2018/09/08 のログ
ご案内:「路地裏」に夏目 夕凪さんが現れました。
■夏目 夕凪 > 今日の収入も殆どなかった。朝から空き瓶を集めに集めて交換しにいったがこれっぽっちだ。
手の中の硬貨を眺めながらトボトボと歩いていく。
住む場所はなんとか確保はできているが食糧が辛い。毎日毎日液体の食糧なんて飽きてしまう。
「いい職、見つかればいいんだけどな...。」
それも無理だろうな。そんなことを考えながら帰り道とは違う道を通りながら大きな溜息を吐く。
あぁ、お腹が減ったな。腰のポーチには優しい人から貰っている注射器がある。今日もこれで凌ぐしかないだろう。
なんとも言えない表情を浮かべれば、壁に縋りつくように身を任せれば、そのままズルズルと地に腰を下ろした。
■夏目 夕凪 > これからどうしようか。大人しく家に帰ろうか。
そんなことを考えていたときだった。人の足音だ。
スンスンと臭いを嗅いでは、それが人間のものであると同時に、それが火薬の類。銃も持ち合わせていることも確認した。
「また僕を殺そうとする人達か。
僕はただ静かに生きてたいだけなのに。貴方達もしつこいよ。」
折角座ったのに。なんて思いながら重い腰を持ちあげれば、ポーチから注射器を取り出す。
ギリっと歯を鳴らせば自分の側面、大体10m程の距離にいるであろう相手にそう言う。
こいつも僕を殺して金儲けするつもりなんだろう。だから容赦はしない。
「ッ...! ミューテーション。」
首筋に注射器を刺せば、高タンパク質を体内に注入する。
冷たい液体が流れ込む嫌な感覚に顔を一瞬歪ませれば、彼の体は高熱を発し、ミキミキと音を立てて変異していく。
その姿は人のそれではなかった。口は大きく裂け、筋肉は肥大化し、差し詰め、皮を剥いた狼男のような外見で。
「僕を殺そうとしてるんだろ?じゃあ僕だって貴方を殺してやる。」
■夏目 夕凪 > 相手の目は自分を人ではないそれでていた。
自分はただ人間として色んな人間と生きていたいだけなのに。
爪をたて、前傾姿勢。文字通り人とは一線を画す獣のような構えをすれば、相手の懐に一気に潜り込む。
「なかなか美味しそうだね、アンタ。」
右腕の爪を振り上げ、相手の構えていた拳銃を掌ごと切断する。
スンと相手の首を嗅げば、裂けた口を吊り上げれば、笑みを浮かべる。
飛び散る血液が顔を付けば、ペロリと長い舌でそれを舐めとり。
「アンタは、生きたいと思ったことはないだろう?」
左腕の爪で相手の腹部を横に深く抉れば、相手を吹き飛ばすように蹴りを入れる。
決着は一瞬だっただろう。今回も自分が運よく生き延びれた。
■夏目 夕凪 > 殺し合いは終わりだ。そう言わんばかりに彼の体は萎んでいき、先程までの体格まで戻っていく。
指先に着いた血と肉片を口に含めば、嬉しそうな笑みを浮かべ、残さず舐めとる。
美味しかった、コンビニのおにぎりよりも、誰かの食べ残しよりも。
だが同時に押し寄せる嫌悪感。自分は人間ではない、それを自分自身で証明しているかのようで。
「早く病院にいくんだね。僕はもう帰るよ。」
吹き飛ばした相手にそう言葉を投げかければ、悲しそうな表情を浮かべてその場から立ち去っていく。
ご案内:「路地裏」から夏目 夕凪さんが去りました。