2015/07/16 のログ
ご案内:「スラム」にヴィクトリアさんが現れました。
ご案内:「スラム」に犬飼 命さんが現れました。
ヴィクトリア > 【今日は気が乗らない
故に、いつもの様にスラムの「そういう店」に行こうとしていた
まあ、いわゆる本番前に気分を上げよう、もしくは気が合えばアフターってやつだ

少なくとも本番だろうとそうでなかろうと抱かれてれば気は晴れる

アンヘルやあのクソ犬にあってから考えることが増えたともいう】

ったくさァ!
何なんだよアイツら……ま、いーけどな

犬飼 命 > その店の目の前の出来事であった。
正確には過去形だ。
この場所で喧嘩騒ぎがあったようだ。
ガラの悪い男たちがけが人を抱えてヴィクトリアの横を通り過ぎていった。

「喧嘩売るには相手が悪かったな……」

その場所には犬飼が居た。
少々荒れていたようでちょっとした事で殴り合いになったようだ。
荒れている原因がちょうどやってきていたのだが。

「……ょう、また会ったな」

ヴィクトリア > ……帰るぜ。

【いなかったことにして、くるりと背を向けた】

犬飼 命 > 「おいちょっと待てよ!?」

思わずヴィクトリアの腕をつかみとった。
どんな言葉をかけようかも定まっていないというのに。
逃げられたくないと必死の思いで掴んでいた。

ヴィクトリア > ……っ!?
離せよてめぇッ!!
【暴れる、だが……所詮ヴィクトリアの力は、相変わらず驚くほどに貧弱だ
……精巧な機械のくせに
犬飼が本気をだすほどもなく、華奢なガキが暴れた程度で抜けるものでもない】

なんだよてめェこのクソ犬畜生が!
ボクはお前の顔も見たくねーって言ったばっかだろーがよ!!

【ひとしきり暴れても離れないので、とりあえず無駄な抵抗をやめるが、どう考えてもものすごく不機嫌きわまりない
というよりむしろ邪魔なけだものをみるような目線しか向けていない】

犬飼 命 > 「離さねぇよ……。
 てめぇがどんなに罵声を浴びせようがな」

どんなに暴れようとヴィクトリアが逃げれるはずがない。
それはよく知っている、そうなるように作られているのを知っている。
そういう機械なのだと。
まだどうしていいのかもわからない、何が正しいのかも分からないが、
ゆっくりと腕を引き寄せていく。

「クソ犬畜生でもなんとでも言いやがれ!
 俺はてめぇにまた会いに行くって言っただろうが!

 俺にはてめぇが必要なんだよ……ずっと離れねぇって約束したんだよ。
 てめぇが記憶にねぇのはわかってる。
 だからこれは俺のひとりよがりだ……そんな顔されてもな……我慢できねぇんだよ」

記憶を改ざんされて嫌われててもいい、噛み付かれてもいい。
それでも我慢ができないのだ。
離れていることなど。
嫌がるヴィクトリイアの体に腕を回す。

ヴィクトリア > …………はァ?
何言ってん…………ッだコラァ!?
離しやがれよ気持ち悪ぃ!!!

【何を言ってるんだかわかんない
わかんないまま引き寄せられる……コイツ、ちょっとおかしい
何だコイツ!? 普通じゃない??】

ふっざけんなよ!!
お前いつから誇大妄想狂にでもなったのかよ、それともラリってんのか?
だから離しやがれってんだろ!!!

【回される腕、寄せられる体……コイツ、変な妄想に取り憑かれてるとしか思えない!!

……だっていうのにコイツに騙されてた時間を思い出す】

いやだいやだいやだ!
何しよーってんだよ!?
さんざんボクを騙していい気にさせた上で利用してボロクズのよーに捨てたんじゃねーか!!
なんだよ、いまさらヨリを戻そうってのかよ?ふざけんのもいーかげんにしやがれ!!
何がずっと離れねーだよ好きだの何だのさんざんボクを弄びやがって!!
ボクの……ボクの心をズタズタに引き裂きやがって!!!!

