2016/05/22 のログ
久藤 嵯督 > 数の差を覆すため、基本的には相手に気付かれずに命を奪う。
故に、まともにぶつかったのはごく一部の構成員。数にして十二名。

その誰もが死霊魔術を扱い、また、正体不明の異能を繰り出していた。
何より不可解なのが、いずれの構成員も『複数の異なる力を持った異能』を他の構成員と同じように扱っていたこと。
戦っている最中は魔術の類と見ていたが、戦闘終了後に魔術反応を探ってみればそれも違う。

彼らは一つの異能で火を起こし、一定範囲の空間を消滅させ、
まともにぶつけられた嵯督の”雷”を無効化し、更にはいくつもの幻覚を見せた。
これらの全てが異能ひとつで賄えるとは、とても思えない。
あるいは、誰かが”異能を共有させる異能”でも持っていたというのだろうか。

……心当たりは、ある。しかし、それはきっと違う。
あれは”借りる”あるいは”奪う”異能であり、間違っても”与える”という性質など持っていない。

久藤 嵯督 > 情報を聞き出すため、一人見繕って生かしておいた。
吐こうが吐くまいが殺害する予定だが、果たしてどこまで聞けるのやら。

転がる死体を全て処理場に転移させた後、拘束した構成員のいる部屋へと向かった。
指の糸には何の反応も無いことから、誰かが介入したということもないだろう。
しかし油断はせず、常在戦場の心持ちで目的の場所へ向かう。

久藤 嵯督 > 暗くカビ臭い廊下を歩いていき、急造の礼拝堂に出た。
パイプ椅子や木製の椅子など、統一感のない椅子が並べられている。
中央奥の長テーブルには穢れたシーツを被せ、その上には7本の蝋燭。
中央には頭と右側が折れて『L』の字を逆さにしたような形になっている十字架が飾られている。
テーブルの傍、ピアノ線で厳重に縛られた構成員が寝転がされていた。

嵯督は構成員の腹を蹴り上げる。
すると構成員はげほげほと咳き込んで―――慈愛に満ちた穏やかな目で、嵯督を見上げた。

■構成員ρ > 「―――嗚呼、皆を”送り届けてくださった”のですね。
ありがとうございます、彼らはあなたの手によって救われました……」

―――戦っている時から、妙だった。
こちらに対する殺意が全く感じられず、むしろ母親が子供をあやすのと同じ要領で
力と暴力を嵯督に向けてきたのだ。
仲間を殺されたところで怒りもせず、それどころか感謝されるとは。

久藤 嵯督 > 「……生憎だが俺は、下請けでな。お前らの目的なんぞ一片たりとも知らん。
 だが、この島に仇なす存在であるということは理解している。一体何をしにやってきた?」

この手の輩は、拷問したところで口を割ることはしないだろう。
これで答えないようであれば自白剤を使うか、このまま始末するか……

■構成員ρ > 「はい。世界を救うためでございます」

……随分と突拍子もない答えが返ってきた。
まるで嘘なんかついてませんとでも言いたげに、ハッキリと喋る。
とても嘘をついているようには見えないが、聊か信じられない気持ちがある。

「……それで。俺が聞きたいのは、”この島で何をしようとしていたのか”って事だ。
 何をどうして、”どんな方法”で世界を救おうってんだ」

■構成員ρ > 「……それは、お答え致しかねます。
 『大無名者』よ。あなた様はきっと、それを止めようとなさるでしょうから」

■構成員ρ > 「しかし……ご安心ください。我々はあなた様を見捨てることは致しません。
 我々は、この世の全てをお救いします。人も、獣も、神も、悪魔も、例外ナく……全…テ……」

話している途中で、構成員の様子がおかしくなる。
喋り声が次第に減速しながら、衰弱していくように小さくなる。
体から色が抜け落ちて、全身が灰色になった。
病的なまでに体はやせ細っていくが、それに反比例するかのように構成員の顔は恍惚としていた。

■構成員ρ > 「―――嗚呼、コれガ……天国、なのデすネ……
 カエラム様。今、貴方ノ御許へ向かイマす……」

直後、構成員の体が崩れ落ちて灰の山となり、中から青白い光が浮かび上がってくる。
光は壁をすり抜けて、落第街のどこかに向かって飛んでいった。

久藤 嵯督 > 「……なるほど。躯の天使が、まだ生きていたとはな」

島の外で交戦した怪異。
仙人や賢者と呼ばれる人間を殺害して回っていたのを”ギロチン”を用いることで討伐したかに思えたが……
どうやらしぶとく生き残っていたらしい。
それがこの島にやって来るとなると、誰かが犠牲になる可能性がある。

学園そのものが抱えている問題にしろ、門の外からの侵略者にしろ、傍迷惑な新興宗教にしろ……問題は山積みである。

これ以上ここに長居する必要はない。
十字架に背を向けて、礼拝堂を後にする―――

久藤 嵯督 >  






















































おかしい。

奴の言っていた、『大無名者』。

あれは俺の異能ではなく、『   』のものだったハズだ。


……いや、まて。どうしてそれが異能を示しているものだと知っていた?

俺の体に、一体何が起こっている―――?

ご案内:「違反部活本拠跡」から久藤 嵯督さんが去りました。