2015/06/13 のログ
■メア > うわぁ…おっさんのそんなシーン見たくないんだけど…
(嫌そうに距離をとっている)
■矛海 遼 > 「そういうこと言うんだったらとりあえず袋か何かをくれないかな、メア」
無表情だが顔が蒼い。口元は赤いが
■翔 > 思わず血を避ける
こいつ、割りと本当にメアの天敵じゃねーのか、と思わずジト目になる
「ねーよ
とりあえず見えない所いくか、メアに闇で囲ってもらえ」
最初の頃の威厳みてーのはどこいったんだ、この先生
■メア > えー…別にそこで吐いときゃいいじゃん。ほら、プライバシーは保護したげるよ…
(指を動かし矛海に闇を集める。矛海の顔と体がすっぽりと収まり
暗い球体の中で何も見えなくなる)
■矛海 遼 > 闇に囲まれながら排水溝へ向かうと
「いやぁ、すまないな。恩に着rrrrrrrrrrrr」
※しばらくおまちください※
「ふんす………助かった」
近くの排水溝がモザイク状態だが気にしてはいけない。気にしてはいけない。
■メア > うえぇ……(排水溝辺りにふたをするように闇を被せておく)
ないわー、おっさんのゲロとかないわー。新手のトラウマだわー
(鼻をつまみ矛海から距離をとっている)
■翔 > なんつーか、な
悪い先生じゃないんだが、メアの言った通りズレてんだろうな
だけど
「よかったな、メア
いい先生じゃねーか」
手を伸ばして、いつもの様に頭を撫でようとする
■矛海 遼 > 「くっ…………長崎産のカステラが……!」
気にするところはそこでは無い
「安心しろ……臭いは分子単位で分解して流してあるから問題無い」
異能の使い道も間違えている。しかし、何処か顔は安らかな表情だ。
■メア > 触んなよロリコン(ひらりとその手を躱す、いつものメアならそのまま撫でられていただろう)
これが良い先生とか、お前も頭沸いてんじゃないの?
それと臭いとかの問題じゃないんだよおっさん。
(はぁ、とため息をつく。何なんだこいつら、さっきまでの
ピリピリした空気はどこ行った?と自問自答している。
矛海に置いては先ほどまでの威圧感が何も感じられない)
けど、それが怖いんだっけ…(メアの矛海に対する第一印象を思いだし、考えるのをやめた)
■矛海 遼 > 「はははこやつめははは」
翔の背中をパンパン叩きながら軽くむせつつ笑っている
「…………あの子は戻ってくる気は、あるんだな?」
■メア > なんか勘違いしてるみたいだけど、明日にはメアは学校行ってるよ♪
今はあんたに会いたくないだけなんだから、それに色々やる事だってあるし
■翔 > 「ロリコン、ってなぁ」
思わず肩をすくめる
可愛くねーやつだ
だけど、メアを大事に思ってるなら悪いやつではないんだろ
ただし
「お前、メアの身体を危険にするような事はすんなよ」
一応、釘だけは刺す
つかめない先生だ
「荒木 翔(アラキ ショウ)だ
よろしく、矛海先生」
叩く手をガードしながら、自己紹介をした
■翔 > やること
その言葉が、引っかかる
だけどこのメアに聞いてもはぐらかせる気がして、口には出さなかった
■矛海 遼 > 「それだけ聞ければ十分だ。」
そう、それだけでいい。今の自身には。
「あぁ、よろしく頼むぞ。荒木。」
ガードされるのを見ると、意地でも叩こうとしている。
■メア > 危険ねぇ…まぁ大丈夫、怪我してる状態で帰すなんて酷い事しないさ♪
怪我したらちゃんと体洗って新しい服を着て返してるよ♪
(翔の顔を見てニヤリと笑う)
おやぁ?何か気になってるみたいだね翔君♪
君にはメアも世話になってるし、何か聞いておきたいなら今だぜ♪
■翔 > 「お前な」
やっぱりこのメアは、悪魔だ
「聞きたいこと、か」
少し首をかしげて考えた末に
「メアに、迷惑をかけたい人は出来るのか?」
■メア > 迷惑をかけたい人かぁ…それって、相手の迷惑も考えずにただ
甘える相手って考えで合ってるぅ?
