2016/05/10 のログ
ご案内:「路地裏」に”望月満月”さんが現れました。
”望月満月” > 建物の灯りが届かぬ狭い路地。
偽物の煙草を咥えて、背を廃墟同然のひびの入った壁にもたれさせて、人影の少ない場所での密やかな音に耳を傾けている。

聞こえてくる話と言えば、やれクスリがどうの、また風紀委員に潰された奴らがいるだの。
闘技場で勝利したチャンプの話題だの、新しく裏の地下アイドルが誕生しただの。

まぁこの界隈にいればよく聞く話。

「……欲しい情報は中々ないかしらね。」

呟いて、偽煙草から白い煙をワンボタンで出して、吐く。

”望月満月” > 強いて言えば、掘り下げれば最初の物を除いては欲しい情報と繋がる可能性はなくはない。
ただ、それよりも以前会ったサイボーグの少女からの情報、”スリーパー”についてがあればありがたい所。

「そう言えばそろそろ繋がるかしら。」

偽煙草を摘まんでしまい。

携帯を取り出し、以前教わった番号に一応のコール。
相手の仕事柄応答が無ければそれは仕方ない。
仕事中ならばきっと受信もしないだろうから。

”望月満月” > 待つ事3コール。そこで通話を切った。
携帯をしまいなおし、再び界隈の音に耳を傾ける。

聞こえてくる音は足音もあれど、先程とそうたいして変わらない。

「……待ってても手に入らないなら仕掛けがいるかしらね。」

背中を壁から離し、周囲をゆっくりと見回す。

”望月満月” > 目に見える範囲には誰もいないように見えた。
ひび割れた壁の欠片を剥がし、中に走る電話回線を露出させる。

回線は死んでいる事を承知の上で魔術の構築を始める。

構築がとても面倒だが、回線を起こす為の電源元を設置し、偽りのIPとプログラムを手に構築。

偽情報をアンダーネットに流す。
内容は――
”落第街において研究区から脱走した異能の実験体が潜伏している。
彼らは一部の同情的な学生と協力体制を取り、複数の研究施設への襲撃が計画されている。”

こんな所か。
どう取られるにせよ、これを偶然なり、何処かの組織が情報収集して拾ったりすればある程度活発な動きが期待できるかも知れない。
その中で目的の相手と遭遇したり収穫があれば御の字。

流した後、素早くこの場を後にする。どう転ぶかは後のお楽しみだ。

ご案内:「路地裏」から”望月満月”さんが去りました。