2016/02/09 のログ
”望月満月” > 「いいお店、知ってるのかしら?」

考え事の間に相槌程度の意識で会話を挟む。

待ち合わせでなく、そして外で座っていた。
通り名があり、腕には自信がありそうで2ヶ月程。
ここから導き出せる推論はあるが…

「そう言う事ね。
行動範囲が被っていたら出来ていたと思うわ。
何をしにきたと問われると、実験、かしらね。
これ以上は同じ質問を聞き返す事になるわ」

レンファ > 「悪い店なら腐るほど、比較的マシな店なら多少、って感じ」
淡々と返す
こんな場所でも良い店があったりするのだろうか
いや、そうそうないからこその言葉であるのかもしれないが

「…実験?」
落第街で何を実験するというのか
見たところ大掛かりな実験装置を持ち歩いているわけでもなさそうだ
…とりあえず腹に一物もった少女であるということはよくわかる

「おなじ質問、か。まぁそうだろうな。
 何、私の場合は至って単純だよ。殺しの仕事を探しにきた。
 いつもならこの辺に客になりそうな奴らが屯するんだけど、
 今日はちょっと時間が遅かったみたいだな」
特に隠すでもなく、そう告げる
それは、この少女ももしかしたら客になれる存在かもしれなかったからだが…

”望月満月” > 「マシな店には興味はあるわ」

多少は落ち着ける場所が増えるのは良い事だ。
特にこの界隈においては、だから少し声に力が籠る。

「……お高いのかしら、それ?
いつもお客がいる分には色々困ってはなさそうだけど。
…一応聞くけれど何処かの勢力についてるのかしら?」

殺し屋だった。
実験の内容がどうとか言う前にそちらに意識が持っていかれる。

確かめないといけない事は一つ。
どこかの勢力に敵対や味方をすると彼女に狙われるかどうか。

目にも力が思わず籠る。
緊張を隠せない、素人に近い反応を示した。

レンファ > 「そうか、機会があれば教えてあげるよ」
どうやらそれほど頻繁に出入り、もしくは拠点として動いているわけではなさそうだ、と分析する
となれば、実験とやらのためにこの街の外から足を運んでいるのだろう

「完遂率の高さが売りだからね。どんなターゲットでもそれなりには貰ってるよ。
 ……あぁ、此処には派閥も組織もそれなりにあるみたいだけど、私はフリーだから安心してもらって良い。
 君を殺したいヤツが現れない限りは殺さないよ」

少女の反応を目敏く察知したのか、
さらりとそんなことを口にして、口元に僅かな笑みを浮かべる

”望月満月” > 「そうね、その時都合がよければ一食奢るわ」
そういうお店で休めれば、助かる。
一食位安い物だと思ったし、フリーなら何かの時の為に一手繋ぐ機会を持っておくのは悪くない。

「……それはまた、儲けとしては羨ましいわ。
安心はある程度はしたけれど…そうね、ターゲットと依頼人に関わらない情報を買う事は出来るかしら?」

軽く白い吐息を漏らし、緊張を少し弱める。
彼女の反応を見て、嘘ではないと判断した。
そして、ほのかに笑って、本業ではない事を一つ持ちかける。

レンファ > 奢り、という言葉に一瞬ピクッと反応する
が、気取られないようにすぐに元の雰囲気を取り戻す

「………」
実際には落第街と言えどそれほど依頼が多くはない
殺そうと思ったら自分で殺してしまおういう者も多いのである
……だからこそ高額報酬が罷り通るのだが

「情報を…?」
この仕事に身を窶していれば嫌でも周辺の情報には耳聡くなるものだ
所謂情報屋などとは比べるべくもないのだが…

「構いはしないけど、本業でない以上信頼性は保証はできない」

”望月満月” > 一瞬の反応に気付ける程、雰囲気を読み取れる事はなく。

しばらく空いた沈黙の間に、思考を幾つか進める。

「ええ。情報を。
生憎私には本業の情報屋のつてはなくてね。」

自分の弱点にもなりうる部分をあっさり明かし、肩を竦め。

「ええ、それでも構わないわ。
…この界隈で、後ろ盾のなさそうなサイボーグ、或いはアンドロイドの情報はないかしら?」

そして、欲しい情報を、問いかける。
目の前にいる可能性を忘れて。

レンファ > 「……?」
妙なことを聞く、と。そう思った
先程言っていた実験とやらに何かしら関連があるのだろうか

「この辺りで見かけるアンドロイドの多くはスリーパーと呼ばれる…。
 組織ぐるみで動いている連中くらいだろうな。
 中には無関係な者もいるだろうが、正直に言って判別は困難だ」

あの集団もまた謎が多い
徒党を組んでいたり、各機個別かつ自由に活動していたりとバラバラなのだ
そして…

「人工物を体に内蔵した人間をサイボーグと呼ぶなら、私もその例には漏れないがな」

キュイ、と小さな機会音と共に左目に緑色の光が灯る
実際には内蔵どころではなく骨格含め前身の9割が機械化されているのだが、
あえてそれは伝えず、その真意を探る

”望月満月” > 「スリーパーねぇ。判別が難しいのは仕方ないわ。
アンドロイドの多くは、って話の方にこそ驚くのだけど。」

淡々と言っている風に見せて、この辺で見かけるアンドロイド多かったのか、とうっすらと遠い目をした。
しかも組織ぐるみって何が目的で動いているのやら。
誤って手を出せば危ない所だったかも知れない。

「身体の一部を機械により制御された、がつくかしら……ぁ?」

目の前にいたらしい。
またしても固まる事になった。

実験しようと思っていたと言えば危険な気がする。
角の立ちづらい言い回しを考えながら、左目の緑色の光を注視して。

「……私は理論上ではある種のメンテナンスが可能な筈でね。
けれど私自身に実績と後ろ盾がないのよ。
だから、実験と言ったのだけど。
……他にメンテナンスのあてはあるかしら?」