(皮肉たっぷりな笑顔で首をかしげる。同じ首かしげでもいつものメアとはえらく違う)
■翔 > 「メアにはそういう奴が必要だ」
冗談な雰囲気を消して、言い放つ
■矛海 遼 > 「甘え、か」
月を見上げて一言呟く
■メア > ……だろうねぇ、でも出来ると思う?あのメアに
(あの、の所を強調する)
■矛海 遼 > 「あの子は優しくて、不器用だ。」
ならばと答える
「甘えたい時にいつでも掴める手を差し伸ばしても良いだろう?」
いつかその日が来るまで。
■翔 > 「出来るか出来ないか、って話ならいいんだよ
それならいい」
無理、なら色々考える必要があるが
出来るか出来ないか、なら
いずれ出来る日もくんだろ
■翔 > 「それじゃ、俺はもう帰るぞ
矛海先生、メアの事頼みました」
背中を見せて手を振ると
「またな、メア」
と、言葉を残して去っていった
■メア > 差し伸ばすのは勝手だけど、掴まれなくても僕は知らないよ♪
(ハハ♪と笑い翔の方を見る)
あっそう、それじゃぁバイバイ翔君♪(ヒラヒラと手を振った)
■矛海 遼 > 「そこで私に任せるのか荒木。」
一瞬驚いたような表情をしつつも、その姿を見送る。
■翔 > 「先生だからまかせんだよ」
ご案内:「路地裏」から翔さんが去りました。
■矛海 遼 > 「さて…………帰るのはいつもの寮で良いんだな?」
血を拭き終わると、風を受けながら一言呟く。
■メア > あぁ、今日は良いよ。色々用事もあるしね♪
(そう言って袋小路の入り口に向かう)
だから今日は自分で帰るよ、先生♪
■矛海 遼 > 「……あぁ、わかった」
ただ、少しの期待と、少しの甘えを込めて
「―――また会おう」
その場から男は姿を消した。
■メア > あーそうだね、またね♪
(それだけ言い残し、路地裏の影に消えて行った)
ご案内:「路地裏」からメアさんが去りました。
ご案内:「路地裏」から矛海 遼さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に朝倉千蔭さんが現れました。
■朝倉千蔭 > 光の差し込まない路地裏を一人歩く。
ずいぶんと暗闇に慣れた赤い目は、周囲の様子を幾分正確に伝えてくれるようになっていた。
■朝倉千蔭 > 「ふう」
長い間、深い闇の中を歩いていた。
数十分か、数時間か。……あるいはもっと短い間だったのかもしれない。
最早自分が正しい道を歩いているのか、迷っているかさえ分からない。
それでも理解できるのは、おそらくここまで迷い込む人物は稀だろうということ。
「――『羽撃く書架』」
能力名を鍵語として、保存能力の異能を起動した。
自分の目の前から落ちてきたそれの柄を、しっかりと右手で掴む。
アゾット剣、偽の一振り。儀式に使うための短剣だ。
■朝倉千蔭 > ここなら誰も見ていない。誰かに見つかるはずはないだろう。
――今日の自分はきっとヘマをしなかったと、そう自分に言い聞かせる。
それは自分を落ち着かせるためでもあり、鼓舞するためでもあった。
これから『企み』の第一歩を踏み出すために、自分への応援を。
ひゅ、と、風を切る音。
祭儀の短剣アゾットを、路地裏の地面に突き刺す。
それは女の力でも、容易に地面へ食い込んだ。
■朝倉千蔭 > 燐光が巻き起こる。
路地裏の漆黒を裂いて、白い術式光を伴い、魔法陣が形成されていく。
まるで花弁のように散る光の粒の中心で、ゆっくりと立ち上がった。
「――御国より来たりて、此岸の天と底とに触れし者」
「万命と万死を読み上げ、終にて正しき心を掬う者」
「此処に一の杭以て、汝の来る日を歓待する子羊の名を捧ぐ」
■朝倉千蔭 > 詠唱の最後の一節を紡げば、白光の魔法陣は緩やかに回転と収束を始める。
まるでこの場所の空気をかき集めて捕えるかのように、ゆっくり、ゆっくりと。
そうして描かれた魔法陣は、中心に突き立つアゾット剣へと還っていった。
……ひとつ目の場所での儀式が終わった。
安堵の息を小さく吐くと、佇む短剣に手を伸ばし、力を込めて引き抜く。
突き刺した時と同じく、それは容易に地面から離れるのだった。
■朝倉千蔭 > 残る場所はあと――大きな失敗がなければ、よっつ。
達成できれば自分の準備はほぼ終わりだが、これ以降は簡単にはいかないだろう。
……どうしても人目につきかねない場所を選ぶ必要があるからだ。
アゾット剣を引き抜くと、再び立ち上がる。
そうしてもう一度、きょろきょろと周囲を見回す。確認のためだ。
