2015/09/03 のログ
■メア > 「ん…?私は、メア…」
誰かと聞かれそう返す
相手が誰であろうと聞かれれば答える
そして答えた後は声の主を見る
「気持ち…悪い……」
一目見ただけでそう告げる
溢れ出る嫌悪感
本能で感じる危機感
そして何より外側と中身が別物のような違和感を感じて
■王百足 > ツヨ
「……子供か、旨そうには見えねェな」
表れた少女を軽く観察し、呟く。
少女の体格は正しくか弱い少女といった風貌であり、強者特有の気配も薄い。
あるのは底知れない暗闇のような死んだ空気だけ、その独特の空気には好感が沸くが、食欲は感じない。
気持ち悪い、と言われようとも表情は一切変わらず、ただ空虚に口を開く。
「気持ち悪い、ねェ、あんたはムカデみてェな蟲は気持ち悪いって思うタチかァ?
人間は俺らみてーなのを気持ち悪い気持ち悪いって言うけど、んなモン人間は虫食しねーからそう言うんだよ
蟲っつーのは人間の次に旨いんだ、喰えばそんな偏見すぐに無くなるっつーの」
空虚で粘ついた声でまくしたてながら、足をタン、と踏みしめる。
衝撃で上へと吹き飛んだそれを掴み、少女へと差し出す。
ソレは標準的なサイズのムカデだった、脱出しようと手へと噛みつき暴れているが、牙は何故か白く細い手を裂けていない。
■メア > 「別に…虫は、良い…」
百足を見つめながら呟き、自分の手の上へ
噛みつかれれば痛そうにはするが叩き落としはしない
「貴方は、気持ち悪い……何だか、違う…」
虫が噛みつくのは自分を守るため
仕方がない事と割り切っている
だが目の前の青年は何だか違う、人間に見えるが何かが決定的に違う
それに回りに対する敵意がヒシヒシと感じられる
青年に比べたら百足なんて可愛らしい、そう思いながら薄青い瞳で見上げる
「人間、食べるの…?」
■王百足 > 「じゃ、返せ」
少女がムカデを受け取っても食わないのを見ると、手を差し出して返せのポーズ。
「ふゥん」
少女の暗い瞳を見つめながら、興味があるともないとも取れる声で呟く。
確かに自分達は何かが「違う」、故に人から引きずり下ろされ、蟲のままであれず、土の下で朽ちれなかった。
「そりゃ食うに決まってんだろ」
カジ ソシャク アジワ ショウカ
「俺は刀、刀は人を斬って斬って斬って殺害するもんだ、当然のことだろ
ま、お前は旨そうには見えねェから食わねェよ」
無表情のままに、少女を見据えながら答える。
■メア > 「自分で、拾えば…?」
壁に百足を離してやる
返せば食べるのだろうと予想し
「そう…刀……」
やはり、人間ではない
ならばこの体の持ち主を乗っ取ったか憑りついたか…
一先ず
「とりあえず…壊す……」
ゆらりとメアの足元の影が蠢く
風に揺れる草の様に、ユラユラと分かれ動き出す
■王百足 > 「へいへい、よっこらせっと」
壁にムカデが張り付いたのを見て、片手で鞘に納められた大太刀を掴み、器用に鞘へと乗せる。
そのまま鞘に乗せたムカデを手に取り、口内へと運ぶ。
しゅるりとムカデのグロテクスな頭へ舌を滑らせ、舌を噛まれるのも気にせず、むしろ毒を味わうように舐める。
濃緑の瞳が僅かに輝き、ばり、とムカデを真っ二つに噛みちぎる。
濃緑の血液が白い鎖骨へ垂れ、ワイシャツの襟を汚す。
「ん」
残った部分も口に入れて咀嚼し、鎖骨へ垂れた血液を親指で拭い、舐めとる。
久しぶりの蟲の美味の余韻に浸っていたかったが__目の前から感じる確かな敵意に目を細める。
「ん………? なンだ、ヤル気か」
鞘に納められたままの大太刀を片手で持ち、少女へと向ける。
顔に人間味の薄い無表情を張り付け、奇妙にゆらめく影を見据えた。
■メア > 「……」
なぜ彼の方に行ってしまったのか…食された百足に残念さを感じたが
食べられたのなら仕方ない
目の前の刀…彼を放置していれば自分の友人に危害が及ぶかもしれない
そんな芽は今摘んでしまおう
「うん……危ない、から…」
濁流の様に影が広がり、迫り王百足 の影正面から突き飛ばす
影が動けばそれにつられる様に王百足自身の身体も吹き飛ばされるだろう
■王百足 > 「危ない、ねェ、拝み屋の真似事か?」
目の前の少女に興味は無かったが、殴りかかってくるのなら別だ。
危ないから始末する、なんて落第街では滑稽な言葉だが__だからこそ、食べたくなる。
「よっ__と!」
地面を踏みしめ、まずは小手調べに突きを一発。
あと少しで少女に届く距離で__体が揺れ、後ろへと突き飛ばされる。
冷静に空中で身を捻り、アクロバットのように回転すると軽やかに着地する。
「おっと、危ねェ」
そう軽く呟きながら、相手が打って出るのを待つ。
■メア > 「掃除…するだけ……」
全ての危険を排除する気はない
だが目の前の彼はあまりに異質で危険度が高い
友人が彼に喰われてから後悔するなんて、そんな事が起こる前に排除する
独善的な感情でまた一歩青年に近づく
「来ない…の…?」
着地の様子からダメージが入ったとは思いにくい
攻めてだめなら防衛戦
影を自分を中心として蜘蛛の巣の様に広げ、それとは別に軽いジャブの様に先を尖らせた影が突きを放つ
■王百足 > 掃除、という言葉に眉一つ動かさず、相手を見据える。
危ないから殺す、気持ち悪いから殺す、そんな人間のエゴに傷付く心は刀に、蟲に存在しない。
尖った影に身を躍らせ、するりと影を紙一重で回避しながら、コンクリートの壁へと駆ける。
片手に短刀を生み出し、少女へと鋭い投擲を放ちながら、壁に足をかけ人外の身体能力を駆使し三角飛び。
踏み出した衝撃でコンクリートを欠けさせつつ、大太刀を構え少女の腹部を貫かんと飛び掛かる!
