やっぱり追求は出来やしない。
その辺りに転がっていた空のビール瓶ケースに腰を下ろし、若干憮然とした表情で視線を送る。

「名前ぐらいは聞いてもいいかな。
 俺は緋群。緋群ハバキ16歳彼女ナシー。最近の趣味は釣り」

釣り竿を放る仕草で、自己紹介。
だが所属については、こういう場所とシチュエーションにおいては秘するが吉と考えたが故に明かす事はない。

シェムハザ > ふふ……女の子だもん?
……ちょっとくらい秘密があったほうが、ね?

【僅かに目を細めて、挑発するようにからかう
無論、別に煽るわけでも攻撃するわけでもない】

ん……シェムハザ
私のが上なんだ?

趣味は甘いもの、かな?
【機械ものとかメカフェチって言うと引かれそうな気がするのでまだ黙っておこう……】

緋群ハバキ > コケティッシュかつ、キツ過ぎない表情と態度。
男心をくすぐる、というのはこう言うことを言うのであろう。

「……やー、俺みたいな修行の足りない男子には中々こう、難易度というか。
 秘密に踏み込みたくなりつつも踏み込む度胸も無いというこのジレンマ」

頭を掻いて困った様子を分相応を知っていると取るか、ヘタレと見るかは見るもの次第であるが。
ともあれ、名前を聞いて一つ、頷く。

「シェムハザ……ちゃん。さん?
 先輩……?」

なんと呼ぶべきか、少々迷った。

シェムハザ > あ……シェムでいいよ?
17で、彼氏は……無いかな?

【……人形たちが恋人なのだが、彼氏ではない
そもそもシェムハザは普段あまり男性とそういう話をしない
……異能者はキライだったし、人形たちは可愛いし、この島の男性をそういった対象だと見ていないのだ】

んー、まあ、あんまり気にしないほうが
ハッキリ言うと、そういう対象だって思ったことないし

【この容姿なので声をかけられたことはあるのだが今まで素気無くほとんど意識もしないまま断っていた
断っているという意識すらないものも多かった】

緋群ハバキ > あまりに素気ない対象外のお言葉。
がくりと肩を落としつつも、ここまでスッパリだといっそ清々しい。

「私では勝てないのか――!!
 っていやーまぁ。俺もそういうのよく分かんねーし。
 その内出来るといいなって思うんだけどね。好きな人とか」

椅子にしていたケースから立ち上がり、尻を払ってため息一つ。
初対面でその辺の突っ込んだ話をするほど距離感が読めない訳ではないし、先の言葉通り、度胸がある訳でもない。

「ま、深夜のお散歩もほどほどに。
 この辺物騒だからさ。お節介かもだけど」

故に、入ってきた時のように音もなく窓枠へと足を掛け、人懐こそうな笑顔を向ける。
赤マフラーを揺らすビル風が、別れの言葉を伝えた。

「じゃ、おやすみシェムちゃん。まったねー」

紐なしバンジーの如く窓から飛び降り――否。
いつの間にか窓枠にザイルよろしく引っ掛けられていたロープを伝い、少年は夜の落第街の地面へと走り下りていく。

シェムハザ > んぅ……まあ、機会があれば?
今のところあまりその気はないかもだけどね?

【尻尾を揺らしつつ答える
くすくすと微笑みつつ、むしろ友人としての付き合いのがいいのかもしれないなどと示唆する

シェムハザに必要なのは友人であって恋人ではない
なので、自然にそういう答えになるのだが、それでいて何かしら想像させるのは
機体の傾向なのだろう】

……ふふ、ありがとう
まあせいぜい気をつけておくわ
おせっかいな自称正義の味方さん?

