2017/08/13 のログ
ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 『なあ、最近この辺で通り魔が出るって話知ってるか?』

そんな話をしながらチンピラのような男達が路地裏を行く。
通り魔なんてこの落第街には腐るほど掃いて捨ててもまだ有り余るだろうのに…。

それは黒い髪の女であるとか…それは血の匂いがする刀を振るうとか…。

男たちの噂話はその場所に近づくにつれて更に熱を帯びていく。

それは暗殺者と闘って生き残ったとか…それは精神が錯乱した異常者であるとか…。

…そして男たちは噂の場所に通りかかる。
…壁には赤黒い跡がいくつも残されておりそこで行われた悲惨な事件を思い起こさせる。

それは喋る刀を使うとか…それは「それは凄くかわいい女の子だとか…?」

二人の会話にその後ろから一つの声が混ざるこの場に不釣り合いなような少女の声。

「呼ばれて飛び出て鈴音ちゃん!何々?鈴音の話してたの?」

刃々斬鈴音 > その声に二人が振り返ると一人の男の背中から刀が生えていた。
特に驚いたのは刺されていた方の男。
自分が刺されていることにすら気がつかないのだから。

「お兄さんたちここが危ないって知ってたのに来たんでしょ?
 知ってて来たなら仕方ないよね。」

抜いた刀をもう一人に振るう。
咄嗟に腕で防いだがこの妖刀に対してそれは悪手。
この刀に切られれば血を吸われて奪われて、含まれた毒が更に五感が鈍らせる。
じわじわと弱らせて、抵抗できないようにする。

…先に刺さっていた一人は既に地面に膝をついていた。
もう一人にも更に一太刀。弐太刀。参太刀。
腕を足を斬る。

「はい!これで鈴音の勝ちだよ!
 やっぱり、鈴音は強いよね!」

倒れた相手に更に刀を突きたてながら言う。

刃々斬鈴音 > 「お兄さん達もそう思うでしょう?」

既に気を失った男たちに声を掛ける。
当然答えは返ってこな…

『そうだねすずねちゃんのいうとおりだよ。』

否、声は帰ってきた気を失っている男から…。
少し、不自然を感じる口調ではあるがさっき話していたのと変わらぬ声で。

「そうだよねー!流石お兄さん分かってる!」

…これは鈴音の異能によるもの。
声を作り出す異能で男の声を再現して自分で自分に答えていたのだ。
タネが分かれば何の事もない。ただの一人遊びだ。

刃々斬鈴音 > 『すずねちゃんは強いよ』『鈴音ちゃんは可愛いよ。』

「そんなに褒めても何も出ないよ!
 でもそっか可愛くて強いのか、ふふ。
 ありがとうお兄さん達お陰で元気出たよ!ありがとね!」

自分の異能で自分を褒める。
普通なら虚しさが勝るような一人遊びをひとしきり楽しむと…。

男の持ち物から財布を取り出すと鼻歌混じりに路地を歩いて去っていく。
残ったのは路地に倒れた男が二人。
少女がいなくなってからも暫くは壊れたレコードのように少女を褒める言葉を吐き続けていたという。

ご案内:「路地裏」から刃々斬鈴音さんが去りました。