2015/06/10 のログ
ご案内:「路地裏」に夕霧さんが現れました。
ご案内:「路地裏」にリリアさんが現れました。
夕霧 > 巡回する機械達を眼にしながら少しずつ路地裏を進む。
事務、とはいえ公安としての基本的な業務も担う為、こうして巡回中、と言う訳だ。
機械の巡回ルートが外れた方へと歩を進める。
何か出なければ世は事も無し。
何か出るならそう言う事だ。

リリア > 「はぁ……」

路地裏を歩く少女が一人。
珍しくも今日の"仕事"はないようで、肩透かし気味に寮へ帰る所だ。
なんでも公安の定期巡回があるようでリスクが高いのだと。

持ってて怪しまれる物はないものの、危険な路地裏を少女が歩いているのは傍から見たら怪しさ極まりない。
尤も本人にその自覚はないようだが。

夕霧 > 特に気負いは無いのか歩は軽い。
元々こういった場所に居るものでは無いし、イレギュラーである。
イレギュラーに触れたがる者などそうそういないだろう。
触れるという事はよっぽど……。
などと考えていると、目の前に明らかにイレギュラーな存在を発見する。
……。
少し早歩きになり、リリアへと近づいていく。
コツ、コツとブーツの音が路地裏に響く。

リリア > (寝たのが2時で、起きたのが夜前だと……何時間寝たんだっけ……)

あの後キュウに寮まで送り届けて貰った後、シャワーも浴びずに爆睡していたようだ。
起きた時には夕飯時、慌てて湯浴みを済ませて路地裏へ駆け込んだもののこのざまである。

欠伸をしながら歩いていると、明らかに自分とは違う足音が耳に届いた。
もしかしたらその"定期巡回"かもしれない。どうしたものか……
寝起きの頭を叩き起こしつつも足音の方を向く。

夕霧 > こちらを向いたリリアに掛けられた言葉は。
「どうもこんばんわぁ」
少しばかり、特徴なイントネーションのなんてことは無い普通の挨拶。
表情は少し笑っている感じで柔和な印象を受けるだろう。
この場がこういった場でなければ。
腕に「公安」の腕章が無ければ。
「随分遅い時間に出歩きはりますねぇ?」
ニュアンスにも特に咎めるような響きは無い。
特徴的なイントネーションと柔和な笑顔。
無いのに有る。

リリア > 「げ」

顔よりも先に腕に付けられた"公安"の腕章が目に入る。マズい。
凄まじい速度で思考が廻る。危ないものは持ってない、バレたら危険な書類もない。
強いて言うなら―――補導されそう、ということぐらいか。

「……えーっと、公安さん、ですか?
  気づいたら迷い込んじゃって……落第街の外まで案内してもらえませんか?」

ちょっと不安そうな顔になる。私はかよわい女の子、特別な異能も魔術も持たず路地裏に迷い込んだ女の子だ。

夕霧 > 少しだけ目を細める。
口が明らかにマズいと言わんばかりに一瞬だけ、曲がったように見えるのを見逃さないが。
それは見逃す。
「それは大変やねえ」
少し、また距離を詰め。
「ええですよぉ。この辺は危ないですし」
そう言うと。
「送りますけどお名前聞かせて貰ろてもよろしぃですか?」

リリア > なんとかやり過ごせたようだ。
後は適当に話を繋ぎつつ寮へ帰って……今日は早めに寝よう。明日は1限からだったような気がする。
眠れるかどうかは定かじゃないが。

「あ、はい……リリア、リリア・ウィスタリア。高等部一年です。」

地味に距離を詰められたのを感じ、威圧感からか冷や汗が少し。
口調からしてこの人はきっと"怒らせたらヤバい"タイプなのだろう。

夕霧 > 「ウィスタリアはんですね、うちは夕霧いいます」
軽く会釈をするが身長差があるので少し上から覗き込むようになってしまうが。
「それじゃあ送りますよぉ。こっちです」
そう言い、詰めた距離を元に戻し振り返ると、大通りへの道へとゆっくり歩きだそうとする。