「……誰も、いなかったよね?」
■朝倉千蔭 > 「ん」
どうやら居ないようだった。
ふう、と安堵の息を吐くと、アゾット剣を頭上へ投げ捨てる。
それは虚空の中へ、食われるようにして消えていった。
再び闇に包まれた路地裏での歩みを開始する。
……今度は家に帰るためだ。
ご案内:「路地裏」から朝倉千蔭さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に焔誼玖杜さんが現れました。
■焔誼玖杜 > 【夜の路地裏に男の姿があった。
不法入島者であるその男は、ふらふらと、スラムへ帰ろうと歩いていた。
そんな男の背後、夜の闇が深い路地の物陰から現れる影がある。
……それは比喩ではなく、影そのもの。
夜の闇よりも暗く、深淵を思わせる黒い影。
その影は粘性のある液体が流れるように、路地裏の地面を這って男に迫る。
音はなく、気配もない。男は当然……気付かない。
その男の影に、迫る黒い影が重なる。
瞬間、影は傘を広げる様に膜状に広がり、男を飲み込んだ。
悲鳴は……聞えない。
男が完全に影に飲まれると、一瞬、僅かな隙間から赤い光が漏れる。
直後影は、地面に"びしゃり"と落ちた。
そして、ずるずると路地裏の闇へと溶け込んでいく】
「キキ、キキキ――」
【残されたのは耳障りな金属音。
そして、僅かに焦げ跡のついたアスファルトだけだった】
■焔誼玖杜 > 【……その路地裏へと駆け込んでくる、小さな影が一つ。
ダッフルコートにマフラーと、真冬の格好をした小柄な少女だ。
少女は手に懐中電灯を持ち、路地裏を照らす。
そして焦げ跡を見つけると、屈みこんだ】
「……うん、間に合わなかった、みたい」
【沈痛な面持ちで、少女は誰かに答えるように一人呟く。
明かりて周囲を照らしてみるが、怪しいものは見当たらない。
もう、あの異形の影は、どこかへと消えてしまったのだろうか】
ご案内:「路地裏」に照山紅葉さんが現れました。
■焔誼玖杜 > 【少女は肩から提げた鞄から、メモ帳を取り出す。
メモ帳を手に持って、短く息を吐き集中……、魔術を行使する。
対象は自信の手と、靴、及びコート。
それらに対し、強度を高めるための魔術を発動させた。
対象が複数にわたっていたため、魔術は成功したが、強い疲労を感じる。
メモ帳はそれが一つの魔道書であり、魔力を持っているのだが、その補助が合ってこれである。
幸い、上手く集中でき、効果は十分に発揮されたが】
「…………」
【息を潜めて、路地裏を進み始める。
物陰や背後に注意しながら、明かりで照らしつつ、慎重に】
■照山紅葉 > ガレージの続く棟の薄青く錆びたトタン屋根の上を、タン…タンッ…と
連続して飛ぶ音がする、未明4時、猫の類ではなく
またその足取りも体重が感じられる
「……いるんだろォー…感じるぜェー……」
逆スポットライトのように丸い円が地面に描かれる
数秒後、飛来する人影は、少女が照らす明かりの先、5~6歩ほど手前に着地する
「居たァー…」
着地の衝撃を殺すように丸めた背中を、徐々に立ち上がる事で伸ばしていく
被った山高帽のズレを直すように手を置き、位置を正すと、ゆっくり顔を上げて向き直る
「アンタ…今ァー…やったなぁー…手品だ…魔術だろォー…感じるぜェー…
こんな場所でこれ見よがしによォー…ンな往来でよォー…自分は能力があるからァー…負けねぇー…とか…
そういう自信がなきゃァー…そうそう出来る事じゃないぜぇー……羨ましいなァー…」
胡乱な口調で、芝居がかって両手を腰元で広げると、コツ、コツと近付いていく
■焔誼玖杜 > 「――――っ!」
【突然現れた人の姿に、息を呑んで一歩後ずさる。
その芝居がかった様子に、えもしれない危険を感じて、近づかれるたび、一歩、また一歩と下がる】
「そん、な、つもり、は……」
【勿論、なかった。
むしろ、少女にそんな自信などない。
今はただ、どうしても備えなければいけない相手が居ただけだ。
それは当然、目の前の人物ではない。
少女は普段、このような場所に関わる生活は送っていない。
だからこそ、何を敵視され、何が危険なのか、理解できていなかった】
■照山紅葉 > 「どうしたァー…人の顔見て引くなんて随分じゃねぇかぁー…」
ゴソゴソと、ポケットを探り、取り出したフリスクケースの蓋を親指でパチン、と開きながら
やれやれと言う調子でボヤいた
「さっきのヘンな影が男ガバッて連れてったのもそうだぜェ…
なぁーどうしたァ…殺してんのかァ…殺されてんのかァー?
