2015/07/22 のログ
ご案内:「スラム」にハイドレンジアさんが現れました。
ハイドレンジア > 【戦闘モード移行…】

(青い瞳の奥でレンズがピントを絞る。
 小柄が焼け落ちたビルの屋上に佇んでいた。元の世界における制服をナノマシンで再現して着込んだ赤い髪の女の子――あるいは男の子。片足が酷く損傷していることを除けば人間そのものの容姿だった。
 現在所属する組織からの通信指令を受け、戦闘行動に移行しようとしていた。
 ビルの屋上に立ち、おもむろに両腕を水平に広げる。
 飛んだ。
 空中で数度回転しつつ落下していく。
 隠された脚部の推進機構が顔を覗かせると空中で着地方向を調整。落下速度を減衰させる。
 ―――ドオンッ。
 重い音を立てて小柄が自動車の天井をブチ抜いて着地した。
 爛々と輝く青い瞳が天井から姿を現し周囲をスキャンする。標的となりうる違法組織の連中を視認した

【目標確認 排除開始】

(左腕が変形。爪のように展開した。)

ハイドレンジア > (自動車から降りると、自動小銃の一斉射撃を浴びる。
 だが弾丸が到達することはない。グラビティガンの力場に捕まって空中に縫い付けられる。
 右腕を展開。プラズマガン。
 先頭の一人に発砲。オレンジ色のプラズマが放たれ一人の男を防弾チョッキごと吹き飛ばす。
 速射。なぎ払うかのように通路に展開する全員を一掃する。
 通路を確保。両腕を変形させたまま行進を始める。)

「実弾でよかった」

(胸を撫で下ろす。撫で下ろす手は無いが。
 実弾兵器ならば受け止められる。やれ魔術だやれエネルギー弾となるとグラビティガンは受け止められない。
 ハイドレンジア――AI名、アマナは組織からの指令を受けて歩き始める。
 パラダイムシフト。
 今は姉、あるいは安全管理プロジェクトの名のもとに。)

ハイドレンジア > 『全ての武装を使用せよ』

(指令はそうあった。用は性能を試験したいのであろう。
 ハイドレンジアはプラズマガンを格納すると、組織が隠れているという一軒の廃屋前で足を止めた。突入するのもありだろうが――ここは別の手を使うことにした。
 正確にはアシだ。太腿に格納された武装が横にスライドしてくる。
 次の瞬間、鮮烈な青い閃光が無数に放たれ廃屋を解体していく。触れた箇所は文字通り消えうせていく。高エネルギーを瞬時かつ無数に放出することで対象を抹殺する近距離用兵器。
 ものの数秒で廃屋を焼き尽くす。
 赤い髪から蒸気が噴出。口からもしゅーっと音を立てて廃熱が始まった。まるで妖精のような半透明の翼が背中から持ち上がると、大気を揺らめかせる。)

【警告 エネルギー残量注意】

「必殺技だから多用できないんだよ……」

(呟く先はどこか。全身から放熱しつつうずくまる)

ご案内:「スラム」にミウさんが現れました。
ミウ > その少女、ミウはいつの間にそこにいた。
それは白いワンピースを着て、白い翼を生やした少女。
空間転移を用いて、やってきたのだ。
ミウは、地面から少しだけ足を放し、浮いていた。

「見事なものね」
上品な笑顔で、兵器らしき少女?を褒め称える。

ハイドレンジア > 「………」

(ハイドレンジアは、突如出現した少女姿に怪訝そうな顔をする。
 探知できなかった。瞬間移動の類か。製造された目的が異能者や魔術師との戦いだっただけに、こういう存在に対し堅くなるのは止むを得ない。
 少女であり、少年でもある。
 ヒトのようであり、兵器である。
 口から蒸気を吐き終えると、いまだに熱を持ち緩やかに揺れ動く髪の毛を指で梳く。妖精の羽根を思わせる放熱板が羽ばたいて熱を逃がす。)

「僕になにか用? ……いまの、見ちゃってたよね」

(耳の内側に格納されたアンテナがあらわれた)

