2016/06/23 のログ
ご案内:「寂れた地下酒場」に虞淵さんが現れました。
■虞淵 > 「ックシ」
静かな店内に男のクシャミが響きました
周りの客はちらっとその声に反応しカウンターのほうを見ましたがすぐにその目を逸らしてしまいます
「……カゼか?」
生まれた時から一切病気をしたことがないこの男にそう思わせるぐらいによくわからないクシャミでした
なお乱入は歓迎です
■虞淵 > 「まぁいい、もう一杯頼む」
店主がおかわりを慌てて用意します
どうやら店が妙に静かなのはこの客がいるからのようでした
■虞淵 > 小さな違反組織の経営する地下酒場
酒の質が悪ければ店の中の風紀も悪い
客のタチも悪く金払いも悪い…そんな悪いこと尽くしの店である
だが落第街をずっと根城にしてきた男にはそういう空気が、好ましい
此処のところエアリアの膝下のホテルでばかり飲んでいた
確かに酒の質はいいが、どうにもお上品な空気が物足りなかったといったところか
■虞淵 > 「随分静かだな、お客様がお上品になったんじゃねェか?」
マスターは苦笑する
店内の他の客は全力で アンタが来てるからだ とツッコミを入れた。心の中で
「昔は喧嘩してるやつが絶えなくて、いい酒の肴になったもンだがな」
昔はよく命知らずに喧嘩も売られたものだ
しかし今となってはそんなヤツも減ってしまった
この島の中、唯一男を満たしていた街も今では退屈な場所になってしまったのかもしれない
名前が売れすぎるのも良し悪しである
■虞淵 > 酒が入ればそれなりに口も軽くなる
マスターの軽やかなトークスキルも冴えたのだろうが、ついついらしくない、身の上話
なぜこの島に居座るのか、と聞かれれば
「さァて、財団が俺を逃したくないってフシはあるがそうだなァ…。
俺個人としては、まだ遊びたいヤツがいるから、ってトコロか。
特に元ロストサインの東郷…アイツは良い」
その名前が出ると周囲が僅かにザワつく
ロストサインはこの界隈では知らない者のいないビッグネームだ
「昔はグランドマスターだかの命令があったとかなんとかで、
喧嘩に誘ってものらりくらりと逃げやがったが、もうロストサイン自体が無ェからな」
ご案内:「寂れた地下酒場」に白泉椿丸さんが現れました。
■白泉椿丸 > ゴツンと響いた足音は、女のものでは無い。
しかし、その人物の見た目は紛うこと無き女性の姿。
…ではあるが、あくまで服飾や化粧の話であり、どう頑張っても彼女は男であった。
「マスター、ウォッカ。スプリングスみたいなのがあれば嬉しいわネ。
ああ、別にロックで良いわよォ」
店内は静かだ。
それだというのに、オカマは数少ない客である虞淵のすぐ近くの席へ座る。
「貸し切りなのン?」
■虞淵 > 店内は静かだ った
その客が現れたらその沈黙が破られないはずがない
小さなどよめきが隅っこの客とかそのへんから漏れる
「あン?」
妙な雰囲気を感じ取ったグエンはウィスキーのグラスを煽りながら席を振り向く
「オウ、俺の知らない間にこの店はゲイバーにでもなったのか?」
■白泉椿丸 > 煽りには動じず、むしろ称賛とばかりにニコッと笑った。
このオカマの正体を知っている者がいれば、ギョッとしてしまいそうな眼の細めかたをして。
脚を組み、人差し指の背に顎を乗せる。
「ゲイバーなら花が足りないわねェ。音楽も照明も足りないわン。
見た目の大きさの割には、アナタずいぶんと子供っぽい言葉のあて方するわネ~。ご無沙汰?」
カリカリした男は女にもオカマにも敬遠されるわといやらしい唇のゆがめ方をする。
トン、と置かれたグラスを手に取り、さばさばした動きで飲む。
■虞淵 > 「どっかで会ったか、生憎変態の知り合いはいねェぞ」
カッと残りを飲み干して、グラスを置く
二級生徒らしき客の動揺の仕方がおかしい
イヤ動揺はするだろうが、普通の反応とは少し違う
何かこのオカマを知っているか、もしくは…
「落第街の地下酒場に花も何もあったんもんじゃねェだろ。
で、何者なンだ?オマエ」
■白泉椿丸 > 「うふふっ」
グラスの中身を干すと、虞淵が飲んでいたものと同じ酒を頼んだ。