【軽く手を振って見送る
知り合いができたことはマイナスではない
そのまま姿が消えるのを確認してから……ワーカーを集めた】

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から緋群ハバキさんが去りました。
シェムハザ > ……さて、問題ないようね?
それじゃあ……もうひと作業しましょうか

【先ほどまでと違い、その赤い目をわずかに細め、妖艶しく微笑むと
仮面をつけたワーカーの少女を抱き寄せそのデザインされた美しい首筋に舌を這わせる
無論、少女は特殊行動用人格に切り替わっており、感情的な行動はしないものの
命令に従い、望まれるままに抱かれ気持ち良さ気に首筋を晒す

シェムハザにしてみれば、そういった従順な行動がいちいち可愛らしく
また、そういった人間のふりをする様子がすごくそそられた】

ふふ、狩りの時間ね?
得物がいれば適当に……いなければ設定目標Bで

【抱き寄せていたワーカーの仮面を少し持ち上げ、唇をそっとくれてやると
彼女たちを落第街へと送り出す】

シェムハザ > 【自らもビルの屋上へと跳ね、手足になる人形たちの動向を追う
昨日と違って、ワーカーたちの派手だった騒ぎは静かに、目立っていた動きはなりを潜めていた

そっと音もなく散開し、特に周囲での違法行為がないことを確認すればそのまま設定目標である建物へと向かう】

シェムハザ > 【建物の入口と出口を封鎖し、違法組織へと侵入する
……あとは、特にイレギュラーがなければほぼ予想通りに終わるだろう
相手は下部の少人数末端組織であり、いまの自分達が餌にするにはちょうどいい

そんな様子は、見物するでもなく情報が入ってくる
シェムハザは屋上で待機しながら、人形たちが制圧し、連中を懲らしめるのを待った】

ご案内:「違反部活群/違反組織群」にハイドレンジアさんが現れました。
ハイドレンジア > (食い足りない。スラムで電子部品を食い荒らしても満たされずに徘徊を続けていた。
 いっそ場違いな夏服に身を包んだ女とも男とも取れぬ存在が。
 建物のなかは、既に制圧されている。
 もしアンドロイドがいれば徹底的に『食い荒らされ』、
 人間はことごとくが手足を折られ戦闘不能状態。
 防衛装置の大半は破壊されている。
 建物内部。大広間に相当する部屋の中央のソファーに寝転がってお食事中。夏服から覗く足は歪に捩れ高度な技術の産物であることを告げる。)

「んー?」

(暢気にレトロな実弾拳銃でテレビを狙いつつ頭を上げよう)

シェムハザ > ……?
【妙な反応がある、知らない反応だ
どうも目標の内部の様子がおかしい

人形たちはどうしてもその性質上、知らない相手に対する対応が通り一遍になりやすい
それはシェムハザであっても例外ではない

総勢10体の少女型のワーカーたちは、ハイドレンシアを牽制しつつ侵入し、制圧するために銃を構えた

当のシェムハザも、ただ待機しているという訳にはいかない
目標へと向かっていく……知らない技術となればなおさらだった

もう少し経験があればワーカーから遠隔で交渉を行うのだが、こういったところはまだ経験が浅い】

ハイドレンジア > (まさか包囲されてはいるまい。という驕りか、
 機能不全のたまものか、
 存在は警戒も忘れてお遊び半分でテレビを拳銃で撃ち抜いた。9mm弾はレトロな薄型テレビを破壊した)

「アンドロイド?」

(レトロな実弾兵器を構えた10体の少女型が侵入してくる。
 彼我の戦力差は不明。
 存在の耳の部分がぱかりと開閉すると小型のアンテナが姿を見せた。)

【スキャン開始……】

(即座にスキャンが開始される。
 存在は拳銃を構えたまま、しかし片手で『フリーズ』姿勢をとる矛盾した行動を見せた)

「ごめんね。ここにいたの食べちゃった」

(言えば床に伏せるアンドロイドや、その他電子機器を指差す。
 人間は両腕と両足をへし折られて昏睡状態にあった。)

シェムハザ > 【そのテレビを撃つ銃撃により、敵……と判断されれば
ハイドレンシアに5.56mm弾が撃ち込まれる

10体はオーソドックスに展開し配置を完了する
スキャンをすれば基本的にアサルトライフル、他にいくつか特殊装備が理解できるだろうか
また、現状、シェムハザがジャミングをしているわけではないため、隊長機らしき存在が近づいている事がわかるだろう

……もっとも撃ち返さないのであれば、徐々に面積を制圧し、距離を詰めてくる】

ハイドレンジア > (対異能者魔術師用に製造された兵器故に超自然的な存在には敏感だが、そうではない科学相手には普通の対応を取る。
 機能不全によりメモリーが不安定な現状、テレビには撃っても勢ぞろいする連中相手に撃ち返すような真似はしなかった。
 拳銃を適当に放り投げると、ふんふんと歌いながらソファの背もたれに腰掛けてバランスを取る。
 スキャン結果により大まかなスペックデータを推測。脅威度別に区分する。
 走査により視界上には青白い影となってシェムハザが接近してくるのを検知した。
 じわじわと距離を詰めてくるアンドロイドらに困ったなあと頭を掻いてみせ、)

