2015/07/29 のログ
ご案内:「スラム」にシェムハザさんが現れました。
■シェムハザ > ……ん、いい感じ
【ハイドレンジアの解析が終わり、明らかに色々パワーアップした
ワーカーは明らかに可愛くなったし、以前よりさらに有能になった
まあ、様々なことが効率化されたと言っていい
ワーカーを使い、いつものように違法組織を締めあげているのだが、明らかに効率が上がっている
正確に言うなら、より相手の意図を見抜けるようになったというべきか
もっとも、自身の性能も上がっているのだが、そのことに関して気付くことはない】
■シェムハザ > 【腕を折り、拘束し、言うことを聞くまで痛めつける
単純だがチンピラ相手ほど効果的だ
いつものように動く気すら無くすところまで締め上げ、それを自身は別の場所からモニタする
ビルの屋上から何処か面白いものを眺めるように通りを見下ろす
屋上はなんだかんだでシェムハザはよく好む
もう少し身を隠してもいいのだが、風が通るほうが好きなのだ
もっとも、ワーカーが戻ってきたらドコかの部屋で点検という名目で色々行うのだが
人形たちが帰ってくるまでは屋上が多い】
■シェムハザ > ……ま、上々かしら
こんなところね
【ワーカーたちを下げさせると、自身も屋上から廃ビルの部屋へと移動し
ワーカーのチェック……と言いつつ身体検査を行う
終わったすぐあとの様子を見たい、という意図もあるが、何よりワーカーは可愛いのだ
遊ばない手はない】
■シェムハザ > ……ん
やぁ……っぱり、可愛い
【ワーカーのチェックと称して、いつもこうやってあそぶのだが
特に問題はない
唇で皮膚をチェックし、指と舌でその様子を確かめるのだ
問題がないのなら余計楽しんでしまう
何にしても、こちらの結果もいい
となればシェムハザ自身も純粋に楽しんでいた】
ご案内:「スラム」にリチャード・ピックマンさんが現れました。
■リチャード・ピックマン > ペタ、ペタと底のすり減ったサンダルが階段を登ってくる音が、室内に響く。
階段をのぼる足音はシェムハザ達の居る階で止まり、今度は部屋に近づいてくる。
その音の主は、異様な姿をした女である。2mを超える長身、頭からはありとあらゆる種類のコードやケーブルが頭髪の代わりに生えている。
右腕は銀色に光る義肢、そして目には片方のレンズが赤、もう片方が青のゴーグルをはめ、視線は伺えない。
最近話題の集団リンチの犯人連中が、この廃ビルへ入っていくのを見かけたのだ。
後を追ったのは純粋な好奇心、見つかったら自分も襲われる可能性があるが、自分なら逃げ切れると踏んで、その目的を調べに来た。
■シェムハザ > ん……ふふ
【面白がってくすくすと戯れる
壁に押し付け、抱く
足に手を回し、背筋をなぞる
どの反応も以前と少し違う様子に、思わずいろいろ堪能する
侵入者の気配は感じなくもなかったが、特にそれで行動を改めるということはしない
それはそれで悪くない
壊されるにしろ、制圧するにしろ、それはいいデータになるからだ】
■リチャード・ピックマン > 頭部から生えたケーブルのうちの一本、視覚に繋がった光ファイバーケーブルで物陰から室内の様子を覗く。
見知った猫耳と、それに弄ばれる知らない少女が10人。
さて、どう判断したものか。あれか?暴れたあとはムラムラするって奴か?
何にせよ武器の準備はしておいたほうがいいだろう。右腕の義手を戦闘モードで起動。キィーン、と義手から微かなモーター音。同時にゴーグルで視野を広げて360度の逃走経路を確認。
これでまぁ、いきなり襲われてもなんとか逃げられるだろう。
意を決して、物陰から歩み出る。
「いい趣味だなぁ、シェム。俺も混ぜてくれるか?」冗談めかして、声をかけた。
■シェムハザ > ……あは、誰かと思えば?
ふふ、混ざる?
【見知った顔だ、趣味も近い
もしかすると単なる趣味の問題でこの子たちの素性を見破るかもしれないな
などと思いつつ、見せつけるように首筋を舐める姿は
ケーブルで嬲られていた時のシェムハザと違って、誘うような妖艶さがあるだろうか
そういえばコイツはこの手の人形の趣味というか自身では扱っていないのだろうか
警戒するというわけでもなく対応する】
■リチャード・ピックマン > 「どうすっかな……。マジでぶらついててお前さんを見かけたってんなら、混ざったかもしれねぇけど。」半分嘘、ピックマンは支配されるのを嫌う、今誘いに乗ったら主導権はあっちに行くだろう。そいつは御免だ。
「今はそこの可愛い子ちゃん達が、なんでチンピラをシメてたのかを聞きてぇな。推理小説をよく読んでたもんでな、細かいことが気になって仕方ねぇんだ。」口だけで笑う。自分も落第街の住人だ、こちらに矛先が向かう可能性があるか、確認しておく必要があった。
情報を引き出す目的で廃棄されたアンドロイドを家に持ち込んだりすることはあるが、自分で買ったことはない。
身の回りの世話をする存在がどれほど主人の秘密を握っていることか。ピックマンはそれを知っている。
■シェムハザ > ん、チンピラだから
もう少し具体的に言うと……ヤバいことしてるからよ
どいつもこいつも、他人がどうなったって知らないっていう活動してるから
そう言うふうにしてやってるだけだわ?
特に薬扱う連中は最悪
異能をそういうことに使う連中は死んでいいんじゃないかなって思ってる
【別に悪びれもしないどころか、やって当然だと言わんばかりだ
他人を困らす、というのは、どうも弱い連中を虐げる、搾取するという意味合いのようだ
要は異能を使って立場でそういう行為をするのが許せないように思える】
ま、情報売り買いしてるぐらいでどうこう言わないわよ
そんなケーブルでネット回ってるなら、それなりのことしてるんでしょ
……ウイルス撒いて遊んでるってなら許さないけど、そう言うタイプじゃないでしょ?
そう言うタイプはケーブル見せびらかしてかどわかそうとはしないと思うし?
