2018/08/14 のログ
ご案内:「路地裏」に一色 虎金さんが現れました。
■一色 虎金 > 「んー…問題無さそうやなこれは。」
ひょこ、と路地裏を覗く少女。中をしばらくきょろきょろと見回し、中へと一歩踏み出す。
彼女は『一色 虎金(いっしき こがね)』。常世学園家庭科教師である。
……少女と言ったが、これは誤りである。彼女の歳は24、ついでに言うなら彼氏なし独身であった。
「(何や爆発騒ぎだの何だのと聞いたんやけど……
どうもウチの生徒が云々ってことは無さそうやな?)」
その手には、パンが握られている。
……正確には、パンのような断面の…『太めの木の枝』が。
ご案内:「路地裏」に古城 桜虎さんが現れました。
■古城 桜虎 >
路地裏に潜む一人の少女。
状態を確かめるように己を見下ろせば、大きなため息をついた。
「……生きてるのが不思議ですねえ。」
──"爆発騒ぎ"から命からがら生き延びた少女。
人によっては少女と呼ばぬかもしれないが、
彼女の外見は少女と呼べるようなものだ。
もっとも、現状は火傷に切傷に打ち身にと散々な状態であり、
衣服に至っては"全裸の方がマシ"と言わんばかりの状態だ。
「……とりあえず、これをどうにかしましょう。」
■一色 虎金 > 「次当たってみよかなぁ…何かしら手掛かりが……!」
ぷい、と後ろを振り向き…かけたその時、視界に少女の姿が映る。
青い上下に濃茶の髪。その顔は見覚えがある。
なにせ、同職で似た身長などそうそう見れるものではない。そう、彼女の名は…
「新城先生やんけ!!」
間違えた。
……それはそれとして、その姿は明らかに異常だ。
服の各所が焼け焦げ、切り刻まれ、年頃の少女(に見える)がしていい格好ではない。
そう、まるで『爆発』に巻き込まれたような。
…そんな推理もそこそこに、路地裏の奥へ駆けていく。
■古城 桜虎 >
「何ですかその野球選手みたいな名前!?」
思わず突っ込んだ。
ほぼ全裸で。
"こほん"、と、わざとらしい咳ばらいをして仕切り直す。
「……ええ、まぁ。
それで、確か一色……いえ虎金先生、でしたか。」
途中で言葉を止め、苗字でなく名前で言い直す。
……そちらの方が分かり易いだろう、と。
■一色 虎金 > 「……間違えましたわ、古城先生やったな。忘れてへんよ虎繋がりやし。
…いかにも、一色虎金ですわ。…何やらかしたんです古城先生?」
近寄って見ると、その姿はより痛々しい。
…服がズタボロになっているのに、体が無事なはずもなく。
全身が痛々しい傷に覆われ、肌は変色し、赤や青に彩られている。
「…ああいや……ちょっと待っててや。」
そう言うと踵を返し、路地裏の外へと走っていく。
……程なくして持ってきたのは、黒いライダースジャケット。
「ほれ、せめて上くらいはこれで隠し。ウチの単車に常備しとるやつや。
年頃の女の子…やないけど、肌晒しとるもんやないで。」
■古城 桜虎 >
「野球好きなんです?」
頬に手を当てておどけたように苦笑してみせる。
やせ我慢やカラ元気の類かもしれないが、さておき。
「ええまあ、ちょっとした火消し遊びです。
……たぶん死んではいないと思うんですが。」
ぼやきながら見送り、
戻ってくればライダージャケットへと視線を戻す。
「と……ありがとうございます。」
手渡せば受け取り、着こむだろうか。
……その場合、隠し切れない下半身がやや目立つかもしれない。
■一色 虎金 > 「ま、それなりに程度や。選手の名前とかは覚えてへん。」
ふー、と細くため息を吐く。そこには、薄い安堵が見て取れる。
「まあ幽霊には見えんですわ。足もあるし三角布も付けてへんし?
