2015/09/02 のログ
ご案内:「路地裏」に王百足さんが現れました。
■王百足 > 落第街、路地裏。
常世島という箱庭の暗部であり溝であり、どこにでもいるチンピラとどうしようもないバケモノ達の楽園。
日の当たらないその楽園で、一振りの百足が座っている。
「腹ァ、減ったなァ」
路地裏の適当な廃材の上に座り、身の丈ほどの大太刀をぶら下がるように肩に乗せながら、空虚に粘つく声で一人ごちる。
腰まで伸びた純色の白髪は地面に触れて毛先が煤け、ドブを煮詰めたような濃緑の瞳は何もない虚空に向けている。
古い妖刀、蠱毒の刀、帯刀わたいれを構成する一振り__王百足が珍しく表に出ている。
■王百足 > 人間に食欲以外の感情を抱かず、表に出る気は特に無かった王百足だが、こうして落第街へと出向いたのは理由がある。
「あるじさんにャあ悪いが、やっぱ同じモンばっか食ってりゃ飽きるよなァ」
王百足の主__帯刀わたいれが定期的に王百足の腹を満たしてくれているお陰で、空腹になることは無い。
けれども与えられる部分は少なく、空腹にならずとも満腹にもならない。
そのうえ与えられる部分はいつも同じ、基本沸点の高い王百足もいい加減飽きる。
その上定期的にここにきては人を斬る愛々之射鬼はこちらに「餌」を一切与えないときた。
さすがに切れた王百足は、愛々之射鬼が落第街へと出向いたところで肉体の所有権を乗っ取り、食事のために人を探していた。
■王百足 > 「しッかし、こうしてメシ喰いにきたのはいいけど、人少なくねェか?」
理由は知らんが、愛々之射鬼の記憶に比べて街全体が妙に気が立っているように思える。
銀腕”アガートラーム”だの、誘拐事件だの、妙な噂と事件が街に渦巻き、街の空気がひりついてきている。
そのせいか今日の落第街に人通りは少ない、いるのは不味そうなチンピラぐらいだ。
「……腹、減った」
ずるずると廃材からずり落ちながら、空虚な声で呟く。
ツヨ
「だァれか旨そうなヤツでも来ないかねェ、こないだアマノジャキのヤツが呪いふっかけたあんちゃんみてぇなヤツがさァ」
ご案内:「路地裏」にメアさんが現れました。
■メア > のんびりと路地裏を進む小さな少女
黒い髪に黒い服は薄暗い路地の中で保護色の様に少女を包む
「…暑い……」
ただ一言、愚痴をこぼす
季節は段々と秋に向かい気温も少しあ下がっているがやはりまだ蒸し暑い
早く寒くなればいいと思いながら、少女はゆっくりと歩を進める
■王百足 > トモグイ
適当に毒虫でも捕って 虫食 でもしようかと思ったが、路地の向こうから聞こえてきた声に目を細める。
「……誰だァ、お前」
そう牽制するように声を掛けながら、廃材から立ち上がった。
ドブのような濃緑が向こう側を睨み付けている。