オイオイ、ドキドキすんなァオイ…」
キョロキョロと辺りに視線をくれながら近付いていく
その足取りはどこか軽い、胸が躍っているようだ
ケースの中身を口の中へ放り込むと、バリバリと噛みしだいて、ケースを後ろへ放る
「おっと…ちょい待ち…ちょっと待っちなァー…この通り俺は丸腰だァー…
自分の住んでる場所で何かあったらそりゃァー…気になンだろォー…」
両手を顔の高さまで上げる、その顔は鉛色に濁った瞳に眠たげな口元と怪しいが
武器などは隠していない事を主張していた
■焔誼玖杜 > 「――っ、見たんですかっ!?」
【変な影の話を聞けば、目の色を変えて――前髪に隠れていたが――声を上げる。
一歩踏み出しすらしたが、すぐに慌てたように俯いた】
「…………」
【影と聞いて声を上げてしまったが、改めて黙り込む。
けれど後ずさるのはやめた。
警戒は解けていないが、話を聞く気はあるようだ】
■照山紅葉 > 「あァー…そうだなァー…どうだったかなァー…
悪ィー悪ィー…脳がよォー腐ってんだ…えーとなァ…」
グルグルと思い返すように目を伏せる
アレはなんだったか、いやそもそも本当に見たっけな…
確か見た気がするが…思い出せねえ…思い出しては、おぼろげに消えていく記憶
「そうそう、あっちだ…あっち……」
何の気なしに1歩近づけば、その傍らにある
路地の一角を指差した、その先は特に何もなく、あるのはマンホールの蓋だけだが
■焔誼玖杜 > 「そう、ですか……」
【言われたように、指差された場所へライトを向ける。
だが勿論、何もありはしない。
……本当に居なくなったのだろうか】
「その……ありがとう、ございます」
【情報を教えてもらえれば、丁寧に頭を下げて礼を告げる。
それから一つ、はあ、と息を吐いた】
《――――》
【そんな、二人の人間の様子を、ソレは物陰から観察していた。
少女の持つ明かりによって生まれた、ささやかな影。
それに同化するように、地面に出来た染みのようになり、潜んでいた。
その位置は丁度、照らされたマンホールの位置とは反対側になるだろう。
ソレには知性がある。安全を確保するために、確実な"狩り"をするために、知恵を使う】
■照山紅葉 > 「まぁ待て待てよ…」
ヒョイ、と手を伸ばす、礼を告げるように頭を下げるその肩だ
「キナ臭ぇなぁ…どうなってる?教えてくれよ…ソイツぁー…お前の何だよ
へへへ!面白ェーじゃねぇーか……もうお仕舞いかよ…」
肩を揺らすように笑う、何日も寝てないようなテンションだ
胡乱な目つきが少女の前髪に隠れた顔を覗く
「俺は知りてぇーんだよ…首を突っ込みてぇーんだ…お前等はこう思ってる
お前らが舞台装置にしてるここで…役者はお前らだけだ
俺達は、強ぇー、俺達は最強だってなァー…そうだろォー…」
空々しい笑顔で、その肩を組もうとするだろう
「楽しいだろうなァー…そんなお前らを二人ともぶっ潰してよォー…
まさにダークヒーローになるのはよォー…」
笑顔は、更に攻撃性を増した
ここで触れる事が出来ているのなら、接触箇所から少女の生命力を吸い取ろうと
掌から青白いコロイド光が放たれるだろう
■焔誼玖杜 > 「わ、私も、知りません……。
この前、襲われただけ、で……」
【律儀に答えながらも、伸ばされた手からは逃れようと後退する】
「…………っ」
【その台詞、笑顔から否応無しに危機感を感じ取り、身を守るために自身の奥底へ潜る。
神格との同調……様子を伺っている場合じゃないと、直感した。
同調率は一足飛びに60%。
少女の瞳は赤く染まり、髪と手足、そしてマフラーから炎が吹き上がる。
同時に魔術を行使――自身に暗示を掛け体のリミッターを外した。
そして肉体の保護を度外視した脚力を用い、全力で飛びのこうと試みた。
それが叶うなら、一息に三メートルほどの距離を取る事が出来るだろう】
《――――》
【その様子を、やはり影は気配を殺し身を隠し、ただ観察していた】
■照山紅葉 > 「段取りが悪ィぜぇー……お前を潰す、お前があの影を呼ぶ
影がやられてその奥のもっと悪ィ奴が出る、それに俺は宣戦布告する
良ィープランだろォー……」
その言葉にハッキリとした意思は感じられない、まるで今考えたようだ
無軌道な目標を立ち上げ、灰色な瞳を向ける、そこにある感情は不確かだった
あるいは、戦えれば何でも良いのかもしれない
