2015/10/06 のログ
ご案内:「スラム」に鎧の悪魔さんが現れました。
鎧の悪魔 > (特になんかをするわけでもない、ただ、歩くだけだ
問題は……それが黒く大きい鎧だ、ということ以外は

でかいその鎧は歩くだけだが、その歩みを誰も止められない
チンピラは言うに及ばず、異能で叩いても、重機でも
ただのひと触れでことごとく吹き飛ばされた

おかげで、鎧を止めればそれなりのステータスになる、という所まで来ていた
特に何か追撃をするわけでもない
歩く前方になにか立ち塞がれば、触れる

ただそれだけのことだ)

鎧の悪魔 > ……。
(邪魔するものがいないかぎりは、歩く
それも何の目的があるかもわからないが、それでもゆっくりと歩を進める

明らかに裏商売などには邪魔であり、そもそもどこへ向かうのかもしれない以上、のさばらせておいては問題になる可能性もある
いきなり建物の中に無理やり入らないとも限らないのだ
それにはこの巨体と得体のしれなさは明らかに問題であり、出来ることなら排除したいと思っている組織は多いように思われる
もしくは何らかの交渉が通じるならそれでもいいのかもしれない

なんにせよ、スラムを歩くだけでもこの大きな鎧は邪魔である)

鎧の悪魔 > ……。
(特に何をするわけでもない、だが、何かを探しているようでもある
だが、不思議な事にこの鎧はこの周辺をあまり離れようとはしない

この辺になにかがあるのだろうか、それは分からないが
とにかく、鎧はスラムを周回しているように思える

そして……スラムを根城にしている連中の顔をことどとく潰しているとも言える
なにせ、誰も止められるものがいない
いうことを聞かせられる奴もいない

表向きそうであるだけで実際はわからないというのではなく、誰の言うことも聞かないままだ)

ご案内:「スラム」に帯刀わたいれさんが現れました。
帯刀わたいれ > 「……っうー、疲れた」

スラム街の道を、大太刀を引きずりながら歩く。
店員と値切りという名のプロレスに白熱しすぎた、凄く頭が疲れた。

注意力散漫になっているのは自覚してるので、周囲への威嚇に王百足を引きずりながら歩いている。
普通は鞘が傷つきそうなものだが、不思議と王百足の鞘に傷は一切無い。

「うなー……ぁ?」

リゲ○ンー……なんてほざきながら歩いていたのだが目の前に映ったものを見て意識を切り替える。
3mはあるのだろう巨大な西洋鎧がのっしのっしと歩いている。
中身はおそらく異邦人だろうか、この島だし中に誰もいませんということもありそうだが。
足を止め、鎧を訝しげに見つめる。

鎧の悪魔 > (明らかに巨大な鎧はとくに何の興味もなさそうに歩いている
ただ、今まで話しかけた人物のこと如くを吹き飛ばしているせいで誰も関わり合いにならないのだ

帯刀に関しても立ち塞がらないのであれば無視するだろう
……ただ、路地裏では明らかに、邪魔だ

避けるのなら別の通りを通るしか無い)

帯刀わたいれ > (……そういえば、最近「鎧の悪魔」なんて呼ばれてる奴がいるって聞いたことがありましたね)

最近スラム街の町を騒がせているものとして、ちょっとした有名人? 有名物?らしい。
少しは動きの良くなった頭でそう思い出した、さてどうするか。

「……邪魔ですね」

とりあえず物理的に邪魔である、縦にも横にも大きいので、狭い路地裏の道を思い切り塞いでいる。
かといって此所から帰るにはかなり回り道する必要があるし、ここは覚悟を決めて進むしか無いだろう。

「……」

大太刀の持ち方を変え、無言で鎧の悪魔へと歩く。

鎧の悪魔 > ……。
(鎧は、なんの警戒もなく寄ってくる
放っておけば接触するだろうか

近づけば……敵意もなく、攻撃するでもない
ただ、腕を広げてくる、それだけだ

だが、少しでも触れようものなら否応なしに吹き飛ばされるだろう)

帯刀わたいれ > 鎧はなんの警戒も無い様子で歩いている、まるでこちらを認識してないように。
そのまま近寄ると、鎧は無造作に腕を広げてきた。
大太刀を盾にするように構え、接触へと備える。

「____ッと!」

大太刀が鎧の手に触れた瞬間__叩きつけられたかのような衝撃が走る。
素早く大太刀を消し、衝撃に身を任せつつも受け身を取り衝撃を地面に逃がす。
3mぐらい吹き飛んだが__なんとかノーダメージで済ませることができた。