「おらよっ!」
目を見開き、少女を睨み付ける。
少女の張った蜘蛛の巣に掛かる形になるが__蜘蛛など何度も食い破ってきた、今回も巣ごと切り裂いて見せる。
■メア > 牽制の刺突を躱されるがやる事は変わらない
追い立ての仕事は上手くいった
「っ……」
三角飛びからの鋭い刺突
巣の準備が出来ていなかったら危なかった
「蟲より…猪、みたい……」
影は刀と青年の影に触れ、粘ついた粘液の様に纏わりつき
意思を持つ糸の様に刀を絡め捕らえる
少女まであと数センチ、寸での所で刀の刺突を止め同時に動きを阻害するだろう
■王百足 > 影に刀を絡め取られ、紙一重で刺突を止めれる。
鞘へと巻き付く影は正しく蜘蛛の巣、下手に動かしても取れなさそうだ。
蜘蛛の張った罠に絡め取られた絶体絶命の身でありながら__笑っていた。
「__はッ」
乾いた笑い声と同時に、刀を納めていた鞘が消え、刀身が顕になる。
分厚く鋭い、叩き切ることに適した大業物__それが王百足の正体。
毒々しい美しささえ感じる刀身が鋭く煌めき__確かな禍々しさを纏う。
ソレは王百足の本質、暗い壺の中で食い尽くしたどす黒い怨念の塊。
「__壊れろォ!」
絶叫、そして絶叫。
刀から発せられる呪詛、脳髄を揺さぶるようなソレを、至近距離で叩きつける。
王百足の持つ呪詛だけでなく愛々之射鬼の呪詛も混ぜた一撃__並みの人間が耐えられるものではない。
■メア > 「っ…!」
まじかで顕わになる刀身
美しいともいえるその刀から放たれル呪詛の塊を受け、少女は吹き飛ぶ
「あ…うっ……」
巣の残りが支える様に壁に激突する前に受け止める
意識は混濁し体も並々ならぬダメージを負ったが…巣は執拗に刀に絡みつき
まるで怒りを持つ様にその刀身を締め上げ引っ張り、青年ごと振り回そうとする
■王百足 > 「うおッ」
どうやら影は少女の意識とは別に動いているようで、意識を混濁してもなお動く影には驚いた。
影が刀を振り回そうとするが、大太刀は虚空に溶け、影の糸は空を切る。
その隙に素早く後ろに跳び、蜘蛛の巣の範囲から離脱した。
「……っう」
着地した瞬間、腕に走る痛み。
手のひらから肘までに、内出血のような斑点がまばらに浮かんでいる。
愛々之射鬼の呪詛を持ち出した影響だろう、どちらか一振りの呪詛だけならともかく、二つ同時はこの体でさえ耐えれるものではない。
先ほど大太刀を消したのも、影から逃げだすためだけでなく、肉体の負担を少しでも軽くするためでもあった。
「……いッてえ、流石は俺と同格だな」
(……これ以上はあるじさんの体でも無理か、こりャ逃げた方がいいな)
そう脳内で判断し、クルリと背を向けると走り出した。
引き止められないよう後方に感覚を向けつつ、障害物を駆け上がりパルクールの要領で逃げ出そうとする。
■メア > 「……」
いまだ意識ははっきりとは覚醒しない
影は追撃はすせずメアの守りを優先しているかのように
巣を再建する
当然逃げる青年を負う手段もなく、逃走は簡単に成功する
■王百足 > 後ろを警戒していたが、どうやら影は追ってこないようだ。
建物と建物の隙間、暗闇の中に身を滑らせ、軽やかに街を駆ける。
(ほっときゃ治るだろォけど、あるじさんになんて言い訳すッかなァ……)
少し憂鬱になりながら、街から姿を隠す。
ご案内:「路地裏」から王百足さんが去りました。
■メア > 青年が去って数分後、少女は覚醒する
「ん…んぅ……」
頭が痛いがそれもすぐに収まるだろう
そう思いながら歩き出す
逃がしてしまったのは残念だが、今から追いかけて間に合う訳でもないので…
仕方ないと諦めながら
ご案内:「路地裏」からメアさんが去りました。