ミウ > 「別段、用があるわけではないわね。
 単に、わたしは気紛れで通りがかっただけよ」
訝しげな表情をされるが、事ここがスラムだけに仕方がないと言えよう。

「そうね、見てしまったわ」
と、隠す事なく、正直に答える。
「それで、今壊滅させた組織はどんなものだったのかしら?」
それは単なる、興味だった。

ハイドレンジア > 「さあ。薬物を製造してた? たんなる愛好会だったかもね。
 僕には関係ないよ。疑問に思うだけ時間が無駄になる」

(言うなり脚部の機構が格納された。
 疑問は抱かない。命の大切さを語る倫理観を持ち合わせていても、心を痛めることは無い。兵器として、諜報員として製造されたから。)

「見たのであれば消えてもらわないと」

(笑みを浮かべよう。組織からの指令か、あるいは機能不全によるものか。
 瞬間移動で逃げられることは分かっていた。探知すらできないのだから。
 両腕の武器はそのままに歩み始める。
 放熱板がもう一組展開された。都合四枚。天使のような姿であった。本物の天使と違い機械作りの天使であったが)

ミウ > 「ただ忠実に、任務だけをこなすのね。
 つまりあなたもどこかの組織に所属しているという事だけど、そこは追及しないであげるわ」
追及したところで、答えられるものでもないだろう。

ミウは傲慢であるが故か、現状無防備であった。
「組織を一つ滅ぼした後で、まだ戦おうとするのね。
 先程の技も、ある程度リスクがあるものだとうかがえるわ。
 一度、体を休めた方がいいのではないかしら?」
微笑みながら、そう言ってのける。

両腕の武器を所持し、こちらに向かってくる。
そして翼を生やしたこの子は、まるで機械の天使だった。

こちらは敵意がない……。
でも、意味のない事だろう。
任務を忠実にこなすだけなのなら、相手の敵意など、どうでもいい事。

ハイドレンジア > 「機械だからね」

(機械故、無駄なことは考えられないようになっていると言わんばかりの物言い。
 アンテナ展開。
 オペレーションシステムの導きの下で、視界の中で対象の解析結果が次々上がり始めている。
 確かにエネルギーは消費しているがもう一戦交えるには足りる。
 相手の敵意のあるなしは関係ないのだ)

【交戦】

「消えて?」

(右腕のプラズマライフルの三連射。威力より弾速を重視した速射型。
 相手の能力がわからないので地を蹴り距離を取りながら射撃戦に持ち込みつつ、相手の解析を進めていくつもりらしい。
 ライフルの威力は相手にとってどの程度のものか?
 オレンジ色の弾が相手の頭部目掛けて的確に飛翔する)

ミウ > 「そう……。
 機械故に、自由でいる事を諦めるのね」

自分を機械と称する少女?は、アンテナを展開する。
全快ではない状態のはずなのに、よくもまあこの創造神に立ち向かおうとするものだ。
その勇姿は、機械故だろうか。

ミウは神故に傲慢。
傲慢故に、そこから油断が生じてしまう事も多い。
今、無防備な事だってそうだ。
相手は、プラズマライフルを三連射する。
それも、速度を重視したもの……だと思う。
慢心さえなければ、もしかしたら空間転移で回避できていたかもしれない。

だが、無防備だったミウはオレンジ色の弾丸をもろに頭部へとくらってしまう。
優雅に微笑みながら、ミウは弾丸を受けた衝撃で吹き飛ばされる。

もしこれが普通の人間なら、即死だっただろう。

無防備? 馬鹿を言ってはいけない。
神の体であるミウは、いわば全身に硬過ぎる鎧を纏っているようなものだった。
「……っ」
決して、ノーダメージではない。
むしろ、てごたえはあっただろう。
だが、神であるミウはそれではくたばらなかった。
すぐに立ち上がり、そして翼を広げて空中へと飛翔する。
5メートル程飛ぶと、そこで止まった。

「ナイスヒットね」
優雅な笑みを浮かべながら、そう言ってのける。
その額からは、血は出ていないが、確かに大きなダメージがある模様。
先程よりは、息が荒くなっていた。