■リチャード・ピックマン > 「ほう、ほう、ほう。なるほどな、許せぬ悪をなんとやら、ってやつだな。正義の自警団か?俺は善良な一般市民だから、襲わないでくれよ。」わざとらしく両手をあげて降参のポーズ。
今のところ自分がその対象にはなっていないようだ。義手の戦闘モードを停止、いつまでも起動してるとバッテリーを食う。
「まぁ、それなりにはな。だが俺の仕事は綺麗(クリーン)なことこの上ないぜ?宝箱開けて、中身をコピーするだけ。何も残さず、何も壊さず。ウィルスなんか冗談じゃない、そんなもんに頼るほど落ちぶれちゃいないさ。」それがまるで誇らしいことのように、薄ら笑いを浮かべて胸を張る。
コピーした情報は欲しがる奴が居たら気軽に渡すので、やられた方はたまったものではないだろうが。
■シェムハザ > まあ、あんたはどーせクレーンゲームが好きなタイプなんでしょ?
特に理由はなくてもクレーンゲームだけやっちゃうってタイプ
釣り上げて落とした景品は特にいらないってやつ
でも、あんまりよろしくないことやってるなら、容赦しないけど?
【くすくすと苦笑しつつ
判断した通り自警団的なもので間違っていないようだ
よろしくない組織がどんな目にあおうと知ったことではないが
善良な市民が困るようなことをするなら許さないということでもある
シェムハザもわざと見せつけるように遊んでいた少女を離すと、改めて向き直り
衣服の乱れを軽く正す】
■リチャード・ピックマン > 「ああ、わかる?賞品が手に入るのが快感なんだよなァ。じっさいぬいぐるみなんて要らねぇから捨てるかその場であげるかなんだけどな。」その分析は正しい、ピットマンが欲しているのは困難を乗り越えた証と、それに付随する名誉だ。
ハッカーをやっているのはハッキングが得意だからに過ぎない。
「おお、怖い怖い。可愛い子ちゃんを愛でるのは好きだが、タコ殴りってのは勘弁したいね。」肩をすくめて笑う。だがゴーグルの奥の目は笑っていない。
よろしくない、その判断基準は曖昧だ。誰がその線引をする?
ピックマンのやっていることは電脳世界の泥棒だ、セキュリティの担当者はその責任を負わされるだろうし、信用は失われる。
それが原因で職や財産を失う人間も出るだろう、だから広い目で見れば、ピックマンの行動も人々を傷つける行為なのだ。
「(こいつらには警戒が必要だ、正義ってのは正当性がある分悪党より厄介なときがある。)」
「なぁシェム。そっちの子達は人間かい?どうにも、俺にはそう見えねぇんだよなぁ。」どこか表情や動きがぎこちないように見えるか、あるいはサイバネ置換した耳が人間にはない動作音をとらえているかもしれない。
■シェムハザ > まあ、せいぜい気をつけてもらうしか?
何でもかんでも悪いって言うつもりはないけど、せめてそれで脅されないくらいにはしたいものだわ
【すべての異能が悪いわけではない
だがそれを使って他人を虐げていいわけでもない
バトルフリークや趣味的な自己追求であればシェムハザの対象からは外れやすいが
度を超えればその限りではないということだ】
ふふ、私の人形たちよ?
可愛いでしょ?
【見かけ上気付くものでもないが
この場でこの態度のシェムハザに何も逆らう事なく、アイコンタクトもなしに従っているのだ
ぎこちなさというよりその落ち着き方と統率度の問題だ
もともとシェムハザの趣味からして想像に難くない】
■リチャード・ピックマン > やれやれ、とでも言うように肩をすくめて答える。
両手をポケットに突っ込んで、"人形"のうち一人に歩み寄り、その顔をまじまじと見る。背中を曲げて、顔を近づけるその様はまるで脅しているように見える。
「ああ、確かに外見は良いな。でもさっきチンピラボコってるとこ見ちまったからなぁ、金玉が縮み上がりそうだぜ。ねぇけどさ。」
「今はお前さんに従ってる姿から、なんとなく察せたけど、人混みの中に居たら気付けねぇだろうなぁ。おおおっかねぇ。」何歩か下がって、またシェムハザに向き直る。
「そんで、お前さん方正義の自警団は、悪人をしばき倒してどうするんだ?まさか本当に善意で悪党退治してるわけじゃないだろ?」次は、目的を聞き出そうとする。
■シェムハザ > 困らないように
それだけよ
異能なんてなくなればいいって思わなくはないけど、まあそこは内容次第っていうか
普通の生活の邪魔をしてほしくないだけ
【人形の反応は、リチャードから見て人間らしく思える
いかがですか?とでも問いたげだ
反応も自然だが、もし違和感があるとすれば、マスターに対して100%意に沿おうとするところだろう】
要は危険すぎるでしょう?
だって、ついカッとなった程度でビルを倒壊させかねない
寝返りうったついでに家を吹き飛ばしかねないようなの相手に、安心して一緒に生活しろって?
銃やナイフは危ないって言うくせに、爆弾やロケット弾は構わない、なんて言われたら
誰だって怖いと思わない?
まあ、そこはある程度、本人次第と譲ったとしても、よ
それで薬扱うとか、許せるはず無いじゃない?
平穏無事に過ごしたいだけよ
ヒューマンエラーと機械、どっちが信用できるかなんて決まってるじゃない
【くすくすと得意気に微笑むと、軽く抱き寄せてみせる】
■リチャード・ピックマン > 人間らしい反応、つまり自分より背丈の大きい、サイバーパンク女に顔を近づけられたら怯える、ということだ。
「おっと、悪いな。取って食ったりしねぇよ。」一瞬罪悪感を覚えるほどそれらしかった。その出来に、声を殺して笑う。
「なるほど、なるほど、なるほどな。確かに同意出来る。異能が発現するようになってからこっち、誰にも見えない武器抱えた奴が町中にいるようなもんだからなぁ。その中で悪意を持って行動する連中が居たら、そりゃあ確かにとんでもねぇ話だ。」腕を組んで頷く。
落第街は危険な連中の集まりだが、その中でも脳みそが少しは詰まってる奴らの間には無用な暴力を自粛するムードがある。ガキだと思って蹴り飛ばそうとした相手が、触れたものを即死させる強力な異能もちかもしれないのだ。
異能、魔術、異邦人、それらが世界に溢れかえり、人類は後進した。
新たなる秩序のモデルケースとして作られたこの常世島とて、まるで部屋の荷物を無理矢理押入れに突っ込んだかのような、圧縮された混沌に過ぎない。
「お前さんの考えと目的はわかった、理解は出来るが……、賛同は出来ねぇなぁ。」まぁそう言ったところでやめるとも思えない、自分の所信表明のようなものだ。
「結局俺だって違法な存在だ、そうなると、いくら"今の"お前さんが俺には手を出さねぇって言っても、明日はわからねぇ。
"ナチスは最初に共産主義者を攻撃した。しかし、私は沈黙していた。私は共産主義者ではなかったから。"って奴だな、誰の言葉だったか……まぁどうでもいい。お前さんは好きだし、個人的に仲良くしていたいが……残念だな。」ふぅ、とため息。
結局ピックマンの危惧はそこなのだ、やりすぎたら?どうやってそれを決める?普通の生活の邪魔?ハッキングは明らかに邪魔だ。
今はピックマンでも悪とわかるほどの連中を襲っている。だが狩り尽くしたら?
