2015/08/10 のログ
東郷月新 > 「分かるものでしょうなぁ」

うんうんと頷く

「なに、なかなかたちの悪い女に纏わりつかれましてな。
小生も木石ではないし、良い女なのですが――」

東郷の欲望を吸い上げる事、恐ろしい勢いである。
彼女のせいというわけでもないのだが。

奥野晴明 銀貨 > 「愛々之射鬼さんは妖刀故にそういったことは想像しがたいでしょうけれど
 人の情欲というのは誰かを伴うと制御しづらいものなのですよ、たぶんですけれど」

首を傾げる愛々之射鬼へそう簡単な説明をしてみるが、果たして理解してもらえるだろうか。
東郷の頷きにああと納得して、しかしその言葉が決して悪いものではない様子だと
くすりと珍しく人らしい含みの在る笑みを口の端に乗せる。

「ええ、分かりますとも。
 たちが悪いとは仰るものの東郷さんの切っ先を鈍らせるほどの欲望を吸い上げる、
 あるいはその身に受け入れる女性というのはなかなかいらっしゃらないとお見受けします。

 あなたが言うようにとても良いお人、なのでしょうね。
 悪いことではないと思いますよ。むしろ人を斬るよりかは恋の駆け引きをしている方がよほど趣味が良い」

噂の人斬りも、好いた女性には敵わぬようだ。これは面白い話を聞いた。
さて、とひとつ息を吐くと席を立ち上がる。

「少々長居をしておじゃましてしまいましたね。僕はこれにて失礼します。
 有名な東郷さんと高名な妖刀の愛々之射鬼さんと相見えられたこと、幸運に思います。
 それでは失礼します、また縁があいましたらお会いしましょう」

物音をたてない静かな所作で店を出て行く。小さな背が落第街の雑踏に消えた。

ご案内:「スラム」から奥野晴明 銀貨さんが去りました。
愛々之射鬼 > 「ふむ、そうなのか」

(奥野晴明の言葉に首を傾げながら、立ち去る小さな姿を見送る、
一人で大丈夫かと思ったが__スラムに平然と一人で来れるほどの手練れなら大丈夫だろう、
少し興味が湧くが、目の前の剣鬼ほどではない)

(刀は情欲を実感できない、けれど知識としてなら捉えられる、のかもしれない、
愛々之射鬼にはどうでもいいことだが)

「……さて、私も立ち去るとしようか」

(彼が立ち去って気付いたのだが、もう寝ないと明日に響く時間である、
さっさと帰って寝ないと帯刀に気付かれる、それだけは避けたい)

(しかし、このまま帰るのは惜しいと思えるほどに、東郷月新という剣鬼は愛々之射鬼という刀から見て魅力的だ、
少し細工をするか?)

「今日会ったのもなにかの縁、せっかくだし、別れの握手でもするか?」

(そう言って東郷へ右手を差し出す)

東郷月新 > 「ふむ、構いませんよ」

東郷月新は人斬りさえ絡まなければそれなりに親切な青年である。
というわけで目の前の妖刀に忌憚なく手を差し伸べる。

「ま、小生もこれからどうするかは多少迷っていましてなぁ――
妖刀というものなら、多少斬り合ってみたくもあるのですが」

が、全ては椿をなんとかしてからだろう。
あの底無しの情欲を受け止めるのは流石に東郷も骨は折れる。
退魔師らしいが、なるほどあれはあれできちんと東郷という魔を封じているのだからたいしたものだ。
こちらは腰に来るのが難点なのだが。

愛々之射鬼 > (差しのべられた手を掴み、しっかりと握手を交わす、しっかりと、外れないように)

「__うくくっ」

(かかった)

(彼の言葉を聞き終わった瞬間、手を人外の腕力で握りしめる、
手のひらから体温が消え失せ玉鋼の冷ややかさを帯び、王百足が騒ぎたてるのを感じる、
この男を魅力的だと感じたのは、愛々之射鬼だけではないらしい)

「そうか、斬り合いたいか__”私達”もだ」

(にやりと笑い、握手した手のひらから刀の切っ先を生やす、
切っ先は愛々之射鬼の本体そのもの、東郷と手に僅かな痛みが走るだろうが、流血は無い、
刃が刺さったのを確認すると手を振りほどく、右手には玉鋼の冷ややかさも刀の切っ先も無い)

「__また会いましょう」

(体を寄せそう囁くと、白い髪を翻して立ち去った)

(先ほど東郷の体に本体を介して埋め込んだ呪い__渇望の呪い、
時限式の毒のようなもので、ゆっくりゆっくりと対象の殺気や狂気を渇かし、
人を斬り伏せ血を浴びて渇きを癒したいと渇望させる呪い、
いつも帯刀に囁いているのとは性質が違うが、狂暴なことには代わりない)

「さて、奴はどこまで耐えるかな?」

(白い姿はもう消えていた)

ご案内:「スラム」から愛々之射鬼さんが去りました。
東郷月新 > 「――ふむ」

何やらちくりと感じたが、さて。
毒ならそれなりに分かるはずだし、呪いにしても何も感じない。
さて――?

