2017/08/09 のログ
ご案内:「路地裏」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > 「………はて。」
唐突に、その路地裏の途上でラフな服装をした少年が足を止める。
前方を茫洋と眺め、後ろを呑気に振り返り…そしてまた顔を前に戻す。
どうやら迷ったらしい。現在、自分が何処を歩いているのかいまいちサッパリ分からない。
(……落第街っていう場所には初めて来るけど…予想以上に入り組んでるなコレ)
何時、誰に襲われたりするかも分からない無法地帯じみた場所。裏の掟が支配する街区。
…だが、少年は何とも思っていないのかその態度は兎に角マイペースで。
ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
■刃々斬鈴音 > 少年が歩く道の先。
見通せない路地の奥から柄の悪そうな声が聞こえる。
「必殺!鈴音ちゃんパーンチ!」
路地裏に響いたやけに軽い感じの少女の声。
その声の後、一人柄の悪そうな男が飛んできて少年の前方の壁に叩きつけられた。
「もう、いきなりカツアゲとかされたらビックリするじゃない!」
男が飛んできた場所から歩いてきたのは手に片手に刀を握った少女。
その赤黒く汚れた刀身からは強く血の匂いがする。
壁にぶつかった男に対して怒ったように声を掛けるも男からの返事はない。
「何で気絶とかしてるの?先に鈴音に謝ってよー!」
詰め寄って肩を掴んで少女が揺らす。その動きに合わせて首がガクガク揺れている。
男に完全に意識はなさそうだった。
■笹貫虎徹 > 「……ん~?」
何か前方が騒がしい気がする。何処か茫洋として掴み所に乏しい視線でそちらに注視する。
…聞こえたのは軽い調子の少女の声、そして誰かが吹っ飛んで来て壁に叩き付けられる鈍い音。
(……ああ、落第街ってこういう感じなのかやっぱり)
と、淡々と感想を漏らしながら己の直ぐ目の前の壁に叩き付けられた男を一瞥。
死んではいない、が、気絶しているのか目が白目を向いてしまっている。
そして、今度は手に刀を持った少女が現れた。ハッキリと漂う鉄錆びた血の匂い。
自然と今度は少女の方へと顔を向ける事になる。…あ、あの刀は何かヤバそうと直感。
(……取り合えず、見なかった事にしようかねぇ)
等と薄情な事を考えつつ、男を揺さぶっている少女の後ろを通り過ぎようとしてみる…が。
■刃々斬鈴音 > 「もう!何て勝手な人!」
そんな事を言いながら刀を男の大腿部のあたりに突き刺して抜く。
突き刺して抜く。まるで少年の事など見えてないかのようにそんな事を繰り返す。
「…お兄さんもそう思うよね?」
さしながら視線を向けずに肯定を求める。
誰に対してか?少なくともこの気絶している男ではないだろう。
…刺し傷からは血が流れない。しかし、それを繰り返すたびに刀から血の匂いが強くなっていく。
■笹貫虎徹 > 「……あ~…うん、そうだな」
視線を向けずに少女が唐突にこちらに話を振ってくる。
タイミング的には、丁度彼女の真後ろ辺りを通り過ぎて行こうとした辺りだ。
律儀に足を一度止める少年は、一見すると自然体だが隙だらけにも見える。
(…まぁ、そうなるよなぁ。平和的に終わる……ようには思えんね、この流れ)
内心で吐息を零しつつ、チラリ、と視線を少女ではなくその刀、そして男への刺し傷に向ける。
(…ああ、うん。こりゃいかんね。しかも血の匂いが増してる…強化されてるって事かな?)
推測にさして意味は無いかもしれないが、多分これどう考えてもこのままハイさよなら出来そうに無い。
■刃々斬鈴音 > 「そうだよね!さっすがーお兄さん!分かってるわ!」
足をサクサクするのを止めて振り返る。
そう広くない道であるから当然距離は近い。
「うーん。お兄さんこんなところで散歩?危ないよ?