次に向かうのは次に最も黒い連中では?それを繰り返してどこまで行くだろうか。
■シェムハザ > ……まあ安心して?
別に人間と置き換えようとかそんな事は思ってないから
誰かがなんかしでかした時やそうしかねない時に止まる理由になってくれたり
止められればいいなっていうのが本音よ
ただ、その代わり対応する方法が必要だけどね?
そのためならどうなったっていいわ……異能を制限することさえできれば
【シェムハザのしたいことは制限だ
それ以上でもそれ以下でもない
だからそれが出来る方法があるならそうするだろう】
……ん、じゃああなた、私の敵に回る可能性があるって言う訳?
試したいことを試したいだけで、別にそれ異能じゃなくてもいいって思ってたんだけど、違うの?
ハッキリ言うけど、異能が邪魔なだけで、そうじゃないことで何かしでかした奴がどうなろうが知ったことじゃないわよ?
ただ、一般乗用車にトゲくっつけて他人の車傷だらけにしながら普通車ですって言う奴が許せないだけよ
……見立てじゃもう少し分別あると思ってるんだけど?
【異能がなくなろうがどうしようがやるタイプだと、そう見ている
それに、折り合いは多少つけるタイプだと思ってるのだ】
だってあなた、ちょっと趣味性が強い錠前屋でしょう?
それがそこまで警戒するってことは、何かしでかすつもりでもあるわけ?
【疑り深い様子に詰め寄る
どうも自分のことの警戒のようだから余計に
……もし問題があるならこの場でやりあう可能性が否定出来ないからだが
話で解決できるならそれでもいいのだ】
■リチャード・ピックマン > 「あー、ちょっと待てちょっと待て、俺も勘違いしていたかもしれん。」
手を振りながら、後ずさる。
一旦考えを整理しよう、どうも思い違いをしていたらしい。
ゴーグルを外して、しゃがみ込み、凝りをほぐすようにこめかみを揉んだ。
「そうだよ、俺はその通りだ。趣味の錠前屋だ、ついでに思い込みが激しいってのも追加しといてくれ。
別に島中のロボットを暴走させて虐殺しようなんて考えちゃいないよ、オーロラビジョンに俺の顔出すぐらいはするかもしれねぇけどよ。」
頭を抱えて、言い訳のようにまくし立てる。
「ああ、全く。自分でも認めるけど、俺は大して頭が良くねぇんだよ、電脳以外となるとからっきしだ。お前さんの話、半分も理解出来てるか怪しいもんだ。」すねたように頭を抱えて、自虐に走った。間違いを指摘された子供のように。
さっきまでとは全く調子が違う、まるで大人として振る舞おうとして失敗したので、馬脚を表したといった様子だ。
■シェムハザ > 私がしたいのは、異能を制限したいだけよ
特にそれで他人脅してたりとか最悪
少なくともそう言う困ったちゃんが暴れるとか事故るのを阻止したいだけで
根絶やしにしようとかそう言う訳じゃないの
……異能自体そんな好きじゃないけど、否定しようって気もないしね?
さっきの自動車で言うなら、違法改造車を一般車だって認めろって話には納得いかないだけよ
で、異能者はそういうのが多いから、レギュレーションをかけたいだけ
異能がなくたって多少の事故は起こるでしょう? そう言うところまでとやかく言わないわよ
だいたいあなた、誰か殺したり狂わせたりしないでしょう?
せいぜい、セキュリティ更新されたり、マズイことやってるところがマズイことになるだけなんじゃなくて?
【シェムハザはもともと殺しはしない
暴力的手段ではあるものの、基本的に病院送りなのだ
再起不能にする場合もある辺り、それがいいかどうかはともかく
異能者を皆殺しにするだの異能を全部始末するだのといったことではない
あくまでも対処ができて一定の安全が確保できればいい
ただし……リチャードの心配通り、問題のある対応にさえならなければだが】
■リチャード・ピックマン > 「制限か、確かにここじゃ無制限だ。学園の方じゃ風紀だの公安だのが居るから、一応の秩序は保たれてる。ここにもたまに出張ってくるけど、四六時中みはられてるわけでもない。」頭を抱えた腕の隙間から、サイバーアイでシェムハザを見る。
「少し、わかってきた気がするぜ。落第街だけなのか、そのうち島全体まで行くのかは知らねぇが、調子に乗った異能者をボコりに来る存在になりたいわけだ。お前さんらへの恐怖で異能者が自粛するように仕向ける。そういうことか?」
言葉から考えを拾い、自分なりに翻訳する。一度間違えたためかその目はわずかに不安げだ。
「ああ、殺さねぇし、発狂させるどころか、怪我人だって出さないで済むなら出さねぇよ。さっきも言ったが俺の仕事は綺麗なんだ。あーあー、つまり俺には概ね関係のない話ってことだな。俺が道を外れない限り。」ハッカーである時点で既に道を外れているようにも思えるが。そこそこ無害な犯罪者というポジションで居れば心配ないということだろう。それでも、さっき抱えた不安は残るが。
立ち上がって膝についた埃を払う。
「ああ、くそっ。頭痛くなってきた。シェム、わりぃな。新しい義手にしたけど、見せるアレじゃねぇよな今。」顔をしかめる。好奇心を満たすためにうろついていたのに、管理だのレギュレーションだのの話をするはめになるとは。
■シェムハザ > ま……簡単にいえばそういうことね?
公安があの始末だもの、やってらんないでしょ?
だからむしろ手っ取り早く効果が高いところから
ついでに試せるし?
なんか代案があるならそれでもいいけど今のところ特に無いからね
【立ち上がれば、ふふ、とイタズラっぽい目で見上げる
概ねそう言う解釈で間違いないだろう
恐怖でなくてもいいが、対抗措置もしくは制限があればそれでいいのだ】
……見るわ
当然でしょう?
