2015/09/06 のログ
ご案内:「路地裏」にやなぎさんが現れました。
やなぎ > 太陽が天高く登る昼間時。
軍服を着たメガネの青年は、深夜の出来事を忘れられずにいた。

「…路地裏に何があるっていうんだよ……。」

落第街大通りで焼き鳥を買っていた中、一人の少女と話をした。
彼女がいうには、路地裏や暗がりに入らない方がいいとのことだが…
好奇心と少しばかりの正義心に負け、調査をすることに決めたのである。
万が一のことも備えて、軍服の下には防弾チョッキ。武器も最低限揃えてフル装備だ。

昼間なら明るいと思ってのことだったが、路地裏は妙に薄暗く、陰気くさい雰囲気を漂わせていた。
なんだか生ごみの臭いがする…

やなぎ > 右手を拳銃の入ったポケットに入れながら慎重に進んでいく。
以前行ったスラム街よりも酷い雰囲気だ、と思った。
とにかく狭く、いたるところにゴミが散らばっている。
壁にはスプレーで落書きされていた。
人通りは今のところない。嵐の前の静けさのようだ。

太ったカラスが一羽飛んできて、ゴミをつついている。
こんなやつの肉を食べたと思うとぞっとする。

「腹は丈夫なほうだけど……」

結局、深夜に買ったカラスの焼き鳥はもったいない精神で食べてしまったのだが。

やなぎ > 道を忘れないように少しずつ奥へと進んでいく中、
特に目立ったものは発見できなかった。
やはり"何か"あるとすれば夜なのだろうか。

「…ふう。」

むしろ何もなければそれでいい。
食べたものはろくでもないカラスだってことはわかったが。
このぶんだと、ここで売られている酒にも変なものが入ってそうだ。

一見平和にみえる常世島の闇。
信じがたいが、やはりどの世界にもあるのだろうか。

やなぎ > くるりと後ろを向いた。
同じような暗がりが見える。この向きは退路のはずだ。
ほぼ一本道のはずだ、いくら方向音痴の自分だって戻れる―と思いたい。

「調査は…ここまでにするかな。」

来た道を戻っていく。


暗い。どこを進んでも暗い。
本当に戻れているのか、途端に不安になる。
ポケットの中の拳銃を強く握りしめた。

やなぎ > こんな所で迷子になったら終わりだ。
段々と速度をあげていく。
出口はここであってるはずだ。
今日はもう十分だ!

まるで夜だと錯覚させるほどの暗がりだった。

走っていくうちに明るくなってくる。
そういえばまだ昼時だったな、と心から安堵した。

ご案内:「路地裏」からやなぎさんが去りました。
ご案内:「路地裏」に十六夜棗さんが現れました。
ご案内:「路地裏」から十六夜棗さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に”望月満月”さんが現れました。
”望月満月” > 夕方。変装を済ませて望月満月として、落第街の中でも人目やカメラ等が特に少なそうな路地裏にまで足を運ぶ。
相当危険な道を歩いている事は重々承知の上。
秘匿魔術や秘匿魔術候補を学園に残さずに訓練するには、こんな場所を使う位しか思いつかなかった。

「……誰も居ない方がありがたいけど、そうも言えなさそうなのよね…」

薄暗い建物と建物の間、左右を見回して壁に背をつける。
周囲の確認をしてから構築した理論を元に、魔術構築の脳内でのおさらい。

”望月満月” > 魔術構築の切っかけは、自分が見晴らしのいい遠距離戦に弱い、と訓練施設での一戦で学んだ事。
近距離戦の打撃ではプログラミングマジックを交えても限界も出るだろう。
生半可な事で防御されない何かが欲しかった。

「回れ。……回れ、回れ、回れ回れ回れ…」

魔術構築の詠唱を開始。
今回の構築理論は単純にしてミクロ。
電流、ひいては電子、陽電子の発生と回転。
小さな粒子を生み出し、回転させて加速させる。

詠唱を続けると、手の平の上に細かい光がグルグル回っているように見え始めた。
第一段階は、成功、それも、使用魔力量も予測よりは小さい。

”望月満月” > しかし、良く見ると回転軌道に、ブレがある。光として見えてしまっているのだから、よく考えれば回転軌道の幅が広すぎる。
回転している光を、回転速度を保ったまま直ぐ目の前にある建物に、軽く投げる。

建物の壁が、少し切れてボコン、と音が鳴り、切れたところを中心に壁に穴が開く。その際、電気が弾けたように見えた。

第二段階は手がかりはあるものの、失敗。

「ポジトロンチェーンソー、…とは行かないわよね。
やっぱり弾丸かしら。」

”望月満月” > 使用魔力を少なくして、小さな粒子である電子と陽電子を、代わりに高速回転させて補ったエネルギーで切断するか叩きつけての攻撃か。

炎や熱等構築要素の多い物を作る代わりに小さく構築要素の少ないものを作り、操作を強くして火力を生み出す。

この着眼点は悪くはない筈、だと考えていた、が。実際に試してみると欠点が多い。
手から離れると不安定になって壊れやすくなっているし、ぶれると期待していた切断と言う効果もほとんど出ない。
恐らく射程はかなり短くなるだろうし、近距離ですら火力の低減が激しい。

”望月満月” > 「…リスクを負ってまで、とも言えないかしら。」

理論考察だけでは見えてこなかった部分も実践も交えると、明確に見えてくる。構築要素が少なすぎれば、強度も低下する。単純だけれど、見落としやすい事だ。

残念ながら、この案は新たに改良を施すまで閉ざしておくしかない。
よしんば使えても…手の平の上に作ったまま対象に押し込んで斬る。
そんな用途にしか使えない。

使い道は無くもないが、実戦で使う機会は殆どないと考えていい。
実戦で使わなければ、この案で更に構築を進めて、実際には…となりかねなかった分、試せて良かった。

もう幾つか…次を考えていると、目の前の建物の壁の向こうから、声がする。どうやら誰かが寝ていたらしい。様子を見に来られるとまずい。足音を忍ばせて、去ろうと試みる。

”望月満月” > 抜き足差し足…見にこられる方が早かった。穴に気付かれて、穴に反応する『なんだこりゃあ?』の声に急いで逃げる。

壁に更に穴を開けてまで追われるとは思わないけれど、早々に逃げてしまった方がいいと気付いて、曲がりくねって入り組んだ路地を駆けていく。

とりあえず今は逃げれればいい。そこで入り組んだ道を覚えて帰り道がわかっていれば尚良かったけど。