2016/01/18 のログ
ご案内:「路地裏」にレンファさんが現れました。
■レンファ > 「………」
音も立てずに舞う影ひとつ
薄暗い該当にほんの僅かな闇を落とし、伊綱のように廃ビルを駆け跳ね昇ってゆく
■レンファ > 窓からビルの一室へと踏み込む
悪天候が重なり室内は完全なる闇
レンファの左目に機械光が灯る
追跡していた相手の姿も残滓も見てとれない
「……逃したか」
結局学園街のほうではロクな仕事にはありつけず
此処、落第街で依頼を請けたものの…今回は相手が悪かったと言える
違法取引に現れたターゲットは尻尾の中の尻尾、
本身に辿り着くまでに時間的猶予を与えてしまった
そして向こうには地の利もあり……
「……」
無言で窓から飛び降り、路地裏へと音もなく着地する
■レンファ > 依頼は違法取引の妨害、可能ならば元締めの暗殺
依頼内容自体は遂行したと言えるものの、
ターゲットの必殺を売りとして活動する身の上、バツが悪い
「…雨か」
しとしとと冷たい雨が落第街に降り落ちる
■レンファ > とりあえず雨宿りと軒下に移動し、壁を背に座り込む
「前金は半分返すか…十分な額だしな」
ぽつぽつと降る雨の音を聞きながら、そんなことを呟く
と、数人が歩いてくる気配を感じた
「……」
すっと立ち上がり、その場で一瞬にして衣装を変える
常世学園の制服姿へ、マジックショーもびっくりの早着替えである
落第街と言えどさすがにあの格好よりは制服姿のほうが目立たない
■レンファ > 「…前よりはマシだな」
ぽよぽよと両手で胸部の確認
身長に合わせたサイズの制服だったため、少し大きめのものに替えたのだ
胸元が止まらない前よりはずっといい、おかげで袖は余り気味だ
まぁ以前は胸元が空いている上に髪色とか地黒のせいでちょっとあれな女子高生に見られたりもしたがこれで大丈夫だろう、多分
■レンファ > 歩いてきた集団は二級学生のようだった
見るからに知性がない、おそらく知覚も悪い
レンファの姿が視界にあるにも関わらず、気配を消しているだけでこちらに気づきもせず、集団は歩き去った
通り過ぎる時に一声かけでもしたら飛び上がるほどにびっくりしてくれたことだろう
しないけど
■レンファ > しとしとと降り続く雨、やむ気配は当分なさそうだ
着替えたはいいもののできれば濡らしたくもない
どうせあとはクライアントに報告して残りの報酬をもらうだけ、
仕事の成果は既に伝わっているだろう
慌てることもない、壁際に三角座りしつつ雨が止むのを待つ
常人なら寒さに身震いでもするのだろうが生憎常人ではないので問題がなかった
ご案内:「路地裏」にスノールさんが現れました。
ご案内:「路地裏」に永江涼香さんが現れました。
■スノール > 直後、通り過ぎた学生の集団が声を荒げ、怒声を路地裏に反響させる。
無論、レンファに気付いたわけではない。
彼らは単純に目前に現れた通行人にアヤを付けただけであった。
通行人といえど、此処は路地裏。
二級学生の前に立ちはだかるのもまた、同じ二級学生。
角を戴く、竜人の巨漢。
竜人は目を細めて、怒声を喚き散らす二級学生を見下ろす。
二級学生たちは何かしらの異能をもっているようで、巨体を持つ竜人にひるむ様子はない。
異邦人も珍しくないここでは、それもまたいつも通りのことではあった。
■永江涼香 > 「へー、路地裏ってのはこーなってんのねー……」
流れ流れて学校となっているこんなところに来たが、両親は「どこにいるか分かるだけマシ」と容認してくれている。ありがたい事だ。
で、それを活かして、とにかくこの島の探検中。特に路地裏なんてのは来た事がなかったので興味深かったのだが……
「……うん?」
戦闘の気配。
数名の生徒らしき人々が揉めている。
竜人…とでもいうべきであろう存在もいる中で、どうするか迷ったが……
「(別に、いきなり出ていく場面でもないわよねー)」
自らの頼みにする剣をそっと竹刀袋から取り出しつつ、現状は傍観を決め込む。
だって、めんどくさいんだもの。
■レンファ > 状況の変化には鋭敏である
いや、鈍感であろうと流石に気づくだろう
静けさの闇に包まれつつあった路地裏の空気が変わった
あまり濡れないように身を乗り出して、通り過ぎた学生達の様子を伺う
暗視の効くレンファには薄暗い路地も昼間のように知覚できる
どうやらトラブルを発生させたらしい
集団の前に立ちはだかっているのはおよそ人からは逸脱した巨躯