「噂通りの馬鹿力ですね……」
立ち上がり、鎧を見据える。
なんの構えも無く、少し腕を伸ばしただけであの威力。
敵意こそ向けられていないが、あんなものを敵意を乗せて当てられたら間違いなく一発でアウトだ。

鎧の悪魔 > (馬鹿力、というか、ほとんど発勁のようなものである
それも触れただけで、だ
明らかに異常な力である

もっとも……吹き飛んだだけで倒れない、となれば、興味を持ったようだ

今度は意図的に腕を伸ばしてくる
それも、そっと……そっとだ)

帯刀わたいれ > 「うわっ」

なんとか一発しのいだら、なんだか興味を持たれたようだ、こっちにずんずん近寄って腕を伸ばしてくる。
しかし先程より随分慎重に腕を伸ばしているように見える、まるで硝子に触れるように。

「……ったく、好きにすればいいんじゃないんですか」

呆れた顔で溜め息。
鎧の手が寄せられる箇所全体を王百足の能力で鋼と化し、更に短く詠唱を呟き、肉体の弾性を上げる。

無造作に触れるだけでも周囲を壊すとなると、周囲からは避けられて来たのだろう。
その推測すると、この鎧は随分寂しい生活をしてきたのかもしれない。
__そっと伸ばされる腕に同情したからか、それとも同調したからか、その腕を避けるようなことはできなかった。

鎧の悪魔 > (やはり触れた瞬間、先ほど同様の激しい力が加わる
が、先程よりかはややソフトなようだ

……だが

次の瞬間、最初のコンタクト以上の激しい衝撃が襲う
コレでは寸勁や鎧通しとまるで変わらない

しかもまだ、鎧は「腕を振ってはいない」のだ

試しているのかもしれないし、触れただけで弾けなかったことに対するプライドを刺激されたのかもしれない
それは鎧の中からは窺い知れない)

帯刀わたいれ > 「うぐ……」

触れられた瞬間、衝撃が全身に響く。
しかし衝撃は先程よりも弱く、強化もあってなんとか耐えられた。
頭がぐらぐらする、なんとか脳震盪は踏み止まれたようだ。

「がぁッ……!」

気を緩めた瞬間、重い衝撃が全身に揺らした。
思わず苦痛に満ちた声を上げる、内臓を痛めたのか、唾には血が混じっていた。
脳が揺れる、意識は気絶に片足を突っ込んでいる、激痛でなんとか意識を保てている状態だ。

「ぐうぅッ……!」

体内は衝撃でズタボロ、折れた肋骨が肺に刺さったせいで呼吸が苦しい。
それでも帯刀は倒れず__ただ真っ直ぐに鎧を見上げ、確かな意識のこもった目で睨んだ。

鎧の悪魔 > ……!!
(鎧は、その様子を見て明らかに反応した
触れた腕を戻し、今度はゆっくりと腕を軽く振ろうとする

それもごくごく軽く、だ
殺意もなく、敵意もないままに

徐々に強めているのだろうか
なんにせよ冗談としか思えない所業だ

きっと建物を破壊するときの鉄球というのはこういうものなのだろうな、と言うのは想像に難くない)

帯刀わたいれ > 「__そこまでにして頂きたい」
ご案内:「スラム」に一目恋さんが現れました。
ご案内:「スラム」から一目恋さんが去りました。
ご案内:「スラム」に一目恋さんが現れました。
一目恋 > その声と共に、帯刀の体は後ろへと跳ぶ。
一瞬で鎧から距離を取り、痛みなど感じていないような涼しい顔で鎧を見据える。
確かな意志を感じる赤い目ではない、感情を読み取れない鏡のような黒い目。

「失礼__このままでは主が死にそうでしたのて、自己判断で一旦距離を取りました」

先程までとは明らかに違う、金属めいた冷たさを感じる物言い。
淡々と言いながら、直ぐにでも逃げられるように意識は周囲一体に張り巡らせている。

鎧の悪魔 > ……。
(謎の声、制止が入れば、とりあえずその動きを止める
止めるが……今度はその声の主……刀にゆっくりと腕を伸ばそうとするだろうか

邪魔されたことが気に入らないのか、今度は刀を試したいのか
それはわからない)