ただ、何も考えていない思考とは対照的に
高い反応力を見せ、後ろへ飛んだ焔誼を見ながら
ほぼ勘だけで、全周囲に気を張っていた
「居るんだろォー…感じるぜェー……」
この場に居る自分たち以外の第三者の視線
能力の閾値をエネルギーとするこの半ゾンビには、異能者の気配には敏感な体質が備わっている
「お前の獲物ォー…俺が貰うからなァー…」
焔誼以外の誰に言うともなくそう告げると、コロイド光を纏った両手を焔誼へと向ける
すると、そのマフラーや手足から吹き上がった炎に、掃除機で吸われたような引力が働くだろう
この場に発生した魔力という流動的なエネルギーを、全て掌に吸い込むかのように
あるいは身に纏っている少女にも、魔法が発動している限りその引力は働き、吸い寄せられるかもしれない
■焔誼玖杜 > 「そんな、こと……っ」
【訳のわからない事を言い出した男に、ぞっとしたものを感じる。
そのどこか狂ったような言動に、不気味さを感じずには居られない】
「――――っ!」
【男が誰に対して、何を言っているのか。
それに思い当たる余裕は、危険を目の前にした少女にはない。
ただ、体を引き寄せられるような感覚、そして力が抜け出ていくような感覚で、相手の異能を察することは出来た。
……力を吸われている。
ソレには気付いたものの、焦りはしなかった。
玖杜の力はまさしく神そのものから供給されている。
それは無尽蔵とすら言ってもいいものだ。
行使にこそ多大な精神力を消耗するが、単なるエネルギーとしてならば、いくら吸収されたところで問題にならないのだ。
けれど、これでは逃げられないとも理解する。
吸い寄せられるような力が係り、後ろへ駆けようとしても離れるより早く掴まりかねないだろう。
なら、どうするか】
「は、……っ」
【小さく息を吐き、もう一度集中。
力が流れ出してしまうことで制御が難しくなってしまったが、それでも魔術を行使。
同調状態にあるためそれでも魔術は発動し、肉体の強度を上げた。
そして……自ら男へと踏み出す。
引力に逆らわず、全力で地面を蹴り、火の玉となり一直線に、男へ目掛けて突進した。
その速度は恐ろしく早い。後退のときとは違い、前に飛ぶのだから、一息に三メートルを飛ぶどころではない。
ぶつかれば、相応の重量か、大きさがなければ跳ね飛ばされることだろう】
■照山紅葉 > 「どうしたァー…出てくるんだろォー…悪の組織がよォー…巨大な陰謀がよォー…
お前ら俺の庭で好きにやりやがってよォー…ホラ出て来いよォー…」
淡い燐光となって掌を伝い、魔力が身体の中へと入ってくる
灰色に濁った瞳は、今は金色に輝き圧力を放っていた
それにつれて、徐々に瞳に生気が宿る、失われた場所に補充されていく感覚
「イェー…当たりだ…けどよォー…こんな魔力ばっか吸ってたら
栄養偏っちまうかァー…面倒臭ェー…」
なおも間延びした口調で両手をかざす、相手の様子に目を向ける瞳は捕食者めいて光る
吸い込んで、まだ続く、その内包された力は一体どれほどの物なのだろうか
「う…ッぷ……食いすぎたかぁ…」
吸いすぎた。
キャパシティの多くない自身の身体にオーバードーズとも言える量の魔力が注がれ
それでもまだ止む事はない、こみ上げる吐き気にのど元が競りあがる
地面に黒い何かを吐き出した
「おっ…っとぉー…?」
ドッ……と身体にめり込む感触、少女の身体だ
飛び込んできたのか?無茶な事を、そう認識した瞬間、視界がオレンジ色に染まった
どうやら燃えているのは自分だ、ロングコートの繊維が焼ける匂いがする
「熱いアプローチだぜェー…へへへ……」
追って来るのは衝撃。
自身の方が体格もよく、今は栄養も良い、だが、それでも十分に乗った速度の力が乗算された
そのタックルを受け止めるには足りない、肺の空気を搾り出されるように、ゴフッ…と咳き込む
「捕まえ…たァー……」
今吸い取ったばかりのエネルギーが、炎のダメージの緩和に削られていく
もってあと数秒…掠れる視界で、抱きしめるように背中に手を伸ばす
抱き止める事が出来れば、異能力の力などではなく
根源的な、少女の生命力を奪おうとするだろう
体力をごっそりと奪い、衰弱状態に陥らせるようなイメージ
■焔誼玖杜 > 「ふんぐるい むぐるうなふ ふぉまるはうと……」
【男には聞えただろうか?