ハイドレンジア > 【命中 
 有効打撃ならず 追撃の必要あり】

(命中した。片膝をつき右腕を構えた姿勢で相手の様子を伺う。
 普通の人間であれば頭部もろとも吹き飛ばされ即死しているはずの一撃だったが、なんらかの防備に身を守られているらしく、吹き飛ばすの精一杯だった。
 舌打ちをすると、再度照準を合わせる。
 5m上空。上をとられては分が悪い。
 プラズマの一撃をも顔面を殴った程度の打撃にしかなっていないらしいことがわかる。
 慢心しているのか。たとえ相手が慢心していても、ハイドレンジアは慢心しない。死体を切り刻むまでは抹殺したことを認定しない。
 相手が空を飛ぶならばこちらも飛ぶべきだったが、推進装置は不調を起こしている。
 相手の次の攻撃に備えてグラビティガンを背後の車へと向ける。
 車が突如としてエンジンもかかっていないのに自走を始めた。それはグラビティガンへと吸い寄せられ爪にがっちりと固定される。簡易型の盾。攻撃用の矛として。
 視界の中で解析結果がスクロール。)

【Data base TYPE-आलयविज्ञान 検索開始……
 類似 『天使』 『後光』 情報不備
 解析フィルター変更            】

「自由意志の問題を言うなら誰だって不自由だと思うよ。
 僕は組織。神様なら役割に縛られて、真の自由なんてない」

(神族に類する存在か。かなり近い位置までは解析しているが、正体にまでは行きつけていない。
 データベースに無い存在は類似する存在を検索するしかないのだ。
 機械仕掛けの天使は創造神へと立ち向かう。
 ぺろりと唇を舐めた。)

ミウ > 相手は何らかの方法で車を吸い寄せ、盾にしていた。
車程度の盾で神の攻撃を凌げると思っているのだろうか?
というのはさておき、ミウからは今の所、攻撃の意志を見せようとはしない。
頭部を撃たれた程度ですぐに敵意を向ける程短気でもないが、されぞこの場はただでは逃がしてくれなさそうだ。

そんな相手にさっさと空間転移で去っていくのも失礼というもの。
そう考えるのは、やはり高慢故だろう。

要するに、戦う必要があるだろうか。
だが相手は、全快ではない相手……。
さて、どうしたものか……。

「あなたは自由意志に関して、マイナスにとらえてしまうのね。
 確かに神も、司る現象に縛られていると言えるわ。
 それにしても、わたしが神である事に辿りつくとは、大したものね」

ミウ自身は攻撃の意志を見せようとしない。
それは確かだった。
なら、“別の生命”ならどうだろうか。

ミウは、地上にケルベロスを創造する。
三つ首の番犬が、突如、その姿を現した。
全長、役12メートル程と巨体。
ケルベロスは、機械の少女が盾にしている車へと突進する。
巨体による突進、車など一溜まりもないだろう。

ハイドレンジア > 【Data base TYPE-आलयविज्ञान 検索結果
 類似『Marduk』『Ra』
 世界を紡ぐもの 創造者 無の否定者   】

(検索終了。神に属するどころか神なようだった。
 だが侮る無かれ。神も悪魔も数式に生じた裂け目に過ぎないことを証明した並行世界の産物こそがハイドレンジアである。耳のアンテナが高音を上げていた。
 見ていれば、ごく当たり前のように創造の神秘が作動する。
 それは神というより冥府を守る存在である。検索するまでも無い。ケルベロスという神話上の生命体。車が小さく見えてくるような存在である。車など紙くず同然に引き裂かれるであろう。
 グラビティガンから車を射出。ケルベロス目掛けて放つと、脚部の推進装置をオンにした。制御が不安定なため飛行はできない。大地を滑る――どころか、ビルの壁面へと飛び上がり、逆噴射を実行。重力を無視したような動き。壁を走りつつ肉薄する。)

