2018/07/30 のログ
ご案内:「違法組織隠れ家」に江風 白さんが現れました。
江風 白 > 薬物を扱う違法組織同士の会談。ビルの5階は他と比べて重く、息苦しい雰囲気をしていた。
そんな空気はお構いなしと言わんばかりに、今回護衛を依頼してきた組織の長である相手の後ろで前髪を弄りながら話が終わるのを待つ。

「やっぱこういうのあるんですね、ドラマだけかと思ってましたよ僕」

ワクワクしていると言った表情で隣に控えている仲間にそう小声で声をかけるも、当然無視される。
釣れないなぁと小さくため息を吐けば、天井のシミを数えるようにボーっと天井を眺める。
まぁこれで金が貰えるならいい仕事だと、そう思いながら。

江風 白 > 4つ...5つ...。天井のシミを数えながら待っていると、自分を呼ぶ声が聞こえた。
あぁ、持って来いと。アタッシュケースを左手に、部屋の中央にあるガラスのテーブルの上にそれをそっと置く。
そのまま相手に仲間に見えるようにそれを開けば、笑みを浮かべ、一礼し、再び長の後ろに戻っていく。
愛想良くするだけで金が入る、なんて単純で楽な仕事だ。

「いやぁ、おっかないですねお相手の方。威圧感っていうんですか?」

黙れと一言。分かりましたよと言わんばかりに口にチャックするような素振りを見せれば、再び天井を見ては時間が経つのを待つ。
もうそろそろ終わってくれると嬉しいのだが。

江風 白 > 明日は学校か、授業遅れないようにしないと。そう考えてると相手側がアタッシュケースを持って退室していく。
どうやら話し合いは終わったようだ、部屋の空気もさっきまでの重苦しい空気からは多少マシになっている。
依頼主もやっと終わったと言わんばかりに、会談中一口も飲まなかったワインを一気に飲んでいた。

「お疲れ様でした。いい感じに纏まりました?」

話を聞いていなかったのかと言いたそうな顔でこちらを見てくるが、お構いなしにテーブルに出されてあったベーコンを摘まんでは口に入れる。
無論相手はムッとするが、こちらは対等な立場での護衛という条件でここにいる。文句なんて言われるはずがない。

江風 白 > そんなことをして長をからかっているとこちらも撤収する時間のようだ。
今回は何も問題は起きなかったが、何も起きないならそれはそれでいいことだ。
周りが撤収作業をしているのを横目に軽い足取りで部屋を出ていく。

「また何かあるときは雇ってくださいね。ご存知の通り僕は時間稼ぎにはこの上ないくらいの能力ですから。」

出口の扉のまえで深々とお辞儀をすれば、そのまま階段をおり、姿を消す。
こんな仕事で金が稼げるのだ、いまのこの時代は能力様様だと言わざる得ない。

ご案内:「違法組織隠れ家」から江風 白さんが去りました。