2018/11/20 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  夜、黒い軍用の服に身を包んだ男がそこにいた。
 腕も完全に元に戻り、また戦いの現場へと戻ってきた。
 といっても、もう戦いは終結を迎えている。小さな廃工場。そのオフィスのような場所。数人の男が居たがそれらは全てビクビクと痙攣しながら倒れている。
 実際他にも道中数名いたが……全て同様の結果になっている。
 猛毒、強力な痺れと激痛を持つそれでまともに動くことも出来ないだろう。
 彼が開いているのはアタッシュケース。中には情報屋から買い取った情報通りの代物が入っている。

「現物は初めてみるが。なるほどな、これが制御薬か」

 薬を手に持ち軽くゆする。使うつもりはないし、そもそも完全に制御しきっている自分が使ったところで暴走するだけだ。
 これを解析すればこれが製造できそうな施設を特定できるかもしれない、完全な薬は自身の枠の外だが……道具を作る工程で魔術や異能を道具になじませる為に特殊な薬品を使う場合もある。系統としては近いはずだ、出来る可能性は十分にある。
 さて、薬に関してはお仕舞い。服のポケットにそれを入れると今度はオフィスを物色し始める。解析するよりここで書類でも見つけてしまうのが1番手っ取り早い。
 それにここが何処から買い取ったかがわかればそこを遡っていけば見つかるというのもある。

白鈴秋 >  ここを警備していた連中はザックリ言ってしまえば雑魚ばかりだった。拳銃を手にして強くなった気の男や短刀で向かってくるもの。1番強いやつですら異能をまともに戦闘に落としこめておらず、ただ振り回すだけであった。

「ここにいた奴の質の低さからそうだろうなとは思っていたが」

 漁れど漁れど出てくるのは小さなまとめばかり。数人規模に捌いた物ばかりで大規模はおろか契約書の類すらない。
 精々ゴロツキが成り上がりを目指して手を出したって所か。
 仕入先すら彼方此方から仕入れており目先で売りさばく事しか考えていない小物だとわかる。
 さらに言えば帳簿があっていない。この中の馬鹿が自分に使ったかもしくは個人的に売って売り上げは自分の懐にしまいこんだか……どちらにしても末端も末端だろう。

「これだからあいつは使いたくねぇんだ」

 情報の質は文句無いし注文した通り、場合によってはそれ以上を仕入れる場合もある。
 だがこうして1番小さい場所だったり、それ以上はもっと金を寄越せと言って来る場合もある。
 顔をしかめるも作業を続ける。現状見つからないがもしかしたら良い情報になりえる物が見つかるかもしれないのだから。

白鈴秋 >  オフィスを探るが結局それ以上の代物は見つからない。精々1番多くやり取りをしていた組織がわかった程度だ。組織の内情をメモに移すとそれはそのまま机の上に放置しておく。風紀が見つけてくれれば他の取引先も含めてまとめて調査をしてくれるはずだ。
 
「さて、あとは」

 チラと視線を向ける、それは推定ここのボス。目が合うとビクッと震えるが。

「ビビんじゃねぇよ」

 グイッと胸倉を持ち上げると懐を漁り、携帯電話を取り出す。
 やめてくれと懇願するボスの首をキツく糸で締め上げる。悲鳴すら上げられずもがく。

「舐めた事いってんじゃねぇぞ。てめぇは弱者を食い物にしようとした。強者に食われる事に文句たれんじゃねぇよ」

 糸を解除すると同時に手を離す。毒による痛みがあるにもかかわらず咽るという地獄を見ているが知ったことではない。
 メールを送る。送り先は風紀委員、文面は何時もどおり……名前も件名も載せず。場所の住所と現状の写真。今回はそれに制御薬の写真も撮り送る。

「じゃあな……風紀がお前達に危害を加える奴らより早く来てくれりゃ。お前達も助かるだろうさ」

 掠れる声で待ってくれと囁くここの連中を無視して扉を閉める。はぁと溜息をつくとポケットから薬を取り出す。

「……どいつもこいつも異能って……何がそんなに大事なんだよ」

 そうして帰路に着く。彼らは結局全員捕まったらしい。
 

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から白鈴秋さんが去りました。