2015/10/07 のログ
■浜崎MB > 「ああ、おっぱじめてやがる…相変わらず腕章着けた奴ってのは
この街を射爆場か何かと勘違いしてるみてェだな…」
盛大に殴り合いを始めた二人を見つめ、ふー…と鼻を鳴らした
週に二度も同じ場所でドンドコドンドコ打ち合いをされると
住民としては溜まった物ではない
現金な二級学生共を引っ張るのは、力であり、知恵であり、面子である
腕章を着けた公安や風紀に好きにさせれば、たちまちこの未成年集団は瓦解する
当然、自分達の上にもよくない組織暴力の顧問がついている、毎月の上納金ノルマはギリギリだ
だから、面子にかけて介入しなければいけない
己がしなければいけない事はそれだ、確認するように胸の内で呟いて気合を入れると
掌に留まったスパークを、戦闘を始めた二人へと投げつける
「テメェ等ァ…オォイ…好きに暴れてるじゃねェか!あァ!?
毎夜毎夜うるっせえんだよ!時給請求すっぞコラァ!」
二人の近く、およそ2メートルまで弾丸のように放り投げられた球状のエネルギー球体が
怒鳴り声と共に弾け、原子エネルギーの槍となって拡散した
所謂ビームの雨だ、横合いから叩きつけるように二人へと放たれる
■平岡ユキヱ > 「オラァァァァッッッ!!」
拳を思い切り振りぬく。相手は堅い…どころではないが、だから何だと思い切り動く。
「…手が痺れたな!」
骨折である。右の拳から血が滴った。
されど行動を起こした以上は完遂する。不退転の決意。
頭のリボンを外し、右手に応急もいいところのテーピングを施す。これで拳が作れる。仔細なし。
「おい、『鎧の』! 次はお前の兜を…。…!!」
別方向からの殺気、咄嗟に、腰につけていた刃体加速装置を抜く。
―カチカチカチカチッ
マナーモード。黒い刃でもって青い残像を描くと、浜崎からの自分に飛んできたエネルギー体を切断し、
二者から間合いを取る。仕切り直し。
「夜にご無礼! 島民みなさんの安全の為、ご協力くださーい!」
ちと状況、悪くなってきたか。怜悧に思考しつつも、許してヒヤシンスとか浜崎にウィンクしている。
■鎧の悪魔 > ……。
(ユキヱと拳を合わせる
……彼女が乗ってくれると知れば、どうも受けるつもりらしい
鎧はわざわざその準備を待っているようだった……だが)
……!
(腕を振り、浜崎の放ったエネルギーを……防ぐでも避けるでもなく、なんと腕力で「削る」
力技にも程がある
そのやり取りを邪魔された……乱入者にはあまり良く思っていないようだ)
■浜崎MB > (イラッ…)
少女から飛んできたあどけないウインクと、少し昭和時代のノリを髣髴とさせる愛嬌のある声は
普通の青年であれば少しのときめきと苦笑に変わったかもしれないが
自分はと言えば謎の苛立ちが脳裏によぎるだけだった
「俺達は上手くやってきた、危険は何時だって外から来るんだ、テメェ等ふざけやがって
ブッ殺してやる!あああああアアアアア!イラついて着やがったぜ!」
自身が放った光線を受けても平然としている二人を見て、更にボルテージが上がっていく
どうする、もう殺すしかないんじゃないか?後の事は後で考えよう
この土地はもう駄目だ、権利書は誰が持っていたか、そんなのももう忘れた、きっと揉み消されるだろう
カッ、と見開くと、灰色から変色した金色の目が光る
「アアアアアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAARHHHGG!!!!