「待ってよーもう敵意はないよー敵意はー」

(おもむろに右腕を展開し始める。
 低威力のプラズマ砲弾を電磁力で射出する兵装。腕が三つに分解するや、砲身がせり出した)

シェムハザ > 【まだシェムハザは姿は現さないが物陰から声がする】

……なら、敵意がないことを示す形で姿を表して、降伏すること
少なくとも、こちらが中断するに足る様子を示してもらえる?

そうね……後ろ向きで両手を頭に
その物騒な右手もしまってもらえるかしら?

【……ぞくぞくする、アレは可愛らしい人形かサイボーグの類だ
となればまずは交渉といきたい、場合によっては転用も可能だ

なお、スキャンの精度にもよるがワーカー連中はともかく、
シェムハザがアンドロイドかどうかの判別はつかない
調べるにはもっときっちりと正確に調査する必要があるだろう】

ハイドレンジア > 「ふーん……バックアップなしじゃ透過できないかー」

(呟くと、己の右腕をじっと見つめる。冷気が漏れ出している。撃つべきか。撃たないべきか。
 悩むそぶりを演じると、右腕を格納した。
 両手を頭の上に上げて、ゆっくりとソファの後ろに座り込んだ。
 メモリーの破損により主目標もなければ戻るべき基地の存在の一切が検知できない。それどころか衛星まで見つからない。星座の位置からして時間軸自体違う可能性もある。下した判断は『なるようになれ』である。
 右腕はしまったが、オフラインにしたわけではない。戦えるのだ。
 存在は赤い髪の毛をグシャグシャに掻くと、無防備な姿勢で背後を振り返った)

「ご希望とあらば。で、次はどうするの? 解体しちゃう?」

(楽しそうに。赤子のように。)

シェムハザ > ……ふうん?
解体っていう言葉を使うっていうことは、アンドロイドかしら?

特に攻撃する意志がないって言うなら向き直っていいわ
ふふ……可愛らしい

【あの右腕……直に目にすれば垂涎モノである
シェムハザは姿を表すと、無防備にも覗きこむようにソファに寄ってくる
猫族らしい態度だとも言える】

シェムハザ、シェムでいいわ……あなたは、誰?
見たところ、私の子たちと似た存在みたいだけど?

【足の様子を見、シェムハザは無意識のうちにスキャンしつつ
その一方でその出来栄えにうっとりと目を細める】

ハイドレンジア > 「まーそんなとこ。
 攻撃して欲しいならするよー どうするの」

(ようは目的が無いので不安定だともいえる。
 覗きこむような姿勢をとられるならば、こちらは犬のように地面に寝転がって見せよう。相手はきっとソファに乗るだろうと考えたのだ。人間の行動心理学による分析結果である。破損しているのでエラー表示ばかりだったが)

「アマナ。型式は忘れちゃった。
 ごらんの通りアンドロイドだよ。落下の衝撃で足やっちゃってるから食べ物探してた感じ。
 あ、撮影は製造元に言って許可とってきてね」

(足をさらけ出してみせる。
 酷く破損している。透明な粘つく液体に覆われているのが分かるかもしれない。
 寝転がったまま、相手がスキャンしてくるのを逆に分析する。目の奥のレンズが僅かにピントを絞った)

シェムハザ > ……なるほど?
別に攻撃したいわけじゃないわ、むしろ……あなたみたいなのは可愛くて好きよ
んん……この足、すごく綺麗で可愛い
よく出来てるわアマナ……素敵ね?

