2016/07/10 のログ
ご案内:「スラム」に赤い髪の少女さんが現れました。
■赤い髪の少女 > 深夜のスラムを、静かに歩く気配。柔らかい靴底のスニーカーで静かに歩けば、靴音はほとんどない。
日頃の装備であれば並々ならぬ魔力や身に纏った防御術式が魔術的感受性の高いものを刺激するかもしれないが、今は防御術式の装備構成を変えることで外に漏れ出る気配を抑制している。
術式構成を「見る」能力のある者が実際に目の当たりにしない限り、この「少女」の異様さを判断することは難しいだろう。
■赤い髪の少女 > (「委員会」の仕事の優先順位上、こちらに足を運ぶことはほとんどありませんでしたけれど…随分粗末な街並みですこと。
こんなところに住んでまで、こんな場所に留まる理由などあるのかしら?)
静かに街並みを観察しながら、何か思惑があるかのように目を細める「少女」。
確かにこの島は、魔術師はもちろん異能者(バケモノ)や異邦人(ヨソモノ)その他、《大変容》によって変質した世界で存在が明らかになった人間にとっては後ろ指指されにくい場所ではあるだろう。
…しかし、それは同時にそういった存在が「捉えられ」やすい場所でもあるということだ。
魔術や異能などを用いた悪事が露見しやすく…また、それらの衝突で覇権を握りにくい場所でもある。
そんな場所で「アウトロー」であり続ける意義は、この「少女」には見出しづらかった。
■赤い髪の少女 > (しかし…アウトロー(ならずもの)共の住処が、こうまで広いとは…
あたくしが検挙した連中の住処も、この中のどこかにあったのでしょうね)
道の突き当たりの一つに行き当たったところで、改めてぐるりと街並みを見回す。
眠っているのか、貧しさ故に照明をケチっているのか、今こそならず者共の稼ぎ時だからか。
貧民街は、静かだ。
■赤い髪の少女 > (詰まるところ、ここはアウトロー(ならずもの)共の生活の場…つまり、主な「稼ぎ」の場ではなく。
したがって、「稼業」よりは「生活圏を冒さないこと」の方が重要…ということかしら?)
深夜とはいえ、落第街とはまるでちがう空気感に、落胆の色すら瞳に浮かべる「少女」。
(機が熟した折に、「表」からこちらに踏み込めば「表」と「裏」の対立を深めることが出来て楽しそうですけれど…
…残念ですが、今はまだその時ではありませんわね)
すぅっ、と、何かを考えるように目を細めた。
■赤い髪の少女 > (…今度は、「表」の顔で来ると致しましょう。
出来るだけ、大きな「土産」を抱えて)
「少女」は、口の端をきゅっと上げる不敵な笑い方を見せて。
それから、深夜のスラムから姿を消した。
ご案内:「スラム」から赤い髪の少女さんが去りました。