ふざけやがって!何時も!俺を!ナメんじゃねえ!俺は…」
飛んだ、目に宿った金色の光が尾を引くように軌道を描く
まずはそこの腕章だ、俺はとにかく腕章が気に入らない、きっと理由なんかないんだろう
地面へと拳を打ちつければ、ドゴォ…と低い音が響く
奔流するエネルギーに従い地面が隆起し、ユキヱの周囲を棘のように鋭利に捲れあがったコンクリートが炸裂するだろう
■鎧の悪魔 > (浜崎が地面を打ち付ければ同じように地面に拳を「置く」
鎧を中心に、昨日のように同心円状にひび割れ、振動が広がり、地響きではなく地震が起きる
……相殺、というよりむしろ上書きだ
浜崎のエネルギーをかき消すほどの膨大な力
ユキヱを守った、といえるのかもしれない)
■平岡ユキヱ > 「…」
バリッ…と青い焔が雷の勢いに変化し、出力が上がる。
浜崎の異能に反応したのもある。だがそれ以上に…。
攻撃を確認、当方に迎撃の用意あり。
「『誰だ』と言うんだ…? 言ってみろぉぉぉぉッッ!!!」
大地をめぐるハチャメチャな攻防の中、一直線にかける。
「風紀の文句は私に言えぇッ!!」
今再びの右ストレート。浜崎の顔面目がけ、一直線に閃光のような拳が迸る!
■浜崎MB > 「あァ?」
白煙を纏う右拳を引き抜き、ナックルパートを摩りながら金色の目をそちらへ向ける
鎧のようなものを着た何かへと
「ンだテメェ…いきなり懇ろになりやがって、気に入らねえな…
マズくなりゃお互い手を取り合うってか?実に平和なオツムで何よりじゃねえか
こんな場所でポンコロポンコロうるせえ奴の行動かよ、ハン、何とか言ったらどうだ?アッ?」
争いの最中に日和られる事ほど頭に来る事はない、捲くし立てる様に鎧に向かって怒声を浴びせた
コイツの目的は何だ?何故何も言わない?機械の類か?不気味さより不条理さが自分の胸を波立たせる
「あッぶねえ、な!」
瞬間、僅かに右を見ると、もう既に女はそこに居た
圧倒的な早さだ、鎧に言葉を投げかけてからのコンマ数秒、間合いは既に詰められていた
周囲を漂う球状コロイド光が割り言ってその掌を受け止めると、バフッ…と気の抜けるような相殺音が響き威力を殺ぐが
ユキヱの拳は止まらず、自身の頬を切った、顎に掠ったのかもしれない、脳が僅かに揺れる感覚
「舐めんじゃねえ…俺は…マイクボマーだ!俺はッ!」
カウンター気味に右ショートアッパーを放つ、その顎めがけ、打ち上げるように、光を纏って熱量を伴った一撃だ
■鎧の悪魔 > ……。
(別に守る守らないはどうでもいい
鎧は単に、せっかくの機会を奪われたくなかっただけだ
この女は応えてくれそうだ
それにこの遠距離攻撃、どうせこいつは応えてはくれまい
つまり、いらない、邪魔
鎧が下した判断はそれだけだった
邪魔なら、どけるだけだ
浜崎に向き直ると、何かするわけでも語るわけでもないが一歩、踏み出した)
■平岡ユキヱ > 「ぐっえっ…!!?」
がぐん、と視界の天地が反転する。合わせるか、この速度。合わせるか、このタイミング。
膝に来た、仰向けに崩れかかる、なにくそとふんばる。焦げた顎のまま、むしろ笑おう。
「合わせるかぁぁ、マイクボマー!」
相手がやっと遠慮なく顔面を攻撃してきたのだ。まったくこれで『対等』というわけである。
歓迎すべきことだ。
一足一撃の間合いのまま、傷だらけの乙女にあるまじき顔で笑う。
「風紀委員、平岡ユキヱさんだ。覚えておきなッ!!」
右拳使用不能、まだ部位はある。思い切り勢いをつけ、額をぶつけにかかる。
頭突きである。但し異能で強化された。
■浜崎MB > 「俺はッ!マイクボマーだ!死ねッ!」
金色の瞳が明滅する、己の名前を何度も叫ぶのは、記憶が混濁してきている証だ
能力を開放する度に、表層意識に沈んだ人格が蘇る
霊帝アドラメレクの人格が
鎧から来る視線、蔑むような意識を感じる、敵意が、頬の痛みが、自分を非難する
ボルテージが最高潮に達した
「あ…ああああアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAARHHHHHHG!!!!!!」
咆哮するように口を開くと、崩壊した原子がプラズマとなって溜め込まれていた
それが砲弾のように鎧の生き物へと射出される、軽自動車程度なら縦に貫通する程度の威力。
「我ハ……あ…AAAAAAAAAAGH!」