間を置かずにやってきたそれを、また半分まで喉へ通す。
黄色いルージュが笑みを貼りつけたまま、離れて飲んでいる可愛いお客たちへ一瞥。
視線を戻し、その緑をした瞳で相手をじっとりと見つめる。
「さ~あ、誰が良いかしらン。
何者かっていうのは必要?それ、アタシに興味持ってくれたなら別だけどン、うふふ」
非常に勿体つけている。相手の性格を見定めるようにして、からかっているのだろうか。
決して、酔っているわけでもなさそうだ。オカマは顔色を変えていない。
何を考えているやら、虞淵の言葉次第だと言わんばかりの眼で。
■虞淵 > 「興味がなきゃ聞かねェだろう」
椿丸の言葉にははっきりとそう返した
一瞥されたお客達は即座に目をそらした
…それがどういう意味かは少し想像するにも幅が広いが
少なくとも目の前の相手がただのオカマでないという推察はつくものである たぶん
「品定めされるのは好きじゃねェな。
さっさと名乗れよ。それとも勿体つけるほどのモンか?」
■白泉椿丸 > くすぐったそうな、暗い笑みを浮かべた。
その後、ぷはっと声を立てて笑いだす。
何に対してでも無く、堰を切ったようにその口元へ手をあてて、うふふほほほと室内を轟かした。
「学園の教師よォ、グエンちゃん。アナタはきっと知らないわ。
アタシ、そこまで有名じゃないハズだものォ。
しばらく外の世界に出てて、最近戻って来たのよン。
そうしたらアナタの噂を聞いたから、見てみたくてネ。やんちゃ坊主ってヤツを」
風紀なんかは関係ないわ、そう付け加える。
伝えるのと同時に酒は空になり、オカマの指は3杯目を示した。
■虞淵 > 大仰に肩を竦めて両腕をあげた、やれやれ、といったポーズ
「学園の教師が違法部活が蔓延る界隈に飲みに来る時代かよ。落第街もヌルくなったもんだねェ」
ちゃん付けで呼ばれたのがあまりにも自然すぎてつっこむのを忘れた
超動物的な勘に優れるグエンは即座に悟る
コイツはペースに巻き込まれたらアカンやつだと
「まァ、俺様は学校ほとんど行ってねェからな。
行ってりゃ知ってるだろ、有名じゃねェはずがあるかよそのビジュアルで」
くつくつと苦笑を浮かべる
「それにしても俺様は学園じゃまだやんちゃ坊主で通ってんのかイ?
いい加減そこらの教師どもよりも年上になる頃合いなんだがなァ」
■白泉椿丸 > 「アタシは違法部活なんかのアンダーな活動に関しては、寛容な方なのよン。
絶対まではいかずとも、こういう場所は駆逐し尽すのも無理な話なのだものォ。
それにほら、教師だって人間だしィ?潔白で生きてきたわけでもないから、アタシ」
汚れても楽しい事は楽しい事で受け入れるべきでしょう?と微笑む。
さっきのようないやらしい笑みではなく、朗らかなものだ。
ただ、酒を飲むペースは決して崩さないでいる。度数も高いものばかり。
虞淵の苦笑いには手をひらひら振って、
「そりゃあそうよ。あったりまえじゃなァーいのン。
ある程度腕に覚えがある子を編成しても捕獲出来ないヤンチャくんよォ?
教師だって、アナタのリストを見たら苦虫をかっこんだようなしわくちゃフェイスよ」
■虞淵 > 「オウ、そのナリで潔白な人生歩んできたとか抜かしたら2、3発はブン殴らせてもらうぜ」
なんだかつい負けじとこちらも酒を飲み始めた
あ、負けず嫌いですね、こんな部分でも
「あァ?イヤそうじゃなくてよ、もっとあンだろ、呼び方がよ」
さすがに坊主と呼ばれるような年じゃねぇよとも言いたげに
「最近は風紀も俺様をとっ捕まえに来ねェから退屈で仕方ねェよ。
で、単に見に来ただけってこともねェんだろ?」
なんか用事でもあるんだろ、と
わざわざ危険な場所に足を運ぶ以上はそういう目的があるものかと
グラスを煽りながら問いかけた
■白泉椿丸 > おお怖いとわざとらしく肩をキュッと寄せ、つまみを頼む。
出てきた小皿は、無骨な殻つきの胡桃がごろごろ乗っている。
オカマはそれをちらっと見て、胡桃割り(ヒュンッてしちゃう!)を断った。
どう頑張ってもいやらしい手つきで、胡桃を2つ手のひらへ握る。
カリカリコロコロ、乾いた音をさせながらおもむろに胡桃を指先で潰す。
「ああ、呼び方?フツーに虞淵で呼び捨てよン?
