2017/09/17 のログ
ご案内:「路地裏」に筑波 察さんが現れました。
筑波 察 > 夜、雨が降っていることが追い打ちをかけて、
普段から暗いこの場所は一層黒を増していた。

「……違うなぁ」

傘を差さなければあっという間に濡れるくらいには雨が降っている。
だというのに路地裏に立っている影に傘の形はない。
足元に転がっている男2,3人を、足で転がすようにして顔を確認する。

「僕は風紀委員じゃないよ。
 でもこの辺で幅を利かせてるギャングでもない。
 人違いは勘弁してほしいね」

どうやら喧嘩を吹っ掛けられたらしい。
自分がここにいる理由はまた別にあるのだが。

「そもそもこんな格好してるやつを誰と間違ったんだい?」

ゴーグルをしている自分はこんな路地裏でも目立つ。
路地裏で目立って良いことなど何もない。
この男どもが誰と間違ったのか、それを彼らに問うたところで、
意識がない人間からの返事は望めない。
しばらく、転がって雨に濡れ、汚れていく彼らを見て立ち尽くしていた>

ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 路地の奥から水溜まりを踏む音が聞こえる。
ワザと水溜まりに飛び込む子供のようなそんな歩き方だ。

「あれあれ?そこのお兄さん?こんな日に傘もささずにどうしたの?」

淡いピンクのレインコートに真っ赤な傘に白い長靴。
雨の日であればまあ自然な格好の少女だ。
ただ、ここが落第街の路地裏である事と少女の腰に携えられた刀を除けばだが…。

「お兄さんこの辺の人…じゃないよね?
 こんな日にこんな所まで何の用?」

…近づくにつれて少女の刀からする血の匂いに気がつくかもしれない。

筑波 察 > 「…雨が降っているから傘をさすっていうのは間違いかな。
 濡れたくないから傘をさすんだろう?」

声をかけられた。声の主は同い年くらいの女の子。
それでも"この場所"にいるということはまともな人間じゃないのだろう。
そして声をかけてきたということは、この少女は警戒するべき相手である。

「この辺の人ではないね。
 でもこういう場所のことをよく知ってる。
 まぁ、人探しと言うか、気分転換と言うか」

少女が近づいてくることで距離が近くなると、
雨が降っている中でもわかるくらいに血の匂いがしてくることに気づく>

刃々斬鈴音 > 「濡れてもいいの?変な人。」

そんな風にいいながら無造作に近づいていく。
今のところは特に害意も悪意も感じない。

「人探し?人探しなら鈴音が手伝おうか?
 お兄さん一人だったら誰かを見つけるまでに沢山絡まれて朝になっちゃうよ。」

少年の傍を通りすぎて倒れた男たちの傍にしゃがみ込むと懐から財布を取り出してレインコートのポケットに仕舞う。
…やり口があまりに堂々としている。

「どうする?ああ…でもこの辺最近有名な通り魔とか出るらしいからね。
 鈴音が付いて行ってあげた方が絶対に安全だと思うなー。」

筑波 察 > 「そういうことだね。変かな?」

また変と言われた。何人目だろう。
自分は歪なだけで変ではないと自負しているが、自信がなくなってきた。

「いや、どうせ見つからないからいいよ。
 むしろこうやって絡まれて時間を潰す方が目的なのかもしれないし」

自分がここにいる理由がはっきりしない。
探している人間はどう頑張っても見つからないし、
極端な話、人を殴っても問題にならないからここにいるといっても、
過言ではない。

「この通りじゃ通り魔に遭わない方が珍しいだろうね。
 何よりも僕が片した奴らから財布を抜くような子を、
 護衛につけるほど僕だってヤワじゃない」

財布を抜き取っていく彼女を眺めて、軽く笑う。
そして継いだ言葉は「何か僕に用事があるのかな?」という質問>

刃々斬鈴音 > 「絡まれたくてこんなところに来てるなんて絶対変だよー。
 お兄さんはやっぱり変な人だね。」

笑いながらそんな風に言う。
時間を潰すならわざわざ絡まれる必要はない。
絡みに行けばいいのだから。

「もしかしてお兄さん鈴音が信じられないと思ってる?
 ひどいなー鈴音ちゃんと約束とかは守るんだよ?
 怒ったりしたら忘れちゃうかもだけど。」

ザクリ、サクリ、軽い調子で刀が倒れた男の身体に突き立てられる。
一人目、そして二人目も。

「うーん、分かんないかな?
 つまり、鈴音にお金払ったらここから無傷で返してあげるって言ってるの。」

三人目の足から刀を引き抜くと男子生徒の方に向ける。

【大人しく金を払うのが身のためだぞ。】

刀から声がする。男か女か分からないような金属的な声。

「絡まれたくて来てるお兄さんにしてみたら余計なお世話かな?」

筑波 察 > 「ちょっと自暴自棄になってる部分もあるかな」

普段の自分ならこんな場所には来ない。
それこそどうかしているのかもしれない。

「信じるも何も、僕は君を知らないからね。知っているとすれば、
 この辺に君くらいの年頃の通り魔が出るってことくらいかな」

刀を男どもに突き立てていく姿を見れば、
疑いや警戒は確信に変わる。
目の前にいる子は間違いなく例の通り魔だと。

「残念だけど、帰りの交通費しか持ち合わせてなくてね。
 これを君にあげたら僕は帰れなくなっちゃうんだ。
 いくら自暴自棄になって、自殺願望じみたことをしてても、
 帰らないと」

刀が喋った。少女は脅迫してきている。
しかしその両者に対してこちらが示した答えはNOだ>

刃々斬鈴音 > 「知らなくても、行動とか見た目とかで大体の性格とか分かるでしょ?
 鈴音が可愛いとか。そういうのは一目で分かるよね?
 普通に考えればこんなかわいい子が通り魔なハズないと思うんだよねー。」