鈴音がされたみたいにカツアゲされちゃうかもしれないよ?」
じろじろと少年の恰好をを見ながら話す。
結構普通の格好、この辺の人ではないかもしれない。
■笹貫虎徹 > 「…どうだろうなー、俺はバカだから物分りは悪い方だと思ってるけど」
足をサクサクするお手軽で血みどろなお仕事…的な何かは終わったらしい。
少女がこちらへと振り返る。それを平然と見返し少女に応答する少年は淡々とした棒読み口調。
距離は近い…手を伸ばせば届く、までは行かないが少女が刀を伸ばせば切っ先が届く程度の間合いだ。
「……みたいだなぁ。まぁ、何か気が付いたら迷ってた感じかね」
じろじろと見られても平然としている。格好はまぁ地味だ。少なくとも羽振りが良いようには見えまい。
■刃々斬鈴音 > 「ううん、そんな事ないよ?
鈴音が言った事を分かってくれるのはみんな賢いよ!」
少女にとっての基準はどうやら自分。
馬鹿かどうかは関係なさそうだ。
「えー本当?それは大変だね!」
そんな事を言いながらもその口元には悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。
何か思いついたのかもしれない。
「もう、仕方ないなぁ。
この鈴音ちゃんが学生街のほうまで案内してあげるよ。」
ドヤ顔でそんな事を言う。
■笹貫虎徹 > (……あ、自分を基準として物事を判断するタイプな子か)
少女の言葉に内心で把握した、とばかりに呟く。だからどうこうする訳でもないのだけど。
少女も少女だが、彼女と別ベクトルでこの少年も自分を崩さないタイプだからだ。
そして、少女は何か悪戯っぽい笑みを浮かべているがこちらは愛想笑いすらせずに緩い仏頂面だ。
「まぁ、大変といえば大変……ん?んー…じゃあ頼もうかな。よろしく」
そして、鈴音という少女の提案に頷く。脅威は感じるが恐怖心を感じない少年。
ドヤ顔で案内を申し出る少女は怪しさ満点だが、少年も普通に案内を頼んでいる辺りある意味で大物か。
■刃々斬鈴音 > 「分かった。じゃあ契約成立ね!
普段なら5万円もらうところだけどお兄さんあんまりお金持ってなさそうだから
一万円で良いよ!足りなかったらお金全部で勘弁してあげる。
あっそのカッコいい腕時計も鈴音が貰ってあげてもいいよ?」
片手を受け皿みたいにして満面の笑顔で少年の方に手を差し出す。
…もう片手には刀。
【鈴音の言うとおりにするべきだ。
お金を差し出しておけば鈴音はいきなり刺したりすることは無いだろう。
もっとも何が鈴音の怒りに触れるかは分からないがな。】
その片手に握られた刀から男とも女ともつかない金属的で無機質な声が聞こえる。
■笹貫虎徹 > 「………あーうん、どっちがカツアゲなんだろうなこれ…。」
予想はしていたので、特に動揺もせずに独り言のように呟いて。
ついでに言うと、今の所持金は1000円以下という現実。お財布の中身は軽い。
かといって腕時計はこれしか無いので、流石にそれは悲しい。
「…あぁ、やっぱり妖刀さんの類?…いやー賢明な判断をしたい所だけど、金持ってないし腕時計これしかないし。
…じゃあ、案内はやっぱり無しという事で一つ」
肩を竦めてそう述べる。彼女の刀のヤバさも、その刀が喋った事もまったく気にしていない態度。
それは余裕、というものでは断じて無く。実際ヤバいという警鐘は頭の中で鳴り響いている。
(…うん、まぁこの子と刀のセットはヤバいんだろうなぁ、間違いない)
だが、恐怖心が無いのだから怖気づくという反応や思考がそもそも彼には欠片も無かった。
それに、彼女の逆鱗に触れようが触れまいが、こちらがこのまあ去るのを見逃す少女でもないだろう。
■刃々斬鈴音 > 「えー?持ってなくても持ってないなりに誠意ってものをみせてよお兄さん!
ほら、ちょっとジャンプしてみて。」
…完全にこっちがカツアゲだった。
「だって、鈴音もお兄さんを怪我させたい訳じゃないんだよ?
