2017/10/25 のログ
ご案内:「路地裏」に狗穏さんが現れました。
狗穏 > 独立具現型…単体の能力が高く、誕生後直ぐに自立行動可能で高度な自意識を持つ怪異のカテゴリーの一つ。
それに属するとある黒狗の怪異は――今、人の姿を取って路地裏を当ても無くフラついている。

「……二足歩行はまだまだ慣れんな…知識と記憶にあれど、実際に行うと勝手が違うものか」

そんな独り言を漏らすのは、長身痩躯の男…黒髪はまだしも、赤い瞳と八重歯が特徴的だ。
…もっとも、見栄えは悪くないが纏っている服装はボロボロで正直みすぼらしい。

「……まぁ、活動そのものに支障は無いからいいのだが」

スラムでは珍しくも無い格好だろう。ここいらだと多少悪目立ちするかもしれないが。
服を一式着ているだけマシ、と獣は思っている。矢張り人間の服装にはまだ慣れない。

ご案内:「路地裏」から狗穏さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「…む…?」

一瞬立ち眩みがしたのか意識が途絶え掛けた。二足歩行に慣れていない…人の姿を長時間取るのは初めての試みで。
肉体に無駄な負荷が掛かっているのかもしれない。…が、直ぐに持ち直した。

「……慣れれば便利といえば便利ではある、のだろうな…まだまだ習熟が必要とみるが」

歩行、走行、手足の扱いに関してはそこそこだろう。それ以上の行動、となると少しまた負荷が掛かるかもしれない。
そうやって、小一時間くらい路地裏を彷徨っていれば、やっと人型にもしっくり来るようになってきた。
根本的な姿は獣…狗なので、どうしても楽な姿なのはあちらとなってしまうが。だがまぁ、人間の姿に慣れて損をする事は無い。

(…しかし、戦闘行為にはまだ少しぎこちないか。経験は蓄積されているが、そこまで体が付いてこれるかは不安要素だな)

ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 「ねえ、そこのお兄さん?
 さっきからフラフラしてるけど大丈夫?」

一人の少女がが男の後から歩いてくる。
気配も隠さず、足音も隠さず普通の少女のように近づいて後ろから声をかける。
恐らく、話かける前からその気配にも足音にもそしておそらく刀から漂う血の匂いにも気がつくことが出来るだろう。

「どうしたの?飲みすぎちゃったの?」

男が纏うボロボロの衣装にも独特の気配にも警戒の様子はなく言葉を続ける。

狗隠 > 「……いや、心配ない。少し慣れていないだけだ」

足音、声、気配に足を止めてゆっくりと振り返る。赤い瞳が捉えたのは一人の人間の少女。そして血の匂いが漂う――…。
まぁ、いい。掛けられた声には律儀に答えながら、首を緩く左右に振った。

慣れていない、という言葉は相手からすれば意味不明だろうが狗にとっては意味のある事だ。
この姿で長時間活動するのは今宵が初めてであるのだから。さて…。

「……君はこの辺りに住んでいる者なのか?」

落ち着いた声色で一つ質問を。そして距離が縮まれば血の匂いは酷くなる。
…人の姿で良かった。本来の狗の姿であれば鼻が利きすぎて逆に面倒だったかもしれない。

刃々斬鈴音 > 「慣れてない?この辺にあまり来ないって事?
 …ふーん、そんな風には見えないけどな。」

…それにしてはあまりにもこの辺りらしい恰好。
じゃあ、別の何か?何かクスリやりはじめたとか?
そこで鈴音は一度考えるのを止める。

「そうよ!鈴音はこの辺の子だよ!」

その落ち着きとは対照的な声色。
この辺りの空気とは不釣り合いなほどに…。

「この辺の事で分かんない事があったら鈴音に聞いてもいいよ?」

更に距離が詰まる。少女が腰に下げた刀の間合い。

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「……いや、この辺りにはそこそこ足を運んだ事がある。…君こそ、その制服…だったか?学園とやらの生徒ではないのか?」

体を構成する死者の知識と記憶から、彼女の服装の事を引っ張り出してそう尋ねる。
彼我の距離が縮まり、既にあちらの間合い…当然、狗もそれは承知している。

「……ふむ、この辺りは物騒だ…気をつけるといい」

元気な声色に、相変わらず落ち着いた声色で返しながら少女の言葉に少し考えるような間を置き。

「そうだな、分からない事と言えば―――…その刀、という武器だったか。ただの刀ではないと思うのだが」

右手で彼女が腰に下げた一振りの刃を軽く示して首を傾げる。

刃々斬鈴音 > 「この服ー?コスプレみたいな?
 ていうか、なんでお兄さん疑問形なの?見ての通り制服じゃん!」

元々着ていた世界の制服は既に破れてしまっている。
この服は落第街に流されて売っていたのを買ったもの。
普通に制服店で買うよりもかなり割高であるが売れていたので需要はあるのだろう。
それにしても制服に疑問形とは…異邦人とかなのだろうか?