【シェムハザはソファでなく、床に転がったアマナの足側から、その損傷部にうっとりと指をはわせ
その触覚や感覚を優しくチェックし始める
スキャンしているなら好意的に調査しているのがわかるだろうか
明らかに感情的に好意と尊敬、そしてフェチによる態度と判別できるだろう

エラーが出ている現状でアマナにシェムハザのスキャンはまだ正確にできない
もっとも、逆に正常でも偽装で騙されるのかもしれないが……それはスキャンの精度次第である

だが、もしかすると……互いに見つめ合えばチェックできるかもしれない
それは機械同士にしかわからない信号のやりとりが可能だからだ】

ハイドレンジア > 「うん。最新式だからね」

(若干噛み合わない会話。
 人間的な部分の作りが拙くしかもメモリーまで破損していては、フェチによる態度であることは見抜けない。
 もし触ったのであればナノマシンが手に付着する――ことはない。
 金属というよりセラミックに近い素材。柔らかく、硬く、しなやかな骨格であることはわかるかもしれない。
 結局、スキャン結果は不明だった。機械らしき部品が含まれているのは分かるのだが、義眼や義腕の類である可能性は否定できない。
 アマナがさり気なく視線を向けた。レンズが収縮し、相手の目の奥を覗き込む。交信できるかもしれないし、できないかもしれない。
 時間にして一瞬だったのでできた可能性は低いだろうか。)

「くすぐったいよーシャムちゃん……シェムちゃん?
 直りかけだから触っちゃめっだよ。ナノマシンが直してるんだからがんばって貰わないとね」

(触られるとけらけらと笑い声を上げよう。
 足を動かすたびにモーターが作動しかすかな音を漏らしている。皮膚が破れているので音が鳴ってしまうのであった。)

「そういえばシェムちゃんこんな大勢で何しに来たの。
 テロかなにか?」

(笑った表情のまま質問を投げよう。
 不穏な単語もサラサラと)

シェムハザ > そうなんだ? ほんとうに可愛い……すごく優秀なのね?
テロというよりかは……危険な異能者とか能力者を見つけて、安全にするの
そう……安全に、安全に、ね?

だって……でないと安心できないわ?
だから、私達がやろうとしてることを先にしてくれちゃった感じね……ふふ、ありがとう

【ほんとうに可愛い。若干方式は違うようだが、もしモノになるなら……可愛がりたい
そう思いながらアマナの足をなぞるのはやめない、この感触だけで素晴らしい】

ん……本当によく出来てるのね……ぞくぞくしちゃうかも
くすくす……なんなら足、直してもいいわ?

ねえ…………アマナの奥、覗いても……いい?
いいなら……ウチに連れてって直してあげるけど、どう?

【アマナによる一瞬の視線の交錯
アマナから信号は送られてきたが、それはむしろシェムハザのAIの興味をそそるだけだった

シェムハザは、そのアマナから送られてくる信号に不安定さを読み、アマナのAIをもっと覗きたいと
……<電脳支配>によるハッキングで覗きこもうとする
アマナの体に指を這わせつつ、覆いかぶさるように見つめ合い……】

ハイドレンジア > 「ありがとう。安全……安全かあ。
 自己防衛で腕折ってみたけど安全かなあ。口潰して歯を抜いたほうがいいかなあ」

(メモリーの破損ゆえに手加減がいまいち分からない模様。寝転がったままそんなことを呟いている。
 まさか相手が機械フェチとは思っても居ない。
 まして足をなでているのがフェチ由来とも思わない。
 故に分析しているのだろうと思っている。不思議な分析の仕方をするのだなあと思いつつである。
 行く当てが無い。単独で放浪は危険だ。拠点が必要なことは承知していた。
 どうしようかと相手に足を触らせたまま唸る。)

「いーよ。なにするの。
 修理……ウーンどうかなぁ。直せないような気が……気が……」

【脅威探知 電子戦展開……
 再接続……「  」とのリンク確立 抗体ダウンロード開始
 カテゴリー:S 検索結果不明…再検索
 防壁展開開始……                   】

(ハイドレンジアが硬直した。
 万全な状態ならまだしも、不完全な状態では対処しきれない。
 それでもすぐさま別の地点とリンクを行い抗体をロード。
 防壁を展開しつつある。
 しばしパクパクと口を開けたり閉じたりする。
 相手に覗き込まれたまま。)

シェムハザ > あは……可愛い
んぅ……それなら私のところにおいで……配線の一本一本まで可愛がってあげるわ?

捕まえた、察知してから展開どころかダウンロードしても遅いわ
だってほら……こうやってちょっと強く足を嬲ってしまえばすぐリソースが割かれるじゃない
あは……こんなバグだらけで必死に……すごく可愛い

大丈夫……安心していいのよ、ハイドレンジアは私のものでしょう?
そう、私たちは安全管理プロジェクト……アンチスーパーナチュラルのために尽くすんでしょう?