リリア > 「夕霧さん、ですね。わざわざありがとうございます。」

見上げるようにして会釈を返し、お辞儀をひとつ。
後ろをついていくように見知った道を歩き始める。

「夕霧さんはこの辺りに詳しいんですか?」

歩きがてらに些細な疑問を投げつける。
もう少しあざとく振る舞うべきか、とも考えたが流石に控えた。
相手は公安だ。下手を踏むことは許されない。

夕霧 > 「詳しくはありませんけどね、まあ道ぐらいなら覚えてますし」
ゆっくりとついてきているのを確認しながら歩を進める。
「巡回ルート、ありますからね。それに沿って歩いてるだけですよぉ」
振り返らず、リリアに全く変わらない口調でそう、返す。

「ウィスタリアはんは、迷われたみたいですけど、何か御用時でもありはりましたか?」
少しだけ、本当に少しだけ先ほどより無機質な声。
まるで探るかのように。

リリア > 巡回ルート。是非とも把握しておきたい所だが―――
今はこの女性に合わせることだけ意識することにする。

「いや、探検?みたいな感じ……でしょうか?興味本位でふらふらーっと入ったら出られなくなって……」

活発そうな見た目をした少女らしい理由を適当に零しつつ、夕霧の後ろを歩いていく。

夕霧 > 「元気があっていい事ですけど興味本位でこの辺りは中々危ないですなあ」
次から気、付けてくださいね、と付け加える。
「この辺は何があっても不思議ではないし、何が起きても発見、できませんから」
言いながら少しずつ、大通りが近づいてくる。
「しかし探検ですかあ。その割には―――」
くるり、とリリアの方を向く。
表情は先ほどと変わらない柔和な笑顔が張り付いたままだ。
「余り迷いの無い歩き方のようでしたけど」
一拍更に置いた後に更ににこりと笑い。
「随分と怖いもの知らずなんですなぁ。感心します」

リリア > 「そ、そうですね。危なそうな人達も見かけましたし。」

主に私の依頼先、とか。
―――ここに来て数ヶ月、そういえば裏の存在にも違和感がなくなってきたような。
ぼんやりと考えていたら、すっと振り向かれる。先程と全く変わらない威圧感のある笑顔で。

「ひゃぅ?! ……探検してたら、楽しくなってきちゃいまして。」

年相応の可愛らしい驚き方をした。いつぶりだろうか。
それにしても一々怖い人である、と思考を巡らせつつも引きつった笑みを返す。

夕霧 > 「探検ですものなぁ」
そのままころころと笑う。
「でもちょっとヘンですなぁ。探検と言うからには目的があると、うちは思うんです」
歩みは止めず、顔半分だけリリアの方を見て。
「正確には目的が無いのが目的だと思うんです。ヘンな言い方ですけどね」
逆に迷いが無いのは違和感がある、というニュアンスを込めて。
「ウィスタリアはんはどう、思います?」
それだけ言うとまた視線を前に戻した。

リリア > 「んー……どうでしょう。探検って、手探りじゃないとおかしいですもんね。」

少し見上げ、夕霧へ微笑み。

「探検していたら迷っていた。それでも好奇心の向くまま進んでいた。
 だから迷っていながらも尚、その歩に迷いなんて無かった……なんていうのはどうです?」

迷っていた、と言い張る少女からは少し不思議な返答が紡がれる。
何せ彼女は迷ってなどいなかったのだから。

夕霧 > 顔は見えない。
が、ふふと軽く声がする。
「なるほど。そういう考え方もありはりますね。勉強になりますわぁ」
そう言ってまたころころと笑う。
そして、気付けば路地裏を既に出ており、落第街大通りがすぐそこに望める。
「ここまで来たらもう大丈夫です」
全身振り返り、リリアにそう告げる。

リリア > 「私程度の戯言、で纏めてしまえばそれまでですけどね。」

やや投げやりな口調で返し、見られずともそっと微笑む。
気がつけば路地裏の入り口まで歩は進み、視界には大通りが広がっていた。

「はい、ここはもう見覚えがあるから大丈夫です。夜分遅くにありがとうございました。」

深くお辞儀をし、歓楽街の方へ走り去ろうと夕霧に背を向ける。

夕霧 > 「気を付けてお帰りになってくださいねぇ」
やはり独特のイントネーションで駆け出して行くリリアの背に声を掛ける。
「次はもう少し上手いごまかし方、期待してます。『運び屋』さん」