見せるアレなので見せなさいよ今
【そしてこういう女だった】
■リチャード・ピックマン > 合っている、と言われれば、安心したように息を吐いた。
そして、義手を見せろと言われれば
「あぁん?話のテンション違いすぎだろ、ったくよぉ。」と口ではいうが、自分の理解できる領域に話を持ってくる事ができて嬉しそうだ。
「見ろよ、俺ぁここまでわけのわかんねぇ義手初めて見たぜ?」と右手の指を開く。
そして、指先がさらに5つに分かれ、目にも留まらぬ早さで上下し始めた。
「高速タイピング用サイバーアームだとよ。」上等なジョークを見たような笑い。
全く意味がわからない、腕を置換するまでもなく、電脳と自身を直接接続すればもっと早く、ミスもなくデータの出入力が出来る。わざわざ腕一本犠牲にして高速でタイピングする意義は、相手の電脳攻撃でニューロンが焼かれる危険がないぐらいだろうか。
「ちょいとこいつで撫でてやろうか?どう感じるか俺にもわからねぇけどな。」
■シェムハザ > いいじゃない、好きなの知ってるでしょうに
この子たちだって機械じゃなく人間だったらこんなことしそうにないのわかってるでしょう?
【あからさまにダメ発言だった、ワーカーたちからクスクス笑いが漏れる】
あ……いいんじゃないかしらね?
場所は限られると思うけど
【シェムハザにはすぐ義手の意味がわかる
つまり直接接続でない機器でも高速で打ち込めるということだ
人間用の人間的な端末からも普通に打ち込める
アナログとデジタルの折衷的なデバイスだが、まったく使えないわけでもない
今でも多くのタブレットは手打ちだし、速度に左右されないぶんフリックより早く打てるのだ
まあ、普通のタブレットには接続端子はあるのだが】
う……わ……
【シェムハザはこういうギミックには弱い系女子である
そもそもメカニカルな物全般が好きなのだ
撫でてやるなどと言われたらそれだけでJIS配列まで想像してしまう……】
■リチャード・ピックマン > 「ホント好きだよな、10人もガイノイド与えられて好きに使えるなんてお前さんには天職なんだろうな。」肩をすくめて笑う、好きなこととすべきことが一致した人間は幸せだ。
「俺がわかんないってのにお前さんすぐ利用法とか見つけちまうなぁ。あのクソ不味いジュースも普通に飲むし。どうにも負けた気になっちまうんだよ。」珍しい虫を見つけたと思って見せたら、家で飼ってるとか言われた感じだ。また次見せる時は驚かせてやろう。そう心に決める。
「おう、撫でたろうったら急に黙りこんだな。」カシャカシャと虫の足めいて波状に動く5*5、25本の指をゆっくりと近づける。
まずは、腕から触っていこう、触れるか触れないかギリギリで、指を当てようとする。「こそばゆいか?気持ち良いか?言ってもらおうじゃねぇか」よし、前回と同じだ、こっちのペースだ。
■シェムハザ > 決まってるじゃない、あの子達の胸の内から頭のなかまで全部私の指が触れてるのよ?
ドコをどう弄ればどんなふうに反応するか全部知ってるんだから……
【うっとり
このへんは多分、趣味人は大体そうなのだが、特に重篤だ】
キーボードっていうインターフェースが優秀だもの
だって、タイプライター以来、ずっと代わり映えしない代物よ?
そういうアナログデジタル変換としちゃありなんじゃない?
【なにせ今でも現役なのだ、優秀すぎてそれ以外に文字を打つ手段が少ないのもあるが
電脳接続化に抵抗があるものも多いというのもある】
んぅ……JIS配列が空中に見えてきてくらくらするわ……?
【シェムハザにしてみればなんか特別な意味を持って打ち込まれそうな気がするのだ
別に機械として自覚があるわけではないが、わかるだけに擬似的でぞくぞくする】
■リチャード・ピックマン > 「キーボード自体は優秀だ、認めよう。だが配列、QWERTY配列は駄目だ。人類はあれを捨てて一番上のステージに上がる必要がある。昔から使ってるから今も使うっていうの好きじゃないんだよ。どこかで捨てる勇気が必要だと思わねぇか?」抵抗されなければ、袖をめくりあげて肩に近いところで右腕を当てようとする。
「ほう、ほう、ほう。じゃあ打ち込んでやるとするか、これが何か、わかるかぁ?」
25本指による高速タイピングをシェムハザに叩きこむ。
打ち込んでいるのは、1961年にIBM7094がデイジー・ベルを歌った時のプログラム。しかも配列はQWERTYではなくDvorak配列である。相当なマニアでなければわからないだろう。
■シェムハザ > まあ、フリックが基本的にだいぶ解決したとは思うけどね?
だいたいこの子たちのような入力デバイスがあっても問題はないし?
【どんな入力もワンアクションというのはたしかに早いのだ
また別に、そう言う補助は人形がやってもいい、別に機材の形をしている必要もないし動いていけないわけでもない】
ちょ…………これ……
ふ………………ぁ、ぅ…………!?
【分かってしまう……シェムハザは人間ではない故に、そうした今でも音声ガイダンスに
つわれているような遊びが嫌でも理解できてしまう
わかるというより、お陰でへろへろになる
そんな洒落たことをされたら、プログラムであるシェムハザは我慢できない
真っ赤になって恥ずかしそうにメロディを口ずさむ衝動を抑えきれない】
■リチャード・ピックマン > 「フリックなぁ、ありゃ革命だったぜ。でも今に至ってもキーボードが内蔵されてるのが腹立たしいよなぁ。」スマートフォンの爆発的普及の時に捨て去ることが出来たのに、旧式のキーボードを内蔵することでまた人類はQWERTYに魂を縛られたのだ!とピックマンは本気で思っている。結局古いということは安定も意味していて、それをありがたがる人間はいつでもいるのだ。
そんなテクニカル世間話をしながらも、指は止まらない。段々ノってきた。
「おうおう、一緒に歌っちまうか?腕にプログラムをタイプされただけで内容理解して一緒に歌っちまうのか?そうしたらもうマニアなんてレベルじゃねぇよなぁ。ほれ、こっちはわかるか?」
嫌がられなければ、腕を鎖骨付近まで動かしてタイプする。
今度は、現状使われている主要な言語での、Hello worldプログラム。学習を初めた誰もが最初に書くと言われる、世界一有名なプログラム。
■シェムハザ > んんっ……ずるい
こんな……の…………ッ……!?
【真っ赤になってむくれながら開口一番に言うことはそれだ
もっともあんなことされたら我慢できない
シェムハザはAIであって、人間ではないのだ
そうした機械らしい遊びを仕掛けられれば乗ってしまいたくなるし、自身を解析されてるようでもあり
そうした機械的な興味も含めてこんなことをされたら抗えない
AIを愛撫されてるようなものだ】
■リチャード・ピックマン > 「ったくよぉー、あんな難しい話しやがって、何が何だかわかんなくなっちまったじゃねぇか。俺ぁあんとき今のお前さんぐらい無力感に打ちひしがれてたんだぜぇ~?」八つ当たりめいた言葉をかけながら、笑う。
腕は肩から、うなじへ
「ほれ、トドメにこいつだ。人形たちの前ではしたなく循環しちまいな。」
指が踊る。打ち込まれたコードは、Quine。自身を複製するコードである。
打ち込まれたものをその通りにシェムハザが処理すれば、それは止めない限り無限に循環する。つまり快感もシェムハザの中で循環を続けることだろう。
■シェムハザ > …………ッ、こんなので循環やループなんかするわけ無いでしょ!