……この辺で…爆発騒ぎ、起こったらしいんでちょいと個人的に調査に来たんやけど。
…なんか関わってたんとちゃいます?」
そう言って、手に持った木の枝をかじり取る。
木の枝とは思えない、さくりという音を立ててその枝は口の中へ消えていった。
「…下半身は……まぁ、焼けた服巻いといて貰えますか。
流石にそっちを隠すにはウチが脱がへんといかんので。」
苦肉の策だ。少なくとも、病院までは保つだろう。
……見た目はあまり良くないが、まあ前衛的ファッションだと思ってもらうしかない。
■古城 桜虎 >
「そうですねえ。
立ち話で済ませるにはちょっと厳しい話です。」
ひとさし指を口に当て、あざとく笑んでみせる。
シラを切る事はなかったものの、この場で話すつもりは薄そうだ。
「……ちょっと買いに行って貰うのは流石に悪いですよね。
ひとまず、これで自宅まではどうにかなりますか。
ありがとうございます。虎金先生。」
■一色 虎金 > 「……話す気はない、って事でええんかな。
まぁそういうことなら深くは聞きませんわ。ウチは探偵やないんで。」
手を肩の高さに広げ、やれやれと肩をすくめる。
随分アメリカンな呆れ方だが、おそらく嫌味も含んでいるのだろう。
「……ウチは構わへんけど、怪我人を残して遠出すんのはなぁって。
…いや真っ先に病院行きましょうや。相当重傷やでそれ?」
さてどうしたものか。自分としては、さっさと治して戴くのが最善。
話を聞けるかどうかは二の次、聞ければなおよし。
……何にせよ、この女性をこの格好のまま自力で家に帰すというのは倫理観が咎める。
「……ああもう、アレや。送ります、家まで。」
■古城 桜虎 >
「せめて後日に。
……いえまあ。最近流行りのパンデミック絡みなんですけれど、
真面目に説明すると夜が明けかねませんし。」
ううん、と唸る。
嘘では無さそうだ。少なくとも困っているのは確かだ。
「病院……むむ……
……流石に行っておくべきでしょうか。」
自身が備えている異能が一つとして"再生"の異能が備わっている。
故に、生きてさえいれば数日もすれば治るだろう。
そして、医者に事情を話せば"感染"の疑いを向けられてもおかしくはない。
そのような判断の下での"家に帰る"発言でもあったものの、
ここに来て意思が揺ぐ。
■一色 虎金 > 「……あー。思ったより面倒くさいことになっとりますなぁ。
ウチも又聞き程度なんで全容は把握してへんけど。」
うーむ、と胸の下で手を組んで首をひねる。
…話は聞いていた。
転移荒野から流れてきた謎の存在。…所謂ゾンビのようなものであり、生物に感染する。
正体が生物なのか魔術や魔物の類なのか、異界からやってきたのか現世の突然変異種なのか…
何にせよ、非常に凶暴かつ個体によっては知能が高く、非常に危険な存在である、とのこと。
まぁ、それは後で考えるとして。
「例の絡みなら行ったほうが面倒無いでしょう。診断書も貰えますし。
…例の爆発騒ぎがアレ絡みとは割れてないんやから、黙っとればわかりゃせぇへんやろ多分。」
随分と雑な対処だった。
少なくとも、心配はしているようだが。
■古城 桜虎 >
「ちゃんと話すとどうしても紐づくんで、どうにも。」
ううむと唸る。
しがらみのない学生や本物の二級学生ならともかく、
自身の立場上誤魔化し切れない部分が多い。
少なくとも、古城桜虎はそう認識している。
「……まあ、腹を括っておきます。
流石に魔術師に感染した場合、知能や魔術技能が維持されるって話は握り潰しちゃ不味いでしょうし。」
再度、大きな溜息。
ひとまず襤褸の上着を腰に巻き、移動に向けての準備を整える。
■一色 虎金 > 「真面目やなぁ…ウチなんて包丁で指切っただけで怪我したって言って休んだ事あるんに…げふん。
……そりゃ何より、情報共有は必要…
何やて?今なんか相当恐ろしいこと聞いた気がするんやけど。」
…よく考えれば当然だ。
死んだ生物の脳を乗っ取って動いているなら、知能や知識を取り込んでいてもおかしくはない。
……悪用すれば恐ろしいことになる異能などたくさんあるのだ。
それらに感染してしまえば……
「……はぁ、またなんか面倒背負い込んだ気分や…
…ところで、腹減ってませんか。」
唐突。
■古城 桜虎 >
「だからです。
状況的に私も"それ"扱いされる可能性は否めません。
まあ、精密検査に突っ込まれるだけだと思いますが……」
頭を抱える。
……ひとまず知性はあるし、衝動のようなものもない。
自爆の体である以上条件も満たされていない筈だ。
内心ではそう判断しているものの、
それでも面倒な事には変わりがない。
故に頭を抱えていた。
「流石に空いていませんが……。
……何かありました?」
■一色 虎金 > 「……それは…困りますなぁ。
もしかして、しばらく出てこれへんのとちゃいます?」
…少なくとも、精密検査が必要であるのなら学校には出てこれないだろう。
見た限りは普通だが、だからといって全てを安堵する訳にはいかない。
…少なくとも、医者たちだって仕事なのだ。
「いや、空いてへんなら別に。空いてたら食わせたろかなって。
……聞かれて空腹を自覚したら襲ってくるかも知れへんなー、とか思ってへんので。」
思ってたらしい。
■古城 桜虎 >
「まあ、そこは何とかなるでしょう。
……ああでも、そうですね。ちょっと伝言を頼みたく。」
やっておくべきことを思い出したように手を打ち、
ぢっ、と、虎金へと視線を向け直す。
