2016/08/24 のログ
滝川 浩一 > (っ!?えぇぇえええ!?何これ!?)

息を切らし、こちらに邪魔と言いながらも盛大にこけた男性。
あまり運動をしないタイプなのだろうか。もうすでに体力がないように見える。

そしてその男性を追ってきたであろう者達が無効から来るのを視認する。
目の前で倒れている男性に対し、あちらはまだまだ元気そうだ。

(何この状況!?え、やばくない!?めっちゃ物騒なもん持ってるんですけど!?)

追手が持ってる凶器を目にし、顔を青ざめさせる。
しかし、瞬時にその場の状況を整理し、自分がどうすればいいかを考える。

「っっ…やぁああ!!」

彼の手が一瞬、青い閃光を放ったと思えば、大声を出して何かを追手たちの足元へと投擲する。
投げたのは鉄製の筒。上下の面には鉄で蓋をされており、その片方には少し複雑な機構が施されていた。
筒は足元へと転がり、一息間をあけると大量の煙をまき散らし、路地裏を白い煙で覆った。

「逃げますよ!」

力を振り絞り、諦めている白衣の男性を背負ってその場から逃走する。

不知火 械徒 > 「あ゛ー…まだまだ作りてぇもん、山ほどあったのに゛ー…さらば、この世、こんにちは、来世ー…」

見る見る内に迫ってくる追手に、どう足掻いても無理だと悟ったのか、
這うのを止めて地面にへたり込んだ。生まれ変わっても、また機械を作りたいと思っていると、
先程邪魔だと言った男が何かを放り投げた。

「え?なに、何投げたの…ぉああああああ!?何これ、すっげぇ煙い!」

上半身だけ起こして、何を投げたのかを見た瞬間に目の前が真っ白になった。
大量の煙に驚き、咽返っていると身体が何かに持ちあげられる感覚。

「おぉ…?なんか知らねぇけど助かった、万歳!」

助かると分かれば、余計な抵抗はせずに背負われる。
追っては煙の中でまだ右往左往しているので、余裕で逃げ切れた。
漸く、身の安全が確保できたと分かると、息を吐いて口を開いた

「やー、死んだと思ったわー、まじ助かったわー、あんがとなー」

滝川 浩一 > 「はぁ…っはぁっ…いっ、いえ、礼には及びませんよ」

彼を運んで疲れたのか、膝に手を当てて息を切らしていると少しずつ息を整えながら彼にそう返す。
呼吸を整えると無事な様子の彼に安心する。

しかし、この男、何をやらかしたらあのような者達に追われるのだろうか。謎だ。
少し気になったためそれを聞き出そうと口を開く。

「しっかし、あの連中は何だったんですか?とてつもなく物騒なもの手に握ってましたが」

手に持ってた凶器を思い出し、白衣の男性にそう問いかける。

不知火 械徒 > 「あー、生きてるって素晴らしいわぁ、マジで。今この瞬間だけ、神様信じても良いわ。」

基本的に誰も助けてはくれない路地裏で、危うく死ぬ所だった危機から救われるなど奇跡に近い。
そんな奇跡を体験した今だけは、神を崇めても良いとへらへらとした表情を浮かべながら口にした。
身の安全を確保したので、自分を背負ってくれた相手から下ろしてもらうと、着衣の乱れを正してから

「知らねーよ、んなもん俺が聞きたいわ。ただ、なーんか取引してたの見ちゃってなー
 見たくて見たわけでもねーのに、殺す勢いで追いかけられたってーわけよ、酷くね?」

どう思う?と男に感想を求めるような表情で問い掛けに答える。

滝川 浩一 > 「ははは……」

まるでとてつもなく幸せなことがあったように喜ぶ男性に苦笑いをして返す。
幸せというよりかは奇跡に近いが。
服の乱れを正す彼を見ながら服の袖で汗を拭う。

「どう思う…と言われましても…こんな路地裏に来なければよかった話なのでは?」

調子の良さそうな彼に呆れたような表情でそのように返す。
触らぬ神に祟りなしとは少し違うが第一こんなところに近づかないのが最もだろう。

まぁ、自分も自分で路地裏という危険地帯に踏み込んでしまっているのだが。
道に迷ったせいで。

不知火 械徒 > 「………んまぁな、お前さんの言う通りなわけだけどな?」

呆れたような表情の男からの言葉に、数秒そのままで止まった後で、確かにと肯定する。
路地裏に近づかなければ、こんな危機に陥る事も無かったのだから、当然のことだった。

「でもなぁ、たまーに良く分かんねぇパーツとか転がってんだよ。
 俺はそういうので何か作りたいの。アレよ、虎穴入らずんば何ちゃらって奴。」

落第通りにも出回らないようなパーツを求めて、敢えてリスクを冒していると話す。
自分を納得させるように腕組をして頷いて後、ふと顔を上げて口を開いた。

「…つか、そう言うお前さんは、なんで此処に居んの?」

滝川 浩一 > 「パーツ?」

腕を組んで彼の言葉が気になりそう聞く。
まるでRPGのアイテムを拾うような口ぶりの彼の姿とその白衣を見て少し予想を立てる。
所謂、ジャンクパーツとやらを回収して何かを作る科学者なのだろう。