突進してくる少女が呟く、謳うような詠唱を】
「ごめん、なさい……っ!」
【突進だけで跳ね飛ばすには重量が足りない。
受け止められそうになる。首筋が焼けるような危機感を感じた。
だが、男が腕を回すより早く。
少女が男の懐に飛び込んだ、その直後。
――少女が爆ぜる。
ソレは、爆発的な炎の顕現。
あらゆるものを焼き尽くす、生ける炎。
その炎はあまりのエネルギー密度のため、『質量を伴って』顕現する。
その膨れ上がる質量は、衝撃となって男を弾き飛ばそうとするだろう。
ただ、奇妙なことに熱は感じない。
純粋な衝撃が男を襲う。
男の目がその炎を捉えたならば、二つの赤い……獣のような相貌が見つめていただろう】
■照山紅葉 > 「おいおい…物騒なワードだぜェー……」
耳を傾ける、何を呼ぼうとしているのやら
金色に染まった瞳は、残量ゲージめいて灰と金の間を繰り返す
「ハッハァ……良いぜ、美味い酒飲ませろ。」
美味い酒、というのは、生命力を指していった分けではない
とにかく何でもよかった、極上の体験が得られるのなら、それでいい
そんな予感がしていた
バックドラフト現象めいて、己の身体に風圧が叩きつけられる
それは、至近距離でポンプしたスラッグ弾を食らったような衝撃だ
コンクリートがめくれ、砂煙が吹き荒れる
「―――痛っ……てェー……死ぬかと、思ったぜぇー…
でもよォー…死ぬ…のも、面倒臭ぇー……」
ゴミ貯めとなったスラムの一角から声がする、シュルシュルと音がするのは、黒ビニールのゴミ袋に紛れ
繭のように渦巻いていた黒い塊が開かれた
己の体内で余剰エネルギーとして生み出されたダークマターが、一瞬早く鎧となったのだ
クラクラする頭を振り、周囲を見る
今のダメージで折角食ったエネルギーがゼロになってしまった
相手はどこへ行った…逃げたか…あるいは、一緒に粉ンなって吹っ飛んだか…
それにもう一個、遠くから見てるナメた影は…
■焔誼玖杜 > 【少女は、その爆発に紛れ、転がるようにその場を離れていた。
いや、炎によって運ばれていた。
少女が呼び出したのは、自身と繫がる神の一部。
先程の衝撃は、その顕現の余波だったのだ。
全身が炎で構成された、二メートルほどの四足の獣。
それが大きな顎で少女をくわえ、路地を走り遠くへ消えるのが男にも見えただろう】
《キキ――ッ》
【そしてその光景をずっと眺めていた影は。
あざ笑うように高い金属音を男に届け、地面に吸い込まれるようにして消えさった。
男も少女も、影にとって獲物としては映らなかったのだろう】
■照山紅葉 > 「チッ…今日は食いっぱぐれかよォー…」
去っていく背中を見据える
先ほどまで感じていた第三者の視線を浴びる感覚も、今は感じられない
ライジングタイドめいて上り始めた朝日に目を細めながら
少し残念そうにそう嘆いた
やはり能力者というのは警戒心が強く、誰もが一筋縄ではいかないのだ
それらの力を捕食する行為となると、難易度は段違いとなるのかもしれない
だが
「楽しかったなァー……」
先ほどのやり取りが、一瞬の判断を要求し、間違えばあの世に行ってしまうかもしれない駆け引きが
無軌道な人生を潤す糧でもあるのだ、脱力したようにゴミ袋の山に背を預け
へへへ…とくぐもった笑いを浮かべた
■焔誼玖杜 > 「…………」
【男から十分に離れたと判断した炎の獣は、少女を道の上におろす。
少女の意識は既になく、力尽きたようにぐったりと横たわっていた。
ソレを見下ろす獣は、少女を守るようにして、その隣に蹲る。
少女の目が覚めるか、助けがくるか……。その時までじっと、少女の隣に寄り添っていることだろう】
ご案内:「路地裏」から照山紅葉さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から焔誼玖杜さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に九十九 十六さんが現れました。
■九十九 十六 > 乾いた尿が刺激臭を発し、酒瓶の色硝子が割れて散乱し、溝鼠は壁端を駆け回る。
落第街には躁と鬱しかない。その鬱のみが立ち込めた、陰気な静けさを持つ通称『影月通り』。
闇取引のメッカである。
そこを、フードを被った少年がぷらぷらと歩いている。
ダンボールに包まれた直方体の物体に、ナイロンテープと把手のつけられたものをぶら下げながら。
「おっかっしっい、なぁ~っと……このへんじゃなかったっけえ」
■九十九 十六 > 「誰かに聞こうにも、人が居たとして会話が成立するか怪しいんだよね~。擬似【異能】プログラムで頭に電極繋いで気持よくなる部分バリバリ刺激してるオニーチャンこの前見たしぃ。関わりたくないしぃ~」
独り言が狭い路地へこだまする。
十六はやがて、看板を一つ見つける。
当然電気は通っておらず、プラスチックも劣化して砕け、処々錆びたり褪せたり酷い有り様だ。
昔はここが繁華な通りだったりしたのだろうか?
