2015/09/24 のログ
ご案内:「スラム」に濱崎 忠信さんが現れました。
濱崎 忠信 > 「いや、だからさ……命乞いとかされても困んだよ。
もう俺、金貰っちゃったからさ」

濱崎 忠信 > 「アンタ殺してくれって、頼まれてんだよ。だからさ、変に夢とか見られても困るしさ。
俺もこれ、仕事だから。恨みとかあるわけじゃないから。
ああ、泣いたり叫んだりは好きなだけしていいよ。ここ、スラムだし。
そういうの、なんか、よくあるみたいだから」

濱崎 忠信 > 「アンタもさ、こんなところに潜んでるってことは、ほら。心当たりとかあるわけでしょ?
殺されるくらい恨み買うって、結構すごいことだよ。
それくらい、ヤンチャしちゃったんだろ。じゃあ、もう、しょうがないじゃん。
自業自得だよ。俺の仕事と同じだよ。なるべくしてなったんだ」

濱崎 忠信 > 「でもさ。俺も、アンタにはちょっと同情してんだよ。
だって、死ぬのってさ。嫌じゃん。俺も嫌だから、多分アンタも嫌だろ。
ハハハ、まぁ、嫌だよな、嫌じゃなきゃそんなふうに叫ばないもんな。
わかるわかる。あ? 何? 手、痛くないのかって?
今だって俺アンタと喋ってるじゃん。別に気にならないし、手当とか後回しでいいじゃん。
これくらいじゃ死なないって。死なないから、これくらいは怖くないよ。
腕千切れたって別に再生治療とかできるじゃん、この島。死ななきゃ安いって」

濱崎 忠信 > 「で、そうそう、だからさ、俺はアンタに同情してんだよ。
だって死ぬのって嫌だからな。俺も嫌だし、きっとアンタも嫌だ。
だからさ。聞いてみようぜ。
本当に自分は死ななきゃいけないのかってさ。
誰にって? お前そりゃ、神様にきまってるだろ」

濱崎 忠信 > 「これさ。リボルバー。わかる? そう、銃だよ。
これな、一発だけ弾はいってんだよ。
知ってる? ロシアンルーレットって奴。
それさ、やってみようよ。
それでもし俺が死んで、アンタが生きてたら、アンタは生きることを許されてる。
昔、神父さまがいってたんだよ。
生きてる奴はさ。許されてるんだってさ。神様に生きることを。
だから、死んだ奴は許されてねぇんだ。俺が死んだら、俺が罰せられる。
アンタが死んだら、アンタが罰せられる。
わかりやすいだろ? だからさ、やってみようよ。
こんな風にさ」

濱崎 忠信 > 「ほら。次アンタだ。そうそう、こうやって握ってさ。
しっかり、そう、頭にな。こめかみに押し付けて、気合い入れてさ。
神様に聞きながら引き金引くんだよ。僕は許してもらえますかってさ。
な? これなら、夢じゃない。ちゃんと聞いてる。訪ねてる。
その上で、太鼓判押して貰えたら、アンタ生き残れる。俺は死ぬ。
わかりやすい。そういうのさ、いいじゃん。シンプルでさ。
だからさ、ちゃんと引き金ひきなよ。そうそう、そうやってさ」

濱崎 忠信 > 「まぁ、俺に向けて引くよね」
濱崎 忠信 > 「じゃ、ダメだわ。アンタ、ゲームオーバーだ。
あ? なんで俺生きてるって? そりゃ、あんた一発で俺の急所撃てなかった。
弾丸ってさ、案外、大した威力ねぇんだよ。特にそれくらい口径小さい奴だとさ。
それじゃちょっと、人間は死なないよ。つまり、俺は死ななかった。
生きることを許された」

濱崎 忠信 > 「そしてアンタは……許されなかった。この話はそれでおしまいだ」
ご案内:「スラム」から濱崎 忠信さんが去りました。