「神様が相手なんて光栄だよ!
 だけどね、僕が相手なのに、高い場所でふんぞり返っていられる余裕はないと思うよ!」

(皮膚の一部が隆起すると、泡状の物質が空中に散布される。
 それは攻撃への布石。全能者ではないらしい(もしそうならば既に負けているだろうから)相手に対し有効に働く可能性のある物体である。
 ケロベロスを背後に、空中へと飛ぶ。側転の要領で壁から跳躍するや、威力を重視したプラズマガンを相手の胴体へと射出せんと)

ミウ > ケルベロスは、ミウ程頑丈ではなかった。
車は突進するケルベロスにもろに当たる。
『ぐぎゃあああぁっ!!』
そのままケルベロスは吹き飛び、大きな音を立てて地面に倒れた。

「機械仕掛けの天使でありながら、神に反逆するのね。
 さすが、相当自分の腕に自信があるという事だわ」
上品に笑いながら言う。
それは小馬鹿にした様子ではなく、むしろ感心しているのだ。

泡状の物質が空中に散布される。
全知全能の神ではないミウには、これから何が起こるかは分からない。
危険を察知しつつも、慢心が上回っていた。
これもまた、神故の弱点と言えるだろう。

そして機械は、空中に飛び、先程のプラズマガンをこちらに向ける。
「何を狙ってくるのかしらね。
 それと、回避行動も一緒にとった方がいいわよ」
これもまた、傲慢だからこその忠告。

その忠告の意味はすぐに知るだろう。
ケルベロスはすぐに立ち上がる。
さすがに、冥府の番犬がそう簡単にくたばるわけがない。
『ぐぎゃおおおおおお!!』
巨大な咆哮をあげると、周囲に響き渡る。
そして、三つの首はそれぞれブレスを吐いた。
右側の首は雷を纏ったブレス。
左側は氷結のブレス。
そして中央は火炎のブレス。
それぞれ、機械の少女?に目掛けて放たれる。

ハイドレンジア > 「……ちっ」

(ケルベロスをいなしたつもりだったが、一筋縄でいくようなモンスターではなかった。咄嗟にプラズマガンの照準を修正する。向かってくる番犬のうち火炎のブレスに向けてなぎ払うように拡散弾を射出する。
 ブレスが真正面からブラズマ弾にかき消され四散する――が、氷結と雷のブレスは止められない。放熱板にブレスが掠る。)

「ぐぅぅ  ああッ!?」

(凍結、そして過剰な電流が体を痛めつける。
 放熱板が完全に凍結した。過剰な電流によって各所から白煙が噴出し、かちかちと目の奥で白い光が明滅した。
 ケルベロスを何とかしなくては駄目らしい。
 推進装置でケルベロスから距離を取ると、見る見るうちに肉体に変化が起こり始める。
 散布型ナノマシンによる対魔術対異能効力が発揮され始めたのだ。)

【抗体ロード完了
 『Śiva』 、トランスフォーム開始】

(肢体をデジタルの骨組みが包み込み、緩やかに傾斜した胸板へと到達する。肩を覆い尽くし、僅かな燐光と共に頭部へと至る。腕へ装甲を、胸板に防御板を。凍りついた放熱板が内側に格納されるや、放熱用のパイプへと置き換わる。
 次の瞬間には漆黒の鎧が姿を現すであろう。
 創造神に対抗するべく、破壊神の名を関した防御機能を構築したのだ。創造による力に耐性を持つ。
 ハイドレンジアの右目に不気味な赤い光が宿った。
 背後に居るとおぼしき相手に向き直る。バイザーが顔を隠した。表情はすなわち憤怒。)

「消し―――飛んで!」

(刹那、大気をプラズマ化させる出力のレーザー光線がケルベロス目掛け放たれた)

ミウ > 彼女?の咄嗟の対応は見事なものだった。
さっきまでこちらに向けていたプラズマガンで、炎を相殺してみせたのだ。
だがさすがに、三属性、トリプルで放たれた息を防ぎきれなかった。
機械の少女?の所々から、煙が噴出する。
その時、相手の肉体に変化が起こった。
漆黒の鎧を纏ったのだ。