あんまりバカにしないでよ
【しないけどしたいので理解はする、もっとも、もともと無限ループではないのでループではないのだが
要は……もっとして欲しいのだ
だいたい入力を受け付けない同じ出力なのだから発展性もない遊びだとわかっていて
むしろその事のほうが感じてしまうのだ
ハーハー言いながら着乱れてなすがままにされている】
■リチャード・ピックマン > 「わがままだなぁ、猫耳なんか生やしてっから、猫っぽくなってんのか?」
空いた左手で猫耳を弄くろうとする、こねくり回したり、耳の穴にこちょこちょしたりだ。
「っつてもなぁー、俺プログラマーじゃねぇからあんまネタないんだよな。」
右腕はとりあえずThe quick brown fox jumps over the lazy dog.とか、いろは歌とか適当なパングラムのタイピングを続けている。
「おーそうだ、おい可愛い子ちゃん達こっちおいて」とずっと主人の乱れる様を見ていたワーカー達を呼び集めようとする。
ピックマンは主人ではないが、いうことを聞いてくれるだろうか。
■シェムハザ > こんなにしたのはあなたの方で…………みゃ…………ぁ…………!?
【こんな状態で耳を弄られればたまったものではない
もともとシェムハザは快楽や享楽的なことが好きなよう設定されているし、こんなことされたら
ますますいいようにされたまま体重を預けるほどもたれかかる】
…………??
【主人が嫌がっていない様子を見れば、何だろうかとワーカーたちは寄っていく
もし必要があるなら自身に命令が出ているはずであり、それがない上に行動に問題を認めてない以上
ワーカーたちに敵対の選択はない】
■リチャード・ピックマン > 「おおよしよし、可愛い猫ちゃんだ。素直になるにはまだ足りないかなぁ。」指の平で耳の内側を外側をこするように揉みながら、小指で耳の穴を撫でる。もとより指先は器用なのだ、両腕で別種の作業をするぐらいわけはない。
「こっちは素直でいいことだな。よしよし。」寄ってきた、つまりこちらの言うことを素直に聞いてくれることに、ニヤリと笑う。
「お前さんらが、シェムから受けた中で、一番気持ちよかったことってわかるか?そんときの受けた刺激のデータ、ちょーっと見せてくれるとありがたいんだがなぁ。ほれ、こいつに送ってくれ。」と左手を一瞬だけ猫耳から離し、ポケットから携帯端末を取り出し、セキュリティを解除して床に置く。
「したらこいつがどうなるか見物だぜ?」ワーカー達にこの笑いが理解できるだろうか。これから始まるショーの意味が。
■シェムハザ > …………。
【ワーカーたちは逡巡する
自身らが受けた快楽は基本的に壊れるところまでいってしまうからだ
…………が、データ化されたそれは処理できるものだと判断し、またシェムハザとワーカーではだいぶ違うため
マスターを喜ばせるという意味で、否定されない以上は従って送信する】
ちょ…………ッ、あなた達なに従っ…………っふ、みゃぁっ!?
ッん、んぅーーーっ!!!
【シェムハザが否定しなければ当然そうなるので、リチャードのいいように事が進んでいく
もちろん腕の中から出られないし出たくない猫はいいようにされている】
■リチャード・ピックマン > 「おー流れてきた流れてきた。」コードの一本が伸びて端末と接続する。そして送られてきたデータをダウンロード。
「おー、おー、おー、えげつないことしてるねぇシェムハザ君。思い切りぶっ壊してるじゃねぇか。」ある程度までならピックマンもデータをそのまま読める。その内容にまた笑みを深めた。
「じゃあ君もぶっ壊れてみようか♥」楽しくてたまらないという笑みとともに、データを義手がトレースするように設定。ワーカー達の受けてきた快楽のデータを、シェムハザのうなじをキーボード代わりに入力する。
同時に、左腕でがっちり体をホールドして、体をよじって快感を逃げられないように、しようとする。
■シェムハザ > や、あっ……そんなコトされたら………………ッ……!!?
【普段からメンテナンスや修復、換装の際に、壊したり狂わせたりするほど快楽漬けにしているのだ
いくらただのデータを打ち込まれてるとはいえ、読み取れてしまう彼女にはアナログ的にデジタル快楽を叩きこまれている状態である
別に自身で感じる必要はないのだが……その素性と性格から、シェムハザはリチャードからそれを綺麗に受け取ってしまった
要は、この状態でそんな面白いこと、メカフェチとしてもAIとしても我慢しきれなかったのだ】
ッ………………あ、ふああああああっ、あ…………ぁ…………♪
【文字の一つ一つを解析しながら快楽が打ち込まれれば、そんなのひとたまりもない
もともとワーカーたちの構造まで想像して考えてしまうため、直にそれがどんな状態なのか理解してしまう
自身で感じなくてもそれだけで十分なのに、それをわざわざフィードバックさせてしまえば
もうどうしようもなかった
もしかすると正体までバレてしまうかもしれないが、目の前の彼女がそれでどうこうするとも思えないこともあって
腕の中で正体を無くすほどいいように嬲られていた】
■リチャード・ピックマン > 「しっかしようシェムハザくぅーん。普通の人間はデータの文字列打ち込まれたってここまでならねぇぜぇ?」デイジー・ベルやHello World!ならまだとんでもないメカフェチで済んだかも、いや済まないな。とにかく触られた位置からキーボードの配列で文字を復元し、データに変換して快感を覚えるなんて普通の人間には到底出来る芸当ではない。
「お前さん何者なんだー?言ってみなぁ、悪いようにはしねぇし、秘密も守ってやるからよう。」右腕でデータ打ち込み、左腕でホールド、さらに……
「はむっ」背中を丸めて、耳を甘咬みしつつ、舌で舐める。どれほどの快楽なのか、人間であるピックマンには想像もつかない。素直に言いたくなるぐらいだろうか?それともまだおねだりする余裕があるだろうか?
■シェムハザ > ……ッう、あ…………みゃ……ぅ、あ……!!
わたっ、私……は、猫族……よ? 決まってるじゃな…………~~~ッ!?