…見た目はともかく行動が完全にアウト。
通り魔で無いとしてもどうしよもない人間だ。

「歩いて帰りなよ。お金も鈴音のお菓子代になる方が嬉しいと思うよ?」

【鈴音、ここから歩いて居住区角まではかなりの距離がある。】

「じゃあ、仕方ないね。
 恨むならお金を持ち歩かない自分を恨みなよっ!」

そこから、一気に距離を詰めて男子生徒へと跳び、胴の辺りをめがけて横薙ぎに刀を振るっ!
持ち主に取り残された赤い傘は地面に横たわる男の上に落ちて、無意味に雨粒を防いでいた…

筑波 察 > 「百歩譲って君がかわいいっていうのは認めるけど、
 女の子がそんな大きな刀を持って路地裏を歩いている時点で、
 いろいろアウトなんだ」

小さい子を見守る保護者のような目で彼女を見る。
まぁゴーグルをつけているのでそんなのは彼女の知るところではないが。

「じゃあ言われた通り僕はお金を持ち歩かない自分を恨むとして…
 君は何か後悔する準備を済ませたかい?」

横向きに薙ぎ払うように刀が振るわれると、
その場にしゃがみ込むようにして頭の上で刀を流す。
その余裕のある動きは彼女の刀さばきがいかほどのものなのか、
お手並み拝見と言わんばかりで、決して反撃をしない>

刃々斬鈴音 > 「一歩も譲られなくても鈴音は可愛いんだから!」

百歩も譲られた辺りが気に入らなかったらしい。
…ただの慣用句なのに。

「ううん!後悔するのはお兄さんだけだよ!」

刀を振るう勢いそのままにその場で一回転!
空いた左手をそのまま振るって男子生徒の顔をめがけて裏拳を叩きこもうとする。

筑波 察 > 「おっと、それはそれは。
 ずいぶん自身の容姿に自信があるようで」

どこまで本気で怒っているのかは定かではない。
それでも、僕のことを屠ろうとする意志だけは伝わってくる。

「おっと、僕は殴られっぱなしは嫌いでね。
 僕が後悔するなら君にも後悔してもらいたい」

身体を低くしたことで小柄な彼女の裏拳は顔面を目掛けてやってくる。
それをゴーグルがとらえると、慣れた動作で顔の横に手を出して受ける。
まるで鞭を打ち付けたかのような音が鳴るが、
伊達に身体を鍛えてはいない。
そのまま掴んで反撃もできたかもしれないが、
受け止めるだけでそれ以上のアクションを相手には与えなかった>

刃々斬鈴音 > 「お兄さんはサンドバックみたいにやられちゃえばいいの!」

裏拳が受け止められた。
体格差があるから受け止められるのは仕方がないが、相手はかなり反応速度が速い!
しかし、防がれた手はそのまま自由になる。捕まえる事もできたはずなのに。

「…もしかして本気でサンドバックになってくれるつもりになっちゃった?
 流石にそういうのは鈴音どうかと思う…いや趣味としては否定しないんだけど…。」

少し距離を取る。拳の間合いから刀の間合いへ…。
そして鈴音の左手にはポケットから取り出したガラス玉が握られる。

筑波 察 > 「僕はサンドバッグじゃないよ?これでも人間だ」

ついにこちらのことをサンドバッグとして殴り殺そうという
意思がハッキリ現れた。殺しと略奪のことしか考えていないのかもしれない。
そしてそのまま手が自由になったことに違和感を抱いた様子の彼女。

「生憎僕は人間だからね。君がこれ以上僕に後悔させようと
 頑張るなら、反撃もやむを得ないねぇ」

残念ながら僕にそういう趣味はない。
そして彼女がポケットの中に手を入れ、何かを握ったのを察する。
きっと次には何かしらの飛び道具的なアクションがあるだろう。
そんな予測を立てた瞬間、駆け出した。

「君がそれを投げる前に、僕から反撃をしようじゃないか」

そういうと足元の水溜りが湯気を上げ始め、沸騰するのがわかるだろう>

刃々斬鈴音 > 「そんな事分かってるよ!ものの例えってやつ!
 人の形したサンドバックとか鈴音いらないもん!」

可愛くないし。
サンドバックに可愛さを求めのもおかしいが…。

「あっ反撃するんだ。
 良かった、流石にそういう趣味の人だったら逆に叩きづらいからね!」

否定するわけではないが、あまり関わりたくはないかもしれない。
少し引く。

【鈴音、足元だ。】「えっ?なにコレ!?」

刀に言われて足元を見ればグツグツと煮立った水溜まり。
何が起こっているのかは分からないが踏まない方が良さそうだ。
更に後ろに距離を取り駆けだす相手を迎撃するようガラス玉を投げる。

…そこに込められているのは莫大な魔力少しでも衝撃を与えれば暴発を起こしてしまいそうなほどに。
子の魔力の量から察するにおそらく、厚いコンクリートの壁さえも打ち崩す威力であるだろう。

筑波 察 > 「慣用句を本気にするのにモノのたとえを出すとは、
 君と話をするのはとても疲れそうだねぇ?」

距離を取ると案の定何かを投げてきた。
しかし彼女がガラス玉を投げつけてくるころには、
地面はすっかり乾燥してしまっているだろう。
つまり、この路地裏全体が水蒸気で包まれたわけだが、
空から降り注ぐ水が水蒸気を冷やし、
路地全体が湯気で覆われてしまうだろう。
こうやって即席の煙幕を張ると、
今度はガラス球に当たらぬよう壁際を走って彼女との距離を詰める。
湯気に包まれていても、"こちらには見える"のだ。
無論、ガラス玉が爆発物であることなど知らない>