もともとは『朧』と書いてあっただろうバーの看板は、『月』の部分が砕けて『龍』になっている。
■九十九 十六 > 「何スか何スかぁ~、雰囲気あるんすけどぉ! 何? 試しにこの煤けたドアを開いたら内側に“しんじけーと”だの“あじと”だのあるやつですかぁ!」
一人で盛り上がり、看板を裏から見たり側面から見たり、落ち着きが無い。
月のない夜である。薄暗く何もかもが視認しづらい。
「もー…………なんでこんなに不便な場所で不便なことしようと思うかなぁ。つーか荷物くっそ重てえんだよねぇ。もう前金貰ってるし、このまま荷物ほっぽって帰っちまうかなぁ。どうすっかな~僕迷っちゃうな~」
■九十九 十六 > 「でも成功報酬も捨てがたいしなぁ~。水道止まったら僕死んじゃうかもしれないし。身体拭けないとかありえないよね実際ね。現代日本人ですよ~こちとら!」
十六は足元の粗末な木片を拾う。
軽く振って長さを確かめると、定規程度のものであると解る。
その先端を赤い瞳がじっと見つめる。見つめられたそれは鮮やかな赤の輝きを漏らし、燃え始めた。
「あっは! これで見える見える! 懐中電灯も買えない身の上ですしね~、やっぱ活用していきませんとねぇ、【異能】ってやつをさあ!」
■九十九 十六 > 『龍』の看板が炎に映える。
黒を基調に赤で描かれた豪胆な文字が、死んだようになってもなお生きたように現れている。
ふと、見ると。
十六の入ってきた路地の入口側に、季節に見合わないトレンチコートとソフト帽を被った男が立っていた。
「アナタが受け渡し人のヒト? あ? 僕? 僕ですか? 僕はこの件と全くなんの関わりもない“善意の第三者”ってやつですよお!」
にこやかに、けらけらとして。“裏取引”に似つかわしくない声は響く。
■九十九 十六 > 「なんかぁ? よくわかんないけど、ちょっと歓楽街の10号通りからちょっといってちょっといって裏にちょろっと入ったところになんかよくわかんないヒトが居てぇ。なんかこのよくわかんない薄くて平たい癖に重い何かを安価で譲って貰って? それでどっかそのぅ、これが欲しいってヒトがここに居るって噂を聞きつけて? じゃあ高く転売してやろうかなっていう、そういう感じのこう……自然なヒトですよ! 自然なヒト!」
■九十九 十六 > 「あっ、割符持ってます?」
十六は後方に姿勢を傾けて、男の所作に目を配りながらにこにこと尋ねた。
トレンチコートの男は懐から茶封筒を取り出し、十六に渡す。
「は~い頂きましたぁ。じゃ、確認させて貰うんで僕、どっかそのへんで時間つぶしといてくださいな」
■九十九 十六 > 「しっかしゴージャスですよねぇ」
茶封筒から取り出されたのは、破れた一万円札である。太字のペンでサインが描かれていて、中央部から真っ二つに破られている。
十六はポケットから無造作に、それと同じような状態の一万円札を取り出すと破れた部分と部分を合わせた。
サインまで綺麗に一致し、二つを畳んで茶封筒にしまう。
「ま、電子認証も信用ならないこんなご時世ですし。アナクロな方法というのもなかなか風情があるもんですよねぇ」
■九十九 十六 > 茶封筒の中には、他にも幾らかのピン札が入っている。十六への成功報酬だ。
「あ、もう大丈夫ですよー。僕のお仕事ここでオワリっ! なんかよくわかんないけど安く買ったなんかよくわかんないものが高く売れたなぁ! 嬉しいなぁ~っ!」
態とらしい程に陽気な調子で、ステップを踏んで男の傍へ荷物を置く。
(重量からして金属のインゴット。確か公安が研究区からミスリルがなくなったつって騒いでたな。よくわかんねぇが、今起こってる義肢騒動かなんかに関連したものなんだろうかね。僕はほんとにただのアルバイトだから関係ねーけどさ)
「そんじゃ、さようなら。また会わないといいですねっ!」
ひらひらと手を振って、元来た道へ引き返していく。
■九十九 十六 > 「おい」
十六は、男に背を見せたまま立ち止まった。
瞬間、呻き声が背後から上がる。
トレンチコートに包まれた二の腕に錆びた釘が突き刺さっていた。それは、火を燈した木片に刺さっていたものだ。
がらり、と拳銃が落ちる。
「関係ねつったでしょ。お行儀ワルいヒトですねぇ。……ホント、深追いしないでくださいよ。口封じてもいいことありませんって。はい、じゃ、なかったことで。ばいばーい。けっこう深手だろうから破傷風に注意してくだちゃいねー」
とことこと、十六は路地を進んでいく。
■九十九 十六 > 「ふぅ」
スラムの表層に近い路地で、壁に凭れ掛かる。
遠くから喧騒が聞こえる。
茶封筒を取り出して、内側から数枚の札を取り出した。
「こういうのヤメたほうがいいのかなぁ。でも、もう何度もやっちゃってるしなあ。そうなると、時給1万2500円なんて破格値手放しちゃうことになるしなぁ。あ~あ~、まともに生きたいなぁ~」
■九十九 十六 > 「つーかアブないもの運んでこれは安すぎるんでない? 別に今日は盗品かなんかの横流しだったから別にいいっすけどぉ~。知らないうちに公安とかが目をつけてる強化薬だっけ? なんつったっけ? もう収拾ついたっけ? ま、でもまたないとも限らないしぃ。そんなの運ばされるとか嫌だしぃ」