「もしも飛鷹与一って言う風紀委員の男の子にあったら伝言願います。
"怪我をしちゃったので、この前の話は遅くなるかもしれません。"」
「見かけたらで構いませんので、宜しくお願いします。
……なにもしなくても嗅ぎ付けてくれるかもしれませんが一応。」
お願いのポーズを作り、そう頼み込む。
「そんな、C級映画じゃあないんですから……
……まあ構いません。お願いできます?」
■一色 虎金 > 「……飛鷹、ね。了解了解、伝えときますわ。
…言うてウチも風紀委員と繋がりあるわけやないから、偶然会ったら程度やけど。」
ふむ、と顔を見る。
……恋人というわけでは無さそうだ、などと邪推をする。
「ほいほい、冗談やでほんまに。
……えーと、汚れてないのは…ん、ここ良さそうやな。」
そう言うと、何処からか包丁を取り出し…スカッ、と地面を切る。
包丁を常備しているのもアレだが、包丁はアスファルトに弾かれることなくその表面を切り取り、
そのまま塊として地面からブロックのように引きずり出された。
それを同じように包丁で切り、切り、そして切る。
「ほい、食パン。マーマレードもあるで。
……見た目はアレやけど食えるから。ホンマに。嘘やあらへんて。」
……耳の表面がアスファルトのように真っ黒で凸凹した食パンの出来上がりである。
■古城 桜虎 >
「手は打っておくに限りますから。」
さほど期待している訳ではないのだろう。
あっさりと笑って承諾するものの、地面を切り出して食パンと称する彼女を見れば考え込むように黙り込む。
(なるほど、食べ物に値するものを創り出す……
……あるいは性質付与する異能でしょうか。
騙し試しの類には見えません。)
(皿や石をパンに、水を葡萄酒に。
そのような逸話になぞらえた何かかもしれませんが、ふむ。)
……熟考の後、差し出されたそれを一口齧る。
さて、お味は如何に。
■一色 虎金 > 「用意周到なことで。…ま、そういうのは好きやでウチは。
こう言うと意外と思われるかも知れへんけど、将棋とか好きやし。弱いんやけどな。」
……パンの味は、実に普通だ。
市販のパン程度であり、特段美味しいわけでも不味いわけでもない。
食えと言われれば食うが、大好物と喜ぶほどでもない…そんな味。
しかし、マーマレードはただただ美味い。
オレンジをベースにしてはいるが、甘みはかなり濃厚で舌触りも良い。
酸味は一瞬で鼻を通り抜けて消えていき、それが濃厚さからクドさだけを良い具合に抜き取る。
…同時に、チョコのような香ばしさやバターのような腰を据えた旨味も舌に残す、
実に不思議かつ美味なものであった。
■古城 桜虎 >
「あら、これは美味しい。
……秘訣はマーマレードですか。」
美味である。
何だかんだでおいしいものに目がない女子である彼女だが──
(細やかな味の付与は出来ない。
あるいはオリジナルの料理に劣る、と言ったものでしょうか。
それならばマーマレードを持ち歩いているのも納得が行きます。)
今は分析が先に立つ。
考え込みながら食べ進み、完食してしまうだろう。
「ふぅ、ご馳走様でした。
……案外満身創痍でもお腹に入るものですねえ。
いえ、それだけ美味しかったと言うことでもあるんですけれど。」
■一色 虎金 > 「ふふん、マーマレードは自家製やで。
即席だとそのパンみたいにそんな美味しくはならへんのやけど。」
そう言ってマーマレードの瓶をしまう。…どこに入れているのだろうか。
「お粗末様。喜んでもらえるのは嬉しいなぁ。
…しっかりした『材料』があれば、もっとええの出せるんやけど…
ま、今回は勘弁や。」
分析されていたことを知ってか知らずか、ヘラヘラと笑顔を見せる。
包丁はきれいに拭き取った後、再びしまい込んだ。
「…んじゃ、腹も膨れたことやしまずは家に一旦帰ろか。
そこで着替えてから病院。それでええか?」
■古城 桜虎 >
「うーん。病院直行でお願いします。
どの道向かうなら早い方が良いですし。」
さっくり答える。
下手に家へ寄らず、早めに向かった方がいい。
そう判断したらしい。
「それにほら、道中で変なのに絡まれても困りますから。」
■一色 虎金 > 「……あー、例のアレの残党とかもいるかも知れへんしな。
…ほれ、手。一人で歩くのしんどくあらへん?」
そう言って手を差し出す。
とはいえ、低身長が手を差し伸べているので握手を求めているようにしか見えない。
■古城 桜虎 >
「ではお言葉に甘えて。」
差し出された手を取り、そのまま単車まで誘導されるだろう。
……ちゃんとした体温のある人の手だ。
■一色 虎金 >
「ほい。……うん、やっぱり死人やあらへんわ。」
ひひ、といたずらっぽく笑い、その手を引いて路地裏の外へ。
…女性の手でありつつも、料理人の手をしていた。
「ほんじゃ乗り!メットはちとボロい奴やけど勘弁な!
しっかり捕まって、ちょいと飛ばすからな!」
…路地裏の外には、立派な単車があった。黒塗りで高級そうだ。
……ただ、身長に合わせてシートなどがカスタムされているのが妙な格好だが。
■古城 桜虎 > 「ええ、がっしりとしがみついておきましょう──」
そのまましっかりとしがみ付けば、虎金の運転する単車へと身を任る。
……何事もなければ病院に投げ込まれ、即精密検査の運びとなるだろう。
ご案内:「路地裏」から古城 桜虎さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から一色 虎金さんが去りました。