2016/07/31 のログ
化野千尋 > 「あだしのの血はきれーな血じゃないですからねえ。
 綺麗にパック詰めされた血液みたいにきれーだったら喜んでだったのですが。

 汚いものを差し上げるわけにはいかないのですよ。
 はい、焼き肉やさんですねえ。異邦人街にほんとは今日、あだしのは行く予定だったんですよ」

へらり、とまた表情を崩して笑った。
本来は異邦人街に訪れてみるつもりだったのだが、持ち前の方向音痴を
最大限最大級に発揮してしまっていたのがいまの話。

童女の正体は全くわからなかったが、化野千尋にとっては風紀委員であること、
それだけ知れれば満足だった。
――つまり、悪いひとではないという明確な証。

「ぼーそーですかあ。
 それもじぶんのためになるんでしたら、あだしのは構わないと思います。
 周りに迷惑をかけずに生きるなんてむりですからねえ。
 迷惑を前提で好き勝手に生きるのも、中々たいへんよろしーでしょう。

 ライオンさんはですねえ、……大きなにゃんこみたいなものですよう。
 ライオンさんは、人間もシマウマ……大きなおうまさんも食べるにゃんこです」

返された生徒手帳を仕舞って、そうだと改めて童女の背中を追いながら口を開く。

「化野のちひろともーします。ご挨拶が遅れてしまってたいへん失礼いたしました。
 
 そうですねえ、歓楽街のほうに案内していただけたらたいへんうれしく思いますよう。
 あだしの、そっちのほうに家があるんです」

那岐夜車丸汀 > 「血は血だ。輸血用の血液は モノにもよるが 鮮度が微妙。
 やはり 採れ立ての方が美味しいと思って居る。

 …この前 舐めたからいいか。前の儂を視る気分じゃ。
 儂も極度の方向音痴迷子だったからの! 色々と努力をして克服したのじゃが。
 …まぁ 間違えやすいからの 異邦人街とスラムは…。」

異邦人街は実に楽しい場所柄だ あそこは過ごしやすい。
元々この世界の住人ではない 幼女としては委員になる前はちょろちょろと赴いていたが
最近滅多に行けなくなってしまった 風紀委員になると行きづらくなってしまったのだった。

「最低限の常識とマナーは守ってな。
 周りには程々にしてくれれば 儂としては構わない。
 まぁ やらかしたら 止めるのも 致し方ないしの。

 おおきいねこだとう? しまうま…ヒトもにゃんこだとう?」

え、そうだったか??であれば ヒトにもケモ耳が生えている事に!?
もふもふだいすきな汀にとってはビバ天国!色々と勘違いした瞬間が此処に。

「化野? 本土にそんな地名があったのぅ。んんー。
歓楽街か 分かった。そちらは分かる、では こっちじゃな。」

なんて 他愛のない会話をしながら 次回の焼き肉店に向けて
連絡先の交換など出来たら幸いだったが、それらが出来なくとも
連れ立って歓楽街の方へと案内をした幼女でありました。

ご案内:「路地裏」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
化野千尋 > 「はあい。それではゆきましょうかあ。
 それではどうぞご案内、よろしくおねがいしますねえ」

どうにも童女の後ろをついて歩くセーラー服の姿は間抜けだった。
ひょこひょこと追いながら、そうですねえと口を開く。

「もちろんそんなことはあだしのにはご縁がありませんから。
 みなさんみたいにお強くもなければ、異能も何もございません。
 ぼーそーするにしても、青い春のままに――なんてそういう類でしょう」

どうぞどうぞ、とアドレスを差し出したり世間話を挟んだりしながら、
入り組んだ道をスイスイと抜けていく。

「はい、あだしのは化野です。京の隅に」

なんだかズレたふたりは、ゆっくりゆっくりと夜の落第街を歩いてゆくのでした。

ご案内:「路地裏」から化野千尋さんが去りました。