「はーい!
 …でも、お兄さんも気を付けなよ。
 この辺、怖くて可愛い通り魔が出るって噂だから。」

こちらを心配する言葉に元気に返事を返して何故かドヤ顔で言葉を続ける。

「えー?これこれはね…」
【鈴音。】

少女が説明しようとすると刀から声がする。

「見てのとおり妖刀なんだよ!すごいでしょ!」

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「……こすぷれ……?…ああ、まぁ制服だというのは理解した。問題ない」

世間ズレか世間知らずか。コスプレについては残念な事に狗を構成する死者の想念の記憶にも知識にも無かった。
必然的に疑問系になってしまうのは致し方なく。通り魔、という言葉に静かな表情で頷いて。

「……確かに、そういう者達には都合が良い狩場となるだろうな、この辺りは」

ドヤ顔の少女にツッコミはしない。ツッコミという概念がまだ曖昧なのだ。
…と、刀からの声に赤い瞳を僅かに丸くする。ほぅ…と声を漏らして。

(…我と同じ…いや、怪異とは違うか。少し近いものは感じるが別のモノだろう)

そう脳内で一先ずの第一印象を固めながら、刀へと軽く律儀に会釈をする。それから少女に視線を戻し。

「…妖刀、というものを実際に見るのは初めてだが。成る程…血の匂いがするのも妖刀だからだろうか?」

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 「うん。かなり都合がいいの。もし、ヤバい相手でも逃げやすいし。
 程よく奥の方から風紀委員とかもたまにしか来ないし…。
 …あっ!鈴音が通り魔って訳じゃないからね!
 もし、鈴音が通り魔だったらそう思うなって考えたの!」

手をブンブンと振って必死に否定する。

「ううん?それは違うよ?」

幾ら妖刀といえども人を斬らずに血の匂いがするわけがない。
ならば、この刀から漂うこの匂いは…

【…鈴音、この気配は、彼の気配は人の物ではない。】

人、この世界に生きる人。
吸血種に竜人、様々種族が生きるこの島であるが人である以上その根本は変わらない。
だが、目の前の相手はその根本から違う。いや、根本が存在しないこの世にとっての異物。

怪異。

「そうなの?本当に人じゃないのお兄さん?」

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「…風紀委員…ふむ、警察とやらの代替組織だったか。厄介な者が多いと聞くが。
…我…んん、俺は別に君を通り魔と疑っている訳ではないのだが」

獣の時の一人称がついポロッと出てしまった。咳払いをして言い直す。矢張り狗の癖が色濃いのは反省点か。
必死に否定する少女にそう答えるが、少なくとも少女が只者ではないのは理解している狗で。

「……人間でない者はこの島では珍しくないのでは?異邦人…別世界の来訪者も多いだろう」

惚ける、という程でもないがまずそう答える。ただ、この狗が異邦人と違うのはあくまでこの世界で生まれた事だ。
もっとも、怪異として誕生してまだ1ヶ月かそこらなのだが…。

「…だが、そちらの彼の感覚は誤魔化せないようだ。確かに人ではないだろうな俺は」

この姿も仮初のものだ。内臓も筋肉も骨も皮膚も、血液も再現しているがあくまで本体は黒い狗の怪異。

刃々斬鈴音 > 「うん、厄介だよ。…まあ別に鈴音はいい子だから風紀委員と喧嘩とかしないけど。
 …別に我でも良くない?エラそうだけどかっこいいよ。
 自分ぐらい自分の事を好きに呼んだら?」

目ざとく一人称に気がついてそんな風に言う。

「うん。鈴音もこーみえて異邦人だしね。」
【否、そうではない。人間ではないどころか人でないと言ったのだ。】

刀の言葉に対していち早く反応したのは持ち主の少女。

「一緒じゃん!別に人でも人じゃなくても血が出るなら一緒でしょ!」

そう言いながら刀を握る。

「で、大事な質問なんだけどお兄さんは斬ったら血は出るの?
 血が出るなら鈴音にわけてくんない?大人しくするなら痛くしないから…ね?」

狗隠 > 「……そうか、無用な諍いや争いを避けるのは間違いではない。…いや、この姿になっている間はそうもいかない」

生真面目なのか、首を振って我という一人称を用いるのを否定する。狗の…本来の姿なら別だが。
今は、もう相手に悟られているとはいえ仮初なれど人の姿。ならばその姿にあまり違和感の無い一人称を用いるべきだ。