違う、獲物を奪うとかお楽しみを邪魔するとか、そんなつもりは無かった
俺はただ…
自分の思考がモノローグのように流れる
電磁波形のフィールドとなったエネルギーの塊が、バリアーとなって勝手に己の身を守る
だがユキヱの頭突きを止めるには至らない
ビキ…と、ガラスで出来ている訳ではないのにも関わらず、その力は霧散した
突き出していた右肩にその額が直撃する、骨が外れる音がした
「ぐッ……クソが…何だよ、畜生!仲良くやりやがって…ブッ殺…す…」
その襟首を掴むように左手を伸ばす
ちょっと小突かれればすぐ死にそうになる
自分の力なんてこんなモノだ、だけど、イラつく、反抗せずにはいられない
■鎧の悪魔 > ………………。
(……邪魔した、邪魔した、邪魔した
鎧にとって、この光線も何もかも、浜崎は邪魔でしか無い
正直、邪魔でしか無いのだ
別に割って入るのもいい、阻害するのもいい、相手してもいい
だが、機会の邪魔はない
援護でもない意思表明、ならば邪魔だ
だから、その光線をあろうことか「握りつぶす」
どう考えても腕力でやる所業ではないが、鎧にはむしろこれくらいのほうが普通である
鎧は今まで、触れることと押すことしかしていないのだから
……要は、怒っているのだ
加減の有無は、知った事か
腕を「振りかぶる」
当たったら雲散霧消は免れないだろうし、かすらなくても吹き飛ぶであろう、巨大台風のような一撃だ
もっとも、速度自体はごくごく普通である、むしろ遅い
……避けるだけなら問題はないだろう、たぶん)
■平岡ユキヱ > 「…これは!?」
浜崎の口からプラズマが放射されるのを横目に、目を細める。
「…っ!」
あの光を見てどこか納得する。
自分と、どこか似ている異能。しかし『似て非なる』ではあるだろうが。
「ばっ…やめろマイクボマー! それ以上、異能を使うな! あんた…」
死ぬぞ!! と直感、いや。似ている力を持った相手が故に、
実体験による予感からそう叫ぶ。
襟首を掴まれたが、それをほどきはしなかった。
ただ、空いていた左手を、強く諭す中、包み込むように添えようと。
「うぬっ…!?」
ナムサン。そう呟くと、かの鎧から浜崎MBを引き離すように跳んだ。
彼を掴む右手の感覚がないせいか、果たして上手くいったかわからない。
ただ、巨人による竜巻ような一撃があたり一面をなぎ倒し、粉塵を上げる様を眺め。
■浜崎MB > 「俺をッ!見下ろしてんじゃ…ねえッ!」
鎧から明らかな敵意を感じる
感情があったのか?質問をしたって帰ってはこないだろう
「何もせずボーッとしてて…何かを得られると思うんじゃねえよ
奪うのはオレだ!ふざけやがって!俺はッ!マイクボマーだッ!」
激昂しながら叫ぶ、人は他人を理解する事は出来ない
この鎧の気持ちなんて完全に理解する事は、誰にもできないだろう
だが、感情をぶつければ、激しい感情で返す、それが人間性というものだ
少なくとも、この鎧は『人間』であるように感じる
機械でもない、モンスターでもない、明確な人の意思を。
「うるせえ…幾ら能力に弄ばれようが…この怒りは俺だけのモンだ!」
「離ッ!」
後ろからかかるユキヱの声にそう返す、まだ俺に挑もうとしてる、俺を殺そうとしている奴がいる
だったら五体が千切れるまで返事をしてやる
握った拳に何かが触れる感触がした、怒りに任せて突き動かされていた体が、不意にそちらへと誘導される
眼下では先程よりもより酷く崩壊した現場が濛々たる砂煙を上げている、あそこに留まって、果たして自分は生存できただろうか
「ン…だよ!何で止めた!あァ!?」
理由は判っている、だがそれでも、フラストレーションの矛先が判らず
己を助けたようにも見えるその行為の理由を求めるように、振り返りユキヱを睨んだ
■鎧の悪魔 > ……………………。
(拳はそのまま辺りの瓦礫どころか地面が削れ吹き飛ぶような竜巻となるが、進行方向10mほどにいなければ被害はない
アレほどの拳でむしろその範囲に収まるほうが信じがたいところではあるが
ただ、ユキヱがかばったのを見れば、一応、それ以上の追撃はしない
どうも、待っているようである
浜崎の思いを文字通り腕力で握りつぶし薙ぎ払ったが、浜崎そのものに恨みがあるわけでもない
己に応えてくれようとしたユキヱがかばうのなら、そうなのだろう
である以上は、待つ)
■平岡ユキヱ > 「人が死ぬと判断したからだ!」
助けた理由にそれ以上はない!
