2015/08/16 のログ
鬼道椿 > 壱、弐、参、四、五と、相手の体を切り刻んだその時
東郷の体捌きにより椿の剣撃が外される
その動きは最小限、刀を抜くと言う動作そのものが相手の機を潰すもの
半歩踏み出し椿の足を殺し、そして腕で抜くのではない
全身で、最短、最速の抜刀

肉薄した間合いでこれほどの動きを行い、そしてその一撃自体が必殺
これを行える剣士がこの島にどれ程いるだろう
腹を裂くあの男か―
妖刀と振りぬくあの女か―

振り下ろされる死に対し、躱すとも受けるともせずに腕を突き出し飛び込んだ
額の皮一枚、その一閃で削られた…血は出ない、肉体が反応するには早すぎる

地面を抉り埃が周囲に舞う

鬼道椿の姿はそこにはなかった

ではどこに…

急に月が陰る
天を見よ、月を覆う雲が作りだす影に紛れ漆黒の闇よりそれは飛来する
地を抉るその強烈な一撃を利用し天高く舞ったのだ

小太刀はない、その剣を受けるたために折れたのだ
打刀を構え、上空から―ッ
月にかかった雲が散り、月光が輝く!!
刀身がその光に消え見えない?!

弾丸のように一直線に東郷へ落下する!
しかし攻撃の軌道は未知!!

この剣をどうさばくか!!!括目せよ!!!

東郷月新 > 一瞬、見惚れた。

月を背に斬りかかって来る少女はあまりにも神々しく。
そして美しかった。
――彼女に斬られるのなら悪くは無い、と思える程に。

だが、東郷の身体は既に反応していた。
極限の重さで振りぬき地面を抉ったと同時。
異能を使い、刀を極限まで軽くし、そして刃を返す。
重い袈裟斬りからの斬りあげ――
かつて伝説の剣豪はこう名づけた。

――ツバメ返し、と

まさに空を飛ぶツバメを叩き斬るが如く。
東郷は落下する椿の剣に正面から太刀を叩き付ける。

鬼道椿 > 本来首を狙うはずだったその剣で瞬時につばめ返しを受ける
ギリギリであった
刀の根元で受けたが流石と言える、重く鋭い一撃に業物が曲がりその衝撃に手の感覚が奪われる
剣は逸らせた、しかし体はそのまま落ちていく

東郷新月の胸に飛び込みそのまま押し倒す
強く、放すつもりなどないと言いたげに感覚のない手で縋り付いた
ぬるりと東郷の肌を椿の血が汚す
あれだけの剣撃、無傷でかわすことなど不可能なのだ
所々に傷を負い、その傷を木にも留めずに頬ずりをして甘える

「月新……ばか」
「ばかもの…急に声を掛ける奴がいるか…」
「私は…寂しくて、寂しくて、お前が居てほしい…そう思ってるときに声を掛けるから…」
「……ばかもの」

むすっ、と拗ねるその仕草は先ほどの剣捌きを見せた女剣士の面影はなく
年頃の愛らしいものであった

東郷月新 > 「ふむ」

お互い傷だらけである。
まったく、先ほどまでの殺気は何処へやら。
今は恋する少女が一人、この胸の中に居るだけだ。

「――それを最初に言えば可愛げがあるんですがなぁ」

あれほどの殺し合いをした後にこれである。
それでもゆっくり頭と背中を撫でる。
傷の方は――まぁ、たいした事あるまい。
ゆっくり癒すとしよう。

鬼道椿 > 「………」
うるさい、ばか、お前が悪いと言いたげな目で見た後東郷にキスをする
黒豹のように嬉しそうに頭を撫でられてふるりと震える

艶めいた舌が東郷の胸に走る赤い線をなぞる
その鉄の味にうっとりと身震いをした後にほんのりと赤い顔で耳にささやいた

「ねぇ…しよう…我慢できない…ここで、ね?」
「いいでしょ…」

東郷の耳に湿り気のある熱い吐息がかかる
何か反論しようとした時にかぷりとその耳を噛んだ

東郷月新 > いきなり殺しに来たと思えば今度は発情ときたもんだ。
本当に猫のようにころころ機嫌が変わる。
というか猫そのものと言うべきか。

「――せめてそこの隙間でに」

いくら路地裏とはいえ、道のど真ん中でおっぱじめるのは流石に。
椿の舌がくすぐったい。こういう所も猫のようだ。
やっている事は剣呑この上ないのだが。

鬼道椿 > 東郷の言葉に嬉しそうに立ち上がり、悪戯っぽく笑った後にするりと下着を脱いで投げ渡す
東郷好みのデザインで、それでいて過激なものだった

「……♡」

雑居ビルの隙間、壁に手を空いて腰を揺らして誘う
裂かれたスカートからはちらりと白く肉付きのいい尻が見え隠れした

東郷月新 > 「――やれやれ」

とはいえ、東郷とて死合いの熱が醒めたわけでもなし。
まるで娼婦のように誘う椿の後をゆっくりと追い。

「――――」

さかりのついた雌猫の誘いに乗るだろう。

ご案内:「路地裏」から鬼道椿さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から東郷月新さんが去りました。