2016/11/17 のログ
■滝川 浩一 > 「錐葉 咲…何だ、もっと怖い名前かと思ったよ。かわいい名前だな。」
刀を向けられながらも顔を綻ばせてそういう。
敢えて学年などを告げてなかったのは何か意図があってのことだろうと敢えて追及せず、そう冗談めかしに返す。
これで斬られたらたまったものじゃないな、といざ想像すると汗が吹き出る。
「ならよかった。切られたら痛いからな。痛いのはごめんだよ。
…傷を癒そうとした理由か。
何だろうな。怪我をしているのを見過ごすことが出来なかった…からだと思う。
……単なる偽善か。すまん、何でもない。忘れてくれ」
彼女が刀を仕舞えば、こちらも両手を下す。
何故彼女の傷を癒そうと思ったのか自分でも謎で謎で仕方がない。
自分の正義感が働いたから?…柄じゃない。
相手の報酬を期待していたから?…そうであったらもうちょっと上手くやるはずだ。
彼女の問いに自分で勝手に悶々とする。
■錐葉 咲 > 「あたしには似合わない名前…、いっそのことわすれてしまいたいぐらいだよ。」
僅かにため息をついたような吐息を零した。
綻ばせる余裕も見えた頃、此方に戦う意思がないと伝わったのだと理解する。
「自分の利を求めない善意ね、根から正義感が強いか、それとも単なるお人好しかしかできない行為…、あんたの様な人ばかりだったなら…あたしはこの道を。」
口を閉ざした、なんでこんなことを口走っているのか、今日は本当におかしな日だ…。
「偽善行為だとしても、あたしは悪くないとおもうって。…」
振り返り暫くして。
「あたしは、よくここにいることがある、あんたとはまた話がしたい。またいつかあたしがまだ生きていれば会おう。」
何故この様なことを?
とうの昔に捨てた人との会話なのに…
暗闇に溶け込む様にその場を去っていった。
■滝川 浩一 > 「はは、そうは思わないがな。似合ってるぞ?」
笑いながら彼女を揶揄うようにそう告げる。
軽口を叩けるようになったのも彼女に戦闘の意思がないという事が伝わった証拠だろうか。
「……そうか。」
意味深長な彼女の発言。それにズカズカと踏み込むようなことはせず、そう短く返すだけであった。
彼女にも色々と会ったのだろう。それは自分の想像を超える出来事なのだろうか。些細な出来事なのだろうか。
いずれにせよ、彼女にとっては重大であまり語りたがらないことであるため、こちらも追及はしない。
「あぁ、折角だから仲良くしてくれ。俺もまた錐葉さんと喋りたいしさ……またな」
背を向けて歩き去る彼女に気前よくそう言う。
暗黒に溶け込んだ彼女を見送れば、脇腹に手をやる。
「それは俺の台詞だよ……」
『まだ生きていれば』。そのセリフが突き刺さる。
小さくそう呟けば、後ろを振り返り路地裏を後にした。
■錐葉 咲 > はいっ、おやすみなさいませっ。
ご案内:「路地裏」から滝川 浩一さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から錐葉 咲さんが去りました。