しかし、それはそれ。第一危険だからと言ってパーツが落ちている保証は何処にもない。

そして次の発言に「やっぱり」と言った風に息を吐き、頬を人差し指でかく。

「えっ、自分は…その…ま、迷子です…」

次に自分がここに来た理由を問われるとわざとらしく視線を逸らし、言い訳を考える。
しかし良い言い訳が思いつかず、明らかに声色が変わり項垂れてそう返す。

不知火 械徒 > 「そうそ、ジャンクパーツ。俺、機械作るの趣味なの。」

聞き返されると、補足するように機械開発が趣味だと答える。
白衣のポケットから、工具を幾つか取り出して見せる。良く使い慣らされた工具だった。
それらを得意げな表情で元のポケットへと戻してから、自分の問い掛けの返答に真顔になる。

「………………迷子って聞こえたけど、新手のジョーク?」

此処に来て、場を和ませるつもりでのジョークなのではないかと項垂れる相手に聞き直す。
肩をぽんと叩きながら、現実を認めて質問を変える。

「………なんで、迷子になったの?」

滝川 浩一 > 「えぇっと、実は…」

何故迷子になったのかという経緯を簡潔に話す。
内容としては落第街を散歩中、とある男性の頼みを聞き入れていたら時間が過ぎてしまい。
帰ろうと近道である路地裏に入って迷ったとのこと。

でも流石は文明の利器、スマートフォンという現代の三種の神器の一つを駆使して出口へ向かっていたところ先ほどの事件に遭遇したという。

「……いや、何でいきなり真顔なんですか!?」

顔を見上げ、彼の顔を見るととてつもなく真剣な顔でこちらを見ている。
こちらはというと迷ったということに少し恥ずかしさを感じているのか視線を逸らし腕を組む。

不知火 械徒 > 「はぁーはぁー、はいはい。なーるーほーどーねー、事情は把握したわ、うん。」

相手から、相手が迷子になるまでの経緯について簡潔に説明を受ける。
腕組をしながら緩く首を傾げて、語尾を伸ばしながら返事をしつつ数回頷く。

「まぁ、近道しようと思ったのが失敗だったな、うん。
 いやだって、ここら辺で迷子になるって希少価値だからさ…」

危険そうに見える場所に迷い込んで迷子になるということが、
非常に珍しく見えたからと真顔で答える。

「でもま、その失敗のおかげで俺の命は助かったから、俺は一向に構わないぞっ!」

フォローするように親指を立てておいた。

滝川 浩一 > 「フォローになってるんですか?それ…」

呆れた表情で、サムズアップする彼を見てそう発言する。
自分で自分が情けない。頭を抱え、そう考える。

ともかく、目の前の彼はもう大丈夫そうだ。

安心して帰路につこうとするがふと彼がジャンクパーツを集めて何を作ってるのか気になりだした。

「そういえば、ジャンクパーツ集めて何を作ってるんですか?足りないパーツとかは?」

もしかしたら、自分でも力になれるかもしれない。
真っすぐ彼を見て、そのように問いかける。

不知火 械徒 > 「そりゃ、お前さん次第だろ。フォローされてるの、そっちなんだし。」

親指を立てたままで相手に答える。
自分がフォローされているわけでもないので、フォローになっているのかは分からないと、
相手に平然と丸投げをしておく解答だった。

「ん?何って…昨日だと、あれだな…マジックハンド?一回だけ曲がるタイプ。
 足りないのっつってもなー。今は特にはねぇかなー。パッと直感で何作るか決めるし。」

基本的に作りたいと思ったものを作るスタンスなので、その時にならないと足りないかが分からない。
腕組をしながら、小さく唸って答えた。

滝川 浩一 > 「俺次第ってなんともまぁ…」

相手の言葉に少し困惑しつつ、とりあえずフォローと受け取っておくことにしておく。
自分の人生の経験上、あまり物事をネガティブに捉えるのは宜しくない。
故に、プラス思考で前向きにそう思うのであった。

「まじっくはんど…?何ですかそれ?」

聞きなれない言葉に首を傾げつつ、そう問いかける。
一般的には手の形だったり昔のアニメのロボットの手のような物体が物を掴むために駆動するおもちゃだが
田舎にはそういうおもちゃがなかったためか、魔術道具か異邦人の技術を取り入れた武器か何かを想像していた。

それをジャンクパーツで作るなんて、この男はただものではないと勝手に評価していた。

不知火 械徒 > 「ちなみに俺はちゃんとフォローしてるつもりだから。」

フォローをしている側としては、ちゃんとやっているつもりだと念の為に言っておいた。
そして、相手がフォローとして受け取ったと勝手に解釈しておいた。

「あれ、知らないの?簡単に言うと、機械の手だよ。
 びよーんて伸びて、物とか掴むんだ。」

こんな感じで、と手を伸ばして物を掴む仕草をして見せる。
相手が自分に対して、高く評価しているとは全く思って居なかった。

「…ま、いつまでもこんなとこ居てもだし、歩きながら話そうぜ?」

此処に何時までも居ても仕方ないと、抜けだすついでにと提案してみる

滝川 浩一 > 「き、機械の手!?なんとそれは…」

彼の大雑把な説明にある主の勘違いを発生させる。

(ロケットパンチ、いや、伸びるというのならばワイヤーで腕を射出しているのか?
するとガスで腕を射出。目標を掌握後にワイヤーで引っ張る感じか!?)

