2015/08/17 のログ
ご案内:「スラム」に帯刀わたいれさんが現れました。
帯刀わたいれ > (スラムを歩く白と玉鋼と紫の男__いつもなら「刀」として現れるソレは、「人」としてスラムに来ていた)

「……で、目当てのモノは見つかったわけですが」

(そう一人ごちながら、適当な廃材に腰掛ける、その手には大量の護符が貼られた奇妙な何か、
細長いケースを抱え、小さなトランクを持っている
魔術、特に退魔や封印に詳しいものならケースとトランクの材質、表面の護符が強力な封印として働いていることが分かるかもしれない、
ケースからは常人なら簡単に呪い殺せる強烈な怨念を放っているが、帯刀は涼しい顔でそれを受け流す、
この程度の呪い、慣れたものだ、愛々之射鬼には及ばない)

「……さて、中身はどんな具合ですかね」

(片方のケースを軽く撫でると、表面の護符がズタズタに切り刻まれ力を失う、
それはケースに封じ込められていた呪いを解いたことになるが、帯刀は気にしない、
ひょい、と適当にケースをひっくり返すと、帯刀の膝に「目当てのもの」が着地する、
それは錆びだらけのショベルだった)

帯刀わたいれ > (長さと重さは片手でも両手でも扱えるぐらい、柄の部分はただの木材、
ショベルの金属部分は錆びてボロボロで、少し使えば朽ちて壊れてしまいそうに見えた、
しかし帯刀は察知する、ショベルから漂う血腥い臭いと、ぶつけどころのない曖昧な殺意に)

(これを押し付けてきた店員曰く、これはさる北国で使われていた軍用ショベルらしい、
武器として人を殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して__
殺しすぎて、人々の恐怖と憎悪を一身に受けすぎて、怪物と化した、
そういうありふれているといえばありふれている理由で、このショベルは怪物になったらしい、
そんなありふれている理由、帯刀には興味無いが)

「……確か、血を吸わせるといい感じになるんでしたっけ」

帯刀わたいれ > (そのままだと見た目と違い堅いショベルだが、金属部分に血を垂らすと切れ味が戻るとかなんとか、
確かそんなことを店員は言っていたような、大体忘れたが、
手首に指を這わせると、一文字の浅い切り傷、
切り傷からの流血をショベルに垂らし、様子を見る)

「見た目は特に変わりませんね」

(金属部分に変化は無い、錆びだらけでボロボロのままだ、
__しかし、ショベルから発されている呪いはより強力に、より狂暴になっているのを感じる、
確かにこれは呪いの品、おそらく「王百足」と似たようなタイプだろう、
使えば使うほど、使い手を侵食し喰い殺すもの)

(しかしそんなことは帯刀わたいれにとっては些事でしかない、どんな呪いも捩じ伏せてしまえばいい、
ショベルの切れ味を試すため、適当に近くの電信柱の残骸へと投げる、
__ショベルは電信柱をへし折り、砂煙を上げて倒れてくる、
電信柱をひょいとかわすと、ほう、と感嘆)

帯刀わたいれ > (年若い怪異と見くびっていたが、結構優秀な武器のようだ、
使い勝手によっては使えるかな、と考えながら、電信柱を貫通し壁に刺さっていたショベルを引っこ抜く、
このまま体内に吸収しようと考えて__何か忘れていることに気づいた)

「……名前、付けてませんでしたね」

(名前を与える、というのは魔術的に見れば一種の呪いとも、祝福とも、拘束とも取れる行為だ、
だからこそ、帯刀は新しく手に入れた呪いの品には名前を与えるようにしている、
それでどう具体的に変わるということは無い、ただのおまじないのようなものだ)

(せっかく名付けるなら格好いい名前がいいと思い、腕組みしながら歩き回ったり、携帯でロシア語の翻訳サイトで色々したが、
いい名前は思いつかなかったので保留とする)

(とりあえずショベルはケースにしまい、トランクに手を付けていく)