2017/10/11 のログ
■刃々斬鈴音 > 【刀が喋るくらい些細な事だ。
何の法律に触れる訳でもあるまい】
「刀おしゃべり罪とかで逮捕しちゃう?
それって逮捕されるのちーちゃんかな?鈴音かな?
逮捕されないからどっちでもいいんだけど!」
軽い口調で刀が話す。刀と話す。
さっきまでと変わらない緊迫してない口調。
「ああもう!!堅い!動かない!最近斬れなすぎてムカつくんだけど!!
ちーちゃん切れ味上げて!!」
刀が防がれれば苛立ちを隠さず叫んで距離を取る。
そして、刀が言葉に呼応する。
【血腐レ─剣血】「バージョン2!」
刀が纏うのは血の刃それは薄く広くそして、鋭い。
「悪ふざけはそっちだよ!鈴音が機嫌良いから折角痛くないようにしてあげようと思ったのに!
大人しく斬られてよバカー!」
取り出した鉄球に警戒無く先ほどよりも早い速度でそのまま突っ込む。
鋭さを増したその刃は先ほどの手段で防げるか怪しい。
■木更津 水乃 > 「喋ること自体は問題じゃないんですよ。
それをあなたみたいな人が持っている状態がマズいんです」
魔力か、妖力か。
いずれにせよ、ただの刀ではないそれを、
享楽的に人を切るような人間に預けておいて良いことなどない。
もしかしたら、刀に影響されて人格が歪んでいるということもあるが、
どちらにしたって問題がある。
「ただ切れればいいというのは安直ですよ。
戦闘は組み立てが大切なんですから」
一度距離をとって再度つっこんでくる彼女。
きっとさっきと同じようにはいかないだろう。
距離がある程度縮まった瞬間に、持っていた鉄球をばらまく。
すると空間に飛散した鉄球が空中で止まり、彼女の行く手を阻むだろう。
そして取り出したのはライフリング加工された鉄パイプ。
そこに釘を入れれば、いつでも打てるようにと加圧魔法を施す>
■刃々斬鈴音 > 「じゃあ、他の人ならもっと上手くちーちゃんを使えるの?
そんな訳ない!そんな訳ないじゃない!
絶対に渡さない!渡さないから!」
取り上げようとしたと感じたのだろう。
刀をしっかりと握りなおして睨み付ける。
「斬れば勝ちだから!斬れればいいの!
そんな事考えてる余裕なんてないわ!」
【いや、鈴音これは相手の言う通りだ組み立ては大切となる。】
刀まで少女の言葉を否定する。
実際、今までのやり方で勝てていないのだから当たり前なのだが。
「なにこれ!?動かなっ邪魔!」
ぶつかっても押しても空中の鉄球は動かない。
刀で切れば地面に落ちたがたどり着かない、キリがない。
「あーもう!邪魔!邪魔!邪魔!!邪魔!!!」
鉄球を切り落として、切り落として、切り落として!
少しずつ確実に距離を詰める!
■木更津 水乃 > 「おやおや、元気だけは良いですね。
そして刀との関係も良好なようで結構です。
でも、それは僕が仕事をしない理由にはなりませんから」
鉄球を一つ一つ切って距離を詰める彼女。
もう一度鉄球を一握り掴めば、空中にばらまく。
落ちる先は彼女の背後、そして再度質点固定を使って鉄球を固定すれば、
彼女は路地で前後を鉄球に挟まれたことになる。
「仕事をしない理由にはならないので、
あなたをここで無力化しないといけません。
じゃなきゃ僕が後で始末書を書かなきゃですから」
距離を詰める彼女は背後を鉄球が阻んでいるとは思っていないだろう。
ここまでできれば十分だ。
釘を入れた鉄パイプを彼女に向ければ、加圧した圧縮空気が釘を打つ出す。
多少加減はしているとはいえ、命中すれば手のひらを貫通する程度の速度。
狙った場所は彼女の太ももだ>
■刃々斬鈴音 > 「これだから真面目チャンは!
鈴音とちーちゃんの仲の良さに免じて斬られてくれたっていいじゃん!」
そんな無茶な事を言いながら確実に距離を詰めていく。
…また鉄球が増えた!邪魔だ!
「始末書くらい何枚でも書きなよ!この四角なんとか!」
【四角四面だな。…鈴音。】
当然のように背後に撒かれた鉄球に気がつかず猪突猛進。
後ろはともかく前には注意が行くようでこちらに向けて飛ぶ釘を見ればそれを避けようとする。
…が
「えっ!?何で後ろにもあるの?」
撒かれた鉄球は少女の動きを阻害する。
恐らく十分に動ければ易く回避できていただろうだが鉄球は少女の選択肢を奪う!
【上だ鈴音。】
刀の声に弾かれるように上へ跳ぶ!
固まった鉄球を足場にして風紀委員の背後へと降りる。
「これで逆転だね。自分の出した球が邪魔で逃げれないでしょ?
これで終わりだよ!」
後ろに退ける訳がないと放たれたのは隙が大きい大上段。
回避されればこちらが逆にピンチになるが相手は自ら出した鉄球で避けれない!さっきと逆のパターンだ!
確かに見た目にはそうい見えるが自分の異能を制御できないなんてそんな事あるだろうか?