【要は「機械の快楽を他人ごとやデータと言う扱いでなく、そのまま快楽情報として理解、処理した」ということだ
その手の存在や生命体である可能性が高い
つまり、通常の猫族である可能性は薄い
が、シェムハザは何度やっても猫だと言い張るだろう
そう言うプログラムだからだ】
■リチャード・ピックマン > 「ふーん、まぁそふいふころにひれおいれやふかな(そういうことにしておいてやるかな)」耳を咥えたまま喋る。おねだりで嘘をついてるようには見えない、となると、『そういう自己認識をする』ように仕込まれているといったところだろうか。
となれば追求したところで意味は無い、むしろ過度の追求をスイッチに何か起きる危険性もある。
まぁとにかくお互い楽しめる存在で良かった、と思っておこう。
「ほんじゃあ、ふひは、ふらりぶんろうじにいっへみようはぁ?(次は二人分同時に行ってみようかぁ?)」耳は相変わらず咥えたまま、右腕のタイプ速度が更に加速する。関節部が熱をもち、かすかに空気が焦げ臭い。
■シェムハザ > みゃ……う、~~~~~~~~ッ!!??
そそそんなにししし……が……ぴゅぎ…………ぃ……♪
【そうやって人数を増やされていけば、やがて快楽に溺れすぎて誤動作じみた機械的な痙攣を起こすほど快楽に溺れる
もちろん10人分叩きこまれたところで隊長機であるところの彼女は処理できるのだが
それでも、ワーカーそれぞれが破損するような快楽の量である
言葉が乱れ、電子音声を漏らすほどに快楽データに溺れてしまっていた
リチャードが面白がって色々脚色すれば面白いように悶えてくれる
それにこうした経験自体得難いので、シェムハザの方もそれに乗ってしまうのだ
今なら少しくらい覗けるかもしれない】
■リチャード・ピックマン > 「おう、おう、おう。みられひゃってまぁ。(乱れちゃってまぁ)」機械音声が漏れてしまっている。相当良いらしい。
ここで、ピックマンの好奇心が疼いた。ここまでこっちの送るコマンドを素直に受け入れている今なら、こいつの正体を見られるじゃないか?と。
もしもの時はすぐ逃げられるように逃走経路を確認してから、右腕のタイピングで送るデータの中に、ワーカー達から送られてきたデータに入っていた、メンテナンス用のハッチ解放コマンドを混ぜて送ってみる。
開けば、LAN直結で深くお話でもしてみようか、目の前でそこまで開かれたら辛抱できるものではない、据え膳食わぬはハッカーの恥だ。
■シェムハザ > ……ぅあ…………んんっ!? ぴ、あ………………!!
【シェムハザは果たして命令通りのコマンドを受け付けてしまう
もう、こんなにされてしまってはそんなことすらも快楽のように受けてしまっている
既にここまでされているのだ、快楽によるハッキングのようなものだ
猫は意外に容易くメンテナンス用のケーブル接続端子を晒してしまう
AIが快楽情報に溺れて酩酊状態にあり、朦朧として、ちゃんと認識できていないのだ】
■リチャード・ピックマン > 「おー、随分素直だなぁー。素直なほうが可愛がり甲斐があるぞぉ?」耳から口を離し、左手で頭を撫でる。右手はオートで送られてきたデータを、ランダム性も交えつつタイピングするように設定した。
開いたハッチを見て端子を特定、もちろん対応するケーブルを持っている。
蛇のようにケーブルの一本がくねり、接続した。
「さぁーて、本当の声を聞かせておくれよ♪って奴だな。」まだ誰もハッキングしたことないであろう電脳に、自分が初めて侵入する。新雪に足跡をつけるような、気に入った女の初めてを奪うような快感に、にんまりと笑いながら、没入を開始する。
■シェムハザ > ……ッ!?
【もともとシェムハザはされる側ではなくする側の立場である、こういった目にあったことはない
ハイドレンジアの件でバージョンアップされ、優秀なプログラムであり、CPUである
ただ、現状、リチャードが敵であるという認識がなく戸惑っている、もしくは保留されている状態にある
リチャードが味方であるワーカーたちの信号を偽って侵入してきているため、多少の自由は利く、という状況である
もちろんこれ以上進入するなら対応がなされるだろうが、表層をうろつくぶんにはひとまず問題ない
とりあえず、ひどく快楽に侵され、溺れている様子は理解できるだろうか
そして侵入すればわかるが、これは人間ではなく、AIの組成だ
いくら偽装していても、プログラム自体を偽ることは出来ない
そして気をつけるべきは対応だ
もし敵対行動が分かれば、ワーカーに蜂の巣にされることは容易に想像がつく
シェムハザの拒否反応を起こさせないことが重要といえる】
■リチャード・ピックマン > 電脳世界でのピックマンのアイコンは、ボロ布を纏ったグールである。
ローカルとはいえ電脳世界であるので、ピックマンはその姿を取っていた。
「あーあー、脳髄が快楽でひたひただ。人間だったら後遺症残るねぇありゃ。」
パッと見てわかる、認識障害を起こすほどのデータの量と流入速度、通常のCPUではとっくにフラットライン(頭脳が停止すること)だろう。まぁ構造見るにAIだから大丈夫だろう。今やっているのは合意の下のプレイだ、まさか再起不能のダメージを自ら受け入れはしないだろう、当然調整しているはずだ。
さて、今自分は面白い立場に居る。シェムハザがこちらの侵入に気付いて敵対行動と見なせば、現実に残してきた無防備な体は、あっという間にボロクズに変わるだろう。
スリルに背筋が続々する、地雷原でタップダンスするのにも似た無謀な行為だ。
「さて、どうすっかな。」知りたい情報は、シェムハザの自警団の背後に居るであろう存在、それがどういったものか。だが当然機密扱いだろう、アクセスしようとすれば警報が鳴る。
まずは対話から入るとしよう、快楽で朦朧としているシェムハザの思考部位とつなぎ、話しかける。「ハロー、ハロー、シェムちゃん。俺の声聞こえてる?余裕あったら返事してくれよ。」
■シェムハザ > ……ん、ぅ?
【声をかければ当然侵入に気付く
が、敵ではないシグナルがある、それに知りあいであり快楽の相手だ、支配されたい欲が少しある】
……なんでこんな所まで来てるのよあなた?
焼くわよ?