先程の攻撃でケルベロスはかなり大きなダメージを受けている。
とは言え、くらばるにはまだまだ早い。

先程のブレスは、まだ吐ける。
放たれるレーザー光線に向けて、三属性のブレスを再び吐きだした。
『ぐぎゃおおおおおぉぉぉ!!』
レーザーと三属性のブレスが正面からぶつかる。

「お見事ね。
 全快ではない体で、ケルベロスを倒してしまうとはね……」
優雅な笑みを浮かべるミウ。
既に結果を見据えているようだった。

そして、ミウが察した通りになった。
三属性のブレスは敗れ、レーザー光線がケルベロスに直撃する。
『ぐぎゃああああああああっ!!』
さすがにケルベロスは一溜まりもなく、跡形もなく消しとんだ。

ハイドレンジア > (ハイドレンジアの損傷は目に見えない箇所を痛めつけていた。放熱機構に損傷を受けた今、全力で攻撃はできない。
 漆黒の鎧も永延展開し続けることはできない。
 レーザー発射の反動でよろめき、右目を押さえる。出力を上げすぎたのか目元が焦げていた。
 優雅、華麗に笑みを見せる神を相手に悔しそうに唇を噛む。次弾を発射するにしてもプラズマ弾では有効にならない。グラビティガンも怪しい。レーザーは放熱が間に合わず、腿の格納兵器を撃てばエネルギー切れを起こすことは明らかだ。
 ケルベロスが蒸発した地点をじっと見つめ、次にミウの姿をにらみつけた。バイザーの奥で青い瞳が瞬いている。)

「次会った時はただじゃ済ませない。
 覚えておいて。僕の名前はアマナ。神様だって倒してみせる」

(組織のために。姉のために。目的のために。
 メモリーの一部を改ざんされていることなど気が付きはしない。いつか気が付くだろうが、今は分からないまま。
 漆黒の鎧から煙が噴出する。目くらましのつもりらしい。
 相手の能力は厄介だ。時間をかけて解析するうちに、どんどんとモンスターを召還――創造されてジリ貧になるだろう。相性が悪いとも言える。
 漆黒の鎧が砕け散った。生身の肢体が大気に触れる。
 ハイドレンジアは、脚部から青い火を引いてまっしぐらに街の闇へと逃げ出していく。逃げるが勝ちだ)

ミウ > どうやら、相手の損傷は結構なものだったらしい。
さすがに相手を気遣う気にもなろうが、それを表に出すのは野暮というもの。
元々、相手も全快の状態ではなかったので、仕方がないとは言えるだろう。

自己紹介をしてきたので、こちらも微笑みながらそれに応じる。
「アマナちゃんね。わたしは、ミウよ。よろしくね。
 わたしを倒す決意は褒めてあげるけど、せめて回復しきった状態にする事ね」

漆黒の鎧から煙が出てくる。
千里眼を持つミウに、煙で視界を閉ざされる事にさして意味はない。

それにしても、神と知りながらここまで敵意を向けてくるなんて、大したものだ。
実力も、言うだけの事はある。
こちらの事も、随分と解析されてしまったようだ。

アマナちゃんは、この場から立ち去っていく。
去っていく以上、こちらから謹んで追撃する事もない。
「アマナちゃんね。
 なんだか、面白い事になりそうだわ」
そう言って、アマナちゃんが去っていくのを見送るのであった。

ご案内:「スラム」からハイドレンジアさんが去りました。
ご案内:「スラム」からミウさんが去りました。
ご案内:「スラム」にシェムハザさんが現れました。
シェムハザ > ……ふふ、さーて。

【スラムのビルの上、下の通りを覗き込む。
シェムハザは高いところが好きだ

猫を設定されているからというのはあるのかもしれないが
なにより、場所が高いだけで見渡せるのが好きだ

同じ高さにいない、ということはそれだけで楽しいのだ
観覧車、展望台、高層ビルのバーがいい例だ
馬鹿と煙は……などとというが、高いということはそれだけで社会的に価値がある

