2017/10/14 のログ
ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 不機嫌そうなた様子で路地を行く一人の少女。
片手には赤黒い液体が付いた刀が握られている。
そこから匂うのは古くなった血の匂い。

「…勝てない。負けてばっかり…こっちに来てからずっとそう…。
 鈴音は強いよね?」

【確かに強いと言えるだろう。
 身体能力、反応速度、魔力量、そのどれも人間離れしている。】

確かに鈴音の身体能力は所持した刀によってかなり底上げされている。
人外に近いレベルまで引き上げられている。

刃々斬鈴音 > 「じゃあ、どうして勝てないの?使ってる武器のせい?」

【…使い方のせいだ。
 仮に己を使っているのが鈴音に勝った別の誰かならもっと上手く己を使うだろう。】

「そんな事言うなら!別の子のとこに行けばいいじゃない!
 ちーちゃんのばーか!浮気者!!」

手に持った刀に対して叫ぶ。
刀が喋っているとはいえ傍から見ればそれは狂人の所業である。

刃々斬鈴音 > 【マトモな神経を持つものなら己を使おうとは思わない。
 享楽的で刹那的、更に流されやすく。自分の為に人を傷つけることを厭わない。
 しかも、臆病で逃げる判断が早く、己を奪われて破壊させられる心配が薄い。
 そんな者でなければ…己の使い手として不適合だ。】

「…ちーちゃんが鈴音の事どう思ってるかは何となく分かったよ。」

…歯に衣着せぬ物言い。いや、刃に衣着せぬというべきか。
そこまで言われれば鈴音もさすがにプルプルと手を震わせて、

「つまりあれでしょう?ちーちゃんの使い手は鈴音だけって事でしょ?
 良かった!一人になったらどうしようかと思った!」

少女はポジティブに言葉を捕えて安堵の溜息を吐く。
…この妖刀が持ち主に求める資質は強さではない。
強さは自らが補える。求めるのは堕落した性質。
それも、他の何かに溺れる前の天性のもの。

刃々斬鈴音 > 【鈴音。お前が強くなる必要はない。強くなるのは己の役目だ。
 お前はいつも通り己に血を吸わせればいい。】

「うん、分かった!じゃあちーちゃんに任せるね!
 でも、それだと勝てないからトリッキーな戦い方を覚えればもっと強いよね!」

そう言って鈴音は努力することを放棄する。
だが、力が足りないなら他の部分で補えばいい。

【鈴音。お前が考える必要はない。
 いつも通りに己を振るえ。戦術は己が考えよう。】

「そっかー適材適所ってやつだね!」

そう言って鈴音は考える事を放棄する。
戦いではこの刀の方がいつも正しい。

刃々斬鈴音 > 「なんかちーちゃんと話してたら頭スッキリしたな。
 ありがとうね!」

【……。】

刀にそういって話しかければ鼻歌混じりに路地裏を行く。
通り魔は自堕落なぐらいが好ましいのだ。

ご案内:「路地裏」から刃々斬鈴音さんが去りました。