嘘ではない。
自分の魔術によってある種のメンテナンス……プログラムメンテナンスを行う事は可能な筈である。
但し試した事はない。
寒いおかげで冷や汗も出ない。

レンファ > 「多くと言っても、実動が確認できているのは数名ってところだな」
誇張でもなんでもなく、そう言葉を返して

「…成程、実績もそれを証明するバックボーンもなし、
 では信頼のおけるメンテナンスを行うのは難しいな。
 ……私はココの一部だけは人間のままでね」

コツコツ、と自分の側頭部を指で叩く

「私はメンテナンスフリーで半永久的に活動できる、らしいが、そうだな…」

腕を組み、考える
此処に来てから何度か激しい戦闘を経験している
ストレステスト以上の負荷がかかっていないとは言い難い

「島内の研究区にはメンテナンスの施設があるそうだが、生憎私にはツテがない。
 そういう意味でなら歓迎したいところだが、実験材料として自身を捧げるのは流石に抵抗があるな」

”望月満月” > 「それだと、実際に出会っていても解らなくても無理はなさそうね
私自身見落としていると思うわ」

多分。最後に声にならない小ささで口を動かして。

「そう言う事。
能力があっても、最初の一人がいなければ売り出す事も実績を重ねる事も出来ないのよ。
……かなりの部分、ね。」

予想以上に機械化がなされていたようだ。
脳の一部以外となれば、メンテナンスフリーとは言えど、不安はないとは言え無さそうだ。
興味は涌く。手に入れると言わないまでも、手を考える。

「私自身が証明する為には、一度見せる必要があると言っても、見せる為の材料がない。
……連絡先、用意するわ。
”もし、抵抗を超えて必要だと思ったら”か”実験材料が見つかったら”連絡して貰えるかしら?」

彼女は殺し屋だ。ならば何れ、自分自身の損耗か、仕事上で排除した実験材料が手に入ってもおかしくはない。
そう考えて提案する。

レンファ > 「だろうね。生徒として普通に学園に紛れ込んでいるヤツもいるようだし」

おそらく情報さえ集まればもっと多くが確認できるのだろう
が、話の焦点は今は既にそこにはない

さて、随分切実な状態であるのはわかる
言葉だけで全てを信用はできないし、相手もそれを理解している

ならばこそ、取引の提案なのだろう
下手な親切心なんかよりも余程信頼に足るものだ
ここで良い返事を返しても何もこちらに不都合はない

「…オッケーだ。こちらの連絡先は…‥ええと」

携帯を探す
普段滅多と使用しないのがバレバレだが、要約上着のポケットから取り出し、電話番号の表示された画面を見せる

「(重力通信なんて技術は流石に共有できんだろうからな…)」

連絡をとれないのが不便すぎると持たされたモノだが、役に立つ場面はやはり多いようである

”望月満月” > スリーパーに関しては、まだまだ気になる部分はあるが、今はそこは追及する流れではなく。

紡ぎだした取引の提案は、連絡先を悪用されなければ、こちらに十分な利がある。
経験を積む機会が得られる可能性が出るのは有り難い。

「そう、良かったわ。まだ連絡先が出来ていないから、出来たら連絡を…メールアドレスがあると有り難いけれど…」

画面に表示された電話番号を確認して……コートのポケットを探り、メモをとる。

携帯だと、自分の本名にたどり着かれない工夫が入用になるかも知れない。
こっち側で携帯、取得できるか新たな問題が生まれたものの、今はもう考えない事にした。

「ああ。さっきのだけじゃなく、マシな店、と言うのも機会があればお願いするわ。」

そう言って、携帯の画面か、後は月の位置で時間を確認する。

レンファ > 「連絡をとって落ち合うなら適当な店にするさ」
スラムで女二人が立ち話など本来ならばそれこそ危険極まりない

「メールアドレス……」
なんだかまだ操作に慣れていないような動作で、携帯を弄っている
やがて諦めたようにポケットに仕舞い込んで

「今度会う時までに聞いておこう」
サイボーグが携帯機器の扱いに不慣れというのは若干格好がつかないと思ったのか僅かに目を逸らしつつ

「…さて、もう直、深夜を活動時間にしてる連中が動き始めるな。
 不安なら歓楽街の入り口までなら送ろうか」

”望月満月” > 「……そう言えば最初の方に言ってたわね」

待ち合わせなら店を選ぶ、だった、と思い出す。

「仕事中に鳴らない事を祈るわ。
留守電の設定も聞けるなら聞いて置いた方がいいと思うわね。」

マナーモードとか、留守電設定とか大丈夫かしら、と不安になる手つきと発言に、ほんのり苦笑して。
一応、アドバイスっぽいものを伝えてみた。

「…そうね、ありがたく送って貰う事にするわ。」
変装を解く場所の問題はあれど、今夜はその方が良いと判断して、お誘いに乗らせて貰う。
雑談位はしながら、歓楽街へ。

後日連絡先を知らせる連絡までに時間が掛かったのは、もうちょっと後のお話。

ご案内:「スラム」から”望月満月”さんが去りました。
レンファ > 「(そうか、仕事中に鳴ることもあるのか)」
言われてはじめて気づいた
まぁ仕事には制服を着ていかないので今まで大丈夫だったが、
それはそれとして知らなかったのは問題である

「…ん、じゃあ行こう」

そう言って先を立つようにして、もうしばらくの時を歩みながら共に過ごしたのだった
暗視・サーモグラフィを駆使した接触回避能力は完璧といえるもので、
目的地につくまで一切のエンカウントはなかったという…

ご案内:「スラム」からレンファさんが去りました。