一目恋 > 鎧の腕を避けるように後ずさる、歩くたびに激痛が帯刀の体に走っているが、表情は一切歪んでいない。

「貴方、規格外の膂力を持ちながらも歩行時には地面を砕いてないあたり、力の制限は出来ると見受けられますが__
 ならば何故、触れるもの全て吹き飛ばすのでしょうか。
 貴方の動きは、主を試しているように見えます」

淡々と事実と推測を確認するように、鎧へと自分の考えを語る。
語りながら無詠唱で使える回復魔術を掛けているので、肉体は数秒間なら十分に動かせる程度に回復した。
肉体の魔術適性が高いおかげでなんとか持ち直せた、鎧の反応次第では直ぐに逃走するつもりだ。

鎧の悪魔 > ……。

(応えるかのように、地面に拳を置く

轟音とともに拳のところから同心円上に大きくひび割れ、陥没し、建物にヒビが入り大地が震撼する
周辺一帯が揺れ、震源地として記録されるだろう

明らかに先ほどの触れただけのそれと違い、完全に徹している

つまりはどう見ても、先程までのはセーブしていたのだというのがわかる
どう考えても威力の桁が違う

この腕力は何かが大幅にズレている)

一目恋 > 鎧が腕を動かした瞬間、素早く鎧から距離を取る。
地面に拳を置いたと思いきや、轟音と共に地面が揺れた。

「……それが貴方の本質ですか、恐ろしいものです」

その場にしゃがみ、地震が止むまで待つ。
これが鎧の実力、先程までの衝撃は本当にセーブしきっていたものらしい。

建物にヒビが入ったが、全壊した建物は見当たらない、一応日本領らしく地震に強いらしい。
しかしアスファルトが割れて走りにくくなった、面倒だ。

「さて__貴方の実力を測れたことですし、私は逃げます」

そう言い、軽く鎧へと会釈すると、踵を返し路地裏を駆ける。
地面はかなり走りにくいが、パルクールの要領でアクロバットに鎧から逃げようとする。
あの図体では小回りは効かないだろうし、どこか狭い場所になんとか逃げ込みたい。

鎧の悪魔 > ……。

(逃げた
……逃げたなら、追う

追う、と言っても早くない
ただただ歩いていく

……ただし、完全な直線距離だ
喘ぎるものはすべて、粉砕する
それも殴るのではない、触れたそばかくだいて、だ)

一目恋 > 背後から鎧の足音が聞こえる、どうやら追ってきているようだ。
直線的に進んでいるらしく、何かが粉砕される音が聞こえてくる。
足こそ遅いが、このまま走っていたらいつか限界を迎えそうだ。

「それなら__」

廃ビルの壁面を走るパイプに足をかけ、そのまま身軽に壁を登っていく。
身体強化も併用して素早くビルを登りきり、そのまま屋上を駆け別の建物の上にに飛び移ろうとする。
相手の足が遅いので、とにかく相手の視界から抜けて思いっきり距離を取るつもりだ。

鎧の悪魔 > …………。
(壁を登る様子を見れば、建物を「粉砕」する
先ほどの地面と同じように、建物が揺れる

振動が走り、ヒビが通り、壁が、折れる

まるでヒビに追いつかれでもすれば、自身にもそれが通るのではないかという
それくらいの恐怖があるかもしれない

その建物の芯を砕き、ビルが、曲がる

腕力でこんなことがあっていいのか、というレベルである)

一目恋 > 「っと……!」

足場を揺らされ砕かれたものの、なんとか別の建物に飛び移れた。
後ろは見ていないが__ビルがどうなったかは予想出来る。

さすがに騒ぎ過ぎたらしく、スラムの住人が数十人程度、遠巻きにこちらを見ている。
騒音公害だのなんだのと罵声を飛ばす者もいた、叫ぶだけで近寄ってこないが。

「はぁッ__加速!」

軽く力むと、腕の包帯が緩む__体質の封印が解け、周囲の魔力を急速に吸っていく。
満ちていく魔力をフルに稼働させ、ひたすら強化された敏捷性のままに、屋上から屋上へと素早く跳んでいく。

鎧の悪魔 > (先程まで登っていた建物が崩れ堕ちる
土煙が舞い、瓦礫が弾け粉砕される
騒音、というよりむしろ、災害である

だが、それでも間に合わないと知れば……追うのを諦める

速度的に間に合わないからだ

……ただ、見上げ、その行く末を見るのみである)