でも、お兄さんがそうやって鈴音をナメた態度とるから…。」
明らかに放たれる殺気、敵意。素人であっても明らかに感じるだろうほどの分かりやすいもの。
刀を虚空に振るう血がその雫が宙を舞い、路地裏の壁を汚し…。
次の一振りが全く動かずに抵抗もなければ少年の左腕を切断するだろう軌道で振るわれる!
■笹貫虎徹 > 「……嫌だよ、面倒くさい」
そして、カツアゲじみた事を露骨に言い出した少女の要求を本当に面倒くさそうに切り捨てた。
全く持って彼女に恐怖心を感じていない。いや、勿論ヤバい少女だというのは完全に理解はしている。
それでこの態度なのだから、この少年も案外イイ性格しているかもしれない。
「……別に舐めてる訳でも何でもないんだけど――っぶね。」
あ、殺気や敵意が増した。これを脅威として感じるが矢張り恐怖は無い。
と、常人ならまず視認すら難しいであろう一振り。狙いは彼の左腕。
…が、殆どその場を動かずに、ただ左腕を軽く引いて半身になりながらギリギリ服を掠めるだけに留める。
「…あー勘弁してくれよ。あんまし私服持ってないんだから…」
ぼそりと愚痴を零して溜息。今しがた左腕を切り落とされかねなかったとは思えない態度だ。
■刃々斬鈴音 > 「ええー飛んでよ!
鈴音、ジャンプさせて『やっぱりあるじゃねえか!』っていうのやってみたいの!」
お金がある前提だった。
持ってるのにてきとう言ってると思ってた。
「お兄さん凄いね!これで腕時計ゲットだって思ったんだけど…付けてるの左腕であってた?
私服はアルバイトでもして買えばいいよ!
あっついでに鈴音も欲しい服があるんだけど…!」
…一歩前に進みもう一回薙ぐように刀を振るう。
狭い路地裏、後ろは壁。
小さな動きで避けるのは困難であろう胴のあたりへの一閃。
■笹貫虎徹 > 「…うん、そういうのは他所の誰かにやってくれたまえ。俺はノーサンキューで」
と、こちらもこちらで絶対やらん的な態度は崩さない。多分平行線になりそうだ。
「…そだな。左腕で間違ってないよ鈴音ちゃん。ついでに言うと自分で買いなさいな」
一方後ろに下がる…あ、壁だった。さて、どうしようかと思った瞬間に追撃が来た。
胴の辺りを薙ぎ払う様な一閃。交わすか、防御するか、どうするか――。
「…つぅか、妖刀さんこの子のストッパーくらいにはなってくれてもいいと思うんだが」
そして、右足で斬撃を蹴り上げた。…もう少し詳細を確認しよう。
少年の右足が不意に霞んだかと思えば、胴狙いの斬撃を斜め下から蹴り上げて無造作に軌道を捻じ曲げんと。
(…うわ、速ぇ…勘弁してくれよ、こっちは異能持ちでも魔術使いでもないただの人間なんだからさぁ)
■刃々斬鈴音 > 「むう…じゃあもういいよ!
もっと、気が弱そうな人にやるから!」
折れた。
もっと、気の弱そうな相手の方が絵になると考えた結果であっても確かに折れた。
鈴音が折れるとはめずらしい。
「えー可愛い女の子に服を買ってあげるのが男の甲斐性ってやつでしょ!
ていうかストッパーって何?鈴音止められるようなことしてないんだけど!?」
【己は忠告したぞ…こうなった鈴音は簡単には止まらん。
いや、最後には同じだったか…後ろから刺されない分賢明な選択肢かもしれん。】
「鈴音後ろから刺したり…あんまりしないもん!
って…うわ!」
蹴られた、刀は軌道を逸らし頭の上の壁にドロリとした赤黒い液体を付けた。
そして刀を蹴り上げた足にも赤黒い液体が付着する。
武器の切れ味を削ぐその液体が足についたところで精々滑りやすくなるくらいだろうが…。
「もう!お兄さん何でおとなしく切られてくれないの!?
さっきから鈴音の邪魔ばっかり!」
乱れた体勢を整えようとしながらそんな事を言う。