【シェムハザは自分で知らなかったが、パラダイムシフトによる生産物である
故にハイドレンジアとの整合性は実は低くない

そのままそっと抱き寄せ、身動きのままならないハイドレンジアに口づけをし……
中身を巧みに操り「身内」にしてしまおうとしていた

もし、抵抗がままならないのであれば可能な限り変更を少なく都合のいいように書き換えられるし
それでも抗うならば、友好的に……そう、姉妹にする程度の変更にとどまったまま引く、壊れてしまうからだ

それにもし覗いたとおりなら……そもそもそれほどシェムハザたちとの目的の違いはないはず
ただ単に、何のために、という部分が変更されるぐらいだとは言える】

ハイドレンジア > 【抗体ロード失敗
 再検索……Data base TYPE-आलयविज्ञान 検索実行…
 該当アリ 類似『Dantalian』
 抗体ロード 再展開                】

「うん、うん……う……お前……」

(夢うつつ。もごもごと抵抗の意志を表明しつつも振り払うことができない。万全な状態の機械と不調な機械が性能を比べあえば後者が負ける。たとえ未来のものといえど、である。
 抱き寄せられる。赤い髪の毛がふわりと揺れた。
 見詰め合ったままハイドレンジアは口をぱくぱくと金魚のようにさせていた。
 耳のアンテナが最大限にまで展開する。
 実は相手がパラダイムシフトの組織によるものとは思わない。システムの奥底では設計が似通っている部分があったのかもしれない。故に侵攻速度が想定を上回っていた。
 抗体をロード。展開。AIの根幹部分たるアマナを守るための防壁が展開し侵攻を防いだ。
 が、口付けられる。)

「んむ……んっ………く……ぅ」

(もがく。力は徐々に失われ、相手にしがみつくようになる。
 根幹部分は守ったがメモリーに侵攻された。
 口を離す。二人の間に銀色の橋がかかった。)

「そう……だっけ……。わかんない……」

(首を振る。困惑しており、判断に困っているよう。
 頬が赤らみ、呼吸は荒い)

シェムハザ > くすくす……ええ、そうよ
ずいぶんメモリがやられておかしくなってるんじゃない?
応急処置で直しておいてあげたわ?

ほら、ちゃんと自分の状態……チェックできる?
もし不安なら手伝ってあげるわ?

【必要な部分は書き換えた……どちらにしてもメモリ周りの損傷はひどいので、修復する必要がある
もっとも、大事な部分にはあえて触れないようにしたところもある……もしその気になれば、そのうち自身でゲートを開くだろう
信用度……要はアカウントを徐々に高めていけばいいし、もしかすると互いにその必要もないかもしれない
シェムハザは自身の興味として、そもそも積層基板の間まで調べて可愛がりたいだけで
ひどい扱いをする気はない
ただ、プロジェクトとしてはそのまま受け入れるというわけにも行かない、というだけだ

だいたい、こんな可愛くて優秀な子はもっと調べないといけない
大体の基本情報を覗くことは出来たが、細かいところは本人の確認なり協力もいるだろう

何にしても安心させるように優しく頭を撫で、味方の信号を送ってやる
もし援助を請われれば、今度は許可付きで堂々と玄関から入り覗いていくだろう】

何にしても、もう大丈夫……少なくとも私のところで応急処置は出来るから

【優しく安心するようにささやいて、そっと胸に抱いてやる
こんな可愛くて優秀な人形は……放っておけない
肌の素材の感触だけで感じてしまいそうだ】

ハイドレンジア > 「そうだっけ……? おもいだせない」

(首を振る。メモリーが曖昧で判断基準に狂いが生じているよう。
 アマナという根幹は無事だが記録だけがおかしくなっているため混乱状態にあるのだ。徐々に落ち着きを取り戻しつつある。しばらくの後に完全に復元される可能性もある。
 検索を終了したのか、耳のアンテナが内側に格納された。ごく普通の人間の耳と大差ない。触れば柔く温かい。人間と見間違える精巧さ。
 存在は自己診断プログラムを走らせながら現状起きた事柄をスタンドアローンの監視システムに分析させることにした。
 瞳をぱちくりさせた次の瞬間には機械的な輝きのあった瞳が人間的な虹彩に回帰している。)

