2016/08/27 のログ
ご案内:「スラム」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > この辺りを塒にしてどれだけ経過したのか…人の身になってからというもの、時間の感覚が少し麻痺している。
だから、今が何時なのかを合間合間に確認する癖が自然と付いていた。
「……あ~かったりぃ。…つか、まだ昼間か…さっさと夜になんねぇもんか」
右手に黒い太刀をぶら下げ、欠伸を噛み殺しながら周囲に倒れ伏している連中を見渡す。
ついで、とばかりに足元に転がっている男の頭を軽く蹴飛ばしておいた。
うめきを挙げる男は、どうやら命はあるようだ…と、いうよりただノされて気絶しているだけ。
「カツアゲすんなら相手を選べって話だが…チンピラどもにゃ無理な話か」
■櫛鉈 蛟 > 「…ま、そりゃそうと迷惑料は貰うぜ。恨むなら相手の実力見抜けないテメーを恨みな」
そう独り言を口にしつつ、気絶してる連中全員の懐を漁って財布を回収していく。
敢えて偽造学生証等には手を付けず、ただ金銭のみを抜き取って懐へと収め。
…で、さっさとその場を離れて別のスラムの一角に移動する。
まぁ、用心してるから無いだろうが、”元・同僚”達と顔を合わせると面倒だ。
「丁度煙草切らしそうだったし、後でダース単位で買い込んでおくとすっかね」
■櫛鉈 蛟 > そうして、スラムの別の一角。今にも崩れそうなバラック小屋の軒先で足を止めて。
懐から潰れ掛けた煙草の箱を取り出し、中身を1本抜き出して口に咥える。
次いで、使い込まれたジッポライターを取り出し点火。煙草の先端に火を点けていく。
「フ~~……この一服が堪んねぇわな…」
酒が過去の忌々しい記憶に苛まれて飲めない代わりに、こうして嗜好品が新たに出来た。
人間の身に堕ちて不便は増えたが、同時に利便さと新鮮さも味わえる。
(…ハッ、何だかんだ”人間”を楽しんでやがるよなぁ俺も…郷に入らば何とやら、だ)
■櫛鉈 蛟 > 「…けど、やっぱ昼間っつぅのはどうもかったりぃな…」
そういう所は結局、怪物の頃からあまり変わっては居ない所なのだと。
まぁ、こんなナリになったとはいえ、怪物がどう生まれ変わろうと本質に変わりは無く。
煙草を蒸かしながら、そこらのボロ家屋の方が幾分かマシそうなバラックの壁に背を預ける。
(…しっかし、前から思ってたがこういう場所を放置ってのは、何か思惑でもあんのかねぇ)
改めて、サングラス越しに赤い蛇眼で周囲を何とはなしに眺めて。
己みたいなのには好都合な隠れ蓑ではあるか。ドロップアウトした身には丁度良い。
■櫛鉈 蛟 > 「さて、夜までもう一眠りすっかなぁ…」
塒は幾つか予め確保してある。この辺りにも一応一つあった。
煙草を地面に落として足で踏み消し、欠伸を噛み殺しつつ歩き出す。
その背中を照らす日光、地面に映る男の影が、一瞬蛇のように見えたのは光の悪戯だったろうか――
ご案内:「スラム」から櫛鉈 蛟さんが去りました。