■木更津 水乃 > 「仲の良さに免じて見逃すことはあっても、
切られてあげることはできないですね。
切った後に拘束されて、おとなしく拘留所に入ってくれるなら別ですが」
釘を飛んで避けた。その身体能力には目を見張るものがあるが、
生憎それを称賛している余裕はない。
跳躍の後に背後に回られると、
今度は鉄球が邪魔でこちらが回避行動をとれない。
能力の裏をかいた非常にスマートな戦い方だ。
しかし、まだ甘い。
振り返ることすらせずに、加圧魔法を目の前の鉄球が集中した空間に施す。
すると鉄球が一斉に"後ろに向けて"射出される。
無論面積が分散しているため先ほどの釘ほどの速度や制度は出ないものの、
そこは数で勝負。一部の鉄球は失速して足元に落ちるが、
それはそれで彼女の足場を不安定にさせるだろう>
■刃々斬鈴音 > 「斬られたら鈴音を拘束できないじゃん!
あっ、良い事思いついた!
…わかった!大人しく拘束されて、拘置所?にでも入ってあげるから大人しく斬られて?」
悪戯を思いついたような顔でそんな事を言う。
嘘だ。絶対斬るだけ斬ったら約束を破って逃げるに決まっている。
「そんなんで鈴音は倒せないよ!これで終わり!鈴音必殺の…」
こちらに飛ぶ鉄球は意に介さずそれが身体や顔を打ちつけても耐えて前に向かってくる。
一歩、そして一歩。距離を詰めて振り下ろす瞬間のその一歩。
コロコロと力なく転がる鉄球が鈴音の足の下に!
一撃必殺の勢いを乗せた踏込はその鉄球に狂わされてずるりと転ぶ!
「キャー!!」
そのまま風紀委員の後ろで尻もちをつく形になる。
「……。」
…そして、そのまま顔を押さえて俯いてしまう。
恐らく、必殺技の不発がよほど辛かったのだろう。
■木更津 水乃 > 「もうそろそろ僕の勤務時間が終わってしまうのでおとなしく逃げるか、
拘束されて拘留所に送られてくれるとうれしいんですが」
ゆっくりと振り向いてしゃがむと、同じ高さに目線を合わせて言う。
俯く彼女を見る限り、戦闘意欲は完全に喪失したようだ。
「戦い方は悪くないですが、
もう少し相手の意に反する技があるといいかもしれませんね。
正面突破にこだわる理由なんて、
脳みその中身が筋肉じゃない限りありませんし」
そう言うとおもむろに釘を取り出して親指を切る。
じんわりと血液がにじみ出てくると、ポタリ。
刀に血を注ぐ。
「今回は悪ふざけということで見逃しましょう。
戦いの割には合わないかもしれませんが、
僕の血液で我慢してください。
見逃すことと、血液の見返りとして、
しばらくの間は人を襲ったりせず、おとなしくしていてください」
そうやって説得と言うか、説明をしている間にも、
指からは血が滴っていく>
■刃々斬鈴音 > 【それは再三、伝えている。
そして、使おうと思えば技も使えるだろう。
…だがすぐに我を忘れてしまうのが鈴音という女だ。】
「……。」
刀は無機質ながらも少し呆れたように自らの主について話す。
苦労しているのかもしれない。
「…なんでそんな事するの?
鈴音、アナタを切ろうとしたんだよ?
そんな約束守れるかどうかも分からないし…。」
俯いたままで問いかける。
…刀は血を受けてその妖しい輝きを増す。
■木更津 水乃 > 「まぁ僕としてはそういうトリッキーな戦い方を
されなかったから助かった部分もあるんですけどね」
刀の呆れたようなコメントにつられるように笑う。
先ほどまでのふざけた様子を一切感じさせない口調とは異なり、
砕けた緩さのある喋り方に戻る。
「なんでって、これが目的なんでしょう?
僕を取りこぼしたせいでほかの誰かが切られるより、
ここで満足してもらえた方が僕としては安心なんですよ。
もし約束を守れないって言うなら、
このまま君を拘束してつれていきますが」
約束を守れるかはとりあえずどうでもいい。
自分が見回りをした直後に、担当した区域でことが起こるのが嫌なだけだ。
それでも、彼女が約束してくれるというのであれば
それはとてもありがたいことなのだけど>
■刃々斬鈴音 > 【鈴音がそんな戦い方を始めたら恐らく人では手が付けられなくなるだろう。】
刀の性能を十全にその異能を活用し溢れる魔力を完全に行使すれば。
かなり強力な相手とも肉薄しうる。
「そう、風紀委員っぽい答えだね。」
…同情からなら耐えられなかった。
スッ転んで、負けて、同情されて、血を恵まれて。
情けない。あまりにも情けない。
でもそれが打算から来るものなら相手の意思から来るものなら…。
「……分かった。約束する。」
鈴音はそういうと立ち上がり路地の奥へと歩いていく。
そして、角まで来たところで…
「何て嘘に決まってるじゃない!騙されてんの!!」
そう、指さして笑うと隠れるように姿を消した。
…ちなみにその後、しばらくはその通りでで通り魔の被害に会う人はいなかったらしい。
ご案内:「路地裏」から刃々斬鈴音さんが去りました。
■木更津 水乃 > 「そんな戦い方するようになったら風紀委員が隊をなしてきますよ」
おそらく僕一人では手に負えなくなるだろうな。
と、面倒ごとが増えそうな予感にため息が出そうになる。
そして血液が固まって血が止まったころ、彼女が立ち上がって歩き出した。
しばらくそれを見送っていたが、
角まで来たところで馬鹿にするように笑われてしまう。
まるで小学生の悪ガキのようだとうなだれるも、
とりあえずは仕事をこなしたと笑う。
「さて、のこりを見て回ったら帰りますか」
足元に散らばった鉄球をどかすと、
そのまま残りの仕事をこなして帰路に就いた>
ご案内:「路地裏」から木更津 水乃さんが去りました。