「(身体的特徴の合致から見れば、ドラゴニュート、もしくはその一種…。常人の立ち向かえる相手ではない、が)」
一歩も引かない連中を見れば、彼らが能力者であることは明白だ
ひとまずは様子を見る構えをとった
同時に別の気配を感じる
そちらは、特に危険を感じるものでもなさそうだ
位置関係だけの把握に留まった
■スノール > 悪天候にめげる事もなく罵詈雑言を吐き散らし、竜人を囲む二級学生たち。
雨の中にも限らず手の内には焔を灯し、竜人を威圧する。
この落第街の片隅ではそれこそ珍しくもない、構成員全員が酷似した異能を持つ不良集団。
カラーギャングの一種だ。
弱点を補う事が出来ない代わりに集団としては一点特化になり、路地裏での『仕事』ではその特化した専門性が需要を生む。
彼らは、そうした経緯から自然発生的に生まれた集団の一つなのであろう。
群れれば気持ちは大きくなる。何より組織のバックを背負ってもいる。
なら、たかが異邦人一人に低頭平身する必要も当然ない。
異能により生まれた真っ赤な炎を照らしながら、竜人を囲んで金銭の要求を始める。
だが、竜人は全く取り合わない。
ただ、目を細めるのみ。
動じる様子がまるでない。
いや、そもそも、コミュニケーションが成立しているように見えない。
しかし、既に興奮状態にある二級学生たちは中々それに気付かない。
シカトを決め込まれたと勘違いして、ますます怒号が大きくなる。
■永江涼香 > 「(うわー、うわー!いるんだああいうの、生で見ちゃった!)」
安い、と言う表現が適切かは分からないが、チンピラっぽいカラーギャング達を見て、思わずテンションをあげる涼香。
なんせ、そう言うのは漫画やドラマの中にしかいないと思っていたのだ。そしたら、現実にいたではないか。
なんだか本当に珍しいものを見た気分になってしまい、変にテンションが上がってしまっているのである。
「(やっぱり、外はいいわ。こんなの、神社に引きこもってちゃ一生見れなかったもの)」
目を輝かせつつ、その中で一つの決意を見せる。
それは……『あの竜人が襲われ始めたら、割って入ろう』と言う事。
義を見てせざるは勇無きなり。ここまでテンプレなチンピラなら、それこそ蹴散らしてしまっても問題ない……と言うか、それが正しい振る舞いだろう。
もし喧嘩になったならば、数の不利を鑑みても、義を見ても、竜人に加勢しよう。
そう思って、剣を持つ手に僅かに力を込めて、状況を見守っている。
■レンファ > 「……」
小さくため息をつく
集団ということもあるのだろうが、力量差がまるでわかっていない素人同然の学生達
不干渉を決め込むつもりでいる自分に対して、新たな闖入者の女は得物を握りしめ揉め事に立ち入る気を隠すつもりもなさげだ
落第街がこういう場所だとはいえ
「……雨の中だというのに、元気だな」
こんな一言もぽつりと漏れるものだった
■スノール > 不良達の身勝手な怒りはますますエスカレートし、怒声は最早言葉として聞き取る事すら難しい。
ただの雄叫びと化した怒声を受けて尚、竜人が何か答えることはない。
むしろ、彼は腕組みをして、ゆっくりと……小首を傾げた。
やれ困ったといった様子で。
しかし、それは興奮状態にあった不良達からすれば、明確な挑発と受け取ることしかできない。
罵声と共に髪を逆立てたリーダー格らしき男が、手から生み出した火球を放つ。
しかし、所詮は二級学生。正規の異能訓練など受けていないチンピラ達。
悪天候と怒りの二重苦ではコントロールなど出来ようはずもなく、火球は勝手に竜人から逸れ。
丁度、レンファの元へと勢いよく飛んでいく。
無論、偶然である。
気配を読み取れていない不良達からすれば、誰もいないところにただ飛んで行ったようにしか見えていない。
■永江涼香 > 「ちょっ……!」
慌てて飛び出す。
そちらにいるレンファには気付いていないが、単に『火球を放った』と言う時点で、これはもう介入すべき事案になった。
「そこのドラマ通りのチンピラ、そこまでにしときなさい?」
剣……宝剣を抜き放ち、そして堂々と告げる。
まるで、完全に上から見下しているかのように、傲慢にそれを告げる。
……当然、喧嘩を売っているようにしか見えまいが、永江涼香にとってはこれが『当然』なのである。
なにせ、自分は『選ばれた巫女』なのだから。
■レンファ > 「……」
一際大きな溜息が漏れる
同時に、完全に消していた気配を濾出させる
煌々と迫る火球
回避するのは容易いが服を濡らしたくない、と思い左腕で弾き飛ばすように打ち払う
