2018/07/22 のログ
ご案内:「路地裏」に江風 白さんが現れました。
■江風 白 > 暗闇の中、永遠に続くと思われた爆発音や肉を裂くような音、何かが折れるような音が止む。
左目からは血が流れ、胸にはいくつもの銃痕、左腕は完全に拉げた。
それでも今ここに立っているのは自分だ。
「はぁ...はぁ...。僕の勝ちですね...。」
一人の男を前にして笑みを浮かべる。
それと同時にまるで時間が巻き戻るかのように体中にあった傷跡が再生されていく。
再生は少し遅いが、数分も経たないうちに完治することだろう。
「だから言ったじゃないですか...。僕は負けないって。」
■江風 白 > 潰れた左目が完全に再生するその頃、相手が落としたその拳銃を拾い上げる。
普通の人間であればこれで僕も死ねたかもしれない。そんな思いと共に銃口を相手に向ける。
「さようなら...。知らない人。」
知らない人なんかじゃなかった。
この男は、この人は、僕の生まれた場所で働いていた人。
自分の親のような存在の一人。
「先生...。」
笑みを浮かべ、引き金を引いた。
■江風 白 > 目の前で崩れ落ちる恩人。
笑顔は消え失せ、ガチガチと歯を鳴らしながらも、目を泳がせながらもその事実を理解する。
今更になって震えが込み上げてくる。
「はぁ...はぁ...。先生、ごめんなさい。ごめんなさい....。」
そう最早動かなくなったそれに謝り続ける。
ふと右手に持った拳銃が視界に移った。
「はぁ...はぁ...。」
■江風 白 > その拳銃を込み髪に押し当て、引き金を引く、何度も、弾が切れるまで。
暗闇に満ちた路地裏に銃声が響く、そして一つの重い何かがどさりと倒れる音が響く。
「な...で...。」
抉れた頭部はすぐに再生し、意識が戻る。
やはりこの体は何をしても死ねない。
そういう風に作られたからだ、分かってたのに。
「先生...助けてください...先生....。」
泣いた。涙を流したのは始めてだ。こんなに悔しいのは、悲しいのは。
その後、彼は数時間その場に立ちすくしていた。
僕は...ただ。
ご案内:「路地裏」から江風 白さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に四凶さんが現れました。
■四凶 > 『……ここいらは相変わらず、だな』
まるで迷路のようにあちこちと入り組んだ路地裏。土地勘があるか優れたナビが無ければまず迷うだろう。
そんな路地裏にて、独り歩く少年はこの辺りを根城にする連中からすれば良いカモ――の、筈だった。
実際は、倒れ付しているのは彼らの方で少年はほぼ無傷だ。喉元に巻いた包帯の辺りを軽く摩る。
その内側には傷跡と、そしてそれを隠すように一枚の数式がビッシリ書かれた付箋が直に貼られている。
(……取り敢えず、声の出し方も完全に思い出したからこれがある限りは意思の疎通は楽になるか)
数日前、落第街で出会ったゴーグルの少年から貰った特殊な数式が書かれたそれ。
付箋の効果時間の制限はあるが、これを貼っている限りは普段喋れない少年も何とか喋れる。
今の独り言も、敢えて意識的に呟いたものだ…己の声を再確認するかのように。
取り敢えず、倒れ付した連中の懐を探り、財布や武器など目ぼしい物は貰っておく。
『…ただのチンピラにしては良い拳銃だな。…何処かの違反部活か組織の構成員、かな?』
一丁の自動拳銃を連中の一人から拝借して繁々と眺める。予備マガジンごと頂いておこう。
とはいえ、拳銃の扱いは最低限しか心得ていないが、まぁ直ぐに慣れるだろう。