まあそういったことはさておいても、彼女は高いところを好む
こうして眼下を眺めるだけでも、楽しめるからだ

自らが課された使命とは別にして】

ご案内:「スラム」に雨宮 雫さんが現れました。
シェムハザ > ~~♪

【部下であるワーカーが、行動を開始する
それを見てるだけだ……正確には、まったく見ていないが知覚しているだけだ

ドコかこのへんにいワーカーが
どこかの違法組織を追い込んで
何処かで任務を遂行している

それをなぜか生身の猫族であるところのシェムハザが知覚している
異能のせいだと思っているのだ

きっと、コレを繰り返していればいろんなものに巡りあうだろう
むしろ、それからが本番だ、異能は奥が深い……こんなことでどうにかなるなら、こんなことはしない
強力で力を振りかざしながら、自分が危険物の自覚がない……そんな連中が大勢いる
ちょっとした不注意で、簡単に頭を捻り潰してしまいそうな

だというのに人間は人間しか信用しないし、ヒューマンエラーのほうが正しいというのだ
シェムハザは機械のほうがミスを起こさないことを知っている
だから異能が危険でないようにしたかった
……設定された情報だが、シェムハザにはそれが真実の全てである、だからそれを試している
それさえも他人に決められた行為だが

落第街はそういったことを試す意味で、良くも悪くも試験的な場所だ
荒事も、違法も、格差も、富も揃っている
何かするなら最適であり最高でもある
悲劇も成功も含めて

そんなことを考えつつ、表向きは何事もない様子を、ハミングしながら眺めていた】

雨宮 雫 > 通りに面した雑居ビルの一つから背の高い、白い服を着た男と出てきた。
ビルの出入り口を見送りにきた住人だろうか?に二言三言、言葉を交わしてその場を離れていく。

勿論、出てきた男も一緒に、だ。
通りを歩きながらビルを後にしていくわけだが……

シェムハザ > 【眼下、面白そうな気配を見つける
色、格好、雰囲気すべて目立つ風貌だ
……こんな場所でそういった格好ができるのは、だいたい強力な相手と決まっている

興味を惹かれ……柵に肘を乗せながら視線を送る

それ以上でもそれ以下でもないが、まあそれで特になにもないのであれば、縁がないのだろう
縁がないことまでシェムハザは相手にしようとはしない

偶然は要素の一つである
シェムハザはそれが偶然で済ますべきでないことを知っている……そう、性格を設定されている】

雨宮 雫 > ふと、上を見上げた白い服の男が立ち止まって少年に何かを告げる。

釣られるように上を見上げた少年が迷うように視線を巡らせてていたが、元々、緑色だった目をぼんやりと光らせると今度はハッキリとシェムハザの方に視線を合わせてハッキリと視た。

"ぉ、視えた視えた、かな? 向こうからも見える、かな?"

口をそう動かすと、軽く手を挙げて振ってみた。

シェムハザ > ……ふふ
【こちらも笑顔で軽く手を振ってみせる
どうやら向こうからもこっちが確認できるらしい

シェムハザは自身でズームして確認していることに気が付かなかったが
AIは自身と同じように向こうも見ているのだと判断した

偶然なのか必然なのかは分からないが、とりあえずお互い興味をもったようだ
もしかすると異能によっては最初からこうなるようになっている類かも知れないが
それは確認できない事象なので放っておけばいい
確認できないことを防ぐことに労力を費やす意味は無い】

雨宮 雫 > 白い男にまたごとか言われたらしい、ちらっとそちらに視線を向けて面倒そうな顔をした後、また上を向いて視線を合わせて、自分とそちらを今後に指差して

"お邪魔してもいい、かな?かな?"