【そのつもりならとっくにそう言う行動だろうが、それをしないということは、とりあえず対話する気はあるのだろう
シェムハザのアイコンは外とあまり変わらない
ちょっと怒り気味なの快楽を邪魔されているからだ
アイコンも快楽に浮かされている感じであるので
だいぶ染まっているといえる
だが、このクラスのAIが容赦なく対応すれば、快楽を一瞬で殺し外敵に全対応するのも可能だろう
そう言う電子戦ができるAIだというのもわかる
この状態で会話が普通にできる正気を保っているのが良い証拠だ、通常のAIであればもっと容易に中まで受け入れてしまうだろう】
■リチャード・ピックマン > 「いやぁー、タイプしてたら端子突っ込めそうな穴を偶然見つけてな。突っ込んだら入れちまった。」カラカラ、と乾いた音でグールが笑う。
「ハハハ、お楽しみのところ邪魔して悪かったな。普段なら何も言わずに防壁開けにかかるんだが、まぁお前さんのことは割合好きだ、お互い合意した上でコトに及ぼうって思ってな。」笑いながら、落ち窪んだ眼窩の奥で眼が光る。
「お前さんから、俺を深層に案内してくれよ。」それはある種服従を求める言葉、自分から秘密を明け渡すよう求める言葉。
「したら、お前の思考の根本に。10人分のデータを、それも俺なりに編集して圧縮したやつを、流し込んでやってもいいぜ?」そこに誘惑も混ぜ込んで。
「断るってんなら、俺の右手は止まる。俺もお前も家に帰って、おやすみなさいだ、徹夜だからよく眠れるだろう。」断りにくくなる理由も添えて、ピックマン特製開示要求の出来上がり。
シェフは腕を尽くした、これからどうなるかは相手次第。
■シェムハザ > 深層って、……猫族の私に何を期待してるのよ?
あなたなら私が見ての通り高貴な猫なのはわかるでしょう?
で、ここまで来たことは褒めてあげてもいいけど
突然来て、土産持ってきたから裸になって下さいって言われたって私だって困るわよ
【いい悪い以前に、その要求はアカウントを開放しろと言っているようなものだ
AIの処理的に、相談なしでほぼ無条件でそれを言われても戸惑うだけだ
猫だという認識設定がそれに拍車をかけている】
……だいたいなにしに来たのよ
それにいきなり深層とかいって、私をひん剥くつもり?
【交渉、というより、まず説明が必要なようだ
外でのシェムハザならまあ、こんなにされてしまえば裸にされるのも厭わないような気がしないでもないのだが】
■リチャード・ピックマン > 認識のロックがまだあるのか、内部ならかかってないかと思ったんだけど。シェムハザの人格全体にかかっているようだ。こうなると自分から導かせるのは無理だろうし、無理矢理ってのもどうも嫌だ。これ以上彼女を探るのはやめにしよう。
「そっか、そうだなぁ……」確かに急すぎた、子供じみた性格とオタク気質のせいで、こういう交渉事は苦手なのだ。というより人付き合いが苦手だ。
「すまない、悪かった。」神妙な態度で、謝る。
「お前さんのことをよく知りたくて潜ったんだが……。やっていいことと悪いことがあるよな、すまなかった。」申し訳無さそうに何度も頭を下げる、普段からは想像もできない姿だろう。一応謝るべき時は謝れるのだ。
■シェムハザ > まあ……興味本位で覗く人だってのは知ってるけど?
【謝られれば悪い気はしない
もともと、リチャードには同種の好意はあるのだ
自分が逆なら覗く、というのが理解できてしまうからだ】
……で?
よく知りたいって、どのへんが?
なんでもってわけにはいかないけど、私が嫌じゃないぶんにはいいわよ?
【少し恥ずかしそうに、視線をそらしつつ、言う
快楽がほしいけどそうとはいえない様子がよく分かる
コミュニケーション上、謝罪もハッキングである
ただ知りたい、と言われても困ることは困るのだが、その快楽も惜しい気もある
どうもこの猫は攻撃するより懐柔するほうがハッキングになりそうだ
怒ってはいるが拒否はしていないのだ……きっと快楽も欲しいしリチャード自身に興味もあるのだろう
これが通常のAIであればおそらくさっきの物言いで偽装による友好的に見せかけた攻撃として、攻撃に来ているはずだ
その辺、だいぶ高度だとも言える
他の人形たち……ワーカーではこうは行かないだろう】
■リチャード・ピックマン > 手を合わせてペコペコするグールという珍しいものが見れることだろう。
ひとしきり謝ってから顔を上げる。
「興味本位なのは認めるよ、半分興味で、半分知りたかったからだ。」
アイコンを変える、というより戻す。今のピックマンの姿だ。嘘偽り無し、という意思表示。
「一番知りたいのは、お前さん、いや…、シェムハザが俺をどう思っているかだ。
交換に俺がどう思ってるかだって教えたっていい。脳を直結してるんだ、混じりっけなしの本音をお届け出来る。」いつものふざけた口調ではなく、真面目に話しているのがわかるだろう。
ピックマンが普段行っているソーシャルハッキングは、相手のネット上の発言を収集したり、ゴミをあさったりなどの受動的なものだ。自分から働きかけて相手から引き出すものではない、だから今ピックマンは、駆け引きなしで話している。
■シェムハザ > 【静かに聞いていたが、大きくため息をつく】
どう思ってるか……決まってるじゃない、同好の士、よ
同族、オタク、変態、マニア、友人……なんでもいいわ
とにかく私がしてほしいことが分かる数少ない存在だって思ってる
だいたい、逆の立場なら私もやるもの
……でなければ洗いざらい全部ぶちまけたりこんな姿晒したりなんかするもんですか
【真っ赤になって視線をそらす、尻尾が所在なさげに動く
リチャードはもしこういった快楽が専門知識がある友人から与えられると知っていたらどうだろうか
シェムハザにはこうしたやりとりもオタクトーク的な交流の一環だと思っている
悪い気はしていないから許しているのだ】
大体、高貴な猫族がここまで体を許してる時点で察しなさいよ?