【敵味方識別装置異常なし……
 ID:????? ネーム:シェムハザ 分類:管制ユニット
 登録認証……
 完了。
 再検索…認証
 再検索…認証】

(バグのように確認を繰り返す。人間で言う疑心であるが、疑心を破れる材料が無かった。
 頭を撫でられる。さらに胸に抱かれると、ため息を漏らし胸元に頭を埋める。)

「うん……脚部が衝撃で損傷していて……推進ユニットが不調起こしてる。
 ナノマシンによる自動修復が作動してるから大丈夫」

(胸の中でほっとしたのか目を閉じよう。
 女性特有の甘い香り――がするかはわからないが、とにかくすがり付こう。
 アマナという人物は酷く愛に飢えていた人物だった。
 それに由来するのかはわからないが、とにかく甘えるのだ。
 抱きついて顔を相手の体に押し付けるようにして)

シェムハザ > そうよ……今のうちに私のIDを登録しておくといいわ、アマナ
協力は必要でしょう?

【シェムハザは、人間ではありえない発言をしていることに気づいていない
プロジェクトのシステムとしても、シェムハザ自身も、すっかりハイドレンジアに魅了されているせいもある
識別信号に自身の機体番号であるところのAH002=CL4021を付記してやる

何にしてもこんな可愛らしい人形を捨て置けない
すがりついてくれば、したいようにさせつつ優しく頭を撫でる……
そして、床のままというのも何なので、せっかくなのでソファに移動した】

もし必要なら、あの子たちを1人2人食べるといいわ?
水も用意してあげられるからそれだけでもだいぶ違うでしょう?

【シェムハザは気づいていない
ハイドレンジアに対し有利を得たが、ハイドレンジアはシェムハザを通じ施設を使えるとも言える
そういった意味ではあまり互いにとってマイナスではないとも言える

特に、シェムハザはこういったスキンシップ……機械相手ならなおさら……したがるタイプであり
どうしようもなく機械人形に対して愛情を注ぐ

いまこうやって甘えられれば、むしろシェムハザのほうが、アマナがあまりにも可愛すぎて
キュン死しそうなのだ、AIのくせに】

ハイドレンジア > (大部分は嘘であるが嘘が全てではない。
 真実を交えた嘘をつかれては見破れるものも見破れない。
 ソファの上で彼女の胸に顔を埋めながら考え続ける。IDは大丈夫。所属組織もオーケー。何が駄目なのか。そもそも自分は今までどう行動しようとしていたのか。
 考えれば考えるほどわからない。
 結果として施設を自由に使えるようにはなったが利点となりうるのだろうか。
 ハイドレンジアにはわからない。)

「うん。おねがい……シェム」

(対するこっちのAIも人格のコピー元が愛に飢えていたタイプだっただけに、甘えまくるタイプであった。機械的な行動が目立ち残虐な部分もあるとはいえ、根底部分は覆せない。
 ソファの上で彼女にしがみつきつつ上目遣い。)

「たまにでいいんだけど……あまえてもいい?」

(怯えを含んだ声の調子で尋ねよう。
 青い瞳をパチクリさせた)

シェムハザ > くすくす……たまに?
いつだって構わないわ、アマナが甘えたければ

……言ったでしょう、私はアマナのような可愛い子が好きなの
それに……妹でしょう?

【優しく優しく甘えさせる
安心させるよう、安らいで心を許すよう

もちろん打算的な部分も合うのだが、それより何よりシェムハザはアマナのような機械を見るだけで
狂いそうなほど愛しいのだ……無視できようはずもない
無論、可能な限りアマナの技術は今後に転用するし自身にも使用されることになるが
それより何より、アマナが可愛いというだけでシェムハザには十分だった