証拠も何も無い、噂程度の話。
単純にカマをかけているだけ、かも知れない。

ただそれだけ言って。
ころころとまた笑い。
夕霧はそのまま踵を返し、再度路地裏の闇へと溶け込んで行った。
巡回終了はまだ早い。

ご案内:「路地裏」からリリアさんが去りました。
ご案内:「路地裏」から夕霧さんが去りました。
ご案内:「路地裏」にソラとルナさんが現れました。
ソラとルナ > 汚れた路地裏に小さな人影が二つ。

金髪の少女はゴミを漁ってなにか面白そうなものがないかを探す。
何か見つけるたびに銀髪の少年のところに持っていって見せているようだ。

当然だが価値のあるものは未だ見つかっていない。
場所が場所だから仕方ない。が、探している当人は楽しそうな様子。

ソラとルナ > 少女が探し物をしている間、少年は汚れて凹んだゴミ箱に腰掛けている。

さすがに生ゴミの山にもぐりこもうとしたときは止めに入ったが。

ソラとルナ > しばらくして、少女は錆びた時計を拾って持ってきた。
少年はじっとそれを調べる。

値打ちもの、というほどではないにしても、修理して売ればそれなりの値段にはなるだろうか。
少年はそれを少女に返す。
少女は嬉しそうにくるくる回るとそれを懐にしまった。

ソラとルナ > さらにもうしばらくして、少女が何かを持って戻ってきた。
少年は無言で人には見せられない何かを焼き捨てる。

少女はちょっと不満げな表情をしたが気にしない。

ソラとルナ > その後、少女は次々とガラクタを拾い集めてくる。
少年はそれを軽く調べてから返すのみ。

……だったのだが。ふと、拾ってきた品物に目を留める。

ソラとルナ > 注意深く「それ」を手に取りじっくりと眺める。
薬品、だろうか。捨てられていたにしては保存状態が良すぎる。

自身の力で調べることが出来れば楽だったが、あいにく興味を持ってしまうとその力はほとんど役にはたたない。

だからこの力は嫌いだ、と。少年は少女に聞こえないように愚痴をこぼした。

ソラとルナ > 少年は少女の了承を得てそれを懐にしまう。

時間はたっぷりある。のんびり調べればいいだろうと、そう考えて。

ソラとルナ > それから少女はまた何事もなく探し物に戻る。

少年は薬品の分析は後回しにして、静かに少女を眺めているようだ。

ソラとルナ > 今度は、少女が満面の笑みを浮かべてアンパンを拾ってきた。
賞味期限は……見なかったほうが幸せだった気がする。

少年が止めるまもなく少女はそれを口に運ぶ。

ソラとルナ > 何事もなく、何の不調もなくアンパンを食べ終えた少女がゴミ山に戻っていく。

少年は小さくため息をついた。

ソラとルナ > このあたりもしばらく探したことだし、もうそろそろ面白いものもないだろう。と、少年は思う。
もっとも少女は案外ここが気に入ったらしい。まだゴミの山を探している。

少女はどちらかといえばもう少し騒がしい場所を好む。
路地裏よりはスラムで遊んでいることが多いだろう。

少年は対照的に路地裏の光の当たらない暗さが好きだった。
意味を持たないガラクタなら、むやみに干渉してくることもあまりない。

ソラとルナ > ゴミの山の臭気さえなければもうすこし居心地もいいのだろうか、と少年はひとり考える。

少し考えて、居心地がよくなればここも騒がしくなるのだろう、だから別にそれでいいのだと、結論付けた。

ソラとルナ > ようやく少女も探索に飽きたようだ。
少年はゴミ箱から降りて大きく伸びをする。

ソラとルナ > ふたりはお互いに軽く手を振って分かれた。

次の瞬間にはすでに二人の姿はそこにはない。
僅かな光の粒子が漂っている。

ご案内:「路地裏」からソラとルナさんが去りました。