「まぁ、良しとしますか」

東郷の根源にあるのは元々人を斬りたいという欲望だ。
その根源に呪いを足した所で大海に水を撒くようなものだが――

「では亭主殿、ごちそうさまでした」

もっとも、渇望が増える事には変わりない。
それから暫くは、東郷の寝床にもぐりこんでくる少女が、その嵩の増した欲望をたたきつけられる事になるだろう。
本人も望んでいるような事なのだが。

ご案内:「スラム」から東郷月新さんが去りました。
ご案内:「スラム」に流れ星さんが現れました。
ご案内:「スラム」から流れ星さんが去りました。
ご案内:「スラム」に流れ星さんが現れました。
流れ星 > (別の星を掠めるようにしてスラムの空に一筋の閃光が現れた。青い物体が瞬く黄色い閃光をまとって落ちてくるのだ。速度は尋常なものではなかった。音速の優に数倍という速度でとある建物の横っ腹を破壊して、ボロ屋の屋根を潰し、乗用車数台を巻き込みつつ着弾する。
 壮絶な衝撃波がクレーターを創造した。
 高温のあまりに乗用車が溶けて形状を失っていく。
 衝撃の範囲はすさまじく、スラムの一区画が大地震に見舞われてしまったようだった。無数の破片が弾丸のような速度で飛翔していき壁に跳ね返り甲高い音を叫ぶ。
 燃え盛るグラウンドゼロに青い物体があった。
 完全なる球体である。一部の狂いも無く、一部の歪みも無い、真なる青い球体。
 サイズはおおまか5mはあろうかというもの。
 だが、5mもある鉄球が着弾したのであれば被害は街の一区画どころかスラムが消し飛んでもおかしくなかった。
 にもかかわらず球体はまるで中身が詰まっていないくすだまのような威力しかなかったのだ。)

流れ星 > 「にゃもー」

(にゅっと玉が変形する。ハッチが開くと中からタコそっくりの生命体が姿を現して目をぱちぱちさせた。
 猫のような犬のような『にゃもー』という声で鳴く。
 外をきょろきょろと見回すと、歓喜に触手を振り回す。
 人間の言語に直すとこうである。)

『ちきゅうこれたよ!』

(タコ星人、襲来)

流れ星 > 「にゃもにゃもー」

(ちきゅうこれたよ! うみあるよ!! うれしいよ!!

 ※翻訳                       )


(タコ星人は歓喜していた。異能に魔術に宇宙人までいる学園である。タコ型宇宙人が襲来することだってあるさ)

流れ星 > 「にゃもー」

(うみいくよ!    ※翻訳)

(タコ型星人は周辺の被害をガン無視して海へと動き始める。
 しかし、遅い。体長3mには達しようかという巨大なタコであるが、直立できないらしく足をうにょろうにょろさせて地面を張っていく。
 乾燥して死にそうな気配しかしない)

流れ星 > 「に゛ャもー!!」

(あっついもぉぉぉぉ!! ※翻訳)

(火に触れる。ごろんごろん暴れまわる。タコ焼きになりかけてしまった。いいにおいが漂い始める。
 タコ星人。何か不思議な力が使えるというわけでもないらしく、うにょろうにょろするだけである。)

流れ星 > 「にゃーん」

(猫が居た。黒猫である。)

「にゃーん」

(猫が居た。白猫である)

「うなーん」

(猫が居た。どら猫である)

「なおおおおーん」

(猫が居た。子猫である)

「にゃもー」

(なんだこのひとたち! ※翻訳)

(囲まれている)

流れ星 > 「にゃもぉぉぉぉぉ!?」

(そうしてタコ星人は知らぬうちに猫に襲われて逃げ出したという。
 タコ星人。
 お前何しに来たんだよ)

ご案内:「スラム」から流れ星さんが去りました。