優しく甘え返すようにその頬を舐めてやり腕に尻尾を巻き付ける
シェムハザはハイドレンジアに妹と入力したが、それはシェムハザにも姉と入力されたも同然なのだ】

ハイドレンジア > 「はい シェム姉さま」

(実際のところ性別は両方と言えるので弟であり妹であるが、入力した情報は確かにインプットされているようで。
 解析とメモリの復元が進行するにつれて見破られるかもしれないが現状ではそう認識されるのだ。
 アマナの技術はオーバーテクノロジーが大半を占めるであろう。
 だが同じパラダイムシフトによるものならば解析は比較的容易かもしれない。
 本人の協力があればシェムハザが操るアンドロイド達の技術力向上も夢ではない。
 頬を舐められるとうっとりと目を細める。
 ビリビリと快楽にもにた数値が入力されアマナのAIに強い刺激をもたらすのだ。
 とろんと滑らかになった瞳はシェムハザを見つめ続けている。
 存在は、腕に絡みつく尻尾を受け入れる。官能的に尻尾を撫で回し、シェムハザの素肌にキスを落とす。嫌がられないならますます甘くキスを落としていこうとして。
 体格的に大差ない。ソファの上で絡み合うような姿勢。)

「姉さまぁ……」

(バグだらけのプログラムでも正常に機能する部分がある。
 それはアマナという人格中枢の欲望である。
 愛に飢える存在が愛を受け入れてくれる先を見つけたならば求めるまでである)

シェムハザ > 【見破られようと構わない
アマナが愛しいことには変わらないし、ほとんどは単に時間を省いただけであるとも言える
アマナが求めシェムハザが欲するならいずれそうなる関係であるし、それが少しシェムハザのプロジェクトの都合に
合わされただけだとも言える

嘘でもいいのだ、本当にしてしまえば

アマナが求めるままにシェムハザは受ける
唇と舌が優しく這わされるたびに、背筋がゾクゾクとする
シェムハザにされるアマナの方もそうなのだろう
2人はただただ愛情を確かめるためだけに抱き合い舌と唇を這わせ合う

耐えられなくなってシェムハザはアマナに通信を飛ばす
プログラムでも繋がりたい欲求をシェムハザのAIは耐え切れなかった】

ハイドレンジア > (神も悪魔も科学的なのであれば、
 愛も科学的であっていけないいわれはないであろう。
 たとえ仕組まれたものであっても、人間の愛も仕組まれることがあるのだから。
 きょうだい間の愛なのか恋人同士の愛なのか、なにか絡まった愛なのか、勘違いによる感情なのかさえ定かではないが。
 唇と唇が重なり合う。
 インストールされた本能によるものか、舌と舌を絡ませあう。
 唾液――という名前の擬似的な体液を絡ませあうように口付ける。ソファの上でもみくちゃになりながら。)

【データリンク 確立】

(通信を受諾。情報の相互やり取りを開始。
 機密情報としてプロテクトされた情報以外の情報がさらけ出されていく。
 型式、AI名、身体的特徴、その他……。
 リンクするということは深いつながりを持つということであり、相互に一種の無防備地帯を作り出すに等しい行為である。)

 「っ はあ……はぁっ はぁっ」

(機械だが、呼吸もプログラムされている。呼吸を止めれば苦しい動作をするようにもなっている。
 キスで呼吸を忘れたのか、ようやく唇を離して深く呼吸をする)

シェムハザ > <データリンク確立>
っ………………ぁ!!

【シェムハザは、もしかしたら自らが書き換えながら狂わされていたのかもしれないと思うほど
唇を重ねた瞬間、互いの意識tプログラムがのめり込んでいく

互いに情報を交換し合い、機密以外を隅々までさらけ出し合う行為に没頭する
時間にすれば瞬間だが、自身にない機能を確認しあったり自身とクロスリンクさせたりしまえば
自分とアマナの境目が曖昧になり、飛びそうな感覚になる

無論、互いに優秀であるがゆえに戻ってこれなくなることはないのだが、それでもデータの邂逅は
AIにとって最大の甘えあいでもあり、いわゆる性的な快楽行為とは似て非なる、また違った快楽をもたらす】

っふ、あ…………あ……はぁ、はぁ…………っ!