溜息をついて、パーカーの紐を指でくるくると弄ぶ。
「身体動かすほうが向いてるけど、テッポ玉はやだなあ。用心棒とかも外見にハクがないから雇って貰えないし、暗殺とか絶対ヤだし……」
■九十九 十六 > 「固定収入からすぐスカンピンなのもちょっとねえ」
電気代に滞納していた家賃を支払えばこの封筒もすぐにカラッケツだ。
んー、と封筒を口に当てて思索する。
「…………どっかから情報でも入ればと思ってたけど、ツマンねえ情報しか入ってこないし」
目を虚ろに鋭くさせ、呟く。再度の溜息は、路地に入ってきた風に流された。
■九十九 十六 > ぐー。
「……オナカすいちゃったね」
くすりと微笑んで腹をさすり、目を細めて苦笑する。
「そいえば、ろくなもん食べてないなあー……ガムシロップ5つとコーヒーミルク3個で人間は一日生きられることをこの前証明したばっかりだけどさあ」
■九十九 十六 > 「なんだろね。……オカネを節度持って使うってどうしてこんなに難しんだろね」
溜息つきつき、スニーカーの踵でタバコの煤に汚れた地面を叩く。
「すぅーっ、と。抜けてくんだよね。財布から。特にお札はパッと消えてなくなるよね。どうしてかなぁ」
目を瞑って思考する。とりあえず日持ちする食料を一箱揃えてから、公共料金の支払いと偽造学生証の更新と、消耗品の補充と……。
「あー、だめだだめだはぁ。滅入ってくるよぉ~、仏滅ですよぅ~、世紀末ですよぅ~。こんなとこにいるとさぁ。もう。やだやだ……なんで普通に生きるってこんなに難しいんですかねぇ」
■九十九 十六 > 「欲しいなぁ、固定収入、定職…………定食……」
ブドウ糖が回っていない頭で、ぼんやりと灰色に空に想いを馳せる。
「ゴハンたべにいこう」
複雑な思考に疲れた彼は、とろとろと歩いて喧騒に混ざっていった。
ご案内:「路地裏」から九十九 十六さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に魔王バラルさんが現れました。
■魔王バラル >
「ドサ回りも楽じゃないわね。
思わず暴れちゃったわ、」
路地裏で一息付く、紫髪の少女のような何か。
彼女?の周囲には――
――合計30は超えるであろう兎と、3人の兎耳少女。
兎達は無邪気に跳ね回り、少女達は呆然とへたり込んでいて動かない。
■魔王バラル >
「こうなっちゃえば、可愛いものね。」
兎の一匹を膝に乗せ、撫でて可愛がる。
兎からの抵抗が激しいものの、意に介す様子はない。
……これらは元々落第街の人間であり、魔王バラルの魔王魔法――
――要するに呪いの魔法により姿を変えられた存在である。
兎となった彼らがどのような思考をしているかは定かではないし、動物の言葉などは分からない。
いや、手段を用いれば聞く事はできなくもないだろう。とは言え、魔王バラルはそれをしていない。
ご案内:「路地裏」にジークさんが現れました。
■魔王バラル > 「ま、後は兎としてその生を全うしなさい。
食べられれでもしなければ、案外楽しいかもしれないわよ。
それとも、私が食べちゃおうかしら?」
膝に乗っけていた兎に魔力の気配を当てて脅かし、手放して逃がす。
兎の一匹は、ぴょんぴょんと何処かへ消えた。
■ジーク > 白いケープに長躯を包み、フードの下に栗毛を覗かせる青年。
長大で飾り気の無い、黒曜色の杖を携え
悠然と進む足取りからは、武練が伺える
■魔王バラル > (あら、手練ね……)
歩くジークを横目に眺める。
その立ち居振る舞いから武錬を伺えば、面白そうに目を細め、その一部始終を眺めはじめた。
■ジーク > 「さて、ここいらで、大層な歌声の女の子見なかったかい?
今日はコンサートやってるはずなんだが、いつからここはふれあい動物園になったよ。園長」
“加護”、魔力、気、あるいはサイキック・・・あるいはそれら全てに似た、神聖の力が、男の周囲に練り上げられる。黒曜の杖は、容貌をそのままに万物断砕の絶剣へと変貌する。
■魔王バラル > 「そうね。見たようなみなかったような……
あら、怖い魔剣。魔剣使いなのかしら?」
惚けてみせながら、"いわゆる妖艶な笑み"をみせてからかうだろう。
もしその少女がこの場の誰かであるならば、顔の特徴、あるいは落ちた装飾品、もしかすれば気や魔力などで、察知は出来そうだ。
この魔王は、剣を見て楽しげに笑うばかりだが。
■ジーク > 音を捨て
そう、評される。加護を身体強化と術理武装し、技巧で括り上げる。
シンプルに高速の踏み込み。
少女の姿に触れる間際、三撃、剣による必殺の絶技を繰り出す。
■魔王バラル > (速い)
音を置き去りにして放たれる迷いの無い三撃。
一撃目を足捌きでかわし、二撃目を足癖……靴を履いた足で弾き、三撃目は捌ききれずに肩を撫でる。
致命は避けたが、傷口からは血が溢れる。
「――闇よ!」
闇色の刃を手元に展開する。
応じるかのように、踏み込み、魔王にふさわしい、高い身体能力を以って魔法の剣を叩きつけた。