「…只者ではないと思ってはいたが、そうか…君は異邦人なのか。
…ああ、人から生まれたようなものだが人ではないだろうな」

少女が異邦人だと知れば、納得したように頷く。同時に、妖刀の少女への訂正にも肯定してみせた。
人の想念から生まれたから、狗の言葉は嘘ではない。だが根本的に人間と違うのも確かなのだから。

「……俺の血は人間のモノを再現しているが、所詮は偽者だ。…察するに、君はその妖刀の彼に血を与えたいようだが…。」

そう口にしつつ、軽く右腕のコートとシャツを捲り上げて素肌を晒す。無論、それは見た目人間の腕でと全く同じ。

「…血液を提供するのは構わないが、失血は少なめに頼む。この姿だと貧血というのも再現するのでな」

戦う事も逃げる事もしない。進んで自ら腕を差し出す。それは自己犠牲…ではない。
血を取られても、本来の黒い狗からすれば全く問題が無いからだ。

「…ただ、先も言った様に普通の人間の血液とは違う。彼に何か影響が出ても責任は取れないぞ」

刃々斬鈴音 > 「ふーん…まあ、いいけどね。
 この姿って事は普段は違うカッコしてるのかな?」

まあ確かに今まで我とか言う人は見たこと無い。
そんな一人称は王様か何かでもないと使わないだろう。

「鈴音は異邦人だけど普通の人だけどね。」

確かに鈴音は異世界の出身ではあるがその元々の身体の造りはこの世界の人とほぼ同じである。
人と比べて魔力量が多いくらいだ。

「…仕方ないねお兄さんの事は嫌いじゃなけどいやっていうなら…
 えっ!?嘘!?マジで!?」

正直、了承されるとは思っていなかった。
少女の顔に浮かんでいるのは明らかな困惑。

「えっ?えっ?ちーちゃんどう思う?」
【罠の気配はない。己はアレの血がどうなっているか知りたい。
 怪異の血液が己にどのような影響を与えるかは興味深い。】

コソコソと刀と小さく話した結果。

「じゃあ、お兄さん…斬るね!」

そう言って刀の先をまるで注射のように腕に突き立てる。
痛みはない。そこから血を吸い上げるとりあえず600mlほど…
成分献血と同じくらいの量だ貧血くらいは起こしても倒れる事は無いだろう。

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「…本来の姿は別にある。そもそも、今は男性の姿だがその気になれば女性にもなれる。まぁ、こちらの姿の方が楽ではあるが」

本来の姿がどういうものかは口にしない。自ずと気付かれたり悟られる可能性もあるが…。
あくまで、今ここに居るのは怪異ではあるが仮初に人の姿で擬態する者だ。

「…ふむ、そうか。普通の人……羨ましいな」

死人の想念が核の狗にとって、普通の人間というのは素直に尊敬するに値する。
なまじ、特異な種族や己のような怪異より、唯の人間の方が狗にとっては素晴しいと思えるのだ。

「……嘘ではないが。そもそも君は通り魔ではないのだろう?
だったらいきなり斬りかかられる訳でもあるまい。穏便に血液を提供すればそれで済む話だ」

それに、怪異としての本体には何も影響が無いのだから別に断る理由がそもそも殆ど無い。
逆にあちらには、例え偽者の血液といえど怪異の特性が混じったモノだ。
どういう変化や異変が起きるかは分からない。勿論、それに責任は持てないと先ほど明言…忠告はした。

「……ああ、手短に頼む」

斬ると宣言する少女に頷いて。素肌を晒した右腕に刀が突き立てられる。
何かを吸われる擬似的な感覚を味わいつつも、思ったより提供する量は少なくて済んだようだ。
…が、若干だが貧血というかクラッとする。人間の姿は見た目でだけではない。
失血の状態も無駄に再現するのだ。ただ、痛みを感じなかっただけマシといえばマシか。

「……終わったようだな。血液の提供は確かにした。繰り返すがどんな影響が出ても責任は取れない」

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 「へー面白いね!」

少なくとも鈴音は気づかないだろう。
本来の姿で会ったとしても言われなければ気がつかない。

「うん、超可愛いくてメチャ強いけど普通の子だよ!」
【普通か…少なくとも生まれは普通だな。】

鈴音の生き方は普通であるというにはあまりにズレている。
歪んで、狂っている。本人はそれに気づかない或いは気が付けない。

「いや、お兄さん本当にいい人だね。
 悪い人に騙されたりしないか鈴音心配だな。」

少なくとも自分はそんな騙すような存在ではないと言わんばかり
そんな風に言いながら刀を抜けば傷口は既に残っていない。

「ありがとね!ちーちゃんいける?何ともない?」
【ああ、今の所我…いや己の人格、パーソナリティーには大きな変化は見られない。】
「元々二人とも喋り方とか似た感じだしね!」