とキッパリ、まっすぐな瞳で浜崎に言い切る。
血まみれ&傷だらけであったが、いやに清々しい眼差しをしていた。
「んにゃろー…回収班! 頼む!!」
もはやここまでか、VTOLに『援護射撃はするな』と言明し、回収を呼ぶ。
垂れたロープに先に捉まると、空いたボロボロの手で、浜崎に手を差し出す。
「来い! 学園にとは言わん! ちょっと離れた所まで送ってあげるわ!」
バラバラとヘリの爆音が響く中、鎧の巨人には。
「…あんまり人とか物を壊しちゃだめよ! 今度はもっと、あんたに合いそうな頑丈そうな奴連れてくるから!」
飴ちゃんあげるからおとなしくしていなさい、的なノリで待っていた巨人には、
そう申し訳なさ半分、お叱り半分に叫んだ。
■鎧の悪魔 > ……。
(鎧はその声に応えたのか応えなかったのか
それは分からない
ただ、だからといって追撃をする様子もなければ、その場から離れる様子を止めるわけでもなかった
もっとも、その鎧はもう、浜崎を見ていない
つまり「終わったこと」にされたのだ
それが浜崎にどう捉えられるかは、分からない)
■浜崎MB > 「くたばるのに許可が要るのかよ…」
その声に食われ気味に、それは悪態にも似た窄まるような声で反論する
こういう目を直視するのは苦手だ、煩わしくなる
鎧と、ユキヱを交互に見る、アッチは既に動きが止まってしまったようだ
殴り合いがこの世に生れ落ちた自身を見出す糧だと言うテンプレートなサイコは玉に見かける
コイツもその類だったのだろうか、なら俺はなんだ、それを邪魔した間男か?
どうしたものか……バンダナをガシガシと掻く
「あーあー…テメェ!好き勝手に何でもブッ壊せると思うんじゃねえぞ!次は殺す!」
鎧に向かって指差してから首をカッ切る仕草をしてみせる
自分にはまるで興味が無いというその態度、気に入らない
だが今は…その時じゃない、ありったけの捨て台詞を吐いて、後ろから伸びる手を掴んだ
「タクシー代わりに使ってやるが…お前も次町で勝手してやがったら殺すからな!」
輸送機のホバリング音にかき消され気味に、そうユキヱに怒鳴りながらも
出せ、とでも言うようにクイ、と顎をしゃくった
■平岡ユキヱ > 「失敬ね! ユキヱさんは治安維持と
面白おかしく生きることしかしないっつーの!?」
いったいこの何処が好き勝手というのだ! と超ワガママな事をいいながら、
がははと笑いつつ空に消えていっただろう。
ご案内:「スラム」から平岡ユキヱさんが去りました。
ご案内:「スラム」から浜崎MBさんが去りました。
■鎧の悪魔 > ……。
(……正直、あの浜崎の言葉はいちいち癇に障る
もしかするとどこか根本的に似たところを抱えているのかもしれないが、それは鎧にはわからない
わからない以上、癇に障ることしかわからない
もっとも、己に応えてくれない相手であればどうでもいい
もともとそれ以外に望みなどない
……あの女は触れさせてくれた
それで十分だった
だから、一応
その言葉を信じたわけではないが、ずっと待った
誰か別のものでも誰でもいい
別に歩かなくても良いのなら、誰だろうと待ってもいい
もっと、触りたかった)
ご案内:「スラム」から鎧の悪魔さんが去りました。