かっこいいと目をキラキラさせ、それを作ったであろうこの男に羨望の眼差しを向ける。
そんなロマン武器思いつかなかった。今度生成してみよう。

「あ、あぁ…そうですね」

彼の言葉に反応し、スマートフォンを一瞥すると歩き出す。

不知火 械徒 > 「………そんな大層なもんでもねぇんだけどな。」

伸びて、掴んで、縮む。それだけの機構に、一回だけ曲がるという機構が追加されただけ。
作った側としては、あまり大したものを作ったというつもりもないし、ましてや相手が思っているような代物でもない。

めっちゃ目キラキラさせてる、と思いながら答える。
これで現実を知った時に、どのような反応をするのか気になるところではあった。

「俺、不知火械徒っての。お前さんは?」

多分こっちだろうと思いながら、適当に前に進んでいくついでに名前を聞いてみた。

滝川 浩一 > 「今度見せてくださいよ!!」

目をキラキラさせたまま、男性へと言う。
その瞳はロボットアニメを見て興奮する少年のそれであった。

「あぁ、自分は滝川 浩一。2年です。つい最近この島に来ました」

興奮を抑え、自分も自己紹介する。
ついでに転校生であることを付け加える。

つい最近この島に来たのにこんな場所に来るのは如何なものか。
余程襲われても対処できる自身があるのか無知なのか。恐らく後者だろう。

不知火 械徒 > 「…良いけど、お前がっかりしたとか文句言うなよ?」

見せるのは別に構わない。が、期待したものと違うと文句を言われると、少々対応に困る。
なので、そこだけ念を押すように僅かに眉間に皺を寄せた微妙そうな表情で言っておいた。

「滝川な。ふーん、2年なのか、俺1年だわ。あー、最近来た口なのか。」

なら、ここら辺で迷子になったのも一応不思議ではないのかと思いながら話す。
そして、歩いている内に落第街大通りに到着した。

「おーし、落第街だ。此処までくりゃあ、なんとかなるべ。
 ………あ、あれ風紀良いんじゃね?」

ふと、見た視線の先に嫌なものが見えた

滝川 浩一 > 「言いませんよ!機械の手にがっかりする訳ないじゃないですか!」

わかりやすいフラグを立てつつ、サムズアップして男性の方を見る。
その笑顔が崩れ、呆れた表情になるのは想像に難くないだろう。

「えぇ、異邦人とか魔術とか異能とか、困惑しつつも毎日が楽しいです」

笑顔で彼に返しつつ大通りへと到着すると周りを見る。
あぁ、そうそうこの通りだなどと呟くと見覚えのある建物がいくつか見当たる。

「助かりました。ここなら自力で…ん?風紀委員?」

彼の視線の先に自分も視線を向け、その正体を確認しようとする

不知火 械徒 > 「……………。」

あぁ、これは。と察したような諦めの表情になる。
この手の表情は何度も見てきた。なので、見せた時がどうなるかも経験上直ぐ分かる。
まぁ、いつものことだと頷きながら

「はー…滝川ってば真面目ちゃんだこと。そこらへん、全く興味ねぇや」

笑顔で答える相手に、遠い目をしながら言葉を返す。
機械以外で興味の引かれるものに出会えては居ない身からすると、相当真面目に見えるのだ。

「…やべ、こっち見た。じゃ、俺もう行くわ。気を付けろよな、じゃ!」

視線の先の人物…風紀委員がこちらを見て表情を変えたのを見た瞬間、
手を上げて短く別れを告げるとまた全力で逃げ始めるのだった。

滝川 浩一 > 「真面目ちゃんって…それほどでも…」

頬をかき、遠い目をする彼に少し疑問を持ちつつそう返す。
彼にとってはあまり好ましくない話題だったか。少し自重して口を閉じる。

「え、えぇ?ちょっと…!?」

風紀委員がこちらを向いたのを確認すれば手を上げて全力疾走で逃げる彼の背中を見る。
風紀委員会が苦手なのだろうか。よくわからないがここで止めるのは無粋だろうと思い、大声で別れを告げる。

「ええ!そっちも気を付けてください!!」

そう別れを告げた後、自分の真横を風紀委員が全力で駆け抜けたのを視認する。
風が横を吹き抜け、髪がなびくとそのスピードに驚愕し、しばし固まっていたという。

ご案内:「路地裏」から不知火 械徒さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から滝川 浩一さんが去りました。