人によって生み出された人ならざるモノという点では共通している。

【この血が馴染むまでには少し時間がかかるだろう。その際に生ずる影響は不明だ。】
「なるほど…じゃあしばらくは様子見ってとこかな?」

そんな風に言うと刀を鞘に仕舞う。

「お兄さん今日はありがとね!そういえば名前聞いてないね…なんて言うの?
 あっ!鈴音は刃々斬鈴音って言うんだ!こっちは妖刀血腐レ…ちーちゃんでいいよ!」

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「…面白いかどうかは分からないが、人の社会に紛れ込むには便利ではあるだろうな。」

もっとも、まだ人間の姿に完全には慣れていない。それは今後の課題としておこう。
少女と妖刀のやり取りに微かに笑う。怪異であっても無感情という訳ではないのだ。
無論、察しが悪い訳でもないこの狗は、彼なりに少女の異常性にはそれとなく気付いてはいるのだが。

「…良い人、という訳ではないのだが。どちらかといえば排斥…滅ぼされる側なのだがな」

怪異なのだから無理も無い。それに、お人好しという訳ではない。血液の提供もその方が穏便に済むと判断したからだ。
それに、血液を抜き取られただけで滅びる訳ではないのだから求めに応じた方が、色々と余計な面倒を排する事が出来る。

さて、腕から抜き取られた刀…己の腕には傷口一つ無い。止血、縫合作用もあるのかもしれない。
…どうやら、摂取したばかりの状態では何の変化も無いようだ。あるとすれば…。

「……推測だが、おそらく戦闘行為になれば変化が出る可能性がある。
おそらくだが、俺の特性の一部を取り込んだという形で俺の力の一部を使える可能性があるな」

ただ、捕食による進化、死者の想念を糧にした肉体再生は考え難い。
…と、なれば魔風…黒い風を纏い操る力辺りが有力候補だろうか。

「……俺か?本来名前というものは無いが…一応、クオン…狗隠と名乗る事にしている」

勿論、苗字などというものはない。名前だけあれば一応は困らないからだ。

「…ともあれ、風紀委員とやらが来る可能性もあるだろう。そろそろ解散したほうがいいな。
…鈴音嬢、ちーちゃん氏も早めに立ち去ったほうがいい」

刃々斬鈴音 > 「良い人だよ。鈴音に優しい人は良い人!」

鈴音の判断基準はとても単純だ。
例え大悪人であっても鈴音にとって都合が良ければいい人であるし
正義の塊のような人間であってもそれが鈴音にとって不都合であるならば良い人ではない。

「じゃあ、人型になれたりするのかな?」【それは難しいだろうな。】

相手の力が分からない今知っている相手の力を一つあげるが…
即座にバッサリと否定されてしまう。

「クオン…じゃあクーちゃんだね!
 よろしくねクーちゃん!」

…明らかに大きな成人男性に対してクーちゃんと呼ぶ少女の図は傍から見れば明らかにオカシイが
…残念ながらここにそれを指摘するものはいない。

「分かった…じゃあ鈴音はもう行くね。バイバイくーちゃん!」
【さらばだ。クオン…いやクーちゃん氏。】

一瞬寂しそうな顔をした少女と意趣返しとでもいう風に言い直す刀。
ひらひらと手を振ると来た方と反対の方に歩いていく。
そして路地を曲がる前にもう一回手を振ると少女と刀は見えなくなった。

ご案内:「路地裏」に狗隠さんが現れました。
狗隠 > 「……そういうものなのか」

人というのは難しいものだな、と哲学?的な思考に至りながらも頷く。
彼女にとって都合が悪かろうが良かろうが、そこはそれ。狗はさして気にしないのだ。

「……いや、むしろ彼は刀のままの方が最大限特性を発揮できると思うのだが」

即座にバッサリされる少女の言葉。そこは一応この狗も同意見だ。
そもそも、この妖刀は人に握られてこその物だろう。自立活動する有用性は低いと推測する。

「……クーちゃん……独特な響きではあるな」

一瞬赤い瞳を丸くするが、直ぐに落ち着いた態度に戻る。特に気分を害したとかではなさそうで。

「……ああ。では、またいずれ会う事があればな。鈴音嬢、ちーちゃん氏」

人間の姿と成っている以上、その真似事としてこちらも右手を緩く振って一人と一振りを見送り。

「…さて、そろそろキツくなってきたな…俺も…いや、我も戻るとしよう」

――黒い風が一瞬男を包んだかと思えば、そこには2メートルを越す全長の黒い狗が佇んでいた。
そして、ひたり、ひたりと音を立てずに静かに黒い狗―怪異としての存在は立ち去るだろう。

ご案内:「路地裏」から刃々斬鈴音さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から狗隠さんが去りました。