アタシが単純にヤンチャくんって言いたかっただけ~。可愛いでしょ?その方が」
くずれた殻の中から実を取り出して頬張り、グラスへ口づける。
そして、虞淵の疑問にポカンとした表情を浮かべた。
「え?別に………? 気になったから来ただけよォ。
2m越えのマッシヴマンがいるって言われたら、オカマならまず来るわよ。来なきゃオカマじゃないわよ」
■虞淵 > 怖いもの見たさで見ていたお客達は、クルミを素手で破砕するオカマを目の当たりにして恐怖にかられたようでした。無理もない
きっと彼らでは力づくで来られたら逃げられないだろうから
「可愛く呼ばれるようなトシでもねェし、
オカマが俺様に近寄ってきたのは十数年此処にいてテメェが初めてだ…」
そう行って少しトントン、と眉間を指で叩く
大丈夫、あなたの記憶は正常です
■白泉椿丸 > 「マスター、アタシそろそろラムが飲みたいわァ。
喉にクるほどガツッと濃厚なやつ……」
虞淵の眉間を叩く姿は放置であった。
酒を待つ手慰みに皺も大きさもご立派な胡桃を割っては、その中身を口へ運ぶ。
そういえば、胡桃って精のつく食べ物だったわネ。
「グエンちゃん、食べる?」
アタシ流石にここまでナッツ好きじゃないのヨ、と押し付けた。
「この島の中、ほぼ一人で腕力一本。
気に入らなければ殴りつけ、気にいっても殴りにかかる。可愛いもんじゃないのォ」
何が楽しいのか、ガタイは可愛くないケド!と大笑いである。
■虞淵 > 「あ?本当に気に入らねェヤツは殴りもしねェよ」
言いながら、差し出されたクルミを卵を割るように軽く握りしめて砕き、実を口に放り込む
過去、喧嘩を売られても面白くなさそうな相手はフイにしてきた
無駄に腕力ばかりが強いと、逆に大らかな気持ちを持つことができる
一種の強者の理念だろうか
「用もねェならとっとと帰ったほうがイイぜ。
オマエを襲うようなタマもいねェだろうが、何かと教師ってだけで恨み持ってるヤツも多いからな」
オマエを見て教師だと思うヤツはそうそういねェだろうが、と続けて、グラスを呷った
■白泉椿丸 > 4杯目だったか、5杯目だったか。きゅーっとそれを飲み干す。
満足げに、んはぁと低い吐息を漏らした。ブレずにしっかりと男である。
さっさと帰れという文句を貰うと、ハイハーイと手を軽く上げて帰宅表明であった。
サッパリしたものである。……今のところは。
「グエンちゃんの顔を見れたからじゅ・う・ぶ・ん。
あっらァ、心配してくれるのォ~~??や~さ~し~ぃい~!」
言葉尻がぴょんぴょん跳ねている。兎のように、くいんクインと跳ねている。
「アタシを襲ってくれるなら、喜んでお尻差し出すわよン?
度胸の無い子は、みぃ~んな食べちゃうけどネ~~」
相場は知っているのか、
ハンドバッグからお金を出し、釣りも受け取らぬうちに立ち上がった。
■虞淵 > 「オイやめろ」
真顔でした
「てめエ一応教師なら名前ぐらい名乗っていけよな」
ふーっと此方も酒臭くなった息を吐いて、立ち上がったオカマを見据えた
■白泉椿丸 > 「あら、それもそォね」
黒い揚羽を模った肩掛けを直しながら、肩越しに虞淵を見た。
虞淵に比べれば一回り以上小さく見えるその背中が、僅かに隆起する。
異形のそれではない。ただの筋肉だ。鍛えたそのものだ。
「白泉椿丸。ジュディって呼んでもいーわよォ~、グエンちゃん」
ご案内:「寂れた地下酒場」から白泉椿丸さんが去りました。
■虞淵 > 「……おぅ」
結局最後までちゃん付けだった
「あんな教師までいるとかもうわかんねェな」
ますますなんでもありになってきていそうな学園に少し辟易しつつ、
気づけば喧嘩のこともわすれていた自分に気づいて、
オカマは要注意だと認識しなおしたグエンちゃんであった…
ご案内:「寂れた地下酒場」から虞淵さんが去りました。