と口を動かしてみた。
傍に居る白い服の男も、シェムハザが見えているのか赤い目でにやにやと笑っている。

シェムハザ > くす……どうぞ?
【口がなくともジェスチャーだけでわかる
どうぞどうぞ、と恭しく招待の仕草

……とは言えこの屋上、特に何があるわけでもないのだが
それでも、気持ちのいい風が流れてくるだけでも、位置が高いことには価値があった】

雨宮 雫 > 相手も了承してくれたらしい。
ふっと息を吐くと、白い服の男に軽く蹴りを入れてから数歩、下がってビルの壁際へ。

胸の前で両手を合わせて、指を複雑に組み替え。
片足の踵で数回、地面を叩く―――

―――瞬間、雫の体が地面に吸い込まれるようにして下へ掻き消え、シェムハザの居る屋上の床へと飛び出す。

やや、距離が離れているが、まあ、屋上へ転移したことには変わりない。

「うぇ、気持ちわるっ   い上にズレてるかな、かな。
 あとー  やあ、お邪魔するのだね、だね。」

軽く口を押さえて眉を顰めながら、シェムハザの方へ向いて愛想笑いを浮かべた。

シェムハザ > いらっしゃい、ナニモナイけれど?
……くすくす、それ、普通に登ってきても良かったんじゃない?

【もしかしたらこの移動は気分の問題かもしれないが
エスカレーターのように時間がかかっても楽なわけでもなければ
エレベーターのように楽なわけでもなさそうだ
単に格好をつけただけなのかもしれない】

まあ、寂れた夜景しか無いけれど、ようこそ
……私の庭でもなんでもないところへ

【改めて、恭しく寂れて経年劣化の見える屋上を紹介した】

雨宮 雫 > 「いやぁ、ボクも普段はそうするのだけどね?
 一緒にいた白いのがね、まぁ、アレはボクの上役というか、立場が上なんでね?
 術の鍛錬のためにもやってみろ、って言われると 否 が中々言い辛いのだね。これが。

 社会の厳しさかな、かな。」

ふーっと大きく息を吐くと、気分が落ち着いたのかシェムハザへと歩み寄っていく。

ちなみに、通りに一緒にいた白い服の男はもう居なくなっていた。

「寂れた夜景の割には、楽しそうに見て無かったかな、かな。
 庭にするならボクはもっと植物を植えたいかなあ、けひひ。」

シェムハザ > ……だあって、自分の建物でも何でもない廃ビルだし?
そんなところからこんな街を眺めるのも、ねえ?
でもそんな冴えない街で遊ぶのもまた一興だし?

【肩をすくめてみせる
仕草がいちいち可愛らしい】

で……何の御用?
雑談から入ってもいいのだけれど……理由もなしに来るタイプじゃないんじゃない?
そんな術を使うのであれば尚更

……その格好にその雰囲気からして、なんか特別だったりするんじゃない?

【覗きこむような雰囲気で、その瞳を向ける
少なくとも、そんな見た目でなんにもない、なんていう人はこのへんじゃ難しいんじゃないかなぁ
などと嘯きつつ、様子を探る
正確には探る、というよりコレも雑談なのだが
別に相手の正体が絶対に知りたいわけでもない、話のきっかけだ】

雨宮 雫 > 「この界隈だと遊ぶのなら、上から見えないトコロのがいいんじゃないかな、かな。
 キラキラしてるのは繁華街の方で、このアタリが賑わってたら公安とか風紀がすっ飛んでくるよ、ソレはソレで見ごたえのある捕り物になりそうで、ああ、それなら上から見てたいかな?

 きっと大騒ぎになるだろうし、まさしく 高みの見物 ができそう。」

印象としては 美少女だなあ 位か。
こんな時間にこんなトコロに居るのがただの美少女なわけがないが。

足を進めてシェムハザの横で下を覗きこんでみる。

あのヤロウ、もう居ない  と小さく愚痴を零しつつ……

用件、と言われると少し困ったように首を傾げて

「ボク、あの制服が似合わないから着たくないのだよね。
 この格好のが着慣れてるから……学校でもコレだしね?

 目立つっちゃ目立つけど、異世界人よりはー……でもないのかな。

 あぁ、用事だっけ。
 ボクの知らない顔だったからね、顔見知りになるのがまず一つ。
 後は、何か遊んでるなら見学したいし?

 特別っていう程、突拍子もない力は持ってないけどー、あ、自己紹介とかする?」