2015/07/30 のログ
惨月白露 > 目線を上げると、鏡に彼の顔が映る。
左目の下には、この部活動の象徴であるバーコードが刻まれている。
『11/11』を図案化した、バーコード。
彼が『売り物』である事を示す証。

それを隠すように先ほどまで見ていた手を翳した。

「なんでまた、こんなやつの手を握っちまったんだろうな、アイツは。」

そっと瞳を伏せると、腕を力なくだらんと垂らす。

「―――ま、もう話す事もねぇか。
 随分と傷つけちまったみたいだからな。」

ハッと笑うと、椅子に深く腰掛けて足を組む。
すぐにでも、次の『仕事』が振られるだろう。

殺しかもしれないし、運びかもしれないし、売人かもしれないし、
身体を売る事になるかもしれない、それ以外でもなんでも、
依頼主に言われれば、彼はやる事になる。

『次はどんなヤツが俺を買うのかな。』

彼はまだ見ぬ自分の買い主を椅子に座って、
その瞳を伏せて、ただ待つ。

惨月白露 > 近寄ってくる2人分の足音に、
耳をピクリと動かして、瞳を開く。

彼が休憩用の椅子から立ち上がり、
ゆっくりと『客』を迎え入れる部屋に移動すると、
ほぼ同時に影が入口に立つ、

それを見れば、目を細めて愛想笑いを浮かべ、
唇を、ぺろりと赤い舌が舐める。

『俺の居場所は、ここだ。』

そこに漂う腐った甘い甘い空気を、ただ吸い込んだ。

ご案内:「違法部活『イレブン/イレブン』」から惨月白露さんが去りました。