一目恋 > 鎧は建物を壊してこない、こちらを追うことを諦めたのだろうか。
そのまま街を駆け抜け、人気のないビルの屋上で足を止める。

「……っはー……っはー」

肩を揺らしながら座りこむ、なんとか鎧から逃げ切れた。
ふと空を見上げると、日が昇ってきている、いつの間にか朝になっていたらしい。
帰ってきたら寮の管理人に怒られそうだ、そう主を案じながら空を見上げていた。

ご案内:「スラム」から一目恋さんが去りました。
鎧の悪魔 > …………

(建物を壊す、と言っても限度がある
街を壊す事になりかねないし、なにより時間がかかる

速度差がハッキリ出てしまえば、それ以上は追うのを諦めた

建物が崩れ、瓦礫の山に囲まれながら、鎧はずっとその先を眺めていた)

ご案内:「スラム」から鎧の悪魔さんが去りました。
ご案内:「スラム」に鎧の悪魔さんが現れました。
鎧の悪魔 > ……。

(昨日、自身で崩した廃ビルの瓦礫のところで佇んでいる
建物を倒壊させたあとは移動をせず、そのままずっとその位置から動いていない

だが、これだけのことをしてしまった以上、いろいろと利用しようとするものが出るかもしれないし
もしくは排除の動きなども出るかもしれない

それは、分からない)

鎧の悪魔 > (わかっているのは、鎧の腕に触れられたら吹き飛ぶこと
昨日の地震はこの鎧が起こしたこと
廃ビルを廃ビル跡地にしたのは鎧がやったこと

これだけでも十分すぎるほど危険である
そもそも話が通じるのかどうかもよくわかっていない

ただ、現在はとりあえず、どこか移動する気はないようである
もしかしたら誰かを待っているのかもしれないし、そうでないのかもしれない
特に理由はないのかもしれない

なんにしても、落第街でこれだけのことをして何もおこらない、ということもないだろう)

ご案内:「スラム」に平岡ユキヱさんが現れました。
鎧の悪魔 > (ただし……容易に近づけない、というのもまた真実だった

一言で言うなら、度を超えているからだ

ビルと殴りあうものがいないように、通常、取り締まりにしろ縄張りにしろ人間を基本とする
攻城兵器や建設機械を想定して人間は殴りあわない

……鎧の前に立つ以上、巨大な鉄球で殴られる覚悟をしないといけないというのがその理由である
そこさえどうにかなる、もしくはそれでも構わないと思えるものであれば
その事自体は問題にならないだろう)

平岡ユキヱ > 闇夜の上空にぬらりと現れる垂直離着陸機…風紀用・VTOLから
一つの赤い影がロープなしで飛び降りてくる。
たなびく青い閃光。花火? いや違う。フレア? それも違う。

鎧の悪魔から数十メートル離れた地点、上空からパラシュートも命綱もなしで爆音を立てて着地してきた風紀の赤服。

「風紀特別攻撃課である…。お前には器物破損、および
 島内住人に対する殺人未遂の容疑がかかっている。神妙に縄につけい!」
毛先からは青い焔、風紀の一人、平岡ユキヱがあらわれた!

鎧の悪魔 > (ただ、これだけ損壊がありながら、死者は出ていない、というのもまた事実だった
明らかに鎧は大規模破壊、及び接触した者達のけが人を出しているが、死者はいない
というのもまた不思議なものだった
ビルの倒壊にしても、周りの建物には被害があまり及んでいないのだ)

……。

(上空から降って来た物に顔を向ければ、ゆっくりと向き直る
特にどうするでもない
今までどおりと同じであり、特に変わりはない
向き直っただけだ

従う様子もなければ戦う様子もない
何かしてくるのであれば、その腕で触れるだろう
もっとも、触れられただけで発勁のような衝撃が襲うのだが)

平岡ユキヱ > 「ってコラ…話聞いてんの、アンタ?」
どうにも反応が薄い。こてん、と勢いをそがれたのか、
急に冷静になると、つかつかと鎧の悪魔に歩み寄った。

『何をしている平岡!』とインカム越しに同期の声が聞こえるが、煩そうに耳につけた機械を離す。
「うっさい! ただの異邦人かもしれないでしょ!」
まったくー。と通信を一方的に切ると、自分の倍はあるそうな大鎧を見上げて声をかける。

「おーい、あんた日本語わかるー? てか喋れる系?
 ハッピーうれピーよろピくねー?」
謎コミュニケーション開始。見た目ふざけているように見えるが、
混乱している異邦人の可能性含めての一応、真剣な対応だった。