…が、結果としてブスブスと左腕の袖が燻り煙をあげ、焦げてしまった
「……折角新しい制服もらったのに」
一気に不機嫌そうな目つきになると騒々しい集団を睨めつける
集団やその周辺の人物からすれば、何も気配のなかった位置から突然抜身のような殺意が放たれることとなるだろうか
■スノール > 割って入ってきた少女……涼香に対して、不良達は誰何の声と共に怯まず罵声を浴びせたが。
突如現れた別の気配と凍りつくような殺気に、ぞくりと震える。
殺気の発生源にいたのは……先ほどまでいなかったはずの白髪の少女。
菫を思わせる紫と、翠玉のような碧のオッドアイ。
これほどまでの殺気を受ければ、平素であれば彼らは一目散に逃げ出したはずであろう。
だが、今は違う。今は群れている。
組織というには余りにお粗末ではあるが、それでもカラーギャングとしてチームの看板は背負っているのだ。
そうともなれば、選択肢は最早一つしかない。
宛ら時代劇の悪役のような安い台詞を各々に叫び、涼香、レンファ、そして竜人へとチンピラ達が殺到する。
全員炎を操る異能を持つ者達。
先ほどのように直接火球を放つものもいれば拳や得物に炎を纏わせるものもいる。
だが、どいつもこいつも練度は低い。
所詮は路地裏のチンピラだ。
■永江涼香 > 「ふん、小人閑居して不善を為すと言うけれど、小人が群れれば閑居せずとも自ずから不善を為すのは当然ね」
ふふん、と傲岸に笑う。
横の殺気がちょっと怖いが、そこはほら、今は味方っぽいし。味方なら怖くない。
そんな事を考えながら、手に持つ宝剣を上へと振るう。
「今、日輪の子は地へと下り、その神威にて世界を統べる!ひれ伏しなさい……『天孫降臨』!!」
刀身から上に大きな火球……否、陽光の塊が放たれ、空中で分散。
味方もいるので、範囲も威力も絞っているが……その分散した高熱の球体がカラーギャングに向かって降り注いでいく。
雨であるが故に真価を発揮出来ないが……それでも、このレベルの相手ならば十分だろう。
■レンファ > 饒舌な口だな、と先に動いた女、涼華を一瞥する
と、こちらにも2人ほど炎を撒き散らしながら迫る姿が見える
「(退路はあっただろ)」
内心そう思いつつも、追い詰めたのはある意味では自分か、と少し反省する
怒号をあげると共に生み出した火球をレンファに向けて投擲せんとする
……そこで、男の動きが止まった
その顔には明らかな困惑の色
目の前にいた白髪の女がどう見ても10人以上に増えているからだ
ミスティファントム…ホログラムを使用した幻惑兵装、
所謂分身の術であるが相手に与える精神的作用は極めて大きい
男は困惑の渦中で、ゆらめき動いた分身の一体にその首を撥ね飛ばされた
舞い飛び落ちる首を無感情な眼で眺める
少なくとも人間の殺害、奪命行為に一分の特別な感情ももっていない振る舞いである
■スノール > 涼香の詠唱と共に生まれた火球の威は、不良達のそれとは比べるべくもない。
天孫の一閃は無数の炎の礫を生み出し、それに撒かれた不良達の怒声はあっという間に悲鳴へと変ずる。
手強い。そこでようやく、遅まきながら彼我の戦力差を不良達が自覚した直後。
レンファを囲んでいた不良の1人……リーダー格の男の首が、それこそ不良達の戦意ごと地に落ちる。
それが、決定打となった。
捨て台詞も忘れ、蜘蛛の子を散らすように路地裏の闇へと消えていく。
涼香やレンファではなく、竜人に向っていった連中ですら、惨状を前にして殴りかかるよりも先に戦意を奪われ、退散していく。
後に残るは、竜。巫女。暗殺者。
奇妙と言えば奇妙な取り合わせの三者だけが残された。
■永江涼香 > 「あちゃ……やり過ぎたかしら?」
うへー、と言う表情で剣を納める。
思ったより力量差が大きすぎたというか、天孫降臨なんてそれなりの技を使うまでもなかった気がする。
陽光で照らして目を潰すだけでよかったのではなかろうか、と首を傾げつつも、取り敢えずその場に残った二人を見やる。
「……で、アンタは大丈夫なわけ?」
心配はないだろう、と思いつつもスノールに問う。一応絡まれてたのだし、もしかしたら怖がってたりしたかもしれない。
で。
「アンタは……殺さなくても、よかったんじゃないの?」
やり過ぎはいつか自分に還るわよ?とレンファに言う。
まあ、涼香の『天孫降臨』もオーバーキル気味であったのであまり人の事は言えないのだが……それにしても、首ちょんぱはちょっとチンピラにはやり過ぎじゃないの?と言うのが涼香の見解であった。