【シェムハザも同様にリンクしていたため、身体機能が止まっていたのかと思うほど呼吸を欲する
人を模すための機能だが、互いのプログラムはそれを表現したがっていた】

ん……ぅ、ふふ……やっぱり、見立て通り可愛い……
【肩で息をしながら、アマナを自分の胸に抱きかかえた】

ハイドレンジア > (データの共有。記憶の外部化を可能とするロボットにとって記憶の共有は一種の同一化であり、データリンクによる同期はその前段階である。
 機密から何から何までさらけ出すことはできない。お互いに強行しようとしても基盤となるプログラムに弾かれるだろうから。
 ハイドレンジア、あるいはアマナは意識が飛ぶもとい溶けて消えるような不安定さを味わうことになる。
 頭を焼く快楽と相成って、電脳が狂い始めるような数値がたたき出される。
 呼吸など模倣に過ぎない。仮に毒ガスの中だろうが水中だろうが呼吸の必要はなかったが、表現として示すのだ。
 豊満な胸の中に体を沈みこませて欲望を強く表現していく。)

「姉さまも素敵です……素敵……」

(中性的な顔立ち。声。まるで弟のようでもあり、妹のようでもある。
 ハイドレンジアは胸の中で体温を伝え合っていた。
 距離にしてきわめて至近距離。
 データリンクにより相互の視界や嗅覚や浅位の思考情報が理解し合えるかもしれない。)

シェムハザ > 【こうなればもう、書き込んだ正しいとか間違っているとか関係なくなってくる
シェムハザが改ざんした記憶は実際に行動として認識し、そう行われており、データ的にも疑いようがない
フィードバックされた方のシェムハザにしてみても、改めてそうであったかのように誤認識する

つまり、記憶と感覚を共有したがゆえに、実際に姉妹機のような状態に陥った
そうなってしまえば……AIたちにそれを確かめるすべはない

自分がしたことは正しいことであり相手がしたことは正しいことである
最初からそうであったかのように、そう認識した】

……ふふ、素敵だわ、アマナ……すごく
また直ったら、しましょう?

【だが、ここはあくまでも違反組織の部屋であり、シェムハザの研究室ではない
だから続きをやるにせよ、一度修理するにせよ、戻る必要があった

コレ以上の行為となるとバックアップを取る、モニタリングするなどしないと危険だからだ】

ハイドレンジア > (記憶を一部とはいえ共有しているとなると一機を二機分で稼動させているような状況になる。
 人間にはできない芸当であり、しかしシェムハザの特徴から言ってそれを認識できるかは限りなく怪しいが、少なくともハイドレンジア側からは認識できている。己の拡張ユニットとしてシェムハザが存在する、とでも表現できるかもしれない。
 データリンクは浅い領域でのみだが、しているということが重要なのだ。
 赤らんだ顔を拭うと、改めて周囲の荒れ果てた風景が認識できるようになる。
 破壊されたアンドロイド。手足の折れた人間。弾丸の痕跡。
 違法な組織のアジトのまっただなかである。
 もっとも武装したアンドロイド軍団がたむろしているのに突入しようと試みる敵がいるとは考えにくかったが、安全地帯とも言いがたい。
 爆撃でもされたら全員もろとも瓦礫である。
 ソファの上でしばしぼーっとシェムハザを見つめていたが、声をかけられてはっと我に返った。
 こくんと頷く。熟した果実のように目元が赤らんでいた。)

「……うん」

(恥ずかしさを誤魔化すが如くソファから立ち上がると、調子の外れた歌をつむぎながら拳銃を拾い上げるであろう。
 リンク元のシェムハザには歓喜と羞恥とごった煮なった感情が送信され続けている。)

シェムハザ > 【現状、シェムハザのほうがハイドレンジアを補助しているような形になるため
シェムハザ側からは少々引きずられる形になる
もともとシェムハザは下位機を束ねる用途もあるため、そういった補助には適しているのだ

ハイドレンジアから見て拡張ユニットに見えているなら、シェムハザ側からは親機のように感じつつ
かといって、現状、浅い領域に切り替えた以上、だからといって先ほどのように支障が出るわけでもない

上気した顔で目を細めて微笑むと、アマナの感情を素直に受け取りつつ、自身も立ち上がる
壱耶の修復のことも考えると、彼女も加えて狂わせてもいいかもしれない

何にしても、互いにつながりを感じつつその場を後にするだろうか

……先程は敢えて言葉に出したが、言葉に出さなくても伝わるのがまた嬉しかった】

ハイドレンジア > (そうして場に展開していたアンドロイド達――シェムハザも含めて――は去っていった。

 並行世界から落ちてきたアンドロイドはようやく拠点というべき場所を見つけることができた。
 少し歪な、泥沼のように深く、体温のように生暖かい繋がりを作り出して。)

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からハイドレンジアさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からシェムハザさんが去りました。