鎧の悪魔 > ……

(鎧は何も語らず、代わりに腕を伸ばしてくる
殺気も攻撃らしくもない
ただ腕を伸ばすだけの行為

もちろん、かわすのも容易だ
触れられればただでは済まないが、その衝撃に耐えられるなら、踏みとどまることも出来るだろう)

平岡ユキヱ > 「駄目だよこりゃ…。
 沈黙? 魔女のばーさんかコラー!」
肩をすくめたのち、オラーと額をぐりぐりしてやろうと手を伸ばして。

相手から手を伸ばしてきた。
「んー何……。ッ!!!?」
やっぱ言葉わかんじゃん、と言いかけたところで、後方に吹き飛ばされそうになる。

「~~~~~~ッッ!!!」
歯を食いしばり、足腰に力を籠め、数m大地に焦げ跡を残す形で踏みとどまった。
噛んだのと、衝撃で口と鼻からそれぞれ血が出る。
あり得ざる剛腕の怪異、幻想変換炉に、火が入る。だが。

「…言葉が通じるものとして、警告する。
 お前の力はあまりにこの世界では強力。敵対の意志がないのでればその場にて鎮座しろ。
 でなければ…」
侵略行為とみなす。重心が落ちる。毛先の青い光が、一層強くなった。

ご案内:「スラム」に浜崎MBさんが現れました。
鎧の悪魔 > ……

(一瞬の間が出来る
どうも言葉そのものは通じているようにも見える

だが、その場に座る、という選択はしなかった
代わりに、一歩前に出た

だがそれでも敵意、という感じではない
あえて言うなら……独特の信念のようなそうでないようなもの

おそらくは、何か信念があるわけではないだろうが
なにか強いこだわりのようなものらしかった)

浜崎MB > 「オイ、着いたぜ…だがよ、2つ居るな…おかしいだろ、情報は正確につったろ
 ふざけた報告を寄越すなってんだよ、エェ?」

カツ、カツ、と安全靴の金属が床を擦る足音が聞こえる
時折ジャリ…と瓦礫となった石を踏みしめる
ここは静かで、少し前は昼寝するには中々良い場所だった
こういう静かな場所程、突然吹ッ飛ばしても誰も気にしないと思ってる奴が居る
だから、暴力に晒される、この町には安全地帯なんてものはないと言う事実を認識させられる光景だ

違法に電波を中継するように改造されたスマートフォンを耳に当てて気ダルそうにやってくる男が一人
この世で最も争いを解決してきた手法、トラブルが起きればトラブルを消すのも、また暴力だ
件の解体屋を見つけて、償わせる、自分の今日のお仕事はそれだけ
だが、この場所には反応が二つある、ジロジロと散歩するように領域に寄ってきては、また電話に声をかけた

「動く糞オブジェと、キンキンうるせえメスだ、どっちだ?どっちも潰すか?」
ジジ……と空気が震えるようなスパーク音が響くと、手のひらに球状の燐光が現れる
気だるそうに、また電話に尋ねながら、両者を眺めていた

平岡ユキヱ > 「…?」
一瞬の間、見逃すわけもない。絶好の攻撃の機会でもあるからだ。
よもや相手は、と思う。しかし巨人は、止まるでなく、退くでなく。進んできた。

 ―ならば。

「…了解。その行為、宣戦布告と判断する」
言って分からぬ者は叩いて『躾ける』に限る。その辺りの判断は、平岡ユキヱは徹底していた。
ニヤリと笑ってこぶしを握り、ファイティングポーズ。
ちらと浜崎MBの方を見たか。しかし行動に出ないのであれば気にも留めぬといった風情で。

『何故、決戦兵器を抜かぬ! 平岡!』
とインカム越しに上空から監視を続ける風紀たちの怒号が飛ぶが、涼しい顔をして笑う。

「丸腰の相手に武器を使っては過剰防衛! …素手にて仕る!!」
このバカー!! と悲鳴にも似た風紀の同僚たちの叫び声が無線に響く。
一方、罵倒されるほど気合の入ったバカは腰を落とし、飛び出す。

「『真正面』から…右ストレートでぶちのめす!!」
バッ、と大地にベイパーコーンを発生させると、そのまま振りかぶって稲妻のような勢いで右拳を鎧の悪魔に放った。

鎧の悪魔 > ……!

(こともあろうに、殴りかかってきた
そう、殴りかかってきたのだ

となれば、応えない訳にはいかない
だからその拳に合わせるように、拳を受ける……が

それでも、この異常な膂力は、受けるだけではすまないだろう

外野は特に気にするでもない)