……まだ、足りねえってのかよ、ええ?
【もう半泣きだが、もちろん抗ッタところで大した抵抗もできない。そういう機械だ。
どうやら犬飼は弄んだ上に騙して捨てたことになってるらしい
おそらくハッキングの一件のあと、そういうことになってるんだろう】

犬飼 命 > 「離さねぇって言ってんだろが。
 妄想狂になった覚えもねぇし、ラリってもねぇ。
 あぁ……そうだな、強いて言うなら禁断症状だ。
 こうでもしねぇと気が狂いそうでな」

両腕を回してヴィクトリアの体を抱きしめる。
少しだけ違う、以前抱いた時とは少し違う。
なるほど弄られたのは記憶だけではないのだと。

「何もする気はねぇよ。
 騙した記憶もねぇし捨てた記憶もねぇ……。
 ヨリを戻すも何も縁を切った記憶もねぇ……。
 そうだよ、今でも離れたくもねぇしてめぇを好きだって気持ちは変わんねぇよ。
 ……でもな、てめぇが、てめぇの心がズタズタに引き裂かれたのは覚えてる!
 あの時、あの夜、てめぇは、泣いてたもんな……。

 足りねぇよ、互いに傷ついた心を埋め合わせるにはよ。
 失ったもんを取り戻すには全然足りねぇよ……!
 俺は取り戻したいんだよ、本当のヴィクをよ……!!」

書き換えられた記憶など知ったことではない。
重要なのはあの時の真実。
今はまだ犬飼の中にしか無い本当の記憶。
最後の最後まで、お互いに想い合ったあの日の夜を。

「思いだせ……あの時の記憶を、言葉を……!
 てめぇが知らなくても俺は覚えている!
 てめぇの言葉を記録している!!」

ヴィクトリア > ッ……だからお前、何言ってんだよ……このクソ犬!!
さんざんテメェのためにボクを利用しといて……

お前のせいでボクは、自分の体だってどうでもいいって思うよーになったんだよ!
誰かに抱かれてればそれでいいんだよ!
その辺の2級の誰かならボクの自由になるんだからな!

もうお前じゃなくたっていーんだよボクは!!!
いまさら………………いまさらそんなこと言うな!!!

お前が……お前さえいなかったら、ボクは今こんなになってねーんだよ!
何が思い出せだ!? そんなものしらねーよボクは!!
本当とかふざけてんじゃねーよ!

………………ボクは今のボクが本当だよ!
何だ偽物みたいな言い方しやがって……また踏みにじる気なのかよ!!!

いい加減に離せよ!!!

【ヴィクトリアの方は犬飼が何をいいたいのか、まったくわからない
なにせ、犬飼との記憶は甘酸っぱい思い出をさんざん利用され、あまりのショックにIDを剥奪して捨てた覚えしかない
その上本物だの思いだせだの言われれば、裏切られた思いでしか浮かんでこない

……もっとも、そういうのが浮かびやすく設定されているのだが

だから、泣きながら必死に抵抗することしか出来ない】

犬飼 命 > 「今さら何を言ってやがる……俺の言葉を忘れたのか?
 てめぇを利用するって言っただろうが!
 それはてめぇを承知したはずだろうが!

 結局てめぇは寂しいんじゃねぇかよ!
 他人に抱かれてればだとふざけんな!!
 てめぇは俺のもんだと言ったじゃねぇか!!

 勝手に俺意外に抱かれるんじゃねぇよ……くそったれが!!!

 確かによ、てめぇがそうなったのは俺が原因だ……。
 てめぇに危険な橋を渡らせて……その結果がこのザマだ……。
 笑えねぇ……でもあの時約束したんだよ。
 てめぇがどうなろうともういとど取り戻すってな!!!

 離さねぇ……思いだせよ、てめぇの言葉自身でよ!!」

犬飼にその腕を離す気はなかった。
貧弱な抵抗は片腕だけで抑えられるほどだ。
もう片方の腕でヴィクトリアの目の前に携帯端末を取り出して。
あの日、あの時、録画した。
ヴィクトリアが記録しろといった、最後の動画。
画像と音声を見せつけた。