2017/08/29 のログ
ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
■刃々斬鈴音 > 顔を包帯で巻いた制服姿の少女が路地裏を行く。
歩いて歩いて赤黒い色の染みが壁に付いた区画。
彼女が勝手に自らのナワバリとしているそこに着くと一気に包帯を剥ぎ去った。
「鈴音ちゃんふっかーつ!!」
その言葉と共に出てきたのは持っている刀の名と共に語られ始めた一人の少女。
「そう!鈴音ちゃんなのである!
いやー、鋼ちゃんったら思いっ切り顔面殴るんだもん!
鈴音の可愛い顔に傷が付いたらどうしようかと思ったよ!」
【鈴音、傷はついていたぞ。骨も折れていた。
己の力が無ければ死んでいた。】
刀から声がする。男とも女ともつかない器物的な声だ。
【前回の鈴音の戦いに慢心は無かった純然たる実力不足だ。】
「この世界の人たちって滅茶苦茶強いよね!
鈴音もウカウカしてらんないなー。」
自分の顔を触ってみたりしながらしゃがみこんで刀と話す。
■刃々斬鈴音 > そんな風な話をしていると一つの鞄が目に入った。
目に入って来た。ふよふよと中空を飛ぶその鞄が。
「ねえ、ちーちゃんあれなんだと思う?」【鞄だな。アタッシュケースというタイプだな。】
「お金とか入って無いかな?」【入っていないだろうな。あれは己に近い類のものだ。】
そのケースはふよふよと鈴音の近くに寄ると音を立てて地面に落ちた。
まるで鈴音に開けて欲しいとばかりに…。
「開けて欲しいのかな?」
そんな風に言いながら鈴音がケースを開く。
中身は何の変哲もない空の…いや、奥に何かあるように見えるが…。
それに手を伸ばそうとしたとたんにそれは口を閉じた。
■刃々斬鈴音 > 「危なっ!反射神経のいい鈴音ちゃんじゃなかったら噛まれてたよ!」
【左手の先を無くすところだったな。】「マジで!?セーフ!流石鈴音だね!」
咄嗟に手を引っ込めたがどうやらかなり危なかった。
『ヴーヴゥゥー』
それが愚図るように呻いてこちらに跳びかかってきたがそれをギュッと抱きしめた。
強い力で抱きしめられては口も開きようがない。
「ねぇちーちゃんこの子飼いたい!良いでしょ?」
【鈴音、無理だ。寝てる間に喰われるぞ。】
「そんな事ないよ!ねーアーちゃん?」『むあっ!』
【止めろ鈴音、名前を付けるな。情が湧くだろう。】
アタッシュケースだからあーちゃん。
凄い、安直な名前だった。
ご案内:「路地裏」に笹貫虎徹さんが現れました。
■刃々斬鈴音 > 【鈴音が本当にこの子の事を考えているのなら元の持ち主に返すべきだ。】
「…ちーちゃんもう情が湧いたの?早くない?」『うヴぅ?』
【…この近くに禁制の魔道具を製造している違法部活がある。
恐らくそこで作られたものだろう。大通りの方向だ。】
刀が言う方へ向かう。
途中でアーちゃんが道の途中にいる人を食べてしまうというハプニングはあったもののなんとか目的の場所にたどり着いた。
【やはり鈴音にはしつけなど無理だ。】
「アーちゃんはお腹空いてたんだもんねー。仕方ないよねー?」『デえェー。』
そんな会話を交わしてそこの扉を叩く。
■笹貫虎徹 > これで何度目になるのか――懲りずにフラリ、と路地裏を一人目的も無く散策中。
当然ながら迷子になるのも時間の問題…否、現在進行形であって。
「…おーー…何か、あっちこっちに赤黒いシミがべったり付いてるなぁ」
淡々とした棒読み口調で呟きながら、左右の壁についたそのシミを眺めつつ歩く。
この一帯が、まさか何時ぞや襲ってきた辻斬りガールの縄張りだとは知る由も無い。
そうこう歩いていれば、前方から聞こえてくる聞き覚えのある賑やかな声。
(…んん?なーんか覚えがある声な気が)
と、思いつつ恐怖心が欠片も無い少年は、ブラリとその場に姿を現すのである。
そこで見た光景は――…。
「……カバン?」
何か、辻斬りガールが動くカバンをハグしてる光景だった。流石路地裏だなぁ、と感心しつつ。
■笹貫虎徹 > 「…んーー?」
けど、どうやら移動するようだ。進行方向が同じなので、なんとなくテキトーについていく。
バレバレなのだがそこは気にしない。道中、一人カバンに食べられていたがそれも気にしない。
で、目的地に着いたのかどこかの扉を叩いている辻斬りガール。
そして、堂々と後ろからその扉と建物を眺めているであろう恐怖心が無い少年。
■刃々斬鈴音 > 『合言葉は?』
「えっ!?えーとえーとヒント頂戴!」
『…去れ。』
どうやら、合言葉を知るものしか入れてくれないらしい。
…門前払いにされてしまった。
きょろきょろと辺りを見渡せば一人の男子生徒が鈴音の目に入った。
「あっあなたはこの間の!ビンボー君!
何でまたこんなところにいるの?