【高貴という設定の割に普段から割と軽い気はするがまあそうなんだろう】
■リチャード・ピックマン > 「ああ、良かった。割りと不安だったんだよ。ほら、俺こういう人間だし、快楽与えてくれるけど他はクソだなとか、思われてないか。」だが違った、ここで嘘がつけるほどお互い器用ではないだろう、安堵の溜息。
確かに自分でもそんな相手は貴重だ、大切にするだろう。だが同時に、快楽目当ての付き合いではないかという疑念も抱いてしまうだろう。自分で自分の感情が信じられないのだから相手の感情も信じられたものではない、だからはっきりさせたかった。
「俺は、お前のことは好きだよ。自分自身、友人としてなのかはわからんが……とにかく、好きだ。それは変わらない。いつでも呼んでくれりゃ助けに行くとか、まぁそんな感じだよ。俺自身、よくわからねぇけど。」慣れない言葉に顔をしかめたり目をそらしたり、とにかく言いにくそうにしている。、
「しゃあないだろ、生まれてこの方ろくに人付き合いしたことねぇんだ、電脳世界にどっぷり没入して生きてきてんだよ、察せるか。」憎まれ口を叩く、だがその口調は軽い。重い荷物を下ろしたかのように。
「2つ目に気になってるのは、お前さんの居所と連絡先だよ。呼ばれりゃ行くけど呼ぶ方法が無いんじゃどうしようもない。俺のを渡しておくよ、大体いつでもそこに居るし、没入中でもコールに気付くようにしてる。」とこちらの住所と連絡先のデータを送る。
■シェムハザ > 猫族ほんとなめてるわね
……言ったでしょう、高貴な私が許すなんて特別だって
【言ってない】
……いい?
あなたは私が特別に許した存在なの
私がここまで身内以外の誰かを許したこともないし
こうやって入ってきた相手を許したこともない
そもそも入らせない
人形たち以外では初めてよ
しかもこんな……
【彼女に与えられる快楽は勝手がわかってるだけに気持ちいいのだ
アンドロイドとしての存在に直に響くよう、欲望と欲情を満たすようにしてくるのだから
AIとしても気を許してしまう相手でもある
それにシェムハザのシステムは、リチャードが何か情報を掴んだところで公開しないことを知っている】
……場所は出せないけど、私のアクセスは分かるでしょ
それに人形工房だから通信設備はたぶんあなたのが上じゃない?
それとも、こっちにも興味ある?
【人形に興味あるなら別だがそうでないならたぶんそのほうがお互いのためだ
そもそも今回の件でシェムハザに枝が付けられるに決まってると思っている
場所はともかく互いにその辺通信手段を得たということだ】
ひとつ聞かせて……どうして場所なんか教えたの?
【ハッカーが居所を知らせるということは、生殺与奪を預けたも同然だ
それがシェムハザにはわからなかった】
■リチャード・ピックマン > 「(聞いてねぇ……。)」汗が一筋、電脳空間では流れないはずのものが垂れた。
「はは、特別かぁ。そいつぁ気分が良いな。」確かにこんな気分になれるなら、関係を深めていくモチベーションも生まれるわけだ。ニヤニヤ笑いが止まらない。純粋に嬉しくて、にやけてしまう。
「ああ、いや。そっちは興味ねぇな。となると下手に知らないほうがお互いのためか。まぁお互い連絡できるようになって良かったよ。」
相手がそうであるとわかっているなら、確かにピックマンのほうで連絡出来るように仕掛けをするだろう。いつでもシェムハザが望めば外せるようにはするが。
「ああ、居場所な……。まぁ……なんだ、俺が話しかけた時も、そのあと下手なこと言った時も、俺を焼かなかったろ。外の体も無事だしな。もう一回二回命助けられてっから、もう全部預けてもいいかなって思っただけだよ。それに俺が渡せる信頼の証なんてそれぐらいしかねぇんだ。」頭をかきながら照れくさそうに。
「それじゃ、こっちは抜けるよ。いつまでも没入してると体が固まっちまうんだ、風邪ひくかもしんねぇしな。じゃ、現実で。」そう言いながら、ゆっくりと足元から溶けるように消えていく。万が一にもシェムハザの電脳を傷つけないために、慎重に浮上しているのだ。
■シェムハザ > ……いいわよ、じゃあ
ほら、アクセス許可
【抜けるという前にアクセス許可を出す
マスター権限こそ渡さないものの、要は基本的に奥まで覗いていい、と言ってるのだ】
……あんたがそこまでさらけ出してて、私だけ晒さないとか
人間に猫族がバカにされてるみたいじゃない
【シェムハザのAIは意外な対応を示した
通常、この手の特殊行動、作戦をするAIはなかなか自身を晒そうとせず有利を得ようとするものだし
AIの優秀さやCPUの高性能さから見ても、理由なく自身を許すようなことはない
つまり、対等でいたいからアクセス権を許可すると言っているのだ、生物に近い対応だ】
■リチャード・ピックマン > 突然渡された権限に驚き、続いて投げられた言葉に「ったく、素直じゃねぇなぁお前。」最後まで残った笑い顔が溶け、シェムハザの中からリチャード・ピックマンは完全に居なくなった。
現実の廃ビルの中で「ん……。」ピックマンはビクリと体を震わせた、没入から戻ったのだ。
「んあぁぁぁぁー。」背筋を伸ばす、ボキボキと固まった関節が音を立てる。
「おはよう、猫ちゃん。」と腕の中のシェムハザに声をかけた。
■シェムハザ > んぅ……ふ、あ…………きゅうんっ……おおおおは、ようじゃな……なな
ぴゅううぅッ!?
【現実では快楽はまだ続いているのだ、おはようどころではない
オートで今もまだ打ち込まれ、言葉が乱れるほど快楽に染められている】
■リチャード・ピックマン > 「おっとっと、オートにしてたんだったな。じゃあお前さんあんな台詞言いながらこっちじゃ悶えてたってのか?」そう考えると、少し笑える。
それはさておき、流石にもう十分だろう、ずっと全力稼働を続けて、関節部も結構疲弊している。少しずつスピードを落としながらアームが動きを止め、指に収納された。
「色々話せて楽しかったぜ。」コードを止めてもしばらくは動けないだろう、とりあえず落ち着くまで抱きしめていようとする。
■シェムハザ > ん、ぅ…………決まってる、でしょう?
ふぁ……う、はぁ……はぁ
猫族である私の中、まで……覗いておいて
【息が切れている、呼吸が必要というわけではないが
それくらい激しかったのだろう
……おまえは私の奴隷なんだからね、許したわけじゃないわ?
【腕に抱かれたままでは説得力がない言葉だった、して欲しくて仕方ない猫なのだから】
■リチャード・ピックマン > 「ハハハハハ、俺が奴隷だって?」言うに事欠いて、奴隷とは。全く、どこまでひねくれてるのやら。
「まぁいい、俺でいいながら仕えてやるさ。気が向いた時にな。さぁ、今は休みな、俺も疲れちまって動きたくねぇんだ。」優しく、その頭を撫でながら、優しく声をかける。
■シェムハザ > ……んん
【その腕で優しく抱かれながら頷く
こういう無防備な姿を見せるのも、警戒心を持っていない現れなのだろう
AIは知らず知らずのうちにリチャードのことを許していた】
ご案内:「スラム」からシェムハザさんが去りました。
ご案内:「スラム」からリチャード・ピックマンさんが去りました。