どうしたの鈴音の事が忘れられなくて会いに来たの?」
酷い呼び方だった。
そして酷い自意識過剰だった。
■笹貫虎徹 > 「……どーも辻斬りガールさん。…と、ゆーか何してんのかなぁと。
…んーー…会いたいかどうかと言うと暇潰しには。印象には結構残ってるけど」
と、少年も淡々とした口調で恐れ知らず。方向性は違うがお互いにイイ性格をしていると思う。
そして、かったるそうな足取りで堂々と彼女の隣に並ぶ。この時点で恐怖心が矢張り無い。
この前、辻斬りされたのは覚えているがそれはもうどうでもいいらしい。
「…で、この胡散臭い陰気な場所に何かあったり?その動いてるカバンさんとか」
と、彼女が抱いてる?であろうカバンを示す。…一瞬指を食い千切られそうになったがギリギリ回避。
ご案内:「路地裏」に笹貫虎徹さんが現れました。
■刃々斬鈴音 > 「辻斬りガールってなにその微妙に可愛くない呼び方…。
鈴音、別に辻斬りとかしてないし!
鈴音は鈴音だよ!」
辻斬りガールって呼び方。
ガールは可愛いが辻斬りのところは可愛くない。
「やっぱり?鈴音ちゃんってば罪なオンナだね。
でも、ごめんなさい。鈴音、今忙しいからまた後でね。」『ま゛あぁう!』
悔しそうに吠えるカバンを強く抱きしめながらそんな風に言う。
壁をみたり窓をみたり建物に他に入れるところがないか探しているようだ。
ご案内:「路地裏」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > 「……んー…じゃあ鈴ちゃんで」
一気に馴れ馴れしくなった!が、少年はそんなのお構いなしである。
むしろ、下手すれば切り刻まれていたかもしれない少女にこの態度、というのも変だが。
そして、カバン君がご機嫌斜めなのを確認しつつ、何やら忙しいらしい相手にほぅほぅと頷いて。
(…んーーこの中に入りたいぽい?)
特に手助けする義理も首を突っ込む理由も無い。無いのだが暇潰しにはなりそうだ。
と、言う訳で…壁に近寄り、何やら軽くコンコンと叩き始める。
そのまま横移動。そうしてある一点でピタリ、と動きを止めて。
「―――ん、この辺りかぁ……じゃ、後は鈴ちゃんに任せよう」
と、言いつつ無造作に拳を放つ。次の瞬間、ドンッ!!と、その壁の一角が綺麗に内側へと砕けて吹き飛んだ。
…当然、向こう側はその違法部活の部屋へと”直通”している。大穴を空けた少年はといえば。
「…おーーい、鈴ちゃーーん。取り敢えず『窓』開けたんで後はよろしくーー」
と、暢気に彼女へと顔を向けてのたまうだろう。
■刃々斬鈴音 > 「うーん、我慢するね。
鈴音は鈴音だけど鈴ちゃんで我慢するね。」
鈴ちゃんっていう呼び方はあまりお気に召さなかったようだ。
「うわービンボー君常識ないねー。」
【鈴音に言えたことではないな。】
少し前、別の建物の壁を無くした鈴音には常識を語る資格はない。
そして、壁に窓が開けば当然中からも外は見える。
そして中の人達が始めに見るのは壁を崩した少年の姿な訳で…。
『アナタ何者ですか!何故いきなりこんな事を!!』「…!」
そんな事を魔術師風の男から問われれば
何か良い事でも思いついたのか悪戯っぽい顔になって…。
『お前が消えて都合が良い者からの依頼だ!死んでもらうぞ!』
壁を壊した男子生徒と同じ声でそんな言葉が聞こえた。
鈴音はその様子を悪戯っぽい笑みを浮かべて眺めていた。
それは男子生徒が発した言葉ではない。
…鈴音の異能だ。声を真似て出せる異能。悪戯に便利な異能である。
ご案内:「路地裏」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > 「…と、ゆーかどんな呼ばれ方が好みか分からんしなぁ。
あと、俺、ビンボーだけど笹貫虎徹って名前があるんだよねぇ。そっちでよろしくベルちゃん」
鈴だからベルちゃん。また呼び方が変わっているが気にしたら負けである。
ちなみに、常識が無いのではなく常識はあるが、それは置いといて行動できるだけ。
どっちにしろ、彼女とあまり変わらないかもしれない。…と、何やら中から声を掛けられる。そりゃ当然だ。
「…ん?ああ、どーも怪しいモンでは―『お前が消えて都合が良い者からの依頼だ!死んでもらうぞ!』…えぇぇ…?」
自分とそっくり同じ声が被さって台無しになった気がする。
犯人は明白だ。横目で淡々と見た方角。ベルさんが悪戯な笑顔をしていたから。
(…今の声真似、もしかしなくてもあの子の異能か魔術…なのかねぇ?)
と、暢気に考えるがそれど頃ではない。リーダー格?ぽい魔術師の男を筆頭に、ゾロゾロと違法部活の連中が集ってきた。
『何だこの優男は?』 『カチコミたぁやってくれるじゃねぇか』 『たった一人?舐められたものだ』
と、口々に連中が呟く声が聞こえる。それにウンザリしたようにため息。
「……親切心